95 / 387
ワクワク! ドキドキ! 小人ライフ!
れべりんぐなう
しおりを挟む
その後、立ち話もなんだからと言って、喫茶店に入ることにした。四人席に椅子を一つ持ってきて五人で座る。
フローラとポロンくんなんか結構疲れていて、椅子に座った瞬間、大きくため息をついた。
「ふぅ……疲れました」
「おいらもだよ……。なぁウタ兄、ジュース頼んでいいかなぁ?」
「いいよ。フローラもなにか頼みなよ。アリアさんとサラさんはどうします?」
「私はコーヒーかな。ブラックで頼む!」
「じゃあ私も、サラ姉さんと同じので」
「お、おいらもアリア姉と同じのにする!」
「お前ブラック無理だろ」
「む、無理じゃない! おいら大人だもん!」
すると、そんなやり取りを見ていたサラさんが笑い声をあげる。
「あはは! アリア姉かぁ、いいなぁそれ! なぁポロン、私のことも同じ風に呼んでくれよ」
「え……ええっ?! なんでだよ!」
「大きな理由はないが、いいじゃないか。減るもんじゃあるまいし」
「……なんか減りそう」
しばらく粘ったポロンくんだったが、その後
「…………さ、サラ……姉……」
「…………」
「ほ、ほらっ! 言ったぞ! これでいいんだろ!?」
「……うむ、なるほど。これは……いいな。うん」
「……えっと、アリアさんからそれっぽく呼ばれてますけどね」
「確かに……」
しかし、それでもなおサラさんはご機嫌でニコニコと笑っていた。
なんというか、明るい人だよなぁ。アリアさんは、この人に似たのだろうか? どことなく雰囲気が似ているし、さばさばとした物言いの奥に優しさが滲み出ているのが、なんともアリアさんっぽい。
僕が店員さんにコーヒーを三つ――結局ポロンくんも頼んだ――と紅茶を二つ頼むと、サラさんは少し机から乗り出すようにして問いかけてきた。
「んで、どうだ? ディランの情報は見つかったか?」
「それが……あんまりめぼしい情報はなくてな。今までで分かったのは、ディランがサワナルに寄っていたってことくらいだな」
「そうか。まだまだディランは遠いのか。……大変だな」
アリアさんが少しだけ顔を伏せる。
……ごめんなさいアリアさん。早く、見つけましょうね。
そんなことを、思っていた。
「ところでさ、お前ら、冒険者ランクはいくつなんだ?」
「あっ」
フローラも冒険者登録をし、晴れてパーティー結成をしたわけだが、僕らの冒険者ランクはDのままだった。そろそろCに上がりたいなぁ。
「……その顔だと、全く上げてなかったんだな」
「はい、その通りです」
「そうかそうか。それじゃあ……ここ出たら依頼を受けて、ランク上げに行ったらだろうだ? いい狩りのスポットは知ってるぞ!」
…………ん? あれぇ?
◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈
「あっはっはっは! 聞いてはいたが、本当にヘタレだなぁ!」
「や、やめてくださいよ!」
「さ、サラさん……私もう、体力が……」
僕らは絶賛れべりんぐ中です!
れべりんぐ、とはなにか……。知らない方のために説明すると、レベルをあげることだ。
僕らが今やっているのは、さっきギルドから受注してきた『森林中の魔物討伐』という依頼だ。目標個体数は100。いやかなり辛いよ!? フローラもポロンくんもぐったりしている。平気なのは……アリアさんくらいだ。
今のところ討伐数は46。半分もいってないのだ。サラさんはというと、依頼には手出しできないからと手伝ってはくれない。
……あの、でも、あなたがいなかったら僕は確実に『薬草収集30』選んでましたからね!?
「まぁ、女子供の体力が尽きるのはしょうがないだろう。よし、ウタ、やってこい!」
「ええええええっ?!」
「サラ姉さん……無理だ。こいつ、普段はそんなこと出来ない。ヘタレだからな」
「さすがアリアさんよく分かってらっしゃる!」
「ちぇっ、つまんないなぁ……」
サラさんは不服そうに口を尖らせると、じーっと僕のほうに目を向けてきた。
「……な、なんですか?」
「面白いスキル持ってるなーと思ってな」
「勝手に鑑定されてる!?」
「アリアも……なんか、ヤバイの持ってるな。ポロンも」
「道中でもらったんだよ……。でも、ジャッジメントはもう使えないな」
「なんでだ?」
「消費MP15000だからだ」
それを聞いたサラさんは頭を抱えつつアリアさんに訊ねる。
「あっちゃー……。てかさ、それくれたの誰だ? 私が知ってる限りそれ使えるの一人しかいないんだが?」
えっ? 一人は知ってるんですか?! それ持ってるの、塊以外にいるの!?
「えっと……アイリーン、ってやつなんだが?」
「あっ! そいつ知ってる!」
個性の塊's知ってたぁぁぁぁ!!! でも他の誰かじゃなくてよかったぁぁぁ!!!
