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クレアは警備室の一角にある、簡素な小部屋に通された。
室内は白い壁が汚れで所々くすんで灰色になっており、部屋の真ん中には正方形の小さい木のテーブル、簡素な木の椅子が2脚対面に置かれている。
出入り口入ってすぐ横には、記録係用なのか、紙束が置かれた書き物机と、机と壁の間に1脚の椅子が置かれている。
クレアは出入り口から一番遠い椅子に座らされると、静かに待つように言われた。
皆外へ出て行き、一人残されると外側から施錠される音が室内に響く。
頭の中では、どうしてこうなったのかを必死に考えていた。
本来なら、ダンスの授業でクレアとメイナードが一緒に踊り、仲睦まじい様子を見たエレノアが授業の後に、クレアを階段上で引き止めて「あなた邪魔だわ…」と呟きながらクレアを突き落とすはずだった。
そこにクレアの悲鳴を耳にしたメイナード達が急ぎ戻ってくると、階段下で倒れるクレアを見て駆け寄って抱き起こす。そして階上をみあげた時、一瞬見えた後ろ姿と髪色で、犯人はエレノアではないかと疑念を抱く。
医務室に運ばれ、夕暮れ時に目を覚ましたクレアの証言で、エレノアの犯行と決定付けられる。
それでも健気にも、エレノアを庇う発言をするクレアに「君は俺が必ず守る…!」と言われ、これまでのいじめの証拠を揃えて模擬夜会で断罪する……はずだったのだ。
しかし、実際には挑発しても手を挙げないばかりか、エレノアは恐れたのか後退りした。
逃すまいと、近付いてから叫び声を上げて、戸惑っているうちに階段へ倒れ込もうとした瞬間に、エレノアに手首を掴まれた。
「え?」っと声を上げる間も無く、強い力でグッと引かれ、まだ離れていなかった片足を軸にぐるりと回り、気がつけば立ち位置が入れ替わっていた。
結果、立ち位置の変わったエレノアは手を離して階段を転げ落ち、混乱のままクレアは前方に手を伸ばして固まってしまった。
手が離れた瞬間に、エレノアを呼ぶ声が聞こえたかと思うと、メイナードが凄い勢いで駆け上がってエレノアを途中で抱きとめた。
そしてクレアはあっという間に拘束されて今に至っていた。
室内は白い壁が汚れで所々くすんで灰色になっており、部屋の真ん中には正方形の小さい木のテーブル、簡素な木の椅子が2脚対面に置かれている。
出入り口入ってすぐ横には、記録係用なのか、紙束が置かれた書き物机と、机と壁の間に1脚の椅子が置かれている。
クレアは出入り口から一番遠い椅子に座らされると、静かに待つように言われた。
皆外へ出て行き、一人残されると外側から施錠される音が室内に響く。
頭の中では、どうしてこうなったのかを必死に考えていた。
本来なら、ダンスの授業でクレアとメイナードが一緒に踊り、仲睦まじい様子を見たエレノアが授業の後に、クレアを階段上で引き止めて「あなた邪魔だわ…」と呟きながらクレアを突き落とすはずだった。
そこにクレアの悲鳴を耳にしたメイナード達が急ぎ戻ってくると、階段下で倒れるクレアを見て駆け寄って抱き起こす。そして階上をみあげた時、一瞬見えた後ろ姿と髪色で、犯人はエレノアではないかと疑念を抱く。
医務室に運ばれ、夕暮れ時に目を覚ましたクレアの証言で、エレノアの犯行と決定付けられる。
それでも健気にも、エレノアを庇う発言をするクレアに「君は俺が必ず守る…!」と言われ、これまでのいじめの証拠を揃えて模擬夜会で断罪する……はずだったのだ。
しかし、実際には挑発しても手を挙げないばかりか、エレノアは恐れたのか後退りした。
逃すまいと、近付いてから叫び声を上げて、戸惑っているうちに階段へ倒れ込もうとした瞬間に、エレノアに手首を掴まれた。
「え?」っと声を上げる間も無く、強い力でグッと引かれ、まだ離れていなかった片足を軸にぐるりと回り、気がつけば立ち位置が入れ替わっていた。
結果、立ち位置の変わったエレノアは手を離して階段を転げ落ち、混乱のままクレアは前方に手を伸ばして固まってしまった。
手が離れた瞬間に、エレノアを呼ぶ声が聞こえたかと思うと、メイナードが凄い勢いで駆け上がってエレノアを途中で抱きとめた。
そしてクレアはあっという間に拘束されて今に至っていた。
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