【本編完】しがない男爵令嬢だった私が、ひょんなことから辺境最強の騎士と最強の剣の精霊から求愛されている件について A-side

325号室の住人

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「え…コレ……え?」

手鏡に映った私。確かに私だ。私なのに!

「髪の色が、茶髪に戻ってる!!!」
「フッフッフッ…」

目の前のミレアさんの笑顔が眩しい。

「運命を、乗り越えたんだよ。」
「ライド様…」
「ライド《様》って…まだ対等じゃないの? フレリア…」
「はい、ライド。」

隣に立つライド様が腰を抱いて囁く。

「運命…?」

「そうだよ。乗り越えたから、《ただのフレリア》に戻った。あたしたちはね、仮説を立てた。何らかの強制力で、誰かとの縁は繋がってしまうと思う。
縁が繋がればエンディングになって、フレリアは運命から開放されると思ったの。
フレリアがヒロインではなくなれば、その証に髪色が変わると考えた。
フレリアをヒロインとする証が、髪色とチョーカーだったからね。」

「あ、チョーカー! チョーカーはどこに?」
「あぁ、あれはね…とある人物に掴ませたわ。あっちはあっちで、どうなってるか楽しみね♪ うふふ。」

「それじゃ、《タコパ》の続きを始めましょうか。フレリアちゃん、ヒロインお疲れさま!! カンパーイ!!!」
「「「「「「「「「カンパーイ!!!」」」






一方その頃…

「ほら《享楽の王子ちゃん》、ようこそ! ココが辺境伯邸よ。」
「ん…どこかに突っ込まないと、ヒリヒリして痛い…どこかに湿り気のある穴はないか!!」

紆余曲折あった辺境伯家の次女アスカと元第3王子は、徒歩での長い長い移動ののち、とうとう辺境伯邸へ到着した。

「貴様、何者だ! …っと、これはこれはアスカ様。お帰りお待ちしておりました。」

屋敷から飛び出して来た辺境騎士団の制服の男達が不審な動きをする男に詰め寄ったが、第2子のアスカに気付く。

現在、この屋敷に残っている辺境騎士団員は全て現辺境伯夫人の腰巾着であり、その愛娘であるリッカを敬愛しており、アスカに忠誠を誓っていた。

「アスカ様、サロンで夫人がお待ちです。アスカ様がお帰りになったら、そのままサロンへ向かうようにとのことです。」
「チッ…はぁ、面倒臭っほら、王子ちゃん行くわよ!」
「湿り気のある穴ぁ。男の尻はイヤだぁ…メス穴ぁ…グエッ!」

元第3王子は、下穿きに股間が擦れるのが痛いのでガニ股で前屈みになりながら、両手は直ぐに獲物を捕まえられるように前に突き出してワシワシ指先を動かしながら、睡眠欲よりも享楽への欲望が勝ったため目の下に濃い隈を拵えた青白い顔で、アスカに首根っこ掴まれて引き摺られるように歩いた。

充血した眼では屋敷中へ視線を彷徨わせながら、巨乳でありメスでもあるという条件に当て嵌まる人間をチェックして行く。
しかし辺境伯邸内に居るのは現在腰巾着騎士のみ。
領民の女性であれ、《危機には使用人の女性でさえ戦えるように》というコンセプトのおしゃれな剣道着スタイルにしており、この度の《辺境伯の一大事》に際し、皆、辺境騎士団詰所から一番近い村へと旅立ってしまっていたのだった。






その頃サロンでは…
現辺境伯夫人が首を長~くして、愛娘であるアスカの帰宅を待っていた。

《現在、この屋敷に於いては自分が当主である》

その信念の元、秘密裏に作らせた王都で流行りの形の、胸元を強調する豪華なドレスを着用し、辺境伯が在宅の時に愛用しているカウチにヒールを履いたままの足を右の肘掛けに乗せ、左の肘掛けを背もたれにして愛読書であるロマンス小説を熟読していた。

そこへ、

トトトンッ
「アスカ、帰宅しました。」
の声。

夫人は愛読書を自分の背を支えていたクッションの下へ隠して足を床へ下ろすと、
「どうぞ。」
と返事をした。


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