【完結】R18 明石と行定と勇者と魔王

325号室の住人

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勇者の帰還

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「え? シンとタイチ、付き合ってるの? 僕、今度はどうタイチを攻めてやろうかって、あっちで結構経験積んだんだけど…」
「は? 明石相楽にハジメテ貰われたのか?」
「んー…握って扱いてしゃぶって…泣かして指入れて、イイとこ探って見つけていじめて、くらいか?」
「もう言うな!」
「それよりそっちだろ? シンとタイチなんて、僕の彼女が親友とエッチしてたくらい衝撃なんだけど。」
「まだシてない。お前が落ちてきたから。」

すると、《勇者》はあっという間に全裸になった。

「じゃあさ、ついでだし3人でシよう?」
「いや、お前は異世界に帰れよハルト。先輩の《ハジメテ》は2人きりで優しくシたいから。」
「いや、明石、俺、昔馴染みに会ったらなんか萎えちゃって……」
「そうか、ガラケー! 先輩ガラケーの持ち主のこと好きなんだなぁってビンビン来てましたもんね。そうか。ハルトが初恋の…」
「コラ、明石! それ以上言うな!」
「そうか、シンが僕のことをね…いいよ、僕。シンのハジメテ貰うよ。」
「ダメだ。先輩はオレの!」

その時、急に部屋の中が薄暗くなった。
天井には黒い煙が充満し…

「火事か?」
オレが言えば、
「いや、まお君の降臨だな。」
「まお君?」
「あぁ、今は《勇者》である僕の《大人の玩具》と化してる。すごいヤキモチ焼きなんだよ。」

すると、あっという間に天井から伸びて来た巨大な手の黒い爪に抓まれ、《勇者》である昔馴染みのハルトは黒い煙に吸われた。

「じゃ、ここにルートは作ってあるから、また遊びに来るね~。」

ハルトが消えれば天井の煙も消えた。






「何だったんスかね…」
「《勇者》の帰還…か?」
「それじゃ先輩、リベン…」
「俺はもう疲れた。」
「じゃ、まだ早い時間なんで、風呂行きましょう、風呂。」
「風呂? 風呂なら、まぁ。」
「言質取りましたからね♪」

明石に手を引かれてやって来たのは、昨日やっつけで入ったラブホテル。
明石は1番数字の大きいボタンを押すと、俺の手を引きエレベータに乗った。

メンテ用の鍵穴に部屋の鍵を挿すと、

ポーンッ

扉が開いたそこは、屋上の露天風呂だった。
周囲に同じくらいの高さの建物は無いので眺めが良い。
けれどとにかく寒くて、速攻で素っ裸になると風呂に飛び込んだ。



「はぁ~、生き返るぅ…」
「あ、オレのこっちも生き返ってきました!」

明石が腰を突き出すようにしてデカい己の切っ先を空気に触れさせている。

「そうか、良かったな。」

半ば他人事のように言えば、明石は不貞腐れて舌打ちをした。

「その、俺たちはまだ今日気持ちを伝えあったのだし、急すぎだと思うんだ。ゆっくり時間を掛けちゃ、ダメか?」
「それじゃ、エッチを前提に付き合ってくれるってことっスか?」
「エッチ………うん、まぁ?」
「ありがとうございます!!」

明石は嬉しそうに笑った。






「よぉっス! 来たぁ~!!」
「お、相楽か。よぉっス!」

それからは、俺とタイチは会社から一緒にタイチの部屋に帰るようになった。
先日ようやっと繋がり、来月からは一緒に住もうかと相談中だ。

服を着たままベッドでまったりしてる時にはたいてい相楽が降ってきて、ワチャワチャが楽しい。
まぁ、最近では他にも訪問者が増えたのだが。

「あの、タイくん、この間のアレ上から見てました。あの、ボクのこともあんな風に優しく虐めてもらえませんか?」

オレは今、《魔王》からエッチなお誘いを受けていた。

「こら、まお君は僕の玩具だよ。僕のは飽きたのか?」
勇者から魔王へツッコミが。

「勇者のはいつも酷くて激しいんだもの。最近は勇者の顔見るだけでイっちゃうの。あん!」
魔王くん、反論途中でイってしまった。
 
「まお君すごく反応イイんだね。俺がシてもイってくれそう。」
そう言って魔王の股間へ手を伸ばすのは行定。

「あンッ…ボクも貴方をイかせてみたいって……ァんっ。もっと強くしてぇ。」
魔王くんも行定をイかせたい?

「だったら、タイチは僕がイかせてあげようか。」
「明石は俺のだ!」
「先輩、嬉しいです。一生啼かせてあげますからね!」
「あっ…コラ……それは2人きりの時にしろぉっ!」



オレの単身者用のマンションのベッドの上は、最近こんなのばかり。
オレは先輩とイチャイチャしたいのに、そこに魔王も勇者も絡んできて、三角なんだか四角なんだか変な関係が始まってしまった。

「なぁ、今度おまえら異世界来いよ。」
「俺は俺の体で良いから、行きたくない。」
「オレも、オレの体で先輩と繋がりたいス!」
「明石、好きだ! だからお前ら、早く異世界に帰れ。」


そんなこんなで、オレと先輩は仲良く幸せにくらしましたとさ。



        おしまい
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