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~東への旅~
ワイバーン秒殺作戦
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翌日。
「あの、ユール様。いくらなんでも早すぎません?」
「ウルズは早起き苦手だった?」
「いや、そういうことではないんですけど……7時集合で5時起床は早すぎですって」
「起きちゃったから仕方ない」
「私たちは良くないんですけど……」
セッスニルの東門前で、寝ぼけ眼をこすりながらウルズがそう言ってきた。6人は焚き火を囲うように座っていて、ノルンとテオは毛布にくるまって寝ている。ヴェルザンディとスクルドも肩を寄せ合って寝ている。
いつもの体内時計5時で起床したユールは、二度寝もできそうになかったから他の面々を道連れにして6時にもなってない早朝に東門に来たのだ。
秋も深くなってきたこの頃は、朝でもそこそこ冷える。ので、二度寝したいとごねたノルンとテオのために焚き火を作り、現在6人で囲っている。
「ウルズも眠いなら寝ればいいのに」
「不本意ながら、眠気は飛んでしまいました」
「ヴェルザンディとスクルドは寝てるのに?」
「飛んだんです!」
なにやらムキになっているウルズに首をかしげつつ、ユールは東の空を見上げる。うっすらと明るくなっている空には、さすがにまだワイバーンの影はない。
「ウルズ、暇ならご飯の準備手伝って」
「朝ごはんですか?匂いで起こしちゃうと思うんですけど」
「ちょっと離れたところでやればいいよ」
宣言したとおり、ちょっと離れたところにもう一個焚き火を作り、ユールは異次元収納からフライパンを取り出す。今日の朝はサンドイッチでいいでしょ。
「本当になんでも使えるんですね」
「あれ?ニーベルングの指輪の話、聞いてるよね?」
「聞いてますけど、聞くのと見るのでは違います」
「ふーん」
ウルズに手伝ってもらいながらテキパキと材料を調理していく。
黙々と朝食の準備を進めていると、テオたちは起きてこなかったが、別の人が起きた。
「んあ?なんかうまそうな匂いがすんな」
朝食を作っている焚き火に知らない人間が近寄ってきた。
「……………誰?」
「ああー!そんな警戒心丸出しにしないで!変な奴じゃないから!」
「えっと……どちら様で?」
「今日の作戦に参加してる冒険者だよ。集合時間に遅刻したくなくて、昨日はここで野宿したんだよね」
「なんで?」
「いやぁ、俺って早起きできないんだよ。それで寝坊して作戦不参加ってのは嫌じゃん?」
「はぁ……」
遅刻したくなくて前日から集合場所に泊り込む人っているんだね。
「どっから焚き火用意したんだ?」
「どこからって、普通にですよ。他にどうやって用意するの」
「それもそうか。焚き火は普通にマッチ使って用意する他ないよな」
さらりと適当に言ったらうまい感じに勘違いしてくれた。ユール的には"魔法で普通に作る"が正しいけど。
「君達も作戦参加者?」
「はい。そっちの彼女は後方支援だけど」
「君、ソロなの?」
「いや?パーティメンバーなら向こうに二人」
「……ぐっすり寝てるけど?」
「5時に無理やり起こしたからね」
「は、早いね……。ちなみに誰なんだい?5時に起きたのって」
「私だけど?」
「……若いってすごいな」
そのまま泊り込みさんと雑談を繰り広げているうちに6時の鐘が鳴った。朝ごはんの準備もできて、ウルズにはテオたちを起こしに行ってもらった。ユールたちのサンドイッチを羨ましそうに見ていたので、泊り込みさんにも分けてあげることにした。
「いいもん食ってるな。野営中の食事とは思えん」
「普通の冒険者は干し肉と乾パンだもんね」
「よくこんな新鮮な食材をポンポン出せるな」
「いや……そこは異次……アイテムボックスで」
「若いのにすごいんだな!」
未だに目が半開きのテオたちをウルズが頑張って連れてきて、一行は焚き火を囲んで食事を摂る。テオたちに「今日帰ったら好きなだけ寝ていいから」と告げたらシャキーンと起きた。どんだけ寝たいんだ。
食事を終えてしばらくすると、ポツポツと冒険者らしき人たちが東門に集まってきた。東の空にワイバーンはまだいない。
