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第45話 ミレイの本音
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泣いて泣いて泣いて、もうこれから先泣かなくてもいいくらい、一生分泣いた気がする。
泣き疲れ果て、落ち着くような規則的な心音と人の温もりに包まれて私はいつしか眠りに就いたのだろう。眠った時のまま温もりは今も続いている。この温もりは私の泣き顔を守ると言ってくれたレイヴァン様だろうか。レイヴァン様だといいなと思う。
そう思いながら、浮上する意識に乗って私は目を開いた。目覚めて真っ先に目に入ったのは――レイヴァン様の穏やかな笑顔だった。
「クリスタル。よくXXいたな」
「アムールレイヴァン、オーディ・モ――はっ」
私は慌てて目を両手で隠した。
泣き顔はみっともないと言うが、泣き腫らした顔はもっとみっともないと言われたからだ。
「どうしたんだ? XXが痛むのか?」
「エ、エいちブーケ」
「……大丈夫だと? いいから見せてみろ」
これまで繰り返し大丈夫と言ってきたことが裏目に出たようだ。彼は私の手首をつかんで目から離そうとする。
と、その時。
「旦那様」
淡々とした女性の声が降ってきた。マノ……ミレイさんだ。
「クリスタル様はXXおられます。今はお顔をXXたくないのですよ」
「――っ。そうか。悪かった」
レイヴァン様は私から手を離すと、体を起こしてベッドから下りたようだ。
「ミレイ、後はXX。ではクリスタル、また後で」
立ち去ったレイヴァン様を見て、ここは自分の寝室だと気付く。
指の隙間から見たレイヴァン様は苦笑していた。心配してくれたのに申し訳なかったなと思う。
「クリスタル様。おからだは。いかが。ですか」
「エいちブーケ、アミューミレイ。エふぁリスとライあー」
大丈夫であることとお礼を述べて体を起こしたところで、居室を通ってもう一人入ってきた。彼女もいつも私の側にいてくれた人ではない。ルディーさんだ。
小さく自嘲すると声をかける。
「アミュールディー」
「クリスタル様! おからだは大丈夫ですか!」
「エ、エいちブーケ。エふぁリスとライあー」
駆け寄ってきたルディーさんの元気の良さにびっくりしてしまう。こんなに快活な方だっただろうか。
「さあ。クリスタル様、まずはノム・アイセージ・エヴァー」
用意されたのは洗顔用の桶だ。顔を洗うという言葉は学ばなかったが、きっとこの言葉なのだろう。ノムは~しましょう、だから。
「あセーじ・えヴァー」
「はい。アイセージ・エヴァー」
私が言葉を覚えようとしているのに気付いてくれたミレイさんが、ゆっくりと繰り返してくれた。
「あセいーじ・えヴァー」
「アイセージ・エヴァー」
「あ、あいセーじ・えヴァー」
ミレイさんが笑顔で頷く。彼女のこんな優しげな表情も初めて見るかもしれない。
「ではサンティルノ語XXは後にしてXXしましょう」
きっと講座は後にして準備しましょうという意味だろう。私は言葉を必死に追うばかりで、状況とか、人の感情から受けて肌で感じる言葉を後回しにしていたのだと改めて気付かされた。
私はふた時ほど眠っていたようだ。夕食前に少し話をしようとレイヴァン様が部屋にやって来た。彼の側には先ほど紹介を受けた言語学者のベンノさんがいる。
今後はベンノさんがこの屋敷に通いでやって来て、サンティルノ語を教えてくれるそうだ。私の専属侍女はミレイさんとルディーさんに戻し、通訳できる侍女はもう雇わないとのこと。それは不自由さで私が追い込まれたら習得が早まると見込んでのことか、あるいは今回のようなことが起こらないようにするためのものなのか。
また、私がレイヴァン様に嫁ぐことになった経緯や、当初は私を警戒していたこと、私の言動に戸惑っていたことなど、正直に胸の内を明かしてくださった。これからお互いたくさん話をしようとも。それからマノンさんの処分は王太子殿下に任せたことも知らされた。
「あの。ジャスティーヌ様はどうされましたか」
