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~東への旅~
道中
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三日間の滞在を得て、ユール一行はギャロルビルグを発った。
「さすが農業の街でしたね。食べ物が豊富でした」
「そうね。作物の種がこれだけ安く買えるとは思わなかった」
「ユール様とノルンで言ってることちょっとずれてません?」
さっき朝市で興味本位に小麦の種を買ったら思いの外、安かったのだ。
「ウルズたちは馬車でいい?」
「かまいません」
ユールが尋ねると、ウルズたちは頷いた。馬車は4人乗りだから問題はない。
「ユール様、次はセッスニルでいいんですよね?」
「ええ」
御者台に乗ったテオに返事をして、ユールは三人に続いて馬車に乗り込む。
やがてガラガラと馬車は動き出した。
ウルズたちは馬車の乗り心地に驚いていた。感動しているところに水を差すのも悪いので、ユールは黙って視線を窓の外に流す。
「……………」
ウルズたちもユールもしゃべらず、馬車の中はユールにとってはなんでもない、しかしウルズたちからすれば気まずい沈黙が落ちた。
「あの……」
沈黙の末、ウルズがためらいがちに聞いてきた。ユールは無言でウルズを見る。
「聞いても、いいですか?あなたの、ことを」
「いいよ。何を聞きたい?」
「え?あの、教えてくれるんですか?」
「ウルズは自分のことを話してくれたでしょ?なら私も話すのが道理でしょ。別に隠すほどのものでもないし」
「はぁ………」
その後、ユールはウルズたちに聞かれるままに自分の過去を語った。内容はいつものやつだから割愛。
「どうして、そんな淡々と語れるんですか?」
向こうから聞いてきたって言うのに、ウルズはなぜか苦虫を噛み潰したような顔をしていた。
「どうでもいいからかな」
「自分の人生なんですよ!?」
「だから?お互い必要としていなかっただけでしょ?」
「………」
「今の私には守りたい人たちがいる。だからどうでもいい」
「あなたって人は………」
何か言いたそうだったが、結局なにも言わずにウルズは口を噤んだ。ユールは再び窓の外に視線を戻す。
「ユール様ー、前方に村が見えますが、寄って行きますか?」
馬車の小窓が開き、テオの声が聞こえてきた。
「村があるの?」
「ええ。ここを通って行った方が早いので」
「じゃあ寄ってもいいんじゃない?どうせ通るなら」
「了解」
馬車の進行方向を見ると、確かに村っぽい集落があった。しかし見たところあまり豊かではないようだ。
「テオ、馬車止めて。歩くわ」
「わかりました」
ユールがそう告げると、すぐに馬車は止まった。
「ノルン、ちょっと村に行ってくるから留守番よろしく」
「了解しました!馬車の中の人たちもお任せください!」
「連れてくの、ノルンじゃなくて俺なんだ」
「テオは異性と一緒に留守番したいの?」
「いいえー」
軽口を叩きつつ、ユールは村に足を踏み入れる。
「ずいぶん寂れてるのね」
「そうですね。公爵領でこんなに貧しいのは何か理由があるのでしょうか?」
「どうだろう?」
リーヴ公爵領は、国内でも特に豊かで生活水準も高い領地のはず。なのに村のこの寂れ具合はどうしたのだろう?
「どうにかなりませんか!?お願いしますよ!!」
ふと話し声が聞こえてきた。目を向けてみると、通りの先で初老の老人と青年が言い争っていた。
「悪いな、村長。あんたの村から作物を買うよりギャロルビルグから買った方が儲かるんでね」
「そんな!!」
青年の方はどうやら商人のようだ。
「作物の売買でもめているみたいですね」
「なるほど。新興都市ギャロルビルグの方に商人を取られて、作物が売れなくなったのね」
「ギャロルビルグの繁栄がこんなところで影を落としているとは」
老人と青年は今も言い争っていたが、やがて青年の方が老人を突き飛ばし、その場から立ち去った。残された老人は地面に座り込んでしまった。
「大丈夫ですか?」
「あ、あなた方は……」
「通りすがりの旅人です」
間違ってはいないはず。
「さっきの人は商人?」
「はい……」
「もめてたみたいだけど?」
「……昔はもっとたくさんの商人が訪れていました。ですが、ギャロルビルグの作物の方が安くて、質が良くて、量も多いので………」
「ギャロルビルグに客を取られたってことね」
「……数年前から村を訪れる商人は減っていました。ですが、うちでもできるような新しい産業が思うように見つからず、ズルズルと引きずってしまった結果……」
「今、買い手がいなくなった」
「はい………」
村長がうなだれた。この様子だと、今のこの村にはその商品とやらを売った金以外に収入がないのだろう。
「この村はなにを売ってるの?」
「小麦が主流です。他にもポピュラーな野菜は一通り」
「総額は?」
「…?毎年光金貨数枚で買い取っていただけていますが……?」
ユールの質問に、村長は不思議そうに首をかしげた。しかしそんな反応は無視して、ユールはテオに向き直った。
「だって」
「いや、ユール様。何が"だって"なんです?」
「どうする?」
「どうするって……買うんですか?」
「どうしよう」
「買って、どうするんです?」
