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過去の悪夢
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さて、アリウスの後を追い家から出た俺は周囲の光景に一瞬にして目を奪われた。
記憶がないからだろうか。いや違う、俺は今確かな安心感を味わっていた。俺が最初にいたあの草原のようにのどかな景色がそこにはあった。
その景色を堪能していると、俺の脳裏には今までの短くも長い時間に味わった経験が蘇ってきていた。
暗く、人気を一切感じない洞窟、そこで会った人達、緑の奴等──いや、ゴブリンと言ったか?初めての戦い、死を連想させたむせかえるほどの血の匂い。
──嫌なことを思い出した…くそっ!
残った凄惨な記憶を吹き飛ばすかのように大きくその場で深呼吸をする。
空気が良いからなのだろうか、数回深呼吸をすると随分と気が晴れた。
──あ、そういえばアリウスは?
辺りを見回す。だが、探すまでもなかった。アリウスは俺より数歩先で腕を組み、堂々たる立ち姿で俺を見ていた。
俺が落ち着いたのを見計らったのだろう、アリウスが声をかけてきた。
「大丈夫か?」
「あ、ああ。大丈夫…」
「辛かっただろ?」
「え?」
「お前、俺がここに連れて来るまでの間と寝ている間はずっとうなされていたんだ。覚えてないか?」
「え、あ、いや…覚えてない…」
「『誰か助けて』、『ごめんなさい』、『痛い』、『痛い』、『痛い』、ってな」
「………」
「何度も何度も何度も同じことを繰り返して言っていたよ。懇願するようにな」
「………」
「最初は戦闘で負ったトラウマがフラッシュバックしてるんだと思って、様子を見ていた。だけどな、違ったんだ」
俺には記憶がない。だから違う!と否定しようとした。そんなものは知らない、きっと聞き間違えたのだろう、と。
アリウスは話を続ける。
「言葉の合間合間に誰かの名前だと思われる単語が入ってきた。お前は夢なのにも関わらず声をあげて泣いていた」
俺にはこのアリウスの話を否定することができなかった。体が否定することを頑なに拒んでいるようだった。
「だから俺はお前は誰かに虐げられていたのだと思った。残忍で卑劣極まりない連中にな!」
アリウスが吼えるように叫ぶ。その様は激しい怒りの感情が誰の目にも窺えた。
「だから俺はお前の力になることにした。もう決めた!後はお前の意思次第だ。お前が拒むなら俺はその通りにする。お前が受け入れるなら俺は最大限お前の力になることを誓う。どうする?」
俺は────泣いた。泣いて泣いて泣いた。言葉の代弁の如く涙が止めどなく溢れて止まらなかった。
なのに──それでも今の俺にはその理由が分からない。心当たりが無いのだ。何一つとして。
だが!本能とも言うべき部分がアリウスの言葉に激しく心を揺さぶられていた。
涙が止まらない。言葉が出せない。だが。アリウスはこちらを真摯に見つめじっと、ひたすらに待ってくれている。
しばらく経ち、俺は──
「よ゛、よ゛ろ゛じぐ、お゛、お゛ね゛がいしまず……!」
深々と頭を下げ、そう言った。
アリウスは組んでいた腕を下ろすと、ゆっくりとこちらに近づいて、俺を強く、強く抱き締めて、こう言った。
「分かった!」と。
俺が抱きしめから解放されたのは、大分時間が経ってアリウスが遠くから聞こえる鐘の音に気付くまでの間だった。
俺を解放したアリウスは流石に長時間の抱きしめはそこはかとなく恥ずかしかったのだろう。注意深く観察すればわかる程度に赤面していた。大の大人が顔を赤くしているというのは中々にシュールな光景だった。しかし、俺も自らの顔が熱を持っていたのは自覚していたので、直ぐにその考えを意識の外に置いた。
ようやくお互いに落ち着いてきた頃、アリウスがさて、と話を切り出す。
「よし、んじゃ当初の目的地に向かおうか!」
「あ、ああそうだす、ね」
──妙なつっかえ方をしてしまったぁ!
そしてアリウスのテンションも若干おかしい。
──これはあれだ、お互いちっとも落ち着いていないってことだな!