「心配しなくていい。姉には先に食事でもてなした後、改めて場を作ることを約束して帰ってもらった。姉も大変な時に訪問してしまったことを詫びていた。お大事にと伝えてほしいと言っていた、とのことです」
あの時、モーリスさんがジャスティーヌ様に言っていたのは、私が階段から落ちて本調子ではないので休ませてくれるよう、お願いしてくれていたとのことだ。
「そうですか。ご紹介の時もですが、ほとんどお話が聞き取れず、お答えできませんでしたので申し訳なく思っておりました」
と私の言葉をベンノさんが通訳してくれるや否や、ミレイさんが勢いよく流れるように何かを話した。横にいるルディーさんは目を丸くしている。
「まあすごく綺麗ねとても神秘的な瞳髪も綺麗肌しろーいお人形さんみたいもうっレイヴァンこんな綺麗な子を私に紹介しないだなんて許さないんだからでもいいわこれからわたくしたち姉妹になるんだものね、とおっしゃったそうです」
若干息切れを起こしつつベンノさんが通訳してくれた。
「そ、そうでしたか。よく覚えておりましたね」
「それは私も初対面からそう思っていたからです、とのことです」
「え?」
確かにミレイさんは私をいつも静かに見ていたけれど、敵意はないものの、好意もあるようには見えなかった。
するとミレイさんが拳を作りながらまた口を開き、単語を拾えるどころではないすごい速度で話が流れる。ベンノさんは置いて行かれまいと慌てて通訳を始めた。
「最初お会いした時はあまりに美しいお方で時が止まりましたクリスタル様を前に気を抜けば私の顔が緩みっぱなしになるので引き締めるために常に顔を強張らせています正直専属侍女になったマノンさんを憎らしくも思っていましたが少し遠くから拝見するクリスタル様も美しくまたゆっくりと見守ることができたのでこれはこれでよしと思い直しました片言で話し始められた時のクリスタル様は妖精いえ天使でした初めて笑みをこぼされた時は女神と言うほか説明する言葉が見つかりませんでしたお怪我された時は御手を傷つけた針を火炙りにお体を傷つけた階段を破壊してやろうかと思ったぐらいです湯浴みをお手伝いする際はとても」
ベンノさんの通訳はそこで止まった。なぜならミレイさんの口がルディーさんの手によって押さえ込まれたからだ。レイヴァン様は顔を引きつらせて彼女を見ている。
「そ、そうですか。エふぁリスとライあー。ですが気になることがありまして。装飾品を選ぶ際にご助言いただけなかったのと、私が最高級品を選んでしまった時、笑っておられたように見えたのですが」
息を切らしていたベンノさんは呼吸を整えると、ルディーさんから解放されたミレイさんに尋ねた。
「装飾品に関してはご趣味もあるでしょうし、助言はためらわれました。それと、あの宝飾品をつけたクリスタル様はさぞかしお美しいことだろうと妄そ――想像していたので笑みがこぼれたのかもしれません、とのことです」
「そうですか。ではもう一つだけ。ミレイさんはその……先の大戦で婚約者を亡くされたとお聞きしました。ですからわたくしを恨んでいらっしゃるのかと」
ベンノさんが尋ねると、頬を紅潮させていたミレイさんは途端にすっと真顔に戻る。
「いいえ。元婚約者は亡くなっておりません。出征先の病棟で出会った女性と恋に落ちたから婚約解消してくれと言われただけです、との……ことです」
「そ、そうでしたか。失礼いたしました」
場の雰囲気が何とも言えない空気になる。
「あの。ではわたくしの専属侍女になるのは、お嫌ではありませんか?」
「いいえ。ぜひ喜んで、と。――あ。いや待て。ミレイで本当にいいのかとレイヴァン様がおっしゃっています」
なぜかそんなことを問うレイヴァン様の言葉をベンノさんが続けて訳してくれた。
「はい。ミレイさんがいいですと、お伝えください」
レイヴァン様に私の気持ちを伝えてもらうと、君がそう言うならいいと言葉とは裏腹に少し複雑そうな表情をしながらも頷いてくれたので、私はミレイさんらにまた視線を戻し、今度はルディーさんに尋ねる。
「ルディーさんは」
彼女は目を閉じて手を胸に当てた。
「お任せください。ミレイさんの大きすぎる愛からクリスタル様を全身全霊をもってお守りいたします、と」
「まあ!」
思わず笑ってしまうと、つられたように室内に笑いが広がる。
