お嬢様なんて柄じゃない

スズキアカネ

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お許しあそばして。お嬢様なんて柄じゃございませんの。

頭の上のアイデンティティ。違うんだ、わざとじゃない。

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「こちら私とお付き合いしてくださっている斎宮様ですわ」

 そう言って紹介されたのは同年代の青年だ。

「お久しぶりです、二階堂様、加納様」
「どうもお元気そうで」
「…ごきげんよう」

 早まって“はじめまして”と言わなくて良かった…。エリカちゃんの顔見知りの人か。
 丸山さんの交際相手はお見合いで出会い、お友達としてのお付き合いから交際に至ったらしい。話を聞く限りでは慎悟と正反対のイメージだったが、実際に見ても正反対だ。顔立ちはフツメンで、体つきはがっしりしている。丸山さんは面食いなのかなと思っていたけど、そうじゃなかったんだね。
 2人の間はいい雰囲気である。丸山さんが幸せそうで何より。
 
 男性陣は久々の再会で話が盛り上がり、そのままおしゃべりを始めてしまった。丸山さんと同じ、高校2年の斎宮さんは西園寺さんと同じ名門男子校出身らしい。いいところのお坊ちゃんなんだろう。

「最近どうですか? 加納様の会社は輸入商品を取り扱っていらっしゃるから影響を受けておられるのでは?」
「ROAを見れば順調に見えるが、打撃を受けてないとは言いきれないな。やはりアメリカと中東の関係がこちらにも響いてきている」
「うちもなんです。ここ最近の株価は……」

 ……高校生なのに慎悟も斎宮さんも高校生らしからぬ経済の話とか会社の動向とか異次元な話を始めたのだ。
 高校生なのに……。この話題に乗れない私はまだセレブの水に馴染めていないのね……
 何だよ株価がなんだって? アールオーイー? アールオーエー? なんだそれ、なにその呪文……うっ、頭が……

「あら二階堂様、なにか香水でもおつけになられているのですか? いい香りですね」
「うぅん、アロママッサージを受けたからその香りが残っているんだと思う」

 色んな香りが入り混じったパーティ会場内でも、近づくと匂いがするのか。私は腕を持ち上げて匂いを嗅ぐ。

「…二階堂様は日に日にお綺麗になられますわね。慎悟様に大切にされていらっしゃるのがよくわかりますわ」

 いきなりどうしたの丸山さん。
 慎悟に大切にされているのは私も実感してるけど、急にどうしたの。

「お2人がこうして並んで幸せそうにしている姿を見ることが出来て私も嬉しいですわ。ですから私もこうして自分を大切にしてくれる殿方と出会えたのですもの」

 そう言って笑う丸山さんは、憂いのない晴れやかな笑顔だった。
 ……今となって思えば、丸山さんが私へ宣戦布告する真似をして、発破をかけようとしていたのは……慎悟の為でもあるだろうが、自分の恋心へケリをつける為だったのじゃないだろうか。
 私にも事情が色々あったとはいえ、当時の私の行動はかなり残酷すぎた。慎悟には勿論のこと、丸山さんにも申し訳なく思っている。

 こうして新たな恋と出会って、その彼を紹介された丸山さんは幸せそうだ。彼女が慎悟に恋をしていた頃よりも今のほうが更に綺麗になったように見えた。

「…丸山さんも綺麗になったね」
「あら、二階堂様に褒められると自信がつきますわね」

 気乗りしなかったパーティだが、丸山さんの恋人に会えたことはいい収穫になったな。以前まで恋敵認識されていた私だが、今からでも彼女と私は友達になれるだろうか?

「ねぇ、私達って友達になれるかな?」

 私がそれを尋ねると、丸山さんは目を丸くしていた。

「…私は既にそのつもりでしたけど…」

 あ、友人として認めてくれていたのね。良かった。
 


 彼らのおしゃべりが終わらないので、私は丸山さんと一緒にお料理を頂いていた。ここで出されるソフトドリンクは烏龍茶とオレンジジュースのようだ。ブドウジュース事件の再来は避けられるようである。万が一かかっても、オレンジ色のドレスを着用しているので問題ない。ただしその場合オレンジ臭が漂うけども。
 ……とはいえ、今日のパーティには加納ガールズ出張版が見当たらないので、喧嘩を売られる恐れはなさそうだ。

「ちょっとお花を摘みに行ってくるね」

 慎悟はまだおしゃべりに熱中していたので、丸山さんに断りを入れると化粧直しも兼ねて、私は化粧室に向かった。 
 

■□■


 思ったよりも化粧室が混んでいて、用を済ませるのに時間がかかった。あまり待たせると、皆を心配させてしまうな。
 私は行列ができている化粧室から出ると、会場に引き返していた。

