【本編完】しがない男爵令嬢だった私が、ひょんなことから辺境最強の騎士と最強の剣の精霊から求愛されている件について A-side

325号室の住人

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本編

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「あら。2人もデートの時間が来たみたいね。」

ミレアさんの声にふと我に返ると、先程の汗塗れではなく小綺麗な剣道着に身なりを整えたハンス様と、少し遅れてライド様がこちらへ向かって来ていた。

「シュカ、似合ってる。かわいい。」
「ありがとう。ハンスも素敵だったよ。」

先に到着したハンス様とシュカが、お互いを照れさせている。
2人とも真っ赤になってて、つい生温かい視線を送ってしまう。

「フレリア。」

初々しいカップルを見守っていると、後ろから声が掛けられた。

「ミレア様には許可を貰った。早速俺の部屋に行こう。食事を運んで貰うことになってるんだ。」

振り返るとそこにはライド様。
黒髪に小綺麗な剣道着なのに、あんまり日本人には見えない。
まぁ、瞳は深い蒼ではあるのだけど、肌の色…? それとも彫りの深さ? 私は見惚れてしまった。

「フレリア? あ、そうだ。褒めるの待ちか?
あの…とても綺麗です。この領の服も似合いますね。」

するとライド様は私の髪に指を差し入れ、一房持ち上げると、

チュッ

音が出るように口付けた。

「俺の瞳の蒼ですね。でも、できるなら俺が贈りたかったです。」

少し残念そうな表情。

「実は、以前贈った髪飾りとワンピースは母に渡されたお金だったのです。
できるなら、自分で稼いだ自分のお金でフレリアにプレゼントしたい。
けれど、まだ下っ端の俺が稼げるのは僅かです。
だから約束してくれませんか? いつか、俺が自分で稼いだお金で貴女に服を仕立てたら、受け取って身に付けてくれると。」

とても真剣な表情。

「はい、嬉しい。待ってますね。」
「ありがとう。」

ぎゅっとライド様の腕の中へ閉じ込められた私。
石鹸の香りとライド様の香りに包まれ、とても幸せだった。




「んっんー…んんっ…何だか喉がイガイガするなぁ。」

その声に、何ならそのままキスまでしてしまいそうだった私達は、慌てて互いに跳び退いた。

声の先には、ミレア様……だけ?

「あぁ、ハンスとシュカなら、陸の街まで魔法で送ったよ。デートしたいって言うからね。
それで、フレリアちゃん達はどこでデートするんだ?」

「デート? とりあえず、艦内の俺の個室で食事でもと。」
「やぁだ! 密室でぇと? えっちぃ~!」

ミレアさんの返答に、とたんに顔が真っ赤になってしまったのはライド様だった。
けれど、

ぎゅぅぅ~ぐるるるぅ~…

盛大にお腹を鳴らしてしまって、今度は私が赤くなった。

「ふふふ、冗談よ。帰る時間になったらまた、団長に顔を見せに来てね。
じゃ、いってらっしゃ~い、」

すると、瞬時にキラキラに包まれ、気付くと小さなベッドの上だった。


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