「ではどうぞよろしくお願いいたします」
礼を取ると、彼女たちもまた丁重に礼を返してくれた。
泣き疲れ果て、落ち着くような規則的な心音と人の温もりに包まれて私はいつしか眠りに就いたのだろう。眠った時のまま温もりは今も続いている。この温もりは私の泣き顔を守ると言ってくれたレイヴァン様だろうか。レイヴァン様だといいなと思う。
そう思いながら、浮上する意識に乗って私は目を開いた。目覚めて真っ先に目に入ったのは――レイヴァン様の穏やかな笑顔だった。
「クリスタル。よくXXいたな」
「アムールレイヴァン、オーディ・モ――はっ」
私は慌てて目を両手で隠した。
泣き顔はみっともないと言うが、泣き腫らした顔はもっとみっともないと言われたからだ。
「どうしたんだ? XXが痛むのか?」
「エ、エいちブーケ」
「……大丈夫だと? いいから見せてみろ」
これまで繰り返し大丈夫と言ってきたことが裏目に出たようだ。彼は私の手首をつかんで目から離そうとする。
と、その時。
「旦那様」
淡々とした女性の声が降ってきた。マノ……ミレイさんだ。
「クリスタル様はXXおられます。今はお顔をXXたくないのですよ」
「――っ。そうか。悪かった」
レイヴァン様は私から手を離すと、体を起こしてベッドから下りたようだ。
「ミレイ、後はXX。ではクリスタル、また後で」
立ち去ったレイヴァン様を見て、ここは自分の寝室だと気付く。
指の隙間から見たレイヴァン様は苦笑していた。心配してくれたのに申し訳なかったなと思う。
「クリスタル様。おからだは。いかが。ですか」
「エいちブーケ、アミューミレイ。エふぁリスとライあー」
大丈夫であることとお礼を述べて体を起こしたところで、居室を通ってもう一人入ってきた。彼女もいつも私の側にいてくれた人ではない。ルディーさんだ。
小さく自嘲すると声をかける。
「アミュールディー」
「クリスタル様! おからだは大丈夫ですか!」
「エ、エいちブーケ。エふぁリスとライあー」
駆け寄ってきたルディーさんの元気の良さにびっくりしてしまう。こんなに快活な方だっただろうか。
「さあ。クリスタル様、まずはノム・アイセージ・エヴァー」
用意されたのは洗顔用の桶だ。顔を洗うという言葉は学ばなかったが、きっとこの言葉なのだろう。ノムは~しましょう、だから。
「あセーじ・えヴァー」
「はい。アイセージ・エヴァー」
私が言葉を覚えようとしているのに気付いてくれたミレイさんが、ゆっくりと繰り返してくれた。
「あセいーじ・えヴァー」
「アイセージ・エヴァー」
「あ、あいセーじ・えヴァー」
ミレイさんが笑顔で頷く。彼女のこんな優しげな表情も初めて見るかもしれない。
「ではサンティルノ語XXは後にしてXXしましょう」
きっと講座は後にして準備しましょうという意味だろう。私は言葉を必死に追うばかりで、状況とか、人の感情から受けて肌で感じる言葉を後回しにしていたのだと改めて気付かされた。
私はふた時ほど眠っていたようだ。夕食前に少し話をしようとレイヴァン様が部屋にやって来た。彼の側には先ほど紹介を受けた言語学者のベンノさんがいる。
今後はベンノさんがこの屋敷に通いでやって来て、サンティルノ語を教えてくれるそうだ。私の専属侍女はミレイさんとルディーさんに戻し、通訳できる侍女はもう雇わないとのこと。それは不自由さで私が追い込まれたら習得が早まると見込んでのことか、あるいは今回のようなことが起こらないようにするためのものなのか。
また、私がレイヴァン様に嫁ぐことになった経緯や、当初は私を警戒していたこと、私の言動に戸惑っていたことなど、正直に胸の内を明かしてくださった。これからお互いたくさん話をしようとも。それからマノンさんの処分は王太子殿下に任せたことも知らされた。
「あの。ジャスティーヌ様はどうされましたか」
「心配しなくていい。姉には先に食事でもてなした後、改めて場を作ることを約束して帰ってもらった。姉も大変な時に訪問してしまったことを詫びていた。お大事にと伝えてほしいと言っていた、とのことです」
あの時、モーリスさんがジャスティーヌ様に言っていたのは、私が階段から落ちて本調子ではないので休ませてくれるよう、お願いしてくれていたとのことだ。