冒険者たちに物珍しげに眺められながらしばらく待つと、やがて責任者と思われる人がやってきて、作戦開始が告げられた。
7時に作戦開始を告げられたはいいが、ワイバーンの群れがこなければ討伐はできないので、戦闘準備をしながらワイバーンを待つ。
ノルンはウルズとスクルドに後方支援の仕事を説明していて、テオはヴェルザンディに基礎的な武術を教えていた。作戦についてきた以上、戦えなくても自分は自分で守らないといけない。
そのまま何事もなく1時間ほど経過した時、東の空に探索魔法を飛ばしていたユールが、飛来する黒い群れを捉えた。
「テオ、準備して。来たわ」
「っ!ノルン!」
「来ましたか?了解です!」
座っていた場所から立ち上がり、ユールはじっと東の空を見つめる。そこには肉眼でもかろうじて確認できる黒い線が見えた。
「来たぞー!ワイバーンの群れがこっちに向かっている!」
偵察に出ていた冒険者から情報が伝わったのか、他の冒険者も戦闘状態に入っていく。
「後方はウルズとスクルドに任せていい?」
「ええ。大丈夫です」
「任せてください!」
「ヴェルザンディは護衛よろしく」
「はい!」
三姉妹に指示をして、ユールはノルンとテオのところに戻る。雪うさぎのセラはウルズたちのところに置いてきた。
「どうやって倒す?」
「どうしましょう?」
「ワイバーンはランクAですからね」
「うーん……やっぱり一人は厳しい?」
「ユール様はともかく、俺たちはまだソロでワイバーンを倒せる自信はないですね」
「ならテオとノルンはペアで行動して。渡したマジックアイテムは使ってよし」
「わかりました。ちなみにユール様は?」
「私は一人で平気」
「やっぱりそう言うと思いましたよ」
役割分担が終わり、その頃にはワイバーンの群れもかなり迫ってきていた。
『ギシャァァァァァァ!!!!』
ワイバーンの方もこっちを見つけたのだろう、雄叫びをあげて急降下してくる。
「さて、やりますか」
自分の前に降りてきたワイバーンに向かって、ユールは転移魔法を使用してその背中に着地した。
「チェックメイト」
ワイバーンの頭に爆裂魔法をかけて、ユールはつぶやく。
背後から何やらグロテスクな爆発音が聞こえ、彼は思わず背後を振り返った。
彼はセッスニルで活動するランクB冒険者だった。今回の防衛作戦にも、3年前から参加している古参だ。だからランクAモンスターであるワイバーンがいかに強くて危険かはよくわかっている。
だから彼は振り向いてそのまま固まってしまった。
目の前で頭部を失ったワイバーンが轟音と共に地面に崩れ落ちる。その背中に、赤黒い返り血を浴びた少女が立っている。最初のワイバーンが地面に降り立ってから、まだ数分しか経っていない。
ありえない。直感がそう告げていた。ランクAであるワイバーンは、下級の竜種であることもあって非常に手ごわい。ランクAのパーティでも無傷で討伐は難しいとされる。
慌ててあたりを見渡す。あの少女にはきっとパーティメンバーがいるに違いないと思ったからだ。しかし少女の近くには援護をしている人はいなかった。
彼が呆然としている間に、薄い水色のワンピースを着ていた銀色の少女は顔についた返り血を無造作に拭うと、ワイバーンの背中から飛び降りる。彼女の着地と同時に、ワイバーンの死体は掻き消えた。それが収納魔法の類だと気づくまで時間がかかった。
少女はワイバーンを収納するとすぐさま次のターゲットへ向かって行った。
少女はごく普通にワイバーンの前まで歩いて行き、片手をワイバーンに突き出す。それだけでワイバーンの頭が一回り大きくなり、爆散した。
下級竜種で多くの冒険者を苦戦させるワイバーンを、あのどう頑張っても10歳ぐらいにしか見えない少女が、文字通りに瞬殺した。
同じ方法で立て続けに4体のワイバーンを倒した少女は、どこかに向かって手を振った。
そっちに目を向けると、そこには少女に手を振り返す、別の少女と少年がいた。金髪の少女と黒髪の少年だ。
金髪の少女にワイバーンの鉤爪が迫る。思わず危ない!と叫びそうになった。しかしその鉤爪は、金髪の少女の横から飛び出した何かによって防がれた。よく見るとそれは魔物のように見えた。あの少女はテイマーか何かなのだろうか?