「四年前くらいにここに来たことがあるんだ! 今でも一人は住んでるぞ。山の麓辺りにな」
そう言ってサラさんは視線をちらりと後ろに向ける。そこには巨大な山。どちらかというと火山のようなゴツゴツとした山で、登るのは相当大変そうだ。
「そっかそっか。塊'sからもらったのか! あいつら強いよなぁ」
「……サラさんとどっちが強いんですか?」
「あいつらに決まってるだろ」
僕の失神は阻止されました! よかった!
「特にジュノンはなぁ……あいつが戦ってるの見たことあるが、もはや戦いじゃないぞ」
「……と、いうと?」
「あれはいじめだ」
「あ。はい」
「ほらっ! さっさと残り54体!
そんなこと言ってたらオークたちがのこのこ出てきたぞ? ほらウタ! やっちまえ!」
「え、ちょ、待ってぇ!」
ちょっとぼんやりしていたら背中を押され、戦わざるを得なくなってしまった僕です。
「…………勇気、ねぇ」
フローラとポロンくんなんか結構疲れていて、椅子に座った瞬間、大きくため息をついた。
「ふぅ……疲れました」
「おいらもだよ……。なぁウタ兄、ジュース頼んでいいかなぁ?」
「いいよ。フローラもなにか頼みなよ。アリアさんとサラさんはどうします?」
「私はコーヒーかな。ブラックで頼む!」
「じゃあ私も、サラ姉さんと同じので」
「お、おいらもアリア姉と同じのにする!」
「お前ブラック無理だろ」
「む、無理じゃない! おいら大人だもん!」
すると、そんなやり取りを見ていたサラさんが笑い声をあげる。
「あはは! アリア姉かぁ、いいなぁそれ! なぁポロン、私のことも同じ風に呼んでくれよ」
「え……ええっ?! なんでだよ!」
「大きな理由はないが、いいじゃないか。減るもんじゃあるまいし」
「……なんか減りそう」
しばらく粘ったポロンくんだったが、その後
「…………さ、サラ……姉……」
「…………」
「ほ、ほらっ! 言ったぞ! これでいいんだろ!?」
「……うむ、なるほど。これは……いいな。うん」
「……えっと、アリアさんからそれっぽく呼ばれてますけどね」
「確かに……」
しかし、それでもなおサラさんはご機嫌でニコニコと笑っていた。
なんというか、明るい人だよなぁ。アリアさんは、この人に似たのだろうか? どことなく雰囲気が似ているし、さばさばとした物言いの奥に優しさが滲み出ているのが、なんともアリアさんっぽい。
僕が店員さんにコーヒーを三つ――結局ポロンくんも頼んだ――と紅茶を二つ頼むと、サラさんは少し机から乗り出すようにして問いかけてきた。
「んで、どうだ? ディランの情報は見つかったか?」
「それが……あんまりめぼしい情報はなくてな。今までで分かったのは、ディランがサワナルに寄っていたってことくらいだな」
「そうか。まだまだディランは遠いのか。……大変だな」
アリアさんが少しだけ顔を伏せる。
……ごめんなさいアリアさん。早く、見つけましょうね。
そんなことを、思っていた。
「ところでさ、お前ら、冒険者ランクはいくつなんだ?」
「あっ」
フローラも冒険者登録をし、晴れてパーティー結成をしたわけだが、僕らの冒険者ランクはDのままだった。そろそろCに上がりたいなぁ。
「……その顔だと、全く上げてなかったんだな」
「はい、その通りです」
「そうかそうか。それじゃあ……ここ出たら依頼を受けて、ランク上げに行ったらだろうだ? いい狩りのスポットは知ってるぞ!」
…………ん? あれぇ?
◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈
「あっはっはっは! 聞いてはいたが、本当にヘタレだなぁ!」
「や、やめてくださいよ!」
「さ、サラさん……私もう、体力が……」
僕らは絶賛れべりんぐ中です!
れべりんぐ、とはなにか……。知らない方のために説明すると、レベルをあげることだ。
僕らが今やっているのは、さっきギルドから受注してきた『森林中の魔物討伐』という依頼だ。目標個体数は100。いやかなり辛いよ!? フローラもポロンくんもぐったりしている。平気なのは……アリアさんくらいだ。
今のところ討伐数は46。半分もいってないのだ。サラさんはというと、依頼には手出しできないからと手伝ってはくれない。
……あの、でも、あなたがいなかったら僕は確実に『薬草収集30』選んでましたからね!?