「領地で使おうかしら?ヴァルハラは貧しい土地らしいし」
「ユール様が決めたことなら反対はしませんよ。ヴァルハラで使えるならそれでもいいと思います」
「最悪ヴァルグリンドで売っちゃうか」
「あそこは冒険者が使う道具を販売する店です。作物を売ってどうするんです?」
まあ、懐の財布には2億エッダくらいあるから光金貨数枚は出資可能か。買って困ることもないし。
「いくらで買って欲しいですか?」
「えーっと、去年は光金貨4枚だったんで……って買うんですか!?」
「じゃあ光金貨5枚でいいですね」
「え?ええ!?」
「商品はどこに?」
「は、はい!こっちです!」
村長が慌ててユールとテオを、商品を収納している場所に案内した。そこは村の外れにある倉庫のような建物だった。
「商品は、全てこちらに……」
「ありがとうございます。これ、代金」
「あ、はい。あの……荷車はどちらに?商品をお運びしますが……」
「必要ありません。間に合ってます」
「で、ですが……」
「早く、代わりの産業が見つかるといいですね」
ユールはそう言って、テオにアイコンタクトをとった。するとテオは頷き、丁重に村長を倉庫の外にお送りした。初対面で信用できない人に、異次元収納を見せるのはどうかと思ったのだ。
村長が出ていくと、ユールは商品の山に向き直り、異次元収納に片っ端から放り込む。異次元収納、大変便利です。
全て収納し終えた頃、テオが戻ってきた。手にはなにやら茶葉のようなものが入ったビンを持っていた。村長は家に送り届けてきたら感謝の気持ちと称して渡してきたらしい。
「この辺りに自生している珍しい茶葉らしいですよ」
テオが言った。これを特産品にすればいいじゃないか、と思うのだが、村長は気づいているのかな?
「こっちも全部収納したよ。戻ろ」
「はい」
思わぬ買い物をして、ユールとテオは馬車まで戻る。そこではノルンがセラと追っかけっこをしていて、なぜかスクルドも参加していた。ウルズとヴェルザンディは馬車の窓からそれを観察している。
「こらー!待てー!」
『みぃ〜』
「なんだか、気の抜ける光景ね」
「そうですね、ユール様」
その後、ノルンとセラの追いかけっこは、ユール達の帰還に気づいたヴェルザンディが止めに入るまで続いたのだった。
「さすが農業の街でしたね。食べ物が豊富でした」
「そうね。作物の種がこれだけ安く買えるとは思わなかった」
「ユール様とノルンで言ってることちょっとずれてません?」
さっき朝市で興味本位に小麦の種を買ったら思いの外、安かったのだ。
「ウルズたちは馬車でいい?」
「かまいません」
ユールが尋ねると、ウルズたちは頷いた。馬車は4人乗りだから問題はない。
「ユール様、次はセッスニルでいいんですよね?」
「ええ」
御者台に乗ったテオに返事をして、ユールは三人に続いて馬車に乗り込む。
やがてガラガラと馬車は動き出した。
ウルズたちは馬車の乗り心地に驚いていた。感動しているところに水を差すのも悪いので、ユールは黙って視線を窓の外に流す。
「……………」
ウルズたちもユールもしゃべらず、馬車の中はユールにとってはなんでもない、しかしウルズたちからすれば気まずい沈黙が落ちた。
「あの……」
沈黙の末、ウルズがためらいがちに聞いてきた。ユールは無言でウルズを見る。
「聞いても、いいですか?あなたの、ことを」
「いいよ。何を聞きたい?」
「え?あの、教えてくれるんですか?」
「ウルズは自分のことを話してくれたでしょ?なら私も話すのが道理でしょ。別に隠すほどのものでもないし」
「はぁ………」
その後、ユールはウルズたちに聞かれるままに自分の過去を語った。内容はいつものやつだから割愛。
「どうして、そんな淡々と語れるんですか?」
向こうから聞いてきたって言うのに、ウルズはなぜか苦虫を噛み潰したような顔をしていた。
「どうでもいいからかな」
「自分の人生なんですよ!?」
「だから?お互い必要としていなかっただけでしょ?」
「………」
「今の私には守りたい人たちがいる。だからどうでもいい」
「あなたって人は………」
何か言いたそうだったが、結局なにも言わずにウルズは口を噤んだ。ユールは再び窓の外に視線を戻す。
「ユール様ー、前方に村が見えますが、寄って行きますか?」
馬車の小窓が開き、テオの声が聞こえてきた。
「村があるの?」
「ええ。ここを通って行った方が早いので」
「じゃあ寄ってもいいんじゃない?どうせ通るなら」
「了解」
馬車の進行方向を見ると、確かに村っぽい集落があった。しかし見たところあまり豊かではないようだ。
「テオ、馬車止めて。歩くわ」
「わかりました」
ユールがそう告げると、すぐに馬車は止まった。
「ノルン、ちょっと村に行ってくるから留守番よろしく」
「了解しました!馬車の中の人たちもお任せください!」
「連れてくの、ノルンじゃなくて俺なんだ」
「テオは異性と一緒に留守番したいの?」
「いいえー」
軽口を叩きつつ、ユールは村に足を踏み入れる。
「ずいぶん寂れてるのね」
「そうですね。公爵領でこんなに貧しいのは何か理由があるのでしょうか?」
「どうだろう?」
リーヴ公爵領は、国内でも特に豊かで生活水準も高い領地のはず。なのに村のこの寂れ具合はどうしたのだろう?
