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声にならない声を聞いて
出来る限りの恩恵を
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「なっ……君たちはどこから!」
現れた四人の女性に、エドさんは警戒心を露にする。咄嗟に剣を抜き、僕とエマさんの前に立ちふさがるが、当たり前だが、四人は動じない。
「まぁまぁ、慌てるな青年!」
「って年でもないでしょ、この人」
「おじゃましてますー」
「んー、ねーむーいぃーーー」
「……個性の、塊's?」
「知ってるの?」
エマさんがそう聞いてきたのでうなずいたが、僕の小さな呟きにエドさんは気づいていない。
「何者だ。誰にも気づかれずにここに入るなんて……まさか、奴の!?」
「思考がパニックになってるね」
「チョコ食べるー?」
「今は要らないと思うよ、この人は」
剣を振りかぶるエドさんを気にもしないで会話を続ける四人。……つ、強い……。
その時、流れるような勢いでエドさんが剣を振るう。そして、一番近くにいたテラーさんにその刃が迫ったが、簡単に弾かれてしまった。
「…………?!」
「あー、うん。普通の村人じゃないからさ、うちら」
「えっと、それよりアイリーン? ウタくんに、ね?」
「あっ! そうだー、忘れてたー!」
ドロウさんに言われたアイリーンさんはたたたっと駆けてきて、
「はい、あーん!」
「え……んぐっ?!」
口の中に何か突っ込んできた。突然のことで動揺してなにがなんだが分からなくなっていたが、口に入れられたそれは甘くとろける。
「……あ、チョコレート」
「ピンポンピンポーン!」
体がフワッと軽くなる……というよりは、つけられていた重りが全て取り外されたかのような感覚。
どれくらい回復したんだろう……? カーターの時とは桁が違うからなぁ。
名前 ウタ
種族 人間
年齢 17
職業 冒険者
レベル 2000
HP 3000000
MP 1600000
スキル 言語理解・アイテムボックス・鑑定・暗視・剣術(超上級)・体術(超上級)・初級魔法(熟練度40)・光魔法(熟練度20)・炎魔法(熟練度10)・氷魔法(熟練度15)・水魔法(熟練度10)・回復魔法(熟練度10)・使役(超上級)・ドラゴン召喚
ユニークスキル 女神の加護・勇気
称号 転生者・ヘタレ・敵前逃亡・C級冒険者
全回復……だと!?
ぼーっとしている僕を気遣ったのか、エマさんとエドさんが声をかけてくる。
「大丈夫? ウタくん」
「なにか、変なもの食わされたんじゃ……」
「チョコは、神。変なものじゃない……」
「え、エドさん! 大丈夫です!
ビックリしただけで本当にただの……ではないけど、チョコレートです!」
「……神様食っちゃダメだろ」
「確かに」
でも、チョコレートの恨みは本当に勘弁してほしい。
「……知り合いらしいわよ」
「な、そうなのか?」
「えっと……この人たち、個性の塊'sっていうパーティーの人で。今まで何かと助けてくれたんです」
「個性の塊'sって、私、知ってるわ」
「そうなんですか?」
「私が受付嬢を始めた頃、噂になったのよ。女性五人組のパーティーが無双しすぎてヤバいって」
……そりゃまぁ、噂になりますよね。この人たち色々おかしいもん。
「俺も知っている。バカな部下がボコされたといってたな」
「……騎士までボコしてたんですか?」
「ボコしたっけ?」
「さぁ?」
「しかも忘れてる!?」
「……なんかウタくん、元気になってる?」
「チョコレートで全回復しました」
「「全回復!?」」
うん、そうなるよねぇ、だよねぇ……。と、そこで僕は本題を切り出した。
「えっと、みなさんはどうして……?」
「…………」
一瞬黙り込んだ後に、ドロウさんが口を開く。
「激励に、かな」
「激励……?」
すると、おさくさんが声をあげる。
「今からミーレスのスキルについて説明しまーす!」
「……え? 分かるんですか!?」
「分からないとでも?」
得意気に笑うおさくさんを横目に、テラーさんが『執着』についての解説を始める。
「『執着』だけどね。鑑定した結果はこう、『その気持ちは容姿を変え、力を偽る。対象のステータスのうち自身より上回る部分をコピーする。発動時間は三日間。副作用として容姿が変化する』」
「……三日間…………」
そんなに長い間、僕のステータスでいられるのか。それも、『勇気』が発動した状態の。
「便利なスキルだけど、デメリットが無い訳じゃない。
ステータスをコピーしている間は、このスキルは使えない。だから、今私たちのステータスをミーレスがコピーしようとしたところで無駄ってことだね」
