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Ⅲ 白猫リカルの罪
①
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リカルが恋愛天使になって百年が過ぎる。
時が経っても、リカルは飼われていた寺を思い出す。
鮮明に思い出す記憶はリカルにとって戒めのようなものだ。
『利軽や。こちらにおいで。可愛いのぅ』
年老いた住職はリカルを可愛がってくれた。今では住職の顔はぼやけてしまい、黒の袈裟しか思い出せない。
ノラ猫は多くいたが、寺の住職に飼われていたのはリカルだけ。白い毛並みが一際美しい、と住職に拾われて飼い猫になった。
首には金の鈴をつけてもらった。チリチリ鳴る音が高貴に聞こえて好きだった。寺に集まるノラ猫と自分は違うのだ、そんな優越感に浸っていた。
――だが、リカルには欠点があった。それに気が付いていなかった。
猫には発情期がある。春になると雌猫が発情して雄を誘惑する。
リカルには可愛らしい恋猫がいた。雌の茶猫だ。普通の野良猫のように見えるが、彼女は左右の瞳の色が違った。
リカルはそれが特別に思えて大好きだった。彼女も、真っ白で鈴を持っているリカルが特別だ、と言って愛してくれた。
寺の庭を二人で歩くと幸せだった。
リカルは住職からもらった魚を彼女に分けたし、新しいおもちゃも与えた。色違いの瞳が輝く瞬間が大好きだった。
――そう、大好きだったのに。
茶猫の彼女は春になって発情した。
強烈なフェロモンは分かったが、リカルは何故か発情できなかった。迫られても何もしてあげられない。
その時に、自分には生殖機能が欠けているのだと知った。リカルは困り果てて、にゃぁ、と弱く鳴いた。
そして、悲しみを訴える色違いの瞳は、春の間、どこかに消えた。
リカルは胸に穴が空いたように寂しくて、毎日を塞ぎ込んで過ごした。
春の終わり。彼女は帰って来た。戻ってくれて嬉しかった。
リカルは彼女が二度と消えないように、たくさんご飯を分け与えたし、温かな布団もあげた。少しずつ彼女はぽっちゃりして、それはリカルが彼女を甘やかしているからなのだと、一人で浮かれていた。
しかし、ある日。彼女は四匹の子猫を生んだ。
子猫の側には、大きな黒猫がいた。ここはリカルの、寺なのに。
黒猫に守られて茶猫の彼女は母乳をあげている。
目の前の光景が信じられず、リカルはその場に立ち尽くした。
すると、黒猫がリカルを威嚇して体当たりしてきた。リカルは簡単に突き飛ばされた。
(なんで? どうして?)
そんな疑問で彼女を見つめたが、彼女はリカルを見向きもしなかった。
愛おしそうに子猫を見ている。
彼女の背中と子猫の鳴き声に、気が狂いそうだった。
その日から、寺の床下は黒猫の縄張りになった。
数日が経った頃。昼間に茶猫の彼女と大きな黒猫が散歩に出かけた。床下を見れば、子猫は眠っている。その寝顔の憎らしいこと。リカルがあげた布団に鎮座する四匹が、許せなかった。
――気が付いたら、身体が動いていた。
カラスの巣があるイチョウの木。そこの真下に、四匹を運んだ。
子猫は必死で鳴き声をあげていた。すぐにカラスが気付いて襲う。リカルはそれを眺めていた。こんなに冷徹になれる自分が不思議だった。カラスはどんどん集まってきて、黒い塊になる。
「ミャ―!」
その中に黒い大きな猫が飛び込んだ。いつの間にか戻った父猫だ。それに続いて、茶猫の彼女も。
リカルはハッとした。
茶猫の彼女が、カラスに襲われてしまう。猫二匹では分が悪い。
そう思うのに、助けに入れなかった。
しばらく断末魔のような鳴き声が続いた後、カラスの鳴き声だけになった。
寺の住職は法事でいない。誰も止められる者はいない。
静かな庭に、カラスが群がる。赤くなった地面。恐ろしい光景。
リカルは見ていられなくてお堂の中に逃げた。
(俺のせいじゃない! 俺は、悪くない! 裏切ったのは、彼女だ!)
