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Act 3. 逆走
【街の風景】
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無人で走る車に突然鳴り始めるスマホ…
これはもしかしてキツネか何かに化かされているのでは?
真剣にそう考えた。
よく昔話で行けども行けども同じ道をぐるぐる回る、
なんて話がある。
いくら疲れているからとは言え
来た道と逆側にウインカーを出す、などまずあり得ない
さっきから何かおかしいと感じてはいたが
もしやこの界隈には何か特殊な妖力でも
宿っているのだろうか?
いやいやこれこそ私自身の "不具合" なのか?
そう笑い飛ばしたいところだったが
そんな気持ちの余裕が今はなかった。
私は車をUターンさせ、今度こそ確実に
自宅へ向かう順路に従って車を走らせた。
「こっちで正解…だよな」
気づけばいつしか"あの曲" は鳴動を止めていた。
それでも、魔の物にでも取り憑かれたのでは?
そんな疑いがまだ晴れない私は
ひとつひとつ通り道の建物が
ここに至るまでに見たものと相違ないか
確認しながら車を走らせた。
2件目のコンビニ、そして
最初に休憩をとったコンビニを見つけた時
その当たり前のことに歓喜した。
時計は1時50分、約15キロほど帰路とは逆の道を走り続け
約1時間のタイムロスを余儀なくされたものの
今はようやく正規のルートを走っている。
ー 色々大変だったけどやっとこれで帰れるな…
この後の帰り道で"あの曲"が流れることはなかった
ただ私自身、この先の記憶が
非常に曖昧模糊としたものであり
覚えていたのはほんのりと夜が明け始めた頃
広々とした花畑を横目に車を走らせていたこと。
「もう朝じゃないか、まだ雨やまないんだな…」
帰り道で目にする風景があまり見覚えのない景色だったが
行きと帰りは景色が違って見える、
前にそんなことを聞いたことがあったので
さほど気にすることもなく
ようやく穏やかな心境で車を走らせることが出来た。
過去にテレビで超常現象の特集を観たことがあるが
まさか自分がこんな体験をするとは…
ーこれって…何だったんだろう?
私はこの一晩での不思議な出来事を回想していた。
これはもしかしてキツネか何かに化かされているのでは?
真剣にそう考えた。
よく昔話で行けども行けども同じ道をぐるぐる回る、
なんて話がある。
いくら疲れているからとは言え
来た道と逆側にウインカーを出す、などまずあり得ない
さっきから何かおかしいと感じてはいたが
もしやこの界隈には何か特殊な妖力でも
宿っているのだろうか?
いやいやこれこそ私自身の "不具合" なのか?
そう笑い飛ばしたいところだったが
そんな気持ちの余裕が今はなかった。
私は車をUターンさせ、今度こそ確実に
自宅へ向かう順路に従って車を走らせた。
「こっちで正解…だよな」
気づけばいつしか"あの曲" は鳴動を止めていた。
それでも、魔の物にでも取り憑かれたのでは?
そんな疑いがまだ晴れない私は
ひとつひとつ通り道の建物が
ここに至るまでに見たものと相違ないか
確認しながら車を走らせた。
2件目のコンビニ、そして
最初に休憩をとったコンビニを見つけた時
その当たり前のことに歓喜した。
時計は1時50分、約15キロほど帰路とは逆の道を走り続け
約1時間のタイムロスを余儀なくされたものの
今はようやく正規のルートを走っている。
ー 色々大変だったけどやっとこれで帰れるな…
この後の帰り道で"あの曲"が流れることはなかった
ただ私自身、この先の記憶が
非常に曖昧模糊としたものであり
覚えていたのはほんのりと夜が明け始めた頃
広々とした花畑を横目に車を走らせていたこと。
「もう朝じゃないか、まだ雨やまないんだな…」
帰り道で目にする風景があまり見覚えのない景色だったが
行きと帰りは景色が違って見える、
前にそんなことを聞いたことがあったので
さほど気にすることもなく
ようやく穏やかな心境で車を走らせることが出来た。
過去にテレビで超常現象の特集を観たことがあるが
まさか自分がこんな体験をするとは…
ーこれって…何だったんだろう?
私はこの一晩での不思議な出来事を回想していた。
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