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魔王だよ! 全員集合!
「ぼく」
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「……あ、これ、ヤバいやつだ」
もくもくと、白い煙で部屋中が満たされる。その奥で、テラーさんがそんなことを呟いた気がした。
しかし僕はそれどころじゃない。スラちゃんが……。体も痛いし、もう、泣きそうだった。
「ウタ、大丈夫か?」
「……アリアさん、スラちゃんが……」
「……ケアル」
アリアさんはなにも言わず、僕に回復魔法を使う。ふと、その後ろから声が響く。
「えほっ、ごほっ……うぅー……! もうやだぁ……怖いのやだぁ……」
「……あ、れ?」
聞いたことのない声。しかし、どこかで聞いていたような、不思議な声がした。その声の方に視線を向ける。爆発による煙がだんだんとおさまり、その姿が見えるようになる。
……水色の肩より上くらいで切り揃えられた髪、ちょっと涙目になっている青い目。年は、見た感じポロンくんと同じか、下くらいに見える。
その子は、周りの煙が晴れると、ほっとしたのか、いよいよ目にためていた涙を溢れさせた。
「うっ……ひっく……。やだぁ……怖いぃ……ウタのとこかえるー、肩乗るー…………」
「え……もしかして、え?」
その子は、涙をぬぐいながら僕の方にとぼとぼと歩いてくる。そして、戸惑った様子の僕を見ると、きょとんとして首をかしげた。
「……どーしたのかな、ウタ。なんか変な顔してる」
「……ウタ兄、もしかして、これって……」
「……ウタさん、まさか、とは思いますけど」
「いやまさかな。まさか……ありえるのか?」
「あれ、ウタだけじゃないや。アリアもポロンもフローラも、変なの。なんか涙引っ込んできちゃった」
目をぱちくりとさせてその子は僕らをながめ、あれ、と声をあげる。
「背、伸びたのかなぁ。なんか、みんながちっちゃい? いや、ぼくがおっきい?
…………あれ、手がある。足がある!? え、なんでなんでなんで?! え、あれ?! え?!」
「えっと……スラちゃん……だよ、ね?」
「う、うん……。そう、だと……思う…………」
そして、しばらく間をおいたあと、スラちゃんは顔をパッと輝かせて、僕にかけよって、そのままの勢いで抱きついた。
「ウタっ! ぼくだよ!」
「スラちゃんなんだね! やっぱり、そうなんだ!」
「ウタと話せてる……! 嬉しいなー! えへへ」
スラちゃんはそう言いながらにこっと笑ってみせる。……あ、ヤバい。
「「めっちゃかわいい」」
「ウタ兄、アリア姉、声漏れてる」
「ポロンは思ってないの?」
「思ったけど!」
すると、スラちゃんの後ろの方で佇んでいたジュノンさんが、不意に僕らに近づき、微笑んだ。
「思ったより反応大きかったけど……ま、言ったじゃん? 悪いようにはしないって」
「言われてませんありがとうございました」
「どういたしましてー」
「……というか、なんなんだ、さっきの力は」
「あー……ここ、研究内容『機密』ってなってるけど、好きにやっていーよーって言われててさー。ちょうど擬人化用の薬品出来たから試してみよーって。
失敗しても死なないし、いっかなって」
「ジュノン、それ、先に説明してあげた方が良かったんじゃ」
「……ま、いいもの見れたし」
「スラちゃーん、チョコたべるー?」
「食べる! ぼく、ずっと食べたかったの!」
アイリーンさんから小さめのチョコレートをもらってにこにこしているスラちゃん。……あー、ダメだ。かわいい。かわいすぎる。
「というかあれですよね? スラちゃん、そもそもスライムだから、そのまま擬人化したら服着てないんじゃ……」
「え、でも、着てるよな?」
「着てるね」
「んぐ?」
確かに、そのまま流していたが、スライムの時は服なんて着ていないわけだから、擬人化したら素っ裸なのは普通だろう。魔法関係なら服くらいついてきそうだけど、薬品だとそうもいかないはずだ。
しかし、今のスラちゃんは灰色無地のTシャツに、ジーンズ生地の短パンを履いている。靴とかはないけど、最低限身に付けている状態だ。
「あー、それね」
僕らの声を聞いて、テラーさんが軽く笑う。
「爆発したあと、煙の向こうに素っ裸の女の子が見えたので、咄嗟に生活魔法で下着と簡単なシャツとズボン、着せました」
「ありがとテラー、そこまで考えてなかった。めんどくさくて」
「スラちゃん男だったらどうするの」
「ぼく女の子だもん!」
えっへんと胸をそらすスラちゃん。……かわいい。そして、
「……テラーさんテラーさん、」
「どうしたウタくん」
「スラちゃん短パンめっちゃ似合いますありがとうございますました」
「ますました?」
「現在進行形です多分きっともしかしてあはははは」
「大丈夫かい? 精神分析かっこ物理する?」
「死にます」
「……大丈夫? ウタ」
僕が軽く発狂していると、スラちゃんが床に座り込んで、上目使いで僕を見上げる。……うっ、かわいい。
これはあれだな!? スライムだったときの動作がそのまま人になっても反映されてるから、なんか、その……ヤバいんだね!?
