君の愛に酔いしれて溺れる。

ブラックキャット

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優しい彼が獣に変わる瞬間 第1夜 前編

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登場人物紹介

美夢(みゆ)25歳 168cm55kg Fカップ
真面目で心優しくお人好し。
しっかりしているが天然でシャイ。
売れっ子作家で基本的に家に引きこもっている。
人気俳優である彼と運命的な出会いを果たし
密かに同棲しているが互いに多忙な為レス気味。

龍仁(りゅうじ)28歳178cm63kg
穏やかで優しく紳士的。
   爽やかな笑顔が魅力的で演技力に恵まれている。
人気イケメン俳優で美夢と同棲している。
美夢の事は溺愛しており常に気にかけている。

**************


目の前に広がる景色は眩しくてスポットライトが
当たる場所で彼と出会った。

 「初めまして龍仁です。」
  彼は爽やか笑顔でぺこりと頭を下げた。

彼女は緊張のあまり硬直しながらも微笑んだ。
「初めまして美夢です。今日はドラマの撮影の取材で...」

「そうなんですか。俺、美夢先生の大ファンなんですよ。この作品も好きで...」
    彼は彼女の隣に置いてあったパイプ椅子に座った。

「あ、ありがとうございます。」
     彼女は照れた様子で首元を掻いていた。

「いえいえ、俺も先生の作品のドラマに主演出来て嬉しいです」

   彼の周りに光が散りばめられるように見えて
彼の笑顔に瞬きが止まらない。

 彼女の中で運命の鐘が鳴る音がした。

「そう言って頂けて光栄です。」

****************

   2年前 彼と初めて出会った夢を見た。
   
「龍さ...ん?」
彼女は寝言でそう呟くとゆっくり起き上がった。

「夢か...」
見慣れた部屋の天井を見上げ欠伸をかいた。

「美夢ちゃん」と呼ぶ声と寝室のドアを叩く音がした。

「おはよう、龍さん」
   彼女はドアを開けて彼に挨拶を交わした。

「おはよう、美夢ちゃん。俺、仕事に行くからじゃあね」

「う、うん。行ってらっしゃい。今日も頑張ってね」

    彼女は微笑んで彼を見送った。

**************
   
      陽の当たらない薄暗い部屋で彼女は小説を書いていた。

彼女が書いた作品は出版すればベストセラーになり天才だと謳われているが自身は平凡だと
疑わなかった。パソコンで何度も文章を消して
書くの繰り返しの苦悩の末、彼女の作品は生まれる。