 パーティーが行われているフロアなので色んな人が行き交うはずだが、廊下にはあまり人の姿が無かった。

「…ん? そこにいるのは二階堂のお嬢さんですかな?」
「……どうも」

 なんでこのタイミングで声を掛けてくるのかな。
 存在を認知していたので、驚いたりはしないけど、話したいとは考えていなかったので顔に思いっきり感情を出してしまった。

「随分なご挨拶ですな。そのように表情に表すのは相手に失礼というものですよ」
「…あなたに失礼の概念を語られても全く説得力がないですね。御用がなければこれで失礼いたします」

 敬語を使って差し上げているだけ、年上に対しての礼儀は払っているはずだ。忘れたのか。あんたの指示を受けた娘が、この体の本来の持ち主から婚約者を奪って絶望させた事を。私はそれを忘れないし、許さない。
 だいたいこのオッサンに愛想振りまいても損しかない。気分を害すだけなので無視して横を通り過ぎた。

「加納家のご子息と婚約されたとか。…おめでとうございます」

 私を引き止めるかのように掛けられたその言葉に私は足を止めた。渋い顔で瑞沢父を睨むと、相手はニタニタと下卑た笑みを浮かべて、舐めるような視線を向けていた。
 
「傷物になってしまったからには私も気に掛かってはいたのですがね、実にめでたい。これで安泰ですな」
「……どの口がそれを言うのです」

 気持ち悪い…! 上杉とはまた違った気持ち悪さだ。このオッサンの視線は性的なそれだ。エリカちゃんをいやらしい目で見おって…!

「貰い手がいなければ、私が責任をとって差し上げようとも思っていたのです。…ですがねぇ、私にもいい人がおりますので」
「…えぇ、随分お盛んのようで」
「この歳で子どもが出来るとは思っていなかったのですが、今度は男の子が生まれそうなんですよ」

 うわぁ…このオッサン本当にシモがゆるいな。
 子どもを亡くした正妻もだけど、瑞沢嬢の母親も言うなれば弄ばれた元愛人。次は若い女性に手を出して孕ませたのか……子どもにも女性にも責任を持たないのに……本当にどうしようもないオッサンだ。

「ですが、判断を誤ったかもしれませんな。久々にお会いいたしましたら随分お美しく……。若造では女の喜びを味わえないでしょう?」

 …は? …なに? 何を言ってるのこのオッサン。
 はっきり言って、私はドン引きした。
 よそのお嬢さんにそんな事言っちゃうのか。頭大丈夫? 自分がどれだけ気色悪いこと言ってるかわかっているのか?
 瑞沢父を軽蔑の眼差しで見つめて差し上げた。

「私が直々にお相手して差し上げてもよろしいんですよ?」
「…ひっ…!」

 ──サワッ、と腰を撫でられた感触に私は引きつった声を上げた。
 何触っているんだよ! 気持ち悪い! …この野郎、この身体に触れおって…とんでもない侮辱だ! 許すまじ!

「触るな、この…!」

 自己防衛のつもりであった。
 こう、スパーンとビンタするつもりだったが目測を誤り、頬ではなくオッサンの頭を叩いてしまった。
 すると、ヒュン! と目の前を黒い物体が吹っ飛んでいく。私はそれを目で追った。
 ──パサリ…
 静かに地面へ着地した黒いそれ。私は瑞沢父の頭を見てハッとなった。

 か、カツラ…!
 空間に沈黙が訪れた。私も瑞沢のオッサンも固まっている。それは絨毯の床にファッサァと鎮座していた、
 一昨年の文化祭で遭遇した時と比べてオッサンの印象が変わったと思ったら、カツラか! 寒々しかった頭頂部が黒々としていたから違和感があったんだ!
 頭の上のアイデンティティ……ただでさえ気にしている人はひどく気にするその存在……やばい…!

「おい!」

 その鋭い声に止まっていた時が再び動き始めた。…慎悟だ。戻りが遅いことを心配して様子を観に来てくれたんだ。
 私は助けを求めるべく、慎悟に飛びついてしがみつく。

「慎悟違うんだよ! 私は正当防衛のつもりで叩いたの! そしたら取れちゃったの!」

 私の必死の訴えに、先程まで険しい顔をしていた慎悟の顔がフッと真顔に変わった。
 疑ってくれるな、私はわざとこんな事をする人間ではない! これは事故なんだ!
 それよりもアイデンティティが!

