【本編完】しがない男爵令嬢だった私が、ひょんなことから辺境最強の騎士と最強の剣の精霊から求愛されている件について A-side

325号室の住人

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本編

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抱き締められて胸の谷間に鼻を埋められる。

スンッ

匂いを嗅がれるのが恥ずかしい…けど、ライド様がお疲れ顔なのは私のせいなので仕方ない。

私がうっかりと婚姻してしまったから、本当はまだ学生として守られる身であったのに、守る側へとジョブチェンジしてしまうことになったのだ。

私にできることは少ないから……
私はそうして甘えるライド様を受け入れている。


「フレリア…」

私の胸から顔を上げたライド様は私の名を呼び、キスをする。

胸には、触れるだけのキスを。それから唇には触れるだけの、長いのをする。
その間中、抱き締められるので胸が潰れて苦しいけど、何だか私も安心するのでまぁいっか。

「フレリアは、俺のです。」
「また何か言われたの?」

彼がこうして弱音を吐く時は、大抵何か心無いことを言われた時だ。
私は立て膝してライド様の頭を撫でた。

ライド様は恥ずかしそうに頬を染めるけど、そこはそれ。かわいいから許す。

「昨日は、第2王子殿下の新しい護衛に王城の案内をしていました。
すると、第1王子殿下の側近に当て擦りを…
来月、成人を迎える僕らの誕生日まで、僕は貴方の夫であると声を大にして言えないのが悔しい。」

私はライド様の頭を包むように抱き締め、背中をトントンしてあげた。

「言えなくても、私は貴方の妻よ。」
「フレリア…」

顔を上げたライド様へは、私からキス。

少し唇を突付いて開かせて、舌を差し入れる。

舌で舌を付け根までねっとりと撫でて、上顎を擽る。

「……んっ」

声を出すのはライド様。

《俺から一歩進んだキスをすると、そのまま抱き潰すまで離せそうにありません》なんて言うので、私から攻めてしまう。

私を下から持ち上げる熱い昂りには気付くけど、お互い気付かないふりをして。

唇を離すと、泣きそうな表情のライド様。

「ごめんなさい。」

申し訳なく私が言えば、

「良いんだ。俺のフレリア…ちょっと……いってくる。
剣は置いて行くから安心して。」

ライド様は若干小走りになりながら森の奥へと消えた。






──ライド様の冷や汗凄かった。大丈夫かな……

『気になるん? 大丈夫とちがう?』

──え? 誰?

『わいは、あの男の持つ最強の剣の精霊サマよ!』

──剣の…精霊?

『そうや、フレリア。わいの体には《フレリア》と名前が刻まれとるからな。だからこうして、話もできるんや。』

──へぇー。

私は、剣の精霊サマと話していても、ライド様のことが気になって、ライド様が消えた方向へ視線が向いてしまう。

『ただヌいとるだけやろ?』

剣の精霊サマから、再び声がかかる。

──ヌく? でもどこで? この先にそんな場所…

『見たいんか? 見られるで。』

すると剣がボワッと光り、いつもとは違うピンク色の結界が出来上がる。

そこに映るのは素早く服を脱ぎ、そそくさと畳み、滝壺へダイブするライド様の姿。

頭から滝に打たれたりしてるけど…

──え…水中映像もあるの? 凄い腹筋! うわっまだギンギンだわ…

そのうち、気怠げな表情のライド様が岸に片手を付き、じっと固まって見える。

『右手でシコっとるんやろ? …てか、人間は面倒くさいなぁ。成人したとかしとらんとか。』

──だよね。あんなに苦しげな表情で…何だか居たたまれなくなるわ。

『ま、その点わいは精霊や。フレリアを善くして、わいも気持ち良くなっても、子は出来ひんから安心せぇ。』

その声が聞こえるやいなや、座ってライド様のお一人様プレイを見ていたハズの私は、仰向けに寝転がっていた。

私の上には、腰までの白い長髪に肌も真っ白に近くて紅い瞳のお兄さん。

──え、誰? ちょっと透けてる?

『そうや。わいは剣の精霊やからな。これがわいの本来の姿や。でも、透けてても、気持ち良いことしてやれるから、安心せぇよ。』

自称剣の精霊は私のワンピースの胸の上の紐を解き、顔を近付けてきた。

自称剣の精霊のテクニックで弄ばれ、比較的簡単にイってしまった私は、あっという間に大人の階段を半段上がってしまったと言えると思う。


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