「全然集中出来ない」
   彼女は自分の頭を掻きむしって机に顔をうずくめていた。

「 美夢ちゃん、お互いに忙しいし一緒に住もうよ。」

「えっ?」

「嫌かな。一緒に住んだ方が過ごす時間が増えるでしょ」

「嫌じゃないけど、週刊誌とかにバレない?」

「あぁ...そこら辺は心配しなくていいよ。
俺は美夢ちゃんと一緒に住みたいけどな。」

  彼女の意識が遠のいて彼との記憶が呼び起こされた。


「一緒に住むからって別に過ごす時間が増えるわけじゃないでしょ」
   彼女は虚ろな目で顔を上げて微かな声で呟いた。

 彼と一緒に住んで半年間、朝、挨拶交わして
夜は遅く彼女が寝静まる頃に帰ってきていた。

休みの日は 大半は寝ているが体づくりの為
自室の部屋でトレーニングしていた。

彼女が思い描いていたような同棲とは違っており
悶々としていた。

「仕方ない、悩んでも仕方ない。」
    彼女は息を吹き返してパソコンを弄り始めて
画面には検索サイトが表示されていた。

セックスレス 原因と彼女は入力した。

   視界には文字が一気に支配されてあまりの情報の量に唾を飲んだ。

「レスの原因、多忙、あたしに魅力がないとか。彼に仕事とあたしとどっちが大事とか聞く?
気持ちが悪い」
    
    彼女は息を吸って吹き返した。

「あたしのただの欲求不満でしょ」
     そう彼女は呟いてパソコンと再び向かい合った。

**************

    「今日も疲れた」
    彼はため息を吐いて気だるそうに靴を脱いでいた。今日も夜遅く時計は0時を差していた。

「ただいまなんて起きてないか」
    彼は玄関先でそう呟いて風呂場へと足を運んだ。

脱衣所で服を脱ぐと鍛え上げられた身体が顕になる。

「美夢ちゃんの匂いがする」
     浴室に入ると彼女が使っているシャンプーの匂いが充満していた。

「今日遅かったのかな。」

   鼻を掠めて彼は下の方に視線を移すと下半身が勃っていた。

「嘘だろ...」
    
     彼女とは一緒に住んでからと半年間、
それ以上、セックスをしていない。
    本当は無茶苦茶に犯したいが彼は欲求を抑える為に優しく抱いていたが時折彼女は不満足そうな顔を
していた。

「龍さっ...ん」
     彼女の声が聞こえた気がして肩を揺らして
浴室のドアを開けたが誰もいなかった。

「気のせいか...」
     
***************

    彼は風呂に上がってリビングへと足を運ぶと
「あっ...んっ♡」という甘い声と共に物音が
聞こえた。

「えっ?」
     彼は耳を疑い、リビングの周辺を見渡すと
彼女の部屋のドアが少し開いていた。

ゴクリと唾を飲んで彼は彼女の部屋を通り過ぎるフリをして覗いた。

「んっ♡龍さっ...ん。激しい」
    彼女は甘い声で喘いで服を捲って胸から下辺りまで露わにさせ下着すらしていない。
   それどころか秘部に男性の肉棒に見立てられた大人のおもちゃを押し当てピストンさせていた。

   彼女の淫乱な姿に息を呑んだ。

 あの声は気のせいじゃなかったのか...。

「美夢ちゃん?」
  彼は思わず彼女の名前を呼んでしまった。

「...。」
  彼女は無言で顔を上げると一気に赤く染められた。

「き、気にしないで!え、えっとただの生理現象だし、今日も龍さん疲れてるでしょ。ほら早く寝なよ」
    彼女は捲っていた服を急いで下げて近くにあった毛布で足を覆い隠していた。

 彼は中に入って彼女の部屋のドアを閉めた。

**************

「えっ?ごめんね。目に毒だったよね
まさか開いてたなんてアハハ...」
彼女は饒舌になり動揺のあまり首元を掻いていた。

「こんなおもちゃあるんだね」
     彼は彼女に近づいてベッドに置かれた大人のおもちゃを拾い上げた。

「触ったら汚いよ。龍さん」
   彼女が彼の顔を見上げるとこちらをじっと
睨んでいた。

「ご、ごめんなさい。」
     彼女は彼に頭を軽く下げた。

「なんで謝るの? まぁこんなことするくらいなら
誘って欲しいけどね」
    彼はベッドに足を上げて彼女の近くに座った。

「ほら龍さん、忙しいし疲れてるでしょ。」
    
「美夢ちゃんにそんな事言ったけ?」
     彼女は彼の声に圧を感じていた。

怒ってる? 

   龍仁は彼女に対して怒ったことはなくいつも穏やかだったが今は違う。
   
  「ほんとよく出来ているね」
      彼は彼女の精液が付着した大人のおもちゃを
見つめていた。

「やっぱり気持ちいい?俺とするより...」

「何言ってるの。龍さん」
   彼女は茶化すように笑っていた。

「美夢ちゃんは激しい方がいいんだね。優しく
してた俺が馬鹿みたい」
     彼の声に耳元で囁かれて彼女は肩を揺らした。

 「はぁ...」
     彼は彼女の服を捲って足元に覆いかぶさっていた毛布を退けた。

「龍さん、別に激しく抱いて欲しい訳じゃ...」
     彼に首元に触れられ唇へと引き寄せられた。

「美夢ちゃんのオナニー手伝ってあげるね」
   
    激しい口付けが終わると優しい彼は獣へと
変わっていた。

次回に続く


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