「ジュノンさんすごいでしょ?」
「ジュノンさんすごいです! すごいです! めっちゃすごいです!」
でも手よりも口を先に動かしてほしかったです。
「スラちゃーん、人になった影響で、ステータスもちょっと変わってるから、あとで確認しといてねー。あ、それと、注意点とか、あとでみんなに言っとくから。Unfinishedのみんなにね」
「うん! ありがとジュノン! ぼくずっと……みんなと、話したくて」
ちょっとだけうつむきがちに、スラちゃんが言う。
「ウタとはちょっと話せたけど、それでも……」
……そっか。
アリアさん、ポロンくん、フローラはもちろん、ドラくんだって、僕らと会話していたもんね。そりゃ、スラちゃんだって、話したかったよね。
「あ、でも、ぷるぷるじゃなくなるし、ウタの肩にも乗れなくなっちゃったなぁ」
「大丈夫だ、ぷるぷるは我慢するし、最悪、再現率99%のぬいぐるみを作る。あわよくばグッドオーシャンフィールドで売ってくれ。良い値で買おう」
「おお! アリアさんから特注入りましたよー!」
「でもやっぱり、ウタの肩には乗れないなぁ」
「……代わりに、ぎゅって出来るよ?」
「あ、ほんとだ!」
スラちゃんが再び、ぎゅっと抱きついてくる。んんん……かわいい。
もくもくと、白い煙で部屋中が満たされる。その奥で、テラーさんがそんなことを呟いた気がした。
しかし僕はそれどころじゃない。スラちゃんが……。体も痛いし、もう、泣きそうだった。
「ウタ、大丈夫か?」
「……アリアさん、スラちゃんが……」
「……ケアル」
アリアさんはなにも言わず、僕に回復魔法を使う。ふと、その後ろから声が響く。
「えほっ、ごほっ……うぅー……! もうやだぁ……怖いのやだぁ……」
「……あ、れ?」
聞いたことのない声。しかし、どこかで聞いていたような、不思議な声がした。その声の方に視線を向ける。爆発による煙がだんだんとおさまり、その姿が見えるようになる。
……水色の肩より上くらいで切り揃えられた髪、ちょっと涙目になっている青い目。年は、見た感じポロンくんと同じか、下くらいに見える。
その子は、周りの煙が晴れると、ほっとしたのか、いよいよ目にためていた涙を溢れさせた。
「うっ……ひっく……。やだぁ……怖いぃ……ウタのとこかえるー、肩乗るー…………」
「え……もしかして、え?」
その子は、涙をぬぐいながら僕の方にとぼとぼと歩いてくる。そして、戸惑った様子の僕を見ると、きょとんとして首をかしげた。
「……どーしたのかな、ウタ。なんか変な顔してる」
「……ウタ兄、もしかして、これって……」
「……ウタさん、まさか、とは思いますけど」
「いやまさかな。まさか……ありえるのか?」
「あれ、ウタだけじゃないや。アリアもポロンもフローラも、変なの。なんか涙引っ込んできちゃった」
目をぱちくりとさせてその子は僕らをながめ、あれ、と声をあげる。
「背、伸びたのかなぁ。なんか、みんながちっちゃい? いや、ぼくがおっきい?
