「おまえさえいれば、帰る場所なんかいらない。」~雷の絆・炎の約束~

火威

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第三幕

「おまえさえいれば、帰る場所なんかいらない。」~雷の絆・炎の約束~

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第三幕 暗転(語り 火陽かよう

 夜風になびく髪が、月光を浴びて煌めいている。
 銀色に。
 えらそうに腕を組んだそいつは、仕草と同じえらそうな口調で言う。居丈高つーか、高飛車つーか、とにかく腹が立つ。
「こりねえな、てめえも。」
 こっちを馬鹿にしきった笑みを、薄い唇に浮かべて。
「うるせえよ。」
 オレは、蒼い目を全力でにらみつける。
 見下されるのも当然の実力差が、悔しくてしょうがない。
 だらだらと血が流れ続けて止まらない肩を押さえ、唇をかむ。
 いや、肩だけじゃなく、腕も、足も、胸も、腰も、首も、顔も、血が流れていない場所の方が、オレの体に少ない。
 これだけ切り刻まれているのに、致命傷はない。
 こいつが、手加減しているから。
 猫が鼠をいたぶるように、遊んでいるから。
 でも。
「いつまでもやられっ放しだと思ってんじゃねえぞ!」
「それでいい。」
 蒼い瞳が冷酷に光る。冷たいのに、不思議と目を反らせない。
「来い。」
 炎が渦巻く。
 雷が閃光を放つ。
 激突して、視界の全てが白く染まった。

「いってえ…。」
 オレは、唸るように呟く。
 体中傷だらけだ。満身創痍ってのは、こういうことだな。ここんところ、オレは生傷の絶えない生活をしている。
 銀の鬼に出会ってから、毎日。
 何回勝負を挑んでも、オレは一度もあいつに勝てない。勝てないどころか、毎回いいように遊ばれているだけのような気がする。あいつが本気だったら、とっくに殺されているだろう。
 腹の底から、悔しさと怒りがふつふつとこみ上げてくる。
「でも、あきらめねえぞ。」
 声に出して、決意を新たにする。自分に、言い聞かせる。
 絶対にあきらめない。
 もっともっと、強くなってやる。
「よし、今夜こそ勝つ!」
 立ち上がる。ぴょんと、簀子縁から跳び下りた時。
「火陽。」
 背後から呼ばれた。全く気配なんかしなかったのに…。
「兄上…。」
 おそるおそる振り向いたのは、こっそり出ていこうとしていたのが後ろめたいからと…兄上の声がいつもと違って聞こえたからだ。
 兄上が、じっとオレを見ていた。
 落ち着いた静かな、いつもの兄上の表情。
 でも、その眼差しは厳しくて、無言でオレを責めている。
 当然と言えば、当然なんだけど。
 兄上が、短く、けれど重いため息をついた。
「どこへ行くんだ?」
「え、と…、その…。」
「おまえが毎晩抜け出していることを、オレが気づかないとでも思っていたのか?」
 やっぱ、ばれてたか。頭が良くて気配に聡い兄上が、気づかないわけがない。
「おまえ、今がどういう状況か、理解しているのか?」
「状況って。」
「鬼が出る。」
 オレは、ハッと息を呑んだ。
 兄上が知っていること自体は、驚くことじゃない。陰陽博士のじいさまだって知っていて、オレに釘を刺したくらいだから。
 ただ、鬼という言葉が、オレの胸を突いた。
「父上が呼んでいる。」
 ついて来い、と、兄上はオレに背中を向けて言った。

 父上の正面の円座に腰を下ろす。
 兄上は、オレの顔を一度見て、黙って出て行った。
 父上は、深い瞳でオレを見据えた。
(父上、怒ってるなあ…。)
 はああ、とオレは胸の中でため息をついた。
 父上は、ふだんは優しい。温厚で穏和な人柄だって、陰陽寮の人たちもよく言う。でも、本気で怒ると、母上よりも陰陽博士のじいさまよりも、ずっとずっと怖いんだ。
 この前本気で怒られたの、いつだったかな。ああ、牛飼い童と喧嘩になって、陰陽師の術を使っちゃった時だ。あの時は拳骨を喰らったっけ。
「火陽。」
 腹にずしり、とくる重い声。
「…はい。」
「呼ばれた理由はわかっているな。」
「夜中に、屋敷を抜け出していること…?」
「その通りだ。」
 燭台に灯された火が、父上の顔に濃い陰影を落とす。
「今までは、大目に見てきた。だが、今は見逃すわけにはいかない。」
 空気の温度が変わった、気がした。
「このところ、頻繁に鬼が京に出現している。寮の陰陽師が夜警に出ているが、修行を積んだ陰陽師さえ、返り討ちにあうことが珍しくない。」
 オレに注がれる父上の眼差しは優しい。その目には、確かな愛情があった。一人前の陰陽師が敵わないなら、半人前どころか、正式な寮の陰陽師でさえないオレは相当危ない。そういうことだ。
 父上は、オレを案じている。その優しさが、今のオレには苦しい。
 わかるな、と父上はオレの両肩に手を置いた。大きくてあったかい手。思いが流れ込んでくる気がする。
「これは、私の勘でしかないが…鬼たちの動きは気になる。近々、何か仕掛けてくるつもりかもしれぬ。」
 父上ほどの陰陽師の勘だ。何かが大きく動き出そうとしているのかもしれない。
 でも。
 でも、オレは。
「とにかく、夜歩きは禁止だ。」
「父上!」
「頼む、火陽。」
 父上は、オレの肩に置いた手に力を込めた。
「私は、息子を失いたくない。」