一人で勝手に納得した。すると──
「と、りあえず歩くか!」
「あ、ああそうだ、な…」
やはり少しばかりテンションの高いアリウスが歩き出す。俺はそれに追従する形で着いていく。
道中歩いていくなかで、俺は街の設備の配置を大まかに教わった。
話によると、この街はリンデルという名称で街の中央には領主の城が鎮座しているらしい。そしてその城を取り囲むように大まかに3つのグループで地区が別れているという。
1つ目は様々な品を取り扱う商業地区で、この地区は領主の城の上─つまり北側に位置している。
2つ目が工業地区でその名の通りこちらは主に鍛冶屋、調合屋などの店があり、こちらで完成した品々を商業地区へ卸すという方法をとっているらしい。因みにオーダーメイドも受け付けているらしい。こちらの地区は城の右側─東側に位置している。
最後に3つ目が住民地区といい、こちらも名が表す通りに主に住宅街が拡がっている。ここには旅人等に向けた酒場や宿屋などもあるらしい。この地区は城の左側─西側に位置している。
ここまで聞いたところで1つ補足が入った。本当は城の下側─南側にももう1つ地区が存在していたらしい。その名をギルド地区という。その地区は最初はその名の通り色々なギルドが集まる地区だったらしいが、1つの出来事をきっかけに住民地区の方へバラバラに移転したそうだ。なもんでこの地区はほぼ不要となり、空白の土地になったそうだ。一応なにかしら建立しようという意見はあるものの、未だに何を建立するかは決まっていないらしい。
因みに──
「アリウスは何を造ればいいと思う?」
と質問したら──
「ん~そうだな、訓練場とかいいかもな!この街には何かしら練習したりする場所とかないからなぁ。あれば嬉しいね」
だそうだ。
さて、そんな話をしながら好奇心で常にキョロキョロ辺りを見回していた俺は苦笑いしつつ俺のトークに付き合っていたアリウスが足を止めたことで、ようやく目的地に到着したことを理解した。
「さて、着いたぞ」
──おおう。
促され、見上げた先には──
「で、でけぇ…!」
騎士を象った1対の剣を胸の前で掲げている、随分装飾を施された石像が向かい合って存在していた。
思わず声を出して驚いた俺に対して、アリウスは陽気な声で、
「驚くのはまだ早いぞ?」
と言ってくる。
──まだ驚くようなことがあるのか!
正直これ以上の驚く要素は今のところ見当たらない。何が驚く要因になるのかと慎重になりながら歩を進めた。
アリウスはその様を見て企むような笑みを浮かべながら、
「さて、何があるのかなぁ?」
と、からかうように言った。
これ以上からかわれるのも嫌なので、取り敢えずアリウスにキッと鋭い視線を向け、威圧して足早に石像の立つ奥にある建物へと足早に向かう。
だが、その間もアリウスはずっとニヤニヤとしていた。まるでイタズラが成功すると疑っていない子供のように。
なるべく今はアリウスを意識下に置きつつ、意外と距離のあった建物まで辿り着く。
すると、そこまでずっとおどけた調子でいたアリウスが急にキリッとした顔に一瞬にして変貌した。
「俺が先に入るから、俺のそばを離れずついてこいよ!」
というなりドアノブに手をかけ、一気に押し開いた。
記憶がないからだろうか。いや違う、俺は今確かな安心感を味わっていた。俺が最初にいたあの草原のようにのどかな景色がそこにはあった。
その景色を堪能していると、俺の脳裏には今までの短くも長い時間に味わった経験が蘇ってきていた。
暗く、人気を一切感じない洞窟、そこで会った人達、緑の奴等──いや、ゴブリンと言ったか?初めての戦い、死を連想させたむせかえるほどの血の匂い。
──嫌なことを思い出した…くそっ!
残った凄惨な記憶を吹き飛ばすかのように大きくその場で深呼吸をする。
空気が良いからなのだろうか、数回深呼吸をすると随分と気が晴れた。
──あ、そういえばアリウスは?
辺りを見回す。だが、探すまでもなかった。アリウスは俺より数歩先で腕を組み、堂々たる立ち姿で俺を見ていた。
俺が落ち着いたのを見計らったのだろう、アリウスが声をかけてきた。
「大丈夫か?」
「あ、ああ。大丈夫…」
「辛かっただろ?」
「え?」
「お前、俺がここに連れて来るまでの間と寝ている間はずっとうなされていたんだ。覚えてないか?」
「え、あ、いや…覚えてない…」
「『誰か助けて』、『ごめんなさい』、『痛い』、『痛い』、『痛い』、ってな」
「………」
「何度も何度も何度も同じことを繰り返して言っていたよ。懇願するようにな」
「………」
「最初は戦闘で負ったトラウマがフラッシュバックしてるんだと思って、様子を見ていた。だけどな、違ったんだ」
俺には記憶がない。だから違う!と否定しようとした。そんなものは知らない、きっと聞き間違えたのだろう、と。
アリウスは話を続ける。
「言葉の合間合間に誰かの名前だと思われる単語が入ってきた。お前は夢なのにも関わらず声をあげて泣いていた」
俺にはこのアリウスの話を否定することができなかった。体が否定することを頑なに拒んでいるようだった。
