【本編完】しがない男爵令嬢だった私が、ひょんなことから辺境最強の騎士と最強の剣の精霊から求愛されている件について A-side

325号室の住人

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「先程は名乗りもせず失礼致しました。わたくしは、ライド・アルタリス。父は騎士団を率いております。」
「まぁ! それでそんな立派な体躯をしていらっしゃるのね! ステキ!!」

私が思ったままを言うと、照れたらしくて真っ赤になってしまわれた。

「かわいいっ。」

私が言えば、ミーヤもうんうんと頷いている。

「わたくしのような者を《かわいい》だなどと…」

ライド様は耳まで真っ赤になってしまわれ…

「ギャップ萌えです!」
「そんな言葉、もったいないです。
ギャップ萌えとは例えば…」

私は急にライド様と壁の間に閉じ込められる。
急な壁ドンに私はドキドキしてしまった。

「ホラ、こういうのを言うのです。」

ライド様は、空いた左手で私の頬を撫でた。

「一般的に男を誘う体つきの方が、これだけのことで真っ赤だ。かわいらしい。」

ライド様はいたずらっ子のような笑顔になるが、私としてはこの体のせいであんなことになった今日だ。
その発言は許せないと思ったら、何だかライド様が揺らぎ始める。

するとミーヤがやって来て、私をライド様の腕から救ってくれた。

「ミーヤ…私、悔しいわ。この体のせいで、私…
私は、そのようにしか生きられないのかしら。
ずっと、そうして男性の視線を気にして生きなくてはならないの?」

ミーヤに抱きつきながら、私は泣いた。

硬派でステキだと思っていたライド様。
でも、私のその考えも勝手なイメージだ。

「助けてくれたからスケベじゃないという保証なんてないわよね。
騎士の息子だって、騎士道に反したようなモノ言いをするのだわ。」

私がミーヤを抱きしめながら泣き愚痴れば、

カツカツ…

安全靴みたいな硬い靴の足音が聞こえてきた。

少しだけ顔を上げてそちらを見れば、ライド様が私の傍に跪いていた。

「フレリア嬢、申し訳ない。わたくしの言動で、貴方を不快にさせてしまった。
この通りだ。許してくれ。」

帯剣していたものを鞘ごと外して掲げ持ち、こうべを垂れている。

「もし許してくれるなら、わたくしは貴女の剣となり盾となることを誓いましょう。」

「さぁ、お姫ぃさま。騎士の誓いを受けてくださいませ。」
ミーヤが小声で私を促す。

「でも私、どう受けたら良いか知らないの。」
私が言えば、

「しっかりと騎士に向き合って、騎士の頭に手を乗せ、『許す』と仰せくださいませ。」

「こう?」
「はい。」

私は、大きな深呼吸を1つすると、

「許す。」

すると、掲げられていた剣が眩い光に包まれた。
私はその光に導かれるように、その剣にキスを落した。
直後、剣に《フレリア》と私の名前が刻まれ…

「あらお姫ぃさま、それは騎士との婚姻の誓いですわ!」

「えー!!!」

そんな訳で、私は意図せず騎士団長のご子息、ライド様の奥さんになってしまったのだった。


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