「そうですか。ご紹介の時もですが、ほとんどお話が聞き取れず、お答えできませんでしたので申し訳なく思っておりました」
と私の言葉をベンノさんが通訳してくれるや否や、ミレイさんが勢いよく流れるように何かを話した。横にいるルディーさんは目を丸くしている。
「まあすごく綺麗ねとても神秘的な瞳髪も綺麗肌しろーいお人形さんみたいもうっレイヴァンこんな綺麗な子を私に紹介しないだなんて許さないんだからでもいいわこれからわたくしたち姉妹になるんだものね、とおっしゃったそうです」
若干息切れを起こしつつベンノさんが通訳してくれた。
「そ、そうでしたか。よく覚えておりましたね」
「それは私も初対面からそう思っていたからです、とのことです」
「え?」
確かにミレイさんは私をいつも静かに見ていたけれど、敵意はないものの、好意もあるようには見えなかった。
するとミレイさんが拳を作りながらまた口を開き、単語を拾えるどころではないすごい速度で話が流れる。ベンノさんは置いて行かれまいと慌てて通訳を始めた。
「最初お会いした時はあまりに美しいお方で時が止まりましたクリスタル様を前に気を抜けば私の顔が緩みっぱなしになるので引き締めるために常に顔を強張らせています正直専属侍女になったマノンさんを憎らしくも思っていましたが少し遠くから拝見するクリスタル様も美しくまたゆっくりと見守ることができたのでこれはこれでよしと思い直しました片言で話し始められた時のクリスタル様は妖精いえ天使でした初めて笑みをこぼされた時は女神と言うほか説明する言葉が見つかりませんでしたお怪我された時は御手を傷つけた針を火炙りにお体を傷つけた階段を破壊してやろうかと思ったぐらいです湯浴みをお手伝いする際はとても」
ベンノさんの通訳はそこで止まった。なぜならミレイさんの口がルディーさんの手によって押さえ込まれたからだ。レイヴァン様は顔を引きつらせて彼女を見ている。
「そ、そうですか。エふぁリスとライあー。ですが気になることがありまして。装飾品を選ぶ際にご助言いただけなかったのと、私が最高級品を選んでしまった時、笑っておられたように見えたのですが」
息を切らしていたベンノさんは呼吸を整えると、ルディーさんから解放されたミレイさんに尋ねた。
「装飾品に関してはご趣味もあるでしょうし、助言はためらわれました。それと、あの宝飾品をつけたクリスタル様はさぞかしお美しいことだろうと妄そ――想像していたので笑みがこぼれたのかもしれません、とのことです」
「そうですか。ではもう一つだけ。ミレイさんはその……先の大戦で婚約者を亡くされたとお聞きしました。ですからわたくしを恨んでいらっしゃるのかと」
ベンノさんが尋ねると、頬を紅潮させていたミレイさんは途端にすっと真顔に戻る。
「いいえ。元婚約者は亡くなっておりません。出征先の病棟で出会った女性と恋に落ちたから婚約解消してくれと言われただけです、との……ことです」
「そ、そうでしたか。失礼いたしました」
場の雰囲気が何とも言えない空気になる。
「あの。ではわたくしの専属侍女になるのは、お嫌ではありませんか?」
「いいえ。ぜひ喜んで、と。――あ。いや待て。ミレイで本当にいいのかとレイヴァン様がおっしゃっています」
なぜかそんなことを問うレイヴァン様の言葉をベンノさんが続けて訳してくれた。
「はい。ミレイさんがいいですと、お伝えください」
レイヴァン様に私の気持ちを伝えてもらうと、君がそう言うならいいと言葉とは裏腹に少し複雑そうな表情をしながらも頷いてくれたので、私はミレイさんらにまた視線を戻し、今度はルディーさんに尋ねる。
「ルディーさんは」
彼女は目を閉じて手を胸に当てた。
「お任せください。ミレイさんの大きすぎる愛からクリスタル様を全身全霊をもってお守りいたします、と」
「まあ!」
思わず笑ってしまうと、つられたように室内に笑いが広がる。
「ではどうぞよろしくお願いいたします」
礼を取ると、彼女たちもまた丁重に礼を返してくれた。
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