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本編
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しおりを挟む「先程は名乗りもせず失礼致しました。わたくしは、ライド・アルタリス。父は騎士団を率いております。」
「まぁ! それでそんな立派な体躯をしていらっしゃるのね! ステキ!!」
私が思ったままを言うと、照れたらしくて真っ赤になってしまわれた。
「かわいいっ。」
私が言えば、ミーヤもうんうんと頷いている。
「わたくしのような者を《かわいい》だなどと…」
ライド様は耳まで真っ赤になってしまわれ…
「ギャップ萌えです!」
「そんな言葉、もったいないです。
ギャップ萌えとは例えば…」
私は急にライド様と壁の間に閉じ込められる。
急な壁ドンに私はドキドキしてしまった。
「ホラ、こういうのを言うのです。」
ライド様は、空いた左手で私の頬を撫でた。
「一般的に男を誘う体つきの方が、これだけのことで真っ赤だ。かわいらしい。」
ライド様はいたずらっ子のような笑顔になるが、私としてはこの体のせいであんなことになった今日だ。
その発言は許せないと思ったら、何だかライド様が揺らぎ始める。
するとミーヤがやって来て、私をライド様の腕から救ってくれた。
「ミーヤ…私、悔しいわ。この体のせいで、私…
私は、そのようにしか生きられないのかしら。
ずっと、そうして男性の視線を気にして生きなくてはならないの?」
ミーヤに抱きつきながら、私は泣いた。
硬派でステキだと思っていたライド様。
でも、私のその考えも勝手なイメージだ。
「助けてくれたからスケベじゃないという保証なんてないわよね。
騎士の息子だって、騎士道に反したようなモノ言いをするのだわ。」
私がミーヤを抱きしめながら泣き愚痴れば、
カツカツ…
安全靴みたいな硬い靴の足音が聞こえてきた。
少しだけ顔を上げてそちらを見れば、ライド様が私の傍に跪いていた。
「フレリア嬢、申し訳ない。わたくしの言動で、貴方を不快にさせてしまった。
この通りだ。許してくれ。」
帯剣していたものを鞘ごと外して掲げ持ち、頭を垂れている。
「もし許してくれるなら、わたくしは貴女の剣となり盾となることを誓いましょう。」
「さぁ、お姫ぃさま。騎士の誓いを受けてくださいませ。」
ミーヤが小声で私を促す。
「でも私、どう受けたら良いか知らないの。」
私が言えば、
「しっかりと騎士に向き合って、騎士の頭に手を乗せ、『許す』と仰せくださいませ。」
「こう?」
「はい。」
私は、大きな深呼吸を1つすると、
「許す。」
すると、掲げられていた剣が眩い光に包まれた。
私はその光に導かれるように、その剣にキスを落した。
直後、剣に《フレリア》と私の名前が刻まれ…
「あらお姫ぃさま、それは騎士との婚姻の誓いですわ!」
「えー!!!」
そんな訳で、私は意図せず騎士団長のご子息、ライド様の奥さんになってしまったのだった。
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