「あと、一度発動してから一週間空けないと発動できない。だから、一番確実にミーレスを倒すには三日経ってから行くのがいいんだけど……」
「そういうわけにもね」
次に、おさくさんが、ミーレスが使ったもう一つの力について教えてくれた。
「あとあれだね! カプリチオ! これは闇魔法で相手に与える弱体効果が一番高いと言っても過言じゃないスキルだね!」
「弱体効果……?」
「……もしかして、スリップ付与か?」
エドさんが言うと、おさくさんがおおーと声をあげた。
「そのとーり! さっすが騎士だね」
「でもカプリチオなんて聞いたことがないな」
「だろうねー。だってー、あれー、殺傷能力高いから、普通の人なら使うのためらうよー」
「……そう」
「「「「普通の人ならね……」」」」
塊の皆さんの声が一気にずーんと重くなる。……なんか、察した。
「ところで、スリップって?」
「リジュネの反対だ。リジュネは徐々にHPやMPが回復するが、スリップは反対に減っていく。ついでに回復薬や回復魔法の効果が十分の一になるおまけ付きだ」
「ま、情報共有はこのくらいかな」
そういうとテラーさんが、アイテムボックスから大量の回復薬を取り出した。
「わわ! こんないっぱい、どうしたんですか!?」
「調合したに決まってるでしょ? 減ってるんじゃないかと思って。緑紫黄色、全部5本ずつあるから」
「あとねー!」
今度はアイリーンさんが地図を出して印をつける。
「アリアさんがいるのここー!」
「千里眼……ですか?」
「うんー! あ、あとー、ドラくんは動けないだろうけど、治療はしてきたよー! 寝てるけどー」
ドラくんのことも助けてくれた……。僕がほっと胸をなでおろしていると、エマさんが四人に声をかけた。
「ねぇ……あなたたち、強いんでしょ? アリアを助け」
「それは出来ない。神様に、怒られちゃうからね」
優しく笑ったその人たちは、僕をそっと見た。
「でも、ウタくんならいけるから」
「…………」
「あの手のやつは、殺すことは絶対に無い。でも、それ以上はある」
「だからねー、助けてあげてね」
「グッドオーシャンフィールドから、出来る限りの恩恵を」
おさくさんが一本の剣を差し出してくる。僕はそれを受け取り、そのまま駆け出した。
◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈
「……ところで、ウタくんの『勇気』が発動されっぱなしだったのって」
「簡単だよ。それだけ、アリアさんを守りたい気持ちが強かった。それだけだよ」
現れた四人の女性に、エドさんは警戒心を露にする。咄嗟に剣を抜き、僕とエマさんの前に立ちふさがるが、当たり前だが、四人は動じない。
「まぁまぁ、慌てるな青年!」
「って年でもないでしょ、この人」
「おじゃましてますー」
「んー、ねーむーいぃーーー」
「……個性の、塊's?」
「知ってるの?」
エマさんがそう聞いてきたのでうなずいたが、僕の小さな呟きにエドさんは気づいていない。
「何者だ。誰にも気づかれずにここに入るなんて……まさか、奴の!?」
「思考がパニックになってるね」
「チョコ食べるー?」
「今は要らないと思うよ、この人は」
剣を振りかぶるエドさんを気にもしないで会話を続ける四人。……つ、強い……。
その時、流れるような勢いでエドさんが剣を振るう。そして、一番近くにいたテラーさんにその刃が迫ったが、簡単に弾かれてしまった。
「…………?!」
「あー、うん。普通の村人じゃないからさ、うちら」
「えっと、それよりアイリーン? ウタくんに、ね?」
「あっ! そうだー、忘れてたー!」
ドロウさんに言われたアイリーンさんはたたたっと駆けてきて、
「はい、あーん!」
「え……んぐっ?!」
口の中に何か突っ込んできた。突然のことで動揺してなにがなんだが分からなくなっていたが、口に入れられたそれは甘くとろける。
「……あ、チョコレート」
「ピンポンピンポーン!」
体がフワッと軽くなる……というよりは、つけられていた重りが全て取り外されたかのような感覚。
どれくらい回復したんだろう……? カーターの時とは桁が違うからなぁ。
名前 ウタ
種族 人間
年齢 17
職業 冒険者
レベル 2000
HP 3000000
MP 1600000
スキル 言語理解・アイテムボックス・鑑定・暗視・剣術(超上級)・体術(超上級)・初級魔法(熟練度40)・光魔法(熟練度20)・炎魔法(熟練度10)・氷魔法(熟練度15)・水魔法(熟練度10)・回復魔法(熟練度10)・使役(超上級)・ドラゴン召喚
ユニークスキル 女神の加護・勇気
称号 転生者・ヘタレ・敵前逃亡・C級冒険者
全回復……だと!?
