12 / 27
お嬢様、論破する②
しおりを挟む
「…しかし、多数で囲って口汚く罵るのは王族の婚約者として、人として在るまじき行いでしょう!」
「いいえ、その様な事しておりませんわ。
正しくは、その場にいた私以外の第三者も交えて、正しいマナーを実践で教えて差し上げましたわ。
何度か教諭の方も混じっていただきましたので、確認なさって下さい」
リリアンナ様の発言に、最早観客と化したパーティー参加者達が騒めきだす。
「あー、あの突然始まる、実戦!正しいマナー講座かー」
「あれ、勉強になるよねー。態々見に行ったな~」
「理由やちょっとしたこぼれ話も入るから分かりやすいんだよね~」
「え、あれって身分を笠に着てって事になるの?」
周りの声が聞こえたのか、狼狽え出したセジュール様をスッと睨み見据え、リリアンナ様は続けた。
「学園に居るうちに学んだマナーを正しく身につけるのは、とても意味ある事ですわ。
それはそうと、貴方にもご注意申し上げなければなりません。
私にちゃんと名乗りもせず、かつ許しもなく名前を呼ぶのはマナー違反でしてよ?不快ですわ」
「なっ!それはっ!」
「そんな言い方、酷いわっ!」
突然割り入った金切り声に、観客が眉を寄せて不快感を示すも、目に入らないのか涙目でリリアンナ様に抗議をするロティ嬢。
そして非難はセジュール様へも向く。
殿下の側近候補であるセジュール様と、殿下の婚約者であるリリアンナ様が名乗りあった親しい間柄なのかと思っていた観客は、セジュールへ非難の目を向け、ヒソヒソと囁き合う。
「貴族として名乗らないのは…」
「許しもなくですって…」
「酷いって、何なんだ?常識だろ…」
貴族間のマナーとして、家名も表さず正しく名乗りもしない事は、“名乗るに値しない“”知り合いたくない相手”と軽視しているなどの意味を持つ。
セジュール様は、学園に入ってからロドヴィック殿下の取り巻きとなり、側近候補に数えられた。
直後ロティ嬢ににより「リリアンナ様から虐められている」と聞きいて悪感情を持ち、周りに流されて同じように名前を口にしていたのだ。
周りの非難の声が耳に入り、たじろいだセジュール様を体格の良い伯爵家の令息が、短く切りそろえられた赤髪をガシガシと掻きながら肩を引いた。
「いいえ、その様な事しておりませんわ。
正しくは、その場にいた私以外の第三者も交えて、正しいマナーを実践で教えて差し上げましたわ。
何度か教諭の方も混じっていただきましたので、確認なさって下さい」
リリアンナ様の発言に、最早観客と化したパーティー参加者達が騒めきだす。
「あー、あの突然始まる、実戦!正しいマナー講座かー」
「あれ、勉強になるよねー。態々見に行ったな~」
「理由やちょっとしたこぼれ話も入るから分かりやすいんだよね~」
「え、あれって身分を笠に着てって事になるの?」
周りの声が聞こえたのか、狼狽え出したセジュール様をスッと睨み見据え、リリアンナ様は続けた。
「学園に居るうちに学んだマナーを正しく身につけるのは、とても意味ある事ですわ。
それはそうと、貴方にもご注意申し上げなければなりません。
私にちゃんと名乗りもせず、かつ許しもなく名前を呼ぶのはマナー違反でしてよ?不快ですわ」
「なっ!それはっ!」
「そんな言い方、酷いわっ!」
突然割り入った金切り声に、観客が眉を寄せて不快感を示すも、目に入らないのか涙目でリリアンナ様に抗議をするロティ嬢。
そして非難はセジュール様へも向く。
殿下の側近候補であるセジュール様と、殿下の婚約者であるリリアンナ様が名乗りあった親しい間柄なのかと思っていた観客は、セジュールへ非難の目を向け、ヒソヒソと囁き合う。
「貴族として名乗らないのは…」
「許しもなくですって…」
「酷いって、何なんだ?常識だろ…」
貴族間のマナーとして、家名も表さず正しく名乗りもしない事は、“名乗るに値しない“”知り合いたくない相手”と軽視しているなどの意味を持つ。
セジュール様は、学園に入ってからロドヴィック殿下の取り巻きとなり、側近候補に数えられた。
直後ロティ嬢ににより「リリアンナ様から虐められている」と聞きいて悪感情を持ち、周りに流されて同じように名前を口にしていたのだ。
周りの非難の声が耳に入り、たじろいだセジュール様を体格の良い伯爵家の令息が、短く切りそろえられた赤髪をガシガシと掻きながら肩を引いた。
111
あなたにおすすめの小説
【完結・7話】召喚命令があったので、ちょっと出て失踪しました。妹に命令される人生は終わり。
BBやっこ
恋愛
タブロッセ伯爵家でユイスティーナは、奥様とお嬢様の言いなり。その通り。姉でありながら母は使用人の仕事をしていたために、「言うことを聞くように」と幼い私に約束させました。
しかしそれは、伯爵家が傾く前のこと。格式も高く矜持もあった家が、機能しなくなっていく様をみていた古参組の使用人は嘆いています。そんな使用人達に教育された私は、別の屋敷で過ごし働いていましたが15歳になりました。そろそろ伯爵家を出ますね。
その矢先に、残念な妹が伯爵様の指示で訪れました。どうしたのでしょうねえ。
婚約破棄から始まる、ジャガイモ令嬢の優雅な畑生活
松本雀
恋愛
王太子から一方的な婚約破棄の書状を受け取ったその日、エリザベートは呟いた。
「婚約解消ですって?ありがたや~~!」
◆◆◆
殿下、覚えていらっしゃいますか?