ふと、視線を感じて顔をあげれば、お堂の大仏様がリカルを見ていた。いつもは閉眼している大仏像。けれど、その黒い瞳がギロリと開いてリカルを見つめている。
リカルは一歩も動けなかった。カタカタ震える身体と大量に噴き出てくる汗。
――見テイタゾ。
そんな声が聞こえた気がした。
夜になり寺に戻った住職が庭の惨事を見つけた。何度も「可哀そうに」と呟いた。残骸を丁寧に埋めてくれた。
それからリカルは大仏様が怖くなった。その瞳が閉じているのか開いているのか気になるのに、ちゃんと見られない。
これまで寺に寄ってきていたノラ猫たちは一匹も近寄らなくなった。猫たちは遠くから冷たい目でリカルを見てくるだけ。その視線が辛くて、リカルは寺から出ることなく生涯を過ごした。
自分がどう死んだのか覚えていない。ただ、自分の罪だけは忘れることなく頭に焼き付いている。
――なぜ、あんなことをして平気だったのだろう。
今更ながらに罪の重さを思い出し、心が押しつぶされそうになった時。
リカルの横にフワリと風が吹いた。
「リカル、サボるな」
相変わらずの冷たい声だ。しかし心配そうに赤い瞳が揺れている。そのアンバランスさにリカルの頬が緩む。
「ルル、サボるわけないだろ。地上の偵察だ」
見栄を張って大丈夫なフリをした。けれど声が震えてしまった。
「そうか。なら、涙を拭け。猫の癖に、泣くな」
言われて気がついた。涙が溢れている。
「……もう、猫じゃないからな」
屁理屈を返して恥ずかしさに顔を背けたが、ルルに優しく抱き上げられた。真っ黒な毛並みを撫でられる。
「リカル、泣くな」
小さな声がリカルの心に染み込む。ルルなりの精一杯の励ましだ。だけど、そんな優しさには慣れていない。いつもは冷たくあしらう癖に。リカルの瞳に熱い涙が溢れてくる。
――少しだけルルに甘えていたい。
リカルは目を閉じて白い腕に身を任せた。
名前も忘れた茶猫の彼女に、黒猫の彼に、生まれたばかりだった四匹に、心で懺悔を繰り返して。
「私たちは、償うしかないんだ」
月夜の空にルルの言葉が凛と響いた。夜空を見上げるルルの瞳にも涙が光っていた。
<完>
時が経っても、リカルは飼われていた寺を思い出す。
鮮明に思い出す記憶はリカルにとって戒めのようなものだ。
『利軽や。こちらにおいで。可愛いのぅ』
年老いた住職はリカルを可愛がってくれた。今では住職の顔はぼやけてしまい、黒の袈裟しか思い出せない。
ノラ猫は多くいたが、寺の住職に飼われていたのはリカルだけ。白い毛並みが一際美しい、と住職に拾われて飼い猫になった。
首には金の鈴をつけてもらった。チリチリ鳴る音が高貴に聞こえて好きだった。寺に集まるノラ猫と自分は違うのだ、そんな優越感に浸っていた。
――だが、リカルには欠点があった。それに気が付いていなかった。
猫には発情期がある。春になると雌猫が発情して雄を誘惑する。
リカルには可愛らしい恋猫がいた。雌の茶猫だ。普通の野良猫のように見えるが、彼女は左右の瞳の色が違った。
リカルはそれが特別に思えて大好きだった。彼女も、真っ白で鈴を持っているリカルが特別だ、と言って愛してくれた。
寺の庭を二人で歩くと幸せだった。
リカルは住職からもらった魚を彼女に分けたし、新しいおもちゃも与えた。色違いの瞳が輝く瞬間が大好きだった。
――そう、大好きだったのに。
茶猫の彼女は春になって発情した。
強烈なフェロモンは分かったが、リカルは何故か発情できなかった。迫られても何もしてあげられない。
その時に、自分には生殖機能が欠けているのだと知った。リカルは困り果てて、にゃぁ、と弱く鳴いた。
そして、悲しみを訴える色違いの瞳は、春の間、どこかに消えた。
リカルは胸に穴が空いたように寂しくて、毎日を塞ぎ込んで過ごした。
春の終わり。彼女は帰って来た。戻ってくれて嬉しかった。
リカルは彼女が二度と消えないように、たくさんご飯を分け与えたし、温かな布団もあげた。少しずつ彼女はぽっちゃりして、それはリカルが彼女を甘やかしているからなのだと、一人で浮かれていた。
しかし、ある日。彼女は四匹の子猫を生んだ。
子猫の側には、大きな黒猫がいた。ここはリカルの、寺なのに。
黒猫に守られて茶猫の彼女は母乳をあげている。
目の前の光景が信じられず、リカルはその場に立ち尽くした。
すると、黒猫がリカルを威嚇して体当たりしてきた。リカルは簡単に突き飛ばされた。
(なんで? どうして?)