「どうにかなりませんか!?お願いしますよ!!」
ふと話し声が聞こえてきた。目を向けてみると、通りの先で初老の老人と青年が言い争っていた。
「悪いな、村長。あんたの村から作物を買うよりギャロルビルグから買った方が儲かるんでね」
「そんな!!」
青年の方はどうやら商人のようだ。
「作物の売買でもめているみたいですね」
「なるほど。新興都市ギャロルビルグの方に商人を取られて、作物が売れなくなったのね」
「ギャロルビルグの繁栄がこんなところで影を落としているとは」
老人と青年は今も言い争っていたが、やがて青年の方が老人を突き飛ばし、その場から立ち去った。残された老人は地面に座り込んでしまった。
「大丈夫ですか?」
「あ、あなた方は……」
「通りすがりの旅人です」
間違ってはいないはず。
「さっきの人は商人?」
「はい……」
「もめてたみたいだけど?」
「……昔はもっとたくさんの商人が訪れていました。ですが、ギャロルビルグの作物の方が安くて、質が良くて、量も多いので………」
「ギャロルビルグに客を取られたってことね」
「……数年前から村を訪れる商人は減っていました。ですが、うちでもできるような新しい産業が思うように見つからず、ズルズルと引きずってしまった結果……」
「今、買い手がいなくなった」
「はい………」
村長がうなだれた。この様子だと、今のこの村にはその商品とやらを売った金以外に収入がないのだろう。
「この村はなにを売ってるの?」
「小麦が主流です。他にもポピュラーな野菜は一通り」
「総額は?」
「…?毎年光金貨数枚で買い取っていただけていますが……?」
ユールの質問に、村長は不思議そうに首をかしげた。しかしそんな反応は無視して、ユールはテオに向き直った。
「だって」
「いや、ユール様。何が"だって"なんです?」
「どうする?」
「どうするって……買うんですか?」
「どうしよう」
「買って、どうするんです?」
「領地で使おうかしら?ヴァルハラは貧しい土地らしいし」
「ユール様が決めたことなら反対はしませんよ。ヴァルハラで使えるならそれでもいいと思います」
「最悪ヴァルグリンドで売っちゃうか」
「あそこは冒険者が使う道具を販売する店です。作物を売ってどうするんです?」
まあ、懐の財布には2億エッダくらいあるから光金貨数枚は出資可能か。買って困ることもないし。
「いくらで買って欲しいですか?」
「えーっと、去年は光金貨4枚だったんで……って買うんですか!?」
「じゃあ光金貨5枚でいいですね」
「え?ええ!?」
「商品はどこに?」
「は、はい!こっちです!」
村長が慌ててユールとテオを、商品を収納している場所に案内した。そこは村の外れにある倉庫のような建物だった。
「商品は、全てこちらに……」
「ありがとうございます。これ、代金」
「あ、はい。あの……荷車はどちらに?商品をお運びしますが……」
「必要ありません。間に合ってます」
「で、ですが……」
「早く、代わりの産業が見つかるといいですね」
ユールはそう言って、テオにアイコンタクトをとった。するとテオは頷き、丁重に村長を倉庫の外にお送りした。初対面で信用できない人に、異次元収納を見せるのはどうかと思ったのだ。
村長が出ていくと、ユールは商品の山に向き直り、異次元収納に片っ端から放り込む。異次元収納、大変便利です。
全て収納し終えた頃、テオが戻ってきた。手にはなにやら茶葉のようなものが入ったビンを持っていた。村長は家に送り届けてきたら感謝の気持ちと称して渡してきたらしい。
「この辺りに自生している珍しい茶葉らしいですよ」
テオが言った。これを特産品にすればいいじゃないか、と思うのだが、村長は気づいているのかな?
「こっちも全部収納したよ。戻ろ」
「はい」
思わぬ買い物をして、ユールとテオは馬車まで戻る。そこではノルンがセラと追っかけっこをしていて、なぜかスクルドも参加していた。ウルズとヴェルザンディは馬車の窓からそれを観察している。
「こらー!待てー!」
『みぃ〜』
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