あなたが選んだ隣国の姫のことではなく、
――私、侯爵令嬢エリザベートのことを。
あなたに婚約を破棄されて以来、私の人生は見違えるほど実り多くなりましたの。
優雅な所作で鍬を振り、ジャガイモを育て、恋をして。
私のことはご心配なく。土と恋の温もりは、宮廷の冷たい風よりずっと上等ですわ!
夫に捨てられた私は冷酷公爵と再婚しました
香木陽灯
恋愛
伯爵夫人のマリアーヌは「夜を共に過ごす気にならない」と突然夫に告げられ、わずか五ヶ月で離縁することとなる。
これまで女癖の悪い夫に何度も不倫されても、役立たずと貶されても、文句ひとつ言わず彼を支えてきた。だがその苦労は報われることはなかった。
実家に帰っても父から不当な扱いを受けるマリアーヌ。気分転換に繰り出した街で倒れていた貴族の男性と出会い、彼を助ける。
「離縁したばかり? それは相手の見る目がなかっただけだ。良かったじゃないか。君はもう自由だ」
「自由……」
もう自由なのだとマリアーヌが気づいた矢先、両親と元夫の策略によって再婚を強いられる。相手は婚約者が逃げ出すことで有名な冷酷公爵だった。
ところが冷酷公爵と会ってみると、以前助けた男性だったのだ。
再婚を受け入れたマリアーヌは、公爵と少しずつ仲良くなっていく。
ところが公爵は王命を受け内密に仕事をしているようで……。
一方の元夫は、財政難に陥っていた。
「頼む、助けてくれ! お前は俺に恩があるだろう?」
元夫の悲痛な叫びに、マリアーヌはにっこりと微笑んだ。
「なぜかしら? 貴方を助ける気になりませんの」
※ふんわり設定です
婚約破棄された私は、世間体が悪くなるからと家を追い出されました。そんな私を救ってくれたのは、隣国の王子様で、しかも初対面ではないようです。
冬吹せいら
恋愛
キャロ・ブリジットは、婚約者のライアン・オーゼフに、突如婚約を破棄された。
本来キャロの味方となって抗議するはずの父、カーセルは、婚約破棄をされた傷物令嬢に価値はないと冷たく言い放ち、キャロを家から追い出してしまう。
ありえないほど酷い仕打ちに、心を痛めていたキャロ。
隣国を訪れたところ、ひょんなことから、王子と顔を合わせることに。
「あの時のお礼を、今するべきだと。そう考えています」
どうやらキャロは、過去に王子を助けたことがあるらしく……?
とある令嬢の優雅な別れ方 〜婚約破棄されたので、笑顔で地獄へお送りいたします〜
入多麗夜
恋愛
【完結まで執筆済!】
社交界を賑わせた婚約披露の茶会。
令嬢セリーヌ・リュミエールは、婚約者から突きつけられる。
「真実の愛を見つけたんだ」
それは、信じた誠実も、築いてきた未来も踏みにじる裏切りだった。だが、彼女は微笑んだ。
愛よりも冷たく、そして美しく。
笑顔で地獄へお送りいたします――
【完結】婚約破棄される未来見えてるので最初から婚約しないルートを選びます
22時完結
恋愛
レイリーナ・フォン・アーデルバルトは、美しく品格高い公爵令嬢。しかし、彼女はこの世界が乙女ゲームの世界であり、自分がその悪役令嬢であることを知っている。ある日、夢で見た記憶が現実となり、レイリーナとしての人生が始まる。彼女の使命は、悲惨な結末を避けて幸せを掴むこと。
エドウィン王子との婚約を避けるため、レイリーナは彼との接触を避けようとするが、彼の深い愛情に次第に心を開いていく。エドウィン王子から婚約を申し込まれるも、レイリーナは即答を避け、未来を築くために時間を求める。
悪役令嬢としての運命を変えるため、レイリーナはエドウィンとの関係を慎重に築きながら、新しい道を模索する。運命を超えて真実の愛を掴むため、彼女は一人の女性として成長し、幸せな未来を目指して歩み続ける。
悪役令嬢に相応しいエンディング
無色
恋愛
月の光のように美しく気高い、公爵令嬢ルナティア=ミューラー。
ある日彼女は卒業パーティーで、王子アイベックに国外追放を告げられる。
さらには平民上がりの令嬢ナージャと婚約を宣言した。
ナージャはルナティアの悪い評判をアイベックに吹聴し、彼女を貶めたのだ。
だが彼らは愚かにも知らなかった。
ルナティアには、ミューラー家には、貴族の令嬢たちしか知らない裏の顔があるということを。
そして、待ち受けるエンディングを。
まさか、今更婚約破棄……ですか?
灯倉日鈴(合歓鈴)
恋愛
チャールストン伯爵家はエンバー伯爵家との家業の繋がりから、お互いの子供を結婚させる約束をしていた。
エンバー家の長男ロバートは、許嫁であるチャールストン家の長女オリビアのことがとにかく気に入らなかった。
なので、卒業パーティーの夜、他の女性と一緒にいるところを見せつけ、派手に恥を掻かせて婚約破棄しようと画策したが……!?
色々こじらせた男の結末。
数話で終わる予定です。
※タイトル変更しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる