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本編
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しおりを挟む「おはようございます。」
私は仕事であカーテンを開ける。
今日は怪我が治ってシュカからOKが出て、仕事再開となった。
結局、包帯ぐるぐるじゃなくなるまで、結局3日は掛かってしまった。
その間はずっとシュカに体を洗われ続け、恥ずかしい限り。
まぁ、最初こそ恥ずかしさやら何やらで、《百合展開》しそうではあったけれど、そのうち何とか慣れることができて、声は出さなくなれた。
《魔術師の編んだ組紐》は、使用人の制服のリボンと色が似ていたので、リボンと同じように結んでいる。
その間は剣精サマの姿にはならず、気配探知の力を使いながら護衛をしてくれていた。
だからなのか、たまに気配を読んだ組紐の導きで首が引っ張られ、手近な扉の中へ入ってしまうこともあった。
そのせいなのか、昨日まではライド様に会えていない。
寂しくはあるけど、月末の誕生日まではお互い修行中の身なので我慢しなくっちゃ。
ちなみに、小さい体ながら本体から飛び出して昼夜問わず護衛してくれるのは、《剣精サマ》なりに負担が大きいらしい。
夜は毎晩少しずつの治癒魔法を掛けて、扉に結界を張ることで廊下側から見ると私の部屋の扉が判りにくくなるらしい。
そうするとほとんど精霊としての力を使い尽くすらしく、夜の《剣精サマ》は組紐から抜けて悔しがりながら本体へ戻っている。
だから私は《ただの組紐》を抱き締めて、毎晩独り寝だった。
「シュカ、こっち終わったよ。」
「フレリアお疲れ様。手のひら見せて。カーテンを引くロープで傷ついていないかしら。……ふむ。大丈夫そうね。」
私達は、次の仕事である朝食会場へ向かった。
「おはよう。」
初日から3日経過し、今日からご息女様その2が砦へ、ご息女様その1が辺境伯邸に滞在する。
今やって来たのがご息女様その1で、名をリッカ様と仰る。
「あの人はまだ寝てるからね。シュカ、それからフレリアだったか? こっちに来て一緒に食べよう。」
なんと、食卓に招かれた。
「リッカ様、またですか? 仕方ありませんね。」
シュカは溜め息に苦笑いでリッカ様の向かいの席につくと私を見て1つ頷いて見せるので、仕方なく私もリッカの隣の下座へついた。
「リッカ様? シュカ、いつも言っているだろう? ん?」
リッカ様は貴族令嬢に当たられるものの、髪は短く、《剣道部副部長》感が漂う男装令嬢である。
その人がシュカにものすごく良い笑顔で促すと、
「はいはい。リッカお姉様!」
と。
「本当は、《お姉ちゃん》が良いんだけどね。カワイイから許しちゃう。
そうだ、フレリアもだぞ。ライドがウチに養子に来て辺境伯を次ぐのだろ? 来月婚姻するなら、私の方が年上だからね。ほら、《リッカお姉ちゃん》って。」
「……………………………………………………………………えぇ~~~??!」
「黙っていてごめんねフレリア。あたし腹違いだけど、この家の三番目なのよ。」
「えぇぇぇーーーーー!!!」
急に発覚した事実に、私は叫ぶしかできなかった。
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