そんな疑問で彼女を見つめたが、彼女はリカルを見向きもしなかった。
愛おしそうに子猫を見ている。
彼女の背中と子猫の鳴き声に、気が狂いそうだった。
その日から、寺の床下は黒猫の縄張りになった。
数日が経った頃。昼間に茶猫の彼女と大きな黒猫が散歩に出かけた。床下を見れば、子猫は眠っている。その寝顔の憎らしいこと。リカルがあげた布団に鎮座する四匹が、許せなかった。
――気が付いたら、身体が動いていた。
カラスの巣があるイチョウの木。そこの真下に、四匹を運んだ。
子猫は必死で鳴き声をあげていた。すぐにカラスが気付いて襲う。リカルはそれを眺めていた。こんなに冷徹になれる自分が不思議だった。カラスはどんどん集まってきて、黒い塊になる。
「ミャ―!」
その中に黒い大きな猫が飛び込んだ。いつの間にか戻った父猫だ。それに続いて、茶猫の彼女も。
リカルはハッとした。
茶猫の彼女が、カラスに襲われてしまう。猫二匹では分が悪い。
そう思うのに、助けに入れなかった。
しばらく断末魔のような鳴き声が続いた後、カラスの鳴き声だけになった。
寺の住職は法事でいない。誰も止められる者はいない。
静かな庭に、カラスが群がる。赤くなった地面。恐ろしい光景。
リカルは見ていられなくてお堂の中に逃げた。
(俺のせいじゃない! 俺は、悪くない! 裏切ったのは、彼女だ!)
ふと、視線を感じて顔をあげれば、お堂の大仏様がリカルを見ていた。いつもは閉眼している大仏像。けれど、その黒い瞳がギロリと開いてリカルを見つめている。
リカルは一歩も動けなかった。カタカタ震える身体と大量に噴き出てくる汗。
――見テイタゾ。
そんな声が聞こえた気がした。
夜になり寺に戻った住職が庭の惨事を見つけた。何度も「可哀そうに」と呟いた。残骸を丁寧に埋めてくれた。
それからリカルは大仏様が怖くなった。その瞳が閉じているのか開いているのか気になるのに、ちゃんと見られない。
これまで寺に寄ってきていたノラ猫たちは一匹も近寄らなくなった。猫たちは遠くから冷たい目でリカルを見てくるだけ。その視線が辛くて、リカルは寺から出ることなく生涯を過ごした。
自分がどう死んだのか覚えていない。ただ、自分の罪だけは忘れることなく頭に焼き付いている。
――なぜ、あんなことをして平気だったのだろう。
今更ながらに罪の重さを思い出し、心が押しつぶされそうになった時。
リカルの横にフワリと風が吹いた。
「リカル、サボるな」
相変わらずの冷たい声だ。しかし心配そうに赤い瞳が揺れている。そのアンバランスさにリカルの頬が緩む。
「ルル、サボるわけないだろ。地上の偵察だ」
見栄を張って大丈夫なフリをした。けれど声が震えてしまった。
「そうか。なら、涙を拭け。猫の癖に、泣くな」
言われて気がついた。涙が溢れている。
「……もう、猫じゃないからな」
屁理屈を返して恥ずかしさに顔を背けたが、ルルに優しく抱き上げられた。真っ黒な毛並みを撫でられる。
「リカル、泣くな」
小さな声がリカルの心に染み込む。ルルなりの精一杯の励ましだ。だけど、そんな優しさには慣れていない。いつもは冷たくあしらう癖に。リカルの瞳に熱い涙が溢れてくる。
――少しだけルルに甘えていたい。
リカルは目を閉じて白い腕に身を任せた。
名前も忘れた茶猫の彼女に、黒猫の彼に、生まれたばかりだった四匹に、心で懺悔を繰り返して。
「私たちは、償うしかないんだ」
月夜の空にルルの言葉が凛と響いた。夜空を見上げるルルの瞳にも涙が光っていた。
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麻紀さぁん☺️✨
ご感想ありがとうございます!
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読んでくださり感謝です🥹✨
ありがとうございました♥
リカルの罪。
そしてその罰はお前のしたことを忘れるなと言うばかりの、恋愛の天使。リカルの罪はいつ赦されるのでしょうか。
切ないですね😢
金浦桃多さま✨
ご感想ありがとうございます🥹✨
コッソリ更新したのに気がついてくださり嬉しいです!
リカルの罪、暗くて申し訳ないですが、お読みいただけて幸せです(*^^*)
いつも本当にありがとうございます!
完結おめでとうございます✨
救済天使ルルの仕事は、辛いですね😢
でも、その辛さを乗り越えたとき、その人は救われる。
幸せって何だろう?と考えさせられました。
素敵なお話をありがとうございます。
未希かずは様✨✨
ご感想ありがとうございます !
完結までお付き合いくだり感謝です✨
ルルの仕事は確かに辛いです💦
そんなルルに気持ちを添えていただけて嬉しく思います☆
お読みくださり、ありがとうございました😊✨