少女の背後では、黒髪の少年が2本の刀を持ってワイバーンに切りかかっていた。ワイバーンの攻撃を幾度となく受けても、少年の剣は刃こぼれすらしない。なんて高性能な武器だろう。
そうこうしているうちに、けが人が出た。自分たちのすぐ横で戦っていたパーティメンバーだ。手が空いている人がいなかったので、彼が怪我した冒険者を連れて後方に下がった。
そこでは三人の少女がけが人の手当てをしていた。
「けが人ですか?それならこちらに」
彼が連れてきた冒険者は、黒髪の少女に引かれ、城壁に寄りかかって座る。その体に、少女がポーションのようなものをかける。すると傷はみるみる回復して行った。
なんだこのとんでもない回復効果は。こんなポーション見たことない。最高級ポーションでもこれほどの回復量は望めない。この少女たちはどこでこんなすごいポーションを手に入れたのか。
この少年少女たちはなんだ?
防衛作戦の間、彼はただただ驚きに呑まれていた。
化け物のような力を持った三人の少年少女と、ありえない回復効果のポーションを持つ三人の少女を交互に見つめながら。
その日の防衛作戦は、例年の半分の早さで決着がついた。勝利したのは、セッスニルだった。
「あの、ユール様。いくらなんでも早すぎません?」
「ウルズは早起き苦手だった?」
「いや、そういうことではないんですけど……7時集合で5時起床は早すぎですって」
「起きちゃったから仕方ない」
「私たちは良くないんですけど……」
セッスニルの東門前で、寝ぼけ眼をこすりながらウルズがそう言ってきた。6人は焚き火を囲うように座っていて、ノルンとテオは毛布にくるまって寝ている。ヴェルザンディとスクルドも肩を寄せ合って寝ている。
いつもの体内時計5時で起床したユールは、二度寝もできそうになかったから他の面々を道連れにして6時にもなってない早朝に東門に来たのだ。
秋も深くなってきたこの頃は、朝でもそこそこ冷える。ので、二度寝したいとごねたノルンとテオのために焚き火を作り、現在6人で囲っている。
「ウルズも眠いなら寝ればいいのに」
「不本意ながら、眠気は飛んでしまいました」
「ヴェルザンディとスクルドは寝てるのに?」
「飛んだんです!」
なにやらムキになっているウルズに首をかしげつつ、ユールは東の空を見上げる。うっすらと明るくなっている空には、さすがにまだワイバーンの影はない。
「ウルズ、暇ならご飯の準備手伝って」
「朝ごはんですか?匂いで起こしちゃうと思うんですけど」
「ちょっと離れたところでやればいいよ」
宣言したとおり、ちょっと離れたところにもう一個焚き火を作り、ユールは異次元収納からフライパンを取り出す。今日の朝はサンドイッチでいいでしょ。
「本当になんでも使えるんですね」
「あれ?ニーベルングの指輪の話、聞いてるよね?」
「聞いてますけど、聞くのと見るのでは違います」
「ふーん」
ウルズに手伝ってもらいながらテキパキと材料を調理していく。
黙々と朝食の準備を進めていると、テオたちは起きてこなかったが、別の人が起きた。
「んあ?なんかうまそうな匂いがすんな」
朝食を作っている焚き火に知らない人間が近寄ってきた。
「……………誰?」
「ああー!そんな警戒心丸出しにしないで!変な奴じゃないから!」
「えっと……どちら様で?」
「今日の作戦に参加してる冒険者だよ。集合時間に遅刻したくなくて、昨日はここで野宿したんだよね」
「なんで?」
「いやぁ、俺って早起きできないんだよ。それで寝坊して作戦不参加ってのは嫌じゃん?」