 真っ赤な夕日が落ちていく。
 西日が世界を赤く紅く染め上げる。空も地上も、鮮血の色に濡れていく。
 冬の夕暮れは、夏のような雄大さがない代わりに、朱色がどぎつくて、何だか不吉だ。特に今日のは、世界の終わりみたいな気さえする。
 ぶらぶらと、朱雀大路を歩く。陰陽寮からの、いつもの帰り道。
 つまんねえなあ。
 ここ数日、あいつに会っていない。傷は増えないけど、張りがない。物足りない。具が入っていない汁物みたいな。石ころを蹴とばした時、
「ため息。」
 隣で、兄上がぼそりと言った。
「え?」
「ため息。またついてるぞ。」
 足が止まった。兄上も立ち止まる。
「どうしたんだよ、おまえ。何があったんだ?」
 心配そうにオレをのぞきこんでくる、兄上の瞳。
「…。」
「言えないのか。」
 どうして言えないんだろう。生まれた時からずっと一緒だった兄上なのに。今まで、どんなことだって、話してきたのに。
「…いいよ。おまえが危ないことをしていないなら、オレも父上もそれでいいから。」
 兄上は、ちょっと寂しそうに笑った。
 何か言わなきゃ、と思った。でも、言葉が出てこない。見つからない。心がここにないみたいで、言うべきことがわからない。
 口ごもっていたら、バサッと、鳥の羽音がした。
 紅く染まった空を、一陣の純白が横切る。
 白いカラス。
 兄上の肩に止まった。
「父上の式神だ。」
 兄上が、よしよしとカラスの頭をなでる。そうか、と頷く。兄上は器用だ。式神と意志を疎通することくらい簡単にできる。
「父上、今日、宿直とのいになったんだって。」
「へえ。何で?」
 オレはちょっとほっとした。とりあえず、こういういつもの会話ができる。
「また鬼が出たって。」
 ドキンとした。
 鬼。
 オレの胸によぎった、銀の面影。
 見たい。
 あの銀色の光が。
「寮の陰陽師が出払っているから、父上が留守を預らないといけないらしい。…父上自ら対峙しないと調伏できない鬼が出た時のために待機するって。できれば、オレにも手伝ってほしいって言ってる。」
「…そっか。みんな、大変だな…。」
「まあ、父上でないと調伏できない鬼なんて、滅多に出ないと思うけど。寮の陰陽師は、みんな、腕は確かなんだし。」
 兄上の声は、冷静に分析しているのが半分、自分を納得させようとするのが半分、て感じだった。
「オレは、いったん家に帰って、着替えを届けたら、そのまま寮にいるけど、おまえは家にいるんだぞ。」
 オレに釘を刺すのも忘れない。兄上は本当にしっかりしている。
「わかってるって。」
「本当だな。」
 念を押してくるけど、ここ数日は大人しくしていたから、信用はされているだろ、多分。

