チート能力解放するにはヘタレを卒業しなきゃいけない

植木鉢たかはし

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魔王だよ! 全員集合!

さすが魔王だね?

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 落ち着いた。もう一回真面目に見てみよう。



名前 ジュノン

種族 人間

年齢 22

職業 化学教師(勇者?)

レベル 1000

HP 6000000

MP 4000000

スキル アイテムボックス・偽装・威圧(鬼級)・暗視・剣術(超上級)・体術(超上級)・初級魔法(熟練度50)・炎魔法(熟練度40)・水魔法(熟練度45)・氷魔法(熟練45)・風魔法(熟練度35)・雷魔法(熟練度40)・土魔法(熟練度40)・光魔法(熟練度30)・闇魔法(熟練度50)・回復魔法(熟練度35)

ユニークスキル ステータス上限無効化・魔力向上・魔王の微笑み・どうでもいいし・侵略す・鉄壁の要塞・化学式

称号 元最強の勇者?・真の魔王・敵にまわしたら危険・無慈悲・個性の塊's



「んんんんんん?」

「……分かりやすく混乱してるねー、ウタくん」

「鬼って……鬼っ……て…………」

「バフもったいないし進もうよー」

「あー、うん、そうだね。ウタくん、進みながら鑑定してくれる?」

「はい……」

「こいつもうダメなんじゃ」

「アリアさん!?」

「あは、あはははは」

「……ダメかもしれないですね」


 個性の塊'sは歩きだし、僕は大きく息をついた。知ってるスキルが異常だから、さらにダメージがすごい。


「はぁ……。アリアさん」

「落ち着いたか、ウタ。どうした?」

「威圧って最高で『超上級』までですよね?」

「そうだな。…………何が出た」

「鬼が」

「真面目に答えろ」

「真面目に答えてます」

「……鬼級、ってことですか?」

「うん」

「鬼って、エマみたいだねー!」

「そういう問題じゃないやい!」

「驚くのはまだ早いぜ」


 僕らの前を歩いていたおさくさんが、バッと振り向いて言う。


「ジュノンの場合、初期値が『鬼級』だ」

「ふぁっ?!」

「いやー、剣術とか体術は初期値ちゃんと初級だったのに、ねぇ?」

「そうだねー」

「というか、カンストしてるじゃないですか!」

「ん? そうだねー」


 そうだねーって……そう突っ込もうとすると、不意に目の前に扉が現れる。


「……小手調べって感じかな」

「魔物いっぱいいそうだねー」

「ここはさくっと殺ろうよ」

「ノリが……軽い……」


 そして、重そうな扉をテラーさんとドロウさんが開ける。するとそこには、ワイバーンやらウルフやらキマイラやら、大型の魔物がずらり。


「わー、グリフォンもいるよ? よく集めたねー」

「じゃあどうする? 適当に端から」

「ねーねー、ここは私にやらせて?」


 ジュノンさんがかるーい感じでそう申し出る。


「最近予定立て込んでてさ、ストレスたまってるのよ。殺らせてー」

「……いいけど、巻き込まないでね?」

「大丈夫大丈夫ー! 多分きっともしかして」

「不確かだ!」


 ジュノンさんはそれに対して適当にあしらうと、右手を虚空にかざす。するとそこに、大きな鎌が握られる。その鎌は、あのときテラーさんが握っていた短刀と同じような、いや、それよりももっと禍々しく、背筋を凍りつかせるようなオーラをまとい、鈍く光っていた。


「ウタ……ぼく、あの人ちょっと怖い」


 スラちゃんがそういいながら、そっと僕の背中に隠れる。まぁ、あの人のせいで爆発に巻き込まれてるし、あのオーラだしなぁ。僕はちょっとスラちゃんを庇うようにしながら頭を撫でてやる。

 その間に、魔物たちは僕らにじわじわをにじりよる。人間なんて、自分達の敵でないとでもいうようだった。
 僕は万が一に備えて、魔属性球体を握りしめた。……個性の塊'sは、きっと自分達のことは守れるだろう。僕は腐っても、Unfinishedのリーダーだ。メンバーのことは守らないと。


「よーし、じゃあさっさと死んでもらおうかな。えっと? いーち、にーい、さーん、しーい……」


 ジュノンさんは鎌を片手に敵を数え始め、やめて、とんでもないことを口にする。


「……じゅ、ジュノン?」

「数えるのめんどくさいなー。まぁ、いいや。攻撃対象、全員で」

「はぁ?!」

「そ、それっておいらたちも対象ってこと!?」

「ま、待て! 塊'sならともかく、私たちはお前の攻撃なんて」

「まぁ、大丈夫じゃね? んじゃいっきまーす!」

「や、ヤバヤバヤバ……アイリーン! アリアさんお願い! 私はウタくんとスラちゃんを!」

「じゃあ私フローラちゃん守るから、おさく!」

「ポロンくんのことは、私が守る!」

「何で僕らは味方に味方から守られてるんだ!?」


 ジュノンさんを除く個性の塊'sのメンバーが、それぞれ僕らの前に立ち塞がる。不意に、テラーさんがちらりと後ろを見て言った。


「……腐っても魔法使いだし、闇魔法の熟練度も高いからここに来たけどさ、三人分ってやっぱ辛いんだわ。確実なのは一回分だけだし」

「……え」

「万が一の時は、頑張れ」

「ててて、テラーさん!?」


 そ、その万が一の時って、そもそもテラーさんの方が危ないし、それもうなんか、詰んでませんか!?
 パニック状態の僕らを横目に……も見てませんね。はい。ジュノンさんは鎌を構える。


「……へーい魔物ちゃんたち? 私と遊びたいのかなぁ?
 ま、みんな死ななきゃいいでしょ。味方の怪我は治すしさ。別に負傷者が出ようがなんだろうが――どうでもいいし」


 瞬間、


「ガーディアっ!」


 テラーさんがそう叫んだのが聞こえて、目の前が黒で満たされて……。何がなんだか分からなくなって、気がついたら、目の前にいた魔物たちはみんな跡形もなく消えていて、ジュノンさんを除く個性の塊'sは疲れきったように、Unfinishedのみんなは呆然としたように、その場に座りこんでいた。


「……さすが、真の魔王…………」


 乾いた笑いをこぼしながら、誰かが、そう呟いたのが聞こえた。
 ……鑑定した結果が、こちらになります。


どうでもいいし……対象(無限に選択可)に大ダメージ。剣術の発展スキル。


 完全に、その……殺す気だったね。
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