「はぁ……」
遅刻したくなくて前日から集合場所に泊り込む人っているんだね。
「どっから焚き火用意したんだ?」
「どこからって、普通にですよ。他にどうやって用意するの」
「それもそうか。焚き火は普通にマッチ使って用意する他ないよな」
さらりと適当に言ったらうまい感じに勘違いしてくれた。ユール的には"魔法で普通に作る"が正しいけど。
「君達も作戦参加者?」
「はい。そっちの彼女は後方支援だけど」
「君、ソロなの?」
「いや?パーティメンバーなら向こうに二人」
「……ぐっすり寝てるけど?」
「5時に無理やり起こしたからね」
「は、早いね……。ちなみに誰なんだい?5時に起きたのって」
「私だけど?」
「……若いってすごいな」
そのまま泊り込みさんと雑談を繰り広げているうちに6時の鐘が鳴った。朝ごはんの準備もできて、ウルズにはテオたちを起こしに行ってもらった。ユールたちのサンドイッチを羨ましそうに見ていたので、泊り込みさんにも分けてあげることにした。
「いいもん食ってるな。野営中の食事とは思えん」
「普通の冒険者は干し肉と乾パンだもんね」
「よくこんな新鮮な食材をポンポン出せるな」
「いや……そこは異次……アイテムボックスで」
「若いのにすごいんだな!」
未だに目が半開きのテオたちをウルズが頑張って連れてきて、一行は焚き火を囲んで食事を摂る。テオたちに「今日帰ったら好きなだけ寝ていいから」と告げたらシャキーンと起きた。どんだけ寝たいんだ。
食事を終えてしばらくすると、ポツポツと冒険者らしき人たちが東門に集まってきた。東の空にワイバーンはまだいない。
冒険者たちに物珍しげに眺められながらしばらく待つと、やがて責任者と思われる人がやってきて、作戦開始が告げられた。
7時に作戦開始を告げられたはいいが、ワイバーンの群れがこなければ討伐はできないので、戦闘準備をしながらワイバーンを待つ。
ノルンはウルズとスクルドに後方支援の仕事を説明していて、テオはヴェルザンディに基礎的な武術を教えていた。作戦についてきた以上、戦えなくても自分は自分で守らないといけない。
そのまま何事もなく1時間ほど経過した時、東の空に探索魔法を飛ばしていたユールが、飛来する黒い群れを捉えた。
「テオ、準備して。来たわ」
「っ!ノルン!」
「来ましたか?了解です!」
座っていた場所から立ち上がり、ユールはじっと東の空を見つめる。そこには肉眼でもかろうじて確認できる黒い線が見えた。
「来たぞー!ワイバーンの群れがこっちに向かっている!」
偵察に出ていた冒険者から情報が伝わったのか、他の冒険者も戦闘状態に入っていく。
「後方はウルズとスクルドに任せていい?」
「ええ。大丈夫です」
「任せてください!」
「ヴェルザンディは護衛よろしく」
「はい!」
三姉妹に指示をして、ユールはノルンとテオのところに戻る。雪うさぎのセラはウルズたちのところに置いてきた。
「どうやって倒す?」
「どうしましょう?」
「ワイバーンはランクAですからね」
「うーん……やっぱり一人は厳しい?」
「ユール様はともかく、俺たちはまだソロでワイバーンを倒せる自信はないですね」
「ならテオとノルンはペアで行動して。渡したマジックアイテムは使ってよし」
「わかりました。ちなみにユール様は?」
「私は一人で平気」
「やっぱりそう言うと思いましたよ」
役割分担が終わり、その頃にはワイバーンの群れもかなり迫ってきていた。
『ギシャァァァァァァ!!!!』
ワイバーンの方もこっちを見つけたのだろう、雄叫びをあげて急降下してくる。