 明るい月夜だった。
 星の光がかすむくらいに、月が輝いている。
 すっげー、寒いけど、気にならないくらい、いい気分。
 脱出成功。
 袿を被って、寝たふりをしていたら、兄上に頼まれたらしくて、母上がオレがちゃんと寝ているか見に来た。袿の上にそっと手を置いて、しばらくじっとしていて。最後に「おやすみなさい、火陽。」って小さい声で言って、出て行った。
 母上を騙したことは後ろめたいけど、わくわくする気持ちの方がずっと大きい。
 あいつと会いたい。
 あいつと戦いたい。
 胸の奥が熱くなる。
 気持ちが暴れ出す。
 鞠みたいに、気持ちがぽんぽん弾んでる。
 ごめんなさい、父上、母上。ごめん、兄上。でも、止まらない。オレ自身にも、止められないんだ。
 あいつは、今夜はどこにいるんだろう。
 待ち合わせなんかしてるわけじゃないのに、夜の京をうろつけば、いつも会える。あいつの気配をすぐに探し出せるようになった。
 躍る心に誘われるままに、オレは駆け出した。
 ろくに方向も確かめないで走っていたら、右京の近くだった。開けている左京と違って、右京は荒れ果てている。まばらに建っている屋敷も、ほとんどが人が住まなくなって、ほったらかしにされた廃屋だ。
 あいつは、大貴族の屋敷に盗みに入っているんだから、こんなとこには来ないよなあ。引き返そうとした時。
 チリと、産毛が逆立つ感覚。
 異質な気配。
 浮かれた気分が吹っ飛んだ。冷水を浴びせられたように頭が冷える。
「誰だ!」
「へえ、生意気にも気がつきやがったぜ。」
「見かけによらないってやつですかね。」
 どっちも初めて聞く声だった。
 闇から進み出た、数人の気配。
 いや、人じゃない。
 これは…。
 オレの正面に立ったのは、琥珀色の瞳と角をした鬼だった。他の鬼は、オレを取り囲む。
 オレは、思わず身構えた。まずい、と思った。肌が粟立つ。本能が危険を叫ぶ。
 夜気を通して伝わってくるのは、明らかな敵意。いや、殺気。
 呑まれてたまるか。
 オレは、ぐっと腹に力を入れて怒鳴る。
「てめえら、一体何者だ!」
「鬼だよ。」
 琥珀の瞳が、馬鹿にしきった笑みに歪む。
「わかってんだろ。オレたちのお仲間と、しょっちゅう、遊んでるみたいだからなあ。」
 あいつのことか?
 銀の輝きが脳裏に浮かぶ。
 だけど、仲間?
 こいつの口調は苦々しくて、あいつのことを嫌っているのがすぐ分かる。
 それに、あいつには似合わない。
 あいつは、いつも凛と一人で立っている。孤高の存在だ。こいつらとつるんでる姿なんて、想像できない。
「それで、鬼がオレに何の用だよ。」
「あいつが、おまえを殺すのに手間取ってるみたいだから、オレたちが代わりに殺してやろうと思ってな。」
 赤い舌が蛇のそれにように蠢く。
「おまえの死体を見た時のあいつの顔が楽しみだぜ。」
「ふざけんな!」
 やられてたまるか。こんな奴らに、負けるわけにはいかない。
 オレは、素早く印を結ぶ。念のため、呪符は持っているけど、こんな奴らに使う必要はない。わかる。こいつらは、あいつよりずっと格下だ。
「ノウマクサンマンダ・バザラダン・カン!」
 不動明王の真紅の炎が、渦巻きながら鬼に向かう。
「雨竜!」
 豪雨が降り注いだ。
 オレの炎が、水に呑まれてかき消える。
「さすが、村雨むらさめさん。」
「そのまま、やっちまってくださいよ。」
 周りの鬼たちが歓声を上げる。うるせえっつーの。
「今度は、こっちからだな。」
 村雨、と呼ばれた鬼がニヤリと笑う。
「氷牙!」
 オレの真下の地面から、氷の槍が生えた!
 反射的に飛び退くのが遅れていたら、串刺しになっていた。
 つ、と冷たい汗が頬に伝う。
 奥歯をかみしめ、再び印を結ぶ。光明真言。
「オン・アボキャ・ベイロシャノウ・マカボダラ・マニ・ハンドマ・ジンバラ・ハラバリタヤ・ウン!」
 無数の光の槍が顕現する。一切の穢れを焼き払い、あらゆる邪悪を消滅させる。鬼なら、この聖なる光で。
「氷壁!」
 鬼の前に、巨大な氷の壁が出現していた。
「いけ!」
 オレは、腹の底から叫んだ。
 光の槍が、氷壁にぶつかり、打ち砕いていく。
 バキバキッと、氷の割れる音。ガラガラと崩れ、地面に落ちて砕け散る。
 よし、もう少しで…。
 ざんっ。
 音が、響いた。
 オレの中で。
 何か、鋭いものが、肉を貫く音。
「…あ…。」
 熱い、と思った。
 腹が。
 オレは、ゆっくりと目線を下げた。

 オレの腹から、氷の剣が生えている。

 それが、消えた。
 引き抜かれたんだ、と、ひどくぼんやりと思う。
 どしゃっと、大量の血があふれる。
 痛い痛い痛い痛い痛い痛い!!
 どさり、と音がした。
 ああ、オレが倒れた音か…。
 死ぬのかな…オレ…。
 寒い…。
 眠い…。
「バカじゃねえの?誰が一対一なんて言ったよ。」
「後ろから刺すのが卑怯なんて言うなよ。油断する方が悪いんだぜ。」
 遠くから、そんな声がする。
 畜生。
 怒りで、意識が少しだけ戻る。
 こんな奴らに負けて、殺されるのは嫌だ。
 死にたくない。
 あいつに…もう一回…。
 その時、かすかに純銀の輝きが、視界の隅をよぎった気がした。
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