…………あれ、手がある。足がある!? え、なんでなんでなんで?! え、あれ?! え?!」
「えっと……スラちゃん……だよ、ね?」
「う、うん……。そう、だと……思う…………」
そして、しばらく間をおいたあと、スラちゃんは顔をパッと輝かせて、僕にかけよって、そのままの勢いで抱きついた。
「ウタっ! ぼくだよ!」
「スラちゃんなんだね! やっぱり、そうなんだ!」
「ウタと話せてる……! 嬉しいなー! えへへ」
スラちゃんはそう言いながらにこっと笑ってみせる。……あ、ヤバい。
「「めっちゃかわいい」」
「ウタ兄、アリア姉、声漏れてる」
「ポロンは思ってないの?」
「思ったけど!」
すると、スラちゃんの後ろの方で佇んでいたジュノンさんが、不意に僕らに近づき、微笑んだ。
「思ったより反応大きかったけど……ま、言ったじゃん? 悪いようにはしないって」
「言われてませんありがとうございました」
「どういたしましてー」
「……というか、なんなんだ、さっきの力は」
「あー……ここ、研究内容『機密』ってなってるけど、好きにやっていーよーって言われててさー。ちょうど擬人化用の薬品出来たから試してみよーって。
失敗しても死なないし、いっかなって」
「ジュノン、それ、先に説明してあげた方が良かったんじゃ」
「……ま、いいもの見れたし」
「スラちゃーん、チョコたべるー?」
「食べる! ぼく、ずっと食べたかったの!」
アイリーンさんから小さめのチョコレートをもらってにこにこしているスラちゃん。……あー、ダメだ。かわいい。かわいすぎる。
「というかあれですよね? スラちゃん、そもそもスライムだから、そのまま擬人化したら服着てないんじゃ……」
「え、でも、着てるよな?」
「着てるね」
「んぐ?」
確かに、そのまま流していたが、スライムの時は服なんて着ていないわけだから、擬人化したら素っ裸なのは普通だろう。魔法関係なら服くらいついてきそうだけど、薬品だとそうもいかないはずだ。
しかし、今のスラちゃんは灰色無地のTシャツに、ジーンズ生地の短パンを履いている。靴とかはないけど、最低限身に付けている状態だ。
「あー、それね」
僕らの声を聞いて、テラーさんが軽く笑う。
「爆発したあと、煙の向こうに素っ裸の女の子が見えたので、咄嗟に生活魔法で下着と簡単なシャツとズボン、着せました」
「ありがとテラー、そこまで考えてなかった。めんどくさくて」
「スラちゃん男だったらどうするの」
「ぼく女の子だもん!」
えっへんと胸をそらすスラちゃん。……かわいい。そして、
「……テラーさんテラーさん、」
「どうしたウタくん」
「スラちゃん短パンめっちゃ似合いますありがとうございますました」
「ますました?」
「現在進行形です多分きっともしかしてあはははは」
「大丈夫かい? 精神分析かっこ物理する?」
「死にます」
「……大丈夫? ウタ」
僕が軽く発狂していると、スラちゃんが床に座り込んで、上目使いで僕を見上げる。……うっ、かわいい。
これはあれだな!? スライムだったときの動作がそのまま人になっても反映されてるから、なんか、その……ヤバいんだね!?
「ジュノンさんすごいでしょ?」
「ジュノンさんすごいです! すごいです! めっちゃすごいです!」
でも手よりも口を先に動かしてほしかったです。
「スラちゃーん、人になった影響で、ステータスもちょっと変わってるから、あとで確認しといてねー。あ、それと、注意点とか、あとでみんなに言っとくから。Unfinishedのみんなにね」
「うん! ありがとジュノン! ぼくずっと……みんなと、話したくて」
ちょっとだけうつむきがちに、スラちゃんが言う。
「ウタとはちょっと話せたけど、それでも……」
……そっか。
アリアさん、ポロンくん、フローラはもちろん、ドラくんだって、僕らと会話していたもんね。そりゃ、スラちゃんだって、話したかったよね。
「あ、でも、ぷるぷるじゃなくなるし、ウタの肩にも乗れなくなっちゃったなぁ」
「大丈夫だ、ぷるぷるは我慢するし、最悪、再現率99%のぬいぐるみを作る。あわよくばグッドオーシャンフィールドで売ってくれ。良い値で買おう」
「おお! アリアさんから特注入りましたよー!」
「でもやっぱり、ウタの肩には乗れないなぁ」
「……代わりに、ぎゅって出来るよ?」
「あ、ほんとだ!」
スラちゃんが再び、ぎゅっと抱きついてくる。んんん……かわいい。
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