「さて、やりますか」
自分の前に降りてきたワイバーンに向かって、ユールは転移魔法を使用してその背中に着地した。
「チェックメイト」
ワイバーンの頭に爆裂魔法をかけて、ユールはつぶやく。
背後から何やらグロテスクな爆発音が聞こえ、彼は思わず背後を振り返った。
彼はセッスニルで活動するランクB冒険者だった。今回の防衛作戦にも、3年前から参加している古参だ。だからランクAモンスターであるワイバーンがいかに強くて危険かはよくわかっている。
だから彼は振り向いてそのまま固まってしまった。
目の前で頭部を失ったワイバーンが轟音と共に地面に崩れ落ちる。その背中に、赤黒い返り血を浴びた少女が立っている。最初のワイバーンが地面に降り立ってから、まだ数分しか経っていない。
ありえない。直感がそう告げていた。ランクAであるワイバーンは、下級の竜種であることもあって非常に手ごわい。ランクAのパーティでも無傷で討伐は難しいとされる。
慌ててあたりを見渡す。あの少女にはきっとパーティメンバーがいるに違いないと思ったからだ。しかし少女の近くには援護をしている人はいなかった。
彼が呆然としている間に、薄い水色のワンピースを着ていた銀色の少女は顔についた返り血を無造作に拭うと、ワイバーンの背中から飛び降りる。彼女の着地と同時に、ワイバーンの死体は掻き消えた。それが収納魔法の類だと気づくまで時間がかかった。
少女はワイバーンを収納するとすぐさま次のターゲットへ向かって行った。
少女はごく普通にワイバーンの前まで歩いて行き、片手をワイバーンに突き出す。それだけでワイバーンの頭が一回り大きくなり、爆散した。
下級竜種で多くの冒険者を苦戦させるワイバーンを、あのどう頑張っても10歳ぐらいにしか見えない少女が、文字通りに瞬殺した。
同じ方法で立て続けに4体のワイバーンを倒した少女は、どこかに向かって手を振った。
そっちに目を向けると、そこには少女に手を振り返す、別の少女と少年がいた。金髪の少女と黒髪の少年だ。
金髪の少女にワイバーンの鉤爪が迫る。思わず危ない!と叫びそうになった。しかしその鉤爪は、金髪の少女の横から飛び出した何かによって防がれた。よく見るとそれは魔物のように見えた。あの少女はテイマーか何かなのだろうか?
少女の背後では、黒髪の少年が2本の刀を持ってワイバーンに切りかかっていた。ワイバーンの攻撃を幾度となく受けても、少年の剣は刃こぼれすらしない。なんて高性能な武器だろう。
そうこうしているうちに、けが人が出た。自分たちのすぐ横で戦っていたパーティメンバーだ。手が空いている人がいなかったので、彼が怪我した冒険者を連れて後方に下がった。
そこでは三人の少女がけが人の手当てをしていた。
「けが人ですか?それならこちらに」
彼が連れてきた冒険者は、黒髪の少女に引かれ、城壁に寄りかかって座る。その体に、少女がポーションのようなものをかける。すると傷はみるみる回復して行った。
なんだこのとんでもない回復効果は。こんなポーション見たことない。最高級ポーションでもこれほどの回復量は望めない。この少女たちはどこでこんなすごいポーションを手に入れたのか。
この少年少女たちはなんだ?
防衛作戦の間、彼はただただ驚きに呑まれていた。
化け物のような力を持った三人の少年少女と、ありえない回復効果のポーションを持つ三人の少女を交互に見つめながら。
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