「どうしよう! あのオッサンが触ってきたから気持ち悪くて叩いたら、カツラふっ飛ばしちゃったの!」

 これ、名誉毀損で訴えられない? 
 わざとじゃないんだよ? だってカツラとは思わなかったんだもん。気持ち悪いから一心不乱で…!
 私が涙目でワタワタと弁解していると、慎悟はため息を吐いて、落ち着かせるべく私の肩をポンポンと叩いてきた。
 
「わかった、わかったから。どこ触られた?」
「腰…」

 触れられた部位を教えると、慎悟が上書きするように触ってきた。くすぐったい。そのまま腕に閉じ込めるようにして、オッサンの目から私を隠した。

「…僕の婚約者になにか? 瑞沢さん、ご自分の立場を理解しているんですか?」

 慎悟は怒っていた。私にではなく、瑞沢父にだ。抱きしめてくる腕がぎゅうう…と力強くなっていく。苦しいけど、これは絶対に私を渡さない、離さないと意思表示しているようにも感じる。
 慎悟から睨まれている瑞沢父は、ふんと鼻で小馬鹿にするように笑うと腰を曲げてカツラを拾っていた。
 そして、こんな事を言いだした。

「……そこの娘が欲求不満のようでね、私を誘ってきたのですよ。…さすが、婚約破棄されるような娘だ。素行がよろしくない」

 ニヤニヤといやらしく笑いながら、また粘つくような視線を私に向けてきた。
 その言葉に慎悟は言葉を失って閉口していた。

「はあぁぁ!? 何嘘ぶっこんでるの!? なんで私があんたみたいなハゲ、むぐ」
「あんたは黙っていろ。…そんなすぐにバレるような嘘を吐いて……情けないとは思わないのですか」

 私ははっきりきっぱり否定してやりたかったのに、慎悟に口を抑えられた。
 なんで、なんで止める。否定させて。私の名誉のために否定させてよぉ!
 慎悟の手を剥がそうともがくが、私の口から漏れるのはフゴッモゴッという言葉にならない音だ。
 なんで私がこんな最低なオッサンを誘惑せにゃならんのだ! アレか? まわりにいる女性が美人揃いだから、自分に自信があるのか? 娘と同い年の女の子によくもまぁ!

「嘘などとは失礼な。……君もその娘にうまく誑し込められたのではないですか?」
「そうですね、おかげさまで」

 私が遺憾の意を訴えようと藻掻いている間にも、慎悟の冷静なレスがオッサンに差し向けられるも、そこはずる賢い瑞沢父だ。相手の揚げ足を取ろうとする。
 だが慎悟も負けてはいない。二人の間でレスバトルが繰り広げられた。

「これはお熱いことで。ですが油断は禁物ですよ。そういう娘こそ、裏で男遊びをするものですから」

 その言葉に慎悟は更に私をキツく抱き寄せた。

「ご心配ありがとうございます。大丈夫ですよ、彼女はそんな器用な人間ではないので。……もしも、仮にそんな事したらタダじゃ置かないですけどね」

 怖いこと言うな。何だ最後のタダじゃ置かないって。
 この攻防が暫く続くのだろうか……私は言いたいことも言えずに、もやもやした感情を抱え続けることになるのか…
 一人取り残されて切ない気持ちに陥っていると、そこに救いの声が。

「慎悟様、二階堂様! …いかがなさいましたの?」

 丸山さんだ。恋人の斎宮さんと肩を並べてここまでやってきたようである。
 丸山さんは瑞沢父を目にすると、それだけで何かを察したらしい。
 私は力づくで口元を抑える慎悟の手を剥がすと、大声で訴えた。

「ぷはっ、私セクハラされたの! あまつさえそれを私が誘ったみたいな言いがかりしてきて! 屈辱!」

 私の訴えに丸山さんは目を丸くしていたが、すぐに表情をいつもの落ち着いた穏やかなものに切り替えていた。
 そして、彼女は瑞沢父に向けて頭を下げたのだ。
 
「……私が招待した友人がなにか失礼をしたようですわね。後日お詫びをお送りいたしますので、本日のところはどうかご容赦くださいませ」

 丸山さんの吐き出した言葉に私の頭は真っ白になった。
 そんな、私が諸悪の根源みたいに……そんな、嘘じゃないのにどうして……そんなオッサンの味方をするの…?

 私がショックで呆然としている間に瑞沢父は勝ち誇った顔でこちらを見てきた。
 うーわぁームカつく。もっかい叩きに行きたい!

「お父様によくお伝えしておきますわね。コンパニオンを必要としているお客様がいらした事、令嬢に手を出そうとする不届き者がいらした事を」
「…えっ」

 丸山さんが次に口にした言葉に、瑞沢父は表情を変えた。
 彼女の表情は穏やかだ。いつものお淑やかで正にお嬢様な丸山さんの笑顔……なのだが、よく見たら目が笑っていない。
 
「詳しく報告させていただきますわね瑞沢様? …どうぞ、引き続き…パーティをお楽しみくださいませ」

 では、と軽く頭を下げた丸山さんは、私に笑顔を向けて「さ、会場にお戻りくださいな。先程美味しそうなデザートが追加されましたので是非」と促してきた。
 私が口を開く間もなく、慎悟が私の腰にしっかり腕を回し、そのまま会場にエスコートされた。


 そのあと、瑞沢父を会場内で見かけることはなかった。

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