「まぁ、女子供の体力が尽きるのはしょうがないだろう。よし、ウタ、やってこい!」
「ええええええっ?!」
「サラ姉さん……無理だ。こいつ、普段はそんなこと出来ない。ヘタレだからな」
「さすがアリアさんよく分かってらっしゃる!」
「ちぇっ、つまんないなぁ……」
サラさんは不服そうに口を尖らせると、じーっと僕のほうに目を向けてきた。
「……な、なんですか?」
「面白いスキル持ってるなーと思ってな」
「勝手に鑑定されてる!?」
「アリアも……なんか、ヤバイの持ってるな。ポロンも」
「道中でもらったんだよ……。でも、ジャッジメントはもう使えないな」
「なんでだ?」
「消費MP15000だからだ」
それを聞いたサラさんは頭を抱えつつアリアさんに訊ねる。
「あっちゃー……。てかさ、それくれたの誰だ? 私が知ってる限りそれ使えるの一人しかいないんだが?」
えっ? 一人は知ってるんですか?! それ持ってるの、塊以外にいるの!?
「えっと……アイリーン、ってやつなんだが?」
「あっ! そいつ知ってる!」
個性の塊's知ってたぁぁぁぁ!!! でも他の誰かじゃなくてよかったぁぁぁ!!!
「四年前くらいにここに来たことがあるんだ! 今でも一人は住んでるぞ。山の麓辺りにな」
そう言ってサラさんは視線をちらりと後ろに向ける。そこには巨大な山。どちらかというと火山のようなゴツゴツとした山で、登るのは相当大変そうだ。
「そっかそっか。塊'sからもらったのか! あいつら強いよなぁ」
「……サラさんとどっちが強いんですか?」
「あいつらに決まってるだろ」
僕の失神は阻止されました! よかった!
「特にジュノンはなぁ……あいつが戦ってるの見たことあるが、もはや戦いじゃないぞ」
「……と、いうと?」
「あれはいじめだ」
「あ。はい」
「ほらっ! さっさと残り54体!
そんなこと言ってたらオークたちがのこのこ出てきたぞ? ほらウタ! やっちまえ!」
「え、ちょ、待ってぇ!」
ちょっとぼんやりしていたら背中を押され、戦わざるを得なくなってしまった僕です。
「…………勇気、ねぇ」
0
あなたにおすすめの小説
3点スキルと食事転生。食いしん坊の幸福無双。〜メシ作るために、貰ったスキル、完全に戦闘狂向き〜
幸運寺大大吉丸◎ 書籍発売中
ファンタジー
伯爵家の当主と側室の子であるリアムは転生者である。
転生した時に、目立たないから大丈夫と貰ったスキルが、転生して直後、ひょんなことから1番知られてはいけない人にバレてしまう。
- 週間最高ランキング:総合297位
- ゲス要素があります。
- この話はフィクションです。
【本編完結】転生令嬢は自覚なしに無双する
ベル
ファンタジー
ふと目を開けると、私は7歳くらいの女の子の姿になっていた。
きらびやかな装飾が施された部屋に、ふかふかのベット。忠実な使用人に溺愛する両親と兄。
私は戸惑いながら鏡に映る顔に驚愕することになる。
この顔って、マルスティア伯爵令嬢の幼少期じゃない?
私さっきまで確か映画館にいたはずなんだけど、どうして見ていた映画の中の脇役になってしまっているの?!
映画化された漫画の物語の中に転生してしまった女の子が、実はとてつもない魔力を隠し持った裏ボスキャラであることを自覚しないまま、どんどん怪物を倒して無双していくお話。
設定はゆるいです
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
御家騒動なんて真っ平ごめんです〜捨てられた双子の片割れは平凡な人生を歩みたい〜
伽羅
ファンタジー
【幼少期】
双子の弟に殺された…と思ったら、何故か赤ん坊に生まれ変わっていた。
ここはもしかして異世界か?
だが、そこでも双子だったため、後継者争いを懸念する親に孤児院の前に捨てられてしまう。
ようやく里親が見つかり、平和に暮らせると思っていたが…。
【学院期】
学院に通い出すとそこには双子の片割れのエドワード王子も通っていた。
周りに双子だとバレないように学院生活を送っていたが、何故かエドワード王子の影武者をする事になり…。
第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。
黒ハット
ファンタジー
前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。
悪徳領主の息子に転生しました
アルト
ファンタジー
悪徳領主。その息子として現代っ子であった一人の青年が転生を果たす。
領民からは嫌われ、私腹を肥やす為にと過分過ぎる税を搾り取った結果、家の外に出た瞬間にその息子である『ナガレ』が領民にデカイ石を投げつけられ、意識不明の重体に。
そんな折に転生を果たすという不遇っぷり。
「ちょ、ま、死亡フラグ立ち過ぎだろおおおおお?!」
こんな状態ではいつ死ぬか分かったもんじゃない。
一刻も早い改善を……!と四苦八苦するも、転生前の人格からは末期過ぎる口調だけは受け継いでる始末。
これなんて無理ゲー??
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
侯爵家の愛されない娘でしたが、前世の記憶を思い出したらお父様がバリ好みのイケメン過ぎて毎日が楽しくなりました
下菊みこと
ファンタジー
前世の記憶を思い出したらなにもかも上手くいったお話。
ご都合主義のSS。
お父様、キャラチェンジが激しくないですか。
小説家になろう様でも投稿しています。
突然ですが長編化します!ごめんなさい!ぜひ見てください!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる