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怪しい宗教はお断りします
発見
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廊下の突き当たりには、両開きの大きな扉があった。開けようと思ったら、どうやら鍵がかかっているようだ。南京錠がついていて、これを外さないといけない。
「まいったなぁ……これ開けないと中に入れないや。いっそのこと、この扉吹っ飛ばせないかな?」
「なんでウタ兄そんなに破壊的な思考回路になってるの!? そうじゃなくて、もっといい方法あるだろ?」
「でも、鍵ないし」
「ウタ兄……おいらが誰か忘れたのか? おいらはポル・ポロン。元キルナンスの、元盗賊だ。盗賊っていうのは、盗人のことだ」
すると、ポロンくんは自分のアイテムボックスからなにか工具のようなものを取り出した。
「これくらいの鍵、パパっと開けてやるよ!」
そして、カチャカチャと音を鳴らしながらピンキングを始めた。
僕はそれを横から眺めて、手慣れすぎているその手つきを、じっと見つめていた。
「……なぁ、ウタ兄。あんまり見られると気になるんだけど」
「えっ?! あ、ご、ごめん!」
「別に、怒ってないけど……。んだよ。なんか言いたいことあるのか?」
「いや……やっぱり、元盗賊なんだなぁって思って」
今がどうとかそういうのとは関係なくて、昔は盗賊だったんだ。それも生まれたときから盗賊で、もしかしたら息をするように盗みをしていたのかもしれない。
――この旅で、もしも僕やアリアさんが先にいなくなったら――――
そんなことがふと頭をよぎって、不安になったのだ。その不安を読み取ったように、作業を続けながらポロンくんは笑う。
「そんなに心配しなくても大丈夫だい! おいらは元盗賊だし、キルナンスだけど、今はアリア姉とウタ兄の仲間だ! おいらはおいらの信じたことをする。そう決めたんだい!」
そして、僕に外れた南京錠を見せて、にこにこと嬉しそうに笑って見せた。
「っし、いこうぜ! ウタ兄!」
……そうだよね。僕が迷ってたらダメだ。ポロンくんのことは、ポロンくんが自分で決めるだろう。僕がどうこう言うことじゃない。
僕が思ってるほど、ポロンくんは弱くない。むしろ、弱いのは僕の方だから。
◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈
両開きの扉を開く。重たい扉は、ギィィィっと、軋んだ音をたてた。
中は、また広い空間になっている。さっきの部屋よりはいくらか狭いが、それでも教室よりはかなり広い。……視聴覚室、とか、それくらいだろうか?
そして、その部屋の壁にもたれるように何人もの女性が座り込んでいた。意識はなく、左手首と壁が鎖で繋がれている。
「フローラ、アリアさん…………」
「あっ、ウタ兄! あれ!」
ポロンくんが指差した先、それはその先にあるドアに最も近いであろう場所。ドアのすぐ左側に、アリアさんとフローラの姿が見えた。
僕らはすぐに駆け寄る。二人とも、意識はないが、怪我などはしていないようだ。
「お、おい! フローラ! 大丈夫か!?」
ポロンくんはフローラの肩を揺すり、声をかける。僕はアリアさんの右手を握り、声をかけた。
「アリアさん……アリアさんっ!」
「…………っ……?」
うっすらと目が開き、赤い瞳がどこかぼんやりとした様子で僕を見る。
「……ウタ…………? っ、ここは、どこだ……? なにが――っ!?」
アリアさんは自分の意識をはっきりさせつつ、起き上がろうとした。そしてその時、自分の左手につけられた鎖に気がついたのだ。
「な、なんだこれ……! う、ウタっ! 私は……そうだ! フローラ、フローラはどうした!? 私たちは確か、黒い服のやつらに」
「大丈夫ですよ。落ち着いてください」
いきなり襲われ、目を覚ましたら知らない場所にいて、しかも鎖で繋がれているのだ。冷静になれというのは無理がある。だから、僕がなるべく落ち着いて話すことにした。
「フローラは、あそこです。今ポロンくんが助けてますから」
そっとそっちに目をやると、フローラも目を覚ましているようで、ポロンくんが鎖を外しにかかってるようだった。
「ここは壁の向こうのサワナルにある、教会の中です。ポロンくんが鎖も外してくれますから」
そうすると、さっきよりもだいぶ落ち着いてきたのか、アリアさんがゆっくりと僕に尋ねてくる。
「……大丈夫だったのか? 二人で」
「頑張ったんですよ。テラーさんの力は大いにおかりしましたけど」
「助けようと、してくれてたのか?」
「仲間ですから」
すると、アリアさんは大きくひとつ深呼吸をして、僕の目を見る。
「はぁー……すまない。取り乱した。ダメだな、これくらいでへばってはいけないな」
「いつも僕らを助けてくれてるのはアリアさんです。全然、いいんです」
「…………」
ふと、アリアさんはじっと自分の鎖を見つめ、こんなことをいってきた。
「引っこ抜けないかな、これ」
「あー、確かに。抜けたら楽ですね」
「だろ? いざって言うときには、諦めればいい。よし、試してみるか」
そういうと、アリアさんは自分の腕をぎゅーっと引っ張った。鎖は壁からも腕からも離れずにひたすらアリアさんの手首が赤くなるだけだった。
「んーーーーーーっ!」
「あ! アリアさん! やっぱりダメです! 怪我しちゃいます!」
「なんでお前らはそんなにアグレッシブなの!? バカなの? お前らバカなのか!?」
「あ、ポロンくん! フローラ!」
アリアさんが壁と鎖と格闘していると、ポロンくんとフローラがやってきた。フローラもなんともないようだ。本当によかった!
これで、とりあえず一つ目のミッションはクリアだ! まぁ、まだあるのだけど。
「まいったなぁ……これ開けないと中に入れないや。いっそのこと、この扉吹っ飛ばせないかな?」
「なんでウタ兄そんなに破壊的な思考回路になってるの!? そうじゃなくて、もっといい方法あるだろ?」
「でも、鍵ないし」
「ウタ兄……おいらが誰か忘れたのか? おいらはポル・ポロン。元キルナンスの、元盗賊だ。盗賊っていうのは、盗人のことだ」
すると、ポロンくんは自分のアイテムボックスからなにか工具のようなものを取り出した。
「これくらいの鍵、パパっと開けてやるよ!」
そして、カチャカチャと音を鳴らしながらピンキングを始めた。
僕はそれを横から眺めて、手慣れすぎているその手つきを、じっと見つめていた。
「……なぁ、ウタ兄。あんまり見られると気になるんだけど」
「えっ?! あ、ご、ごめん!」
「別に、怒ってないけど……。んだよ。なんか言いたいことあるのか?」
「いや……やっぱり、元盗賊なんだなぁって思って」
今がどうとかそういうのとは関係なくて、昔は盗賊だったんだ。それも生まれたときから盗賊で、もしかしたら息をするように盗みをしていたのかもしれない。
――この旅で、もしも僕やアリアさんが先にいなくなったら――――
そんなことがふと頭をよぎって、不安になったのだ。その不安を読み取ったように、作業を続けながらポロンくんは笑う。
「そんなに心配しなくても大丈夫だい! おいらは元盗賊だし、キルナンスだけど、今はアリア姉とウタ兄の仲間だ! おいらはおいらの信じたことをする。そう決めたんだい!」
そして、僕に外れた南京錠を見せて、にこにこと嬉しそうに笑って見せた。
「っし、いこうぜ! ウタ兄!」
……そうだよね。僕が迷ってたらダメだ。ポロンくんのことは、ポロンくんが自分で決めるだろう。僕がどうこう言うことじゃない。
僕が思ってるほど、ポロンくんは弱くない。むしろ、弱いのは僕の方だから。
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両開きの扉を開く。重たい扉は、ギィィィっと、軋んだ音をたてた。
中は、また広い空間になっている。さっきの部屋よりはいくらか狭いが、それでも教室よりはかなり広い。……視聴覚室、とか、それくらいだろうか?
そして、その部屋の壁にもたれるように何人もの女性が座り込んでいた。意識はなく、左手首と壁が鎖で繋がれている。
「フローラ、アリアさん…………」
「あっ、ウタ兄! あれ!」
ポロンくんが指差した先、それはその先にあるドアに最も近いであろう場所。ドアのすぐ左側に、アリアさんとフローラの姿が見えた。
僕らはすぐに駆け寄る。二人とも、意識はないが、怪我などはしていないようだ。
「お、おい! フローラ! 大丈夫か!?」
ポロンくんはフローラの肩を揺すり、声をかける。僕はアリアさんの右手を握り、声をかけた。
「アリアさん……アリアさんっ!」
「…………っ……?」
うっすらと目が開き、赤い瞳がどこかぼんやりとした様子で僕を見る。
「……ウタ…………? っ、ここは、どこだ……? なにが――っ!?」
アリアさんは自分の意識をはっきりさせつつ、起き上がろうとした。そしてその時、自分の左手につけられた鎖に気がついたのだ。
「な、なんだこれ……! う、ウタっ! 私は……そうだ! フローラ、フローラはどうした!? 私たちは確か、黒い服のやつらに」
「大丈夫ですよ。落ち着いてください」
いきなり襲われ、目を覚ましたら知らない場所にいて、しかも鎖で繋がれているのだ。冷静になれというのは無理がある。だから、僕がなるべく落ち着いて話すことにした。
「フローラは、あそこです。今ポロンくんが助けてますから」
そっとそっちに目をやると、フローラも目を覚ましているようで、ポロンくんが鎖を外しにかかってるようだった。
「ここは壁の向こうのサワナルにある、教会の中です。ポロンくんが鎖も外してくれますから」
そうすると、さっきよりもだいぶ落ち着いてきたのか、アリアさんがゆっくりと僕に尋ねてくる。
「……大丈夫だったのか? 二人で」
「頑張ったんですよ。テラーさんの力は大いにおかりしましたけど」
「助けようと、してくれてたのか?」
「仲間ですから」
すると、アリアさんは大きくひとつ深呼吸をして、僕の目を見る。
「はぁー……すまない。取り乱した。ダメだな、これくらいでへばってはいけないな」
「いつも僕らを助けてくれてるのはアリアさんです。全然、いいんです」
「…………」
ふと、アリアさんはじっと自分の鎖を見つめ、こんなことをいってきた。
「引っこ抜けないかな、これ」
「あー、確かに。抜けたら楽ですね」
「だろ? いざって言うときには、諦めればいい。よし、試してみるか」
そういうと、アリアさんは自分の腕をぎゅーっと引っ張った。鎖は壁からも腕からも離れずにひたすらアリアさんの手首が赤くなるだけだった。
「んーーーーーーっ!」
「あ! アリアさん! やっぱりダメです! 怪我しちゃいます!」
「なんでお前らはそんなにアグレッシブなの!? バカなの? お前らバカなのか!?」
「あ、ポロンくん! フローラ!」
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