ぼーっとしている僕を気遣ったのか、エマさんとエドさんが声をかけてくる。
「大丈夫? ウタくん」
「なにか、変なもの食わされたんじゃ……」
「チョコは、神。変なものじゃない……」
「え、エドさん! 大丈夫です!
ビックリしただけで本当にただの……ではないけど、チョコレートです!」
「……神様食っちゃダメだろ」
「確かに」
でも、チョコレートの恨みは本当に勘弁してほしい。
「……知り合いらしいわよ」
「な、そうなのか?」
「えっと……この人たち、個性の塊'sっていうパーティーの人で。今まで何かと助けてくれたんです」
「個性の塊'sって、私、知ってるわ」
「そうなんですか?」
「私が受付嬢を始めた頃、噂になったのよ。女性五人組のパーティーが無双しすぎてヤバいって」
……そりゃまぁ、噂になりますよね。この人たち色々おかしいもん。
「俺も知っている。バカな部下がボコされたといってたな」
「……騎士までボコしてたんですか?」
「ボコしたっけ?」
「さぁ?」
「しかも忘れてる!?」
「……なんかウタくん、元気になってる?」
「チョコレートで全回復しました」
「「全回復!?」」
うん、そうなるよねぇ、だよねぇ……。と、そこで僕は本題を切り出した。
「えっと、みなさんはどうして……?」
「…………」
一瞬黙り込んだ後に、ドロウさんが口を開く。
「激励に、かな」
「激励……?」
すると、おさくさんが声をあげる。
「今からミーレスのスキルについて説明しまーす!」
「……え? 分かるんですか!?」
「分からないとでも?」
得意気に笑うおさくさんを横目に、テラーさんが『執着』についての解説を始める。
「『執着』だけどね。鑑定した結果はこう、『その気持ちは容姿を変え、力を偽る。対象のステータスのうち自身より上回る部分をコピーする。発動時間は三日間。副作用として容姿が変化する』」
「……三日間…………」
そんなに長い間、僕のステータスでいられるのか。それも、『勇気』が発動した状態の。
「便利なスキルだけど、デメリットが無い訳じゃない。
ステータスをコピーしている間は、このスキルは使えない。だから、今私たちのステータスをミーレスがコピーしようとしたところで無駄ってことだね」
「あと、一度発動してから一週間空けないと発動できない。だから、一番確実にミーレスを倒すには三日経ってから行くのがいいんだけど……」
「そういうわけにもね」
次に、おさくさんが、ミーレスが使ったもう一つの力について教えてくれた。
「あとあれだね! カプリチオ! これは闇魔法で相手に与える弱体効果が一番高いと言っても過言じゃないスキルだね!」
「弱体効果……?」
「……もしかして、スリップ付与か?」
エドさんが言うと、おさくさんがおおーと声をあげた。
「そのとーり! さっすが騎士だね」
「でもカプリチオなんて聞いたことがないな」
「だろうねー。だってー、あれー、殺傷能力高いから、普通の人なら使うのためらうよー」
「……そう」
「「「「普通の人ならね……」」」」
塊の皆さんの声が一気にずーんと重くなる。……なんか、察した。
「ところで、スリップって?」
「リジュネの反対だ。リジュネは徐々にHPやMPが回復するが、スリップは反対に減っていく。ついでに回復薬や回復魔法の効果が十分の一になるおまけ付きだ」
「ま、情報共有はこのくらいかな」
そういうとテラーさんが、アイテムボックスから大量の回復薬を取り出した。
「わわ! こんないっぱい、どうしたんですか!?」
「調合したに決まってるでしょ? 減ってるんじゃないかと思って。緑紫黄色、全部5本ずつあるから」
「あとねー!」
今度はアイリーンさんが地図を出して印をつける。
「アリアさんがいるのここー!」
「千里眼……ですか?」
「うんー! あ、あとー、ドラくんは動けないだろうけど、治療はしてきたよー! 寝てるけどー」
ドラくんのことも助けてくれた……。僕がほっと胸をなでおろしていると、エマさんが四人に声をかけた。
「ねぇ……あなたたち、強いんでしょ? アリアを助け」
「それは出来ない。神様に、怒られちゃうからね」
優しく笑ったその人たちは、僕をそっと見た。
「でも、ウタくんならいけるから」
「…………」
「あの手のやつは、殺すことは絶対に無い。でも、それ以上はある」
「だからねー、助けてあげてね」
「グッドオーシャンフィールドから、出来る限りの恩恵を」
おさくさんが一本の剣を差し出してくる。僕はそれを受け取り、そのまま駆け出した。
◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈
「……ところで、ウタくんの『勇気』が発動されっぱなしだったのって」
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