「だから俺はお前は誰かに虐げられていたのだと思った。残忍で卑劣極まりない連中にな!」
アリウスが吼えるように叫ぶ。その様は激しい怒りの感情が誰の目にも窺えた。
「だから俺はお前の力になることにした。もう決めた!後はお前の意思次第だ。お前が拒むなら俺はその通りにする。お前が受け入れるなら俺は最大限お前の力になることを誓う。どうする?」
俺は────泣いた。泣いて泣いて泣いた。言葉の代弁の如く涙が止めどなく溢れて止まらなかった。
なのに──それでも今の俺にはその理由が分からない。心当たりが無いのだ。何一つとして。
だが!本能とも言うべき部分がアリウスの言葉に激しく心を揺さぶられていた。
涙が止まらない。言葉が出せない。だが。アリウスはこちらを真摯に見つめじっと、ひたすらに待ってくれている。
しばらく経ち、俺は──
「よ゛、よ゛ろ゛じぐ、お゛、お゛ね゛がいしまず……!」
深々と頭を下げ、そう言った。
アリウスは組んでいた腕を下ろすと、ゆっくりとこちらに近づいて、俺を強く、強く抱き締めて、こう言った。
「分かった!」と。
俺が抱きしめから解放されたのは、大分時間が経ってアリウスが遠くから聞こえる鐘の音に気付くまでの間だった。
俺を解放したアリウスは流石に長時間の抱きしめはそこはかとなく恥ずかしかったのだろう。注意深く観察すればわかる程度に赤面していた。大の大人が顔を赤くしているというのは中々にシュールな光景だった。しかし、俺も自らの顔が熱を持っていたのは自覚していたので、直ぐにその考えを意識の外に置いた。
ようやくお互いに落ち着いてきた頃、アリウスがさて、と話を切り出す。
「よし、んじゃ当初の目的地に向かおうか!」
「あ、ああそうだす、ね」
──妙なつっかえ方をしてしまったぁ!
そしてアリウスのテンションも若干おかしい。
──これはあれだ、お互いちっとも落ち着いていないってことだな!
一人で勝手に納得した。すると──
「と、りあえず歩くか!」
「あ、ああそうだ、な…」
やはり少しばかりテンションの高いアリウスが歩き出す。俺はそれに追従する形で着いていく。
道中歩いていくなかで、俺は街の設備の配置を大まかに教わった。
話によると、この街はリンデルという名称で街の中央には領主の城が鎮座しているらしい。そしてその城を取り囲むように大まかに3つのグループで地区が別れているという。
1つ目は様々な品を取り扱う商業地区で、この地区は領主の城の上─つまり北側に位置している。
2つ目が工業地区でその名の通りこちらは主に鍛冶屋、調合屋などの店があり、こちらで完成した品々を商業地区へ卸すという方法をとっているらしい。因みにオーダーメイドも受け付けているらしい。こちらの地区は城の右側─東側に位置している。
最後に3つ目が住民地区といい、こちらも名が表す通りに主に住宅街が拡がっている。ここには旅人等に向けた酒場や宿屋などもあるらしい。この地区は城の左側─西側に位置している。
ここまで聞いたところで1つ補足が入った。本当は城の下側─南側にももう1つ地区が存在していたらしい。その名をギルド地区という。その地区は最初はその名の通り色々なギルドが集まる地区だったらしいが、1つの出来事をきっかけに住民地区の方へバラバラに移転したそうだ。なもんでこの地区はほぼ不要となり、空白の土地になったそうだ。一応なにかしら建立しようという意見はあるものの、未だに何を建立するかは決まっていないらしい。
因みに──
「アリウスは何を造ればいいと思う?」
と質問したら──
「ん~そうだな、訓練場とかいいかもな!この街には何かしら練習したりする場所とかないからなぁ。あれば嬉しいね」
だそうだ。
さて、そんな話をしながら好奇心で常にキョロキョロ辺りを見回していた俺は苦笑いしつつ俺のトークに付き合っていたアリウスが足を止めたことで、ようやく目的地に到着したことを理解した。
「さて、着いたぞ」
──おおう。
促され、見上げた先には──
「で、でけぇ…!」
騎士を象った1対の剣を胸の前で掲げている、随分装飾を施された石像が向かい合って存在していた。
思わず声を出して驚いた俺に対して、アリウスは陽気な声で、
「驚くのはまだ早いぞ?」
と言ってくる。
──まだ驚くようなことがあるのか!
正直これ以上の驚く要素は今のところ見当たらない。何が驚く要因になるのかと慎重になりながら歩を進めた。
アリウスはその様を見て企むような笑みを浮かべながら、
「さて、何があるのかなぁ?」
と、からかうように言った。
これ以上からかわれるのも嫌なので、取り敢えずアリウスにキッと鋭い視線を向け、威圧して足早に石像の立つ奥にある建物へと足早に向かう。
だが、その間もアリウスはずっとニヤニヤとしていた。まるでイタズラが成功すると疑っていない子供のように。
なるべく今はアリウスを意識下に置きつつ、意外と距離のあった建物まで辿り着く。
すると、そこまでずっとおどけた調子でいたアリウスが急にキリッとした顔に一瞬にして変貌した。
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