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第28話 薬師としての矜持が行方不明
その後、院長から子供の年齢や体質などをまとめた資料を頂き、私たちは帰ることになった。
「アランブール伯爵、そしてご婚約者様のエリーゼ様。本日は誠にありがとうございました」
院長にお礼を述べられたけれど、婚約者という言葉に、やはり違和感を抱いてしまう。引きつった笑顔になった気がする。
「玄関までお見送りいたしますね」
「いいえ。ご挨拶を頂きましたので、こちらで結構です」
シメオン様がそう言って固辞すると、ロキ君が見送りに買って出てくれた。
「院長、僕が二人をお見送りします」
「そうかい? ではよろしくお願いするね。ではアランブール伯爵、エリーゼ様。お見送りはこちらで失礼いたします」
「はい。それではまた」
「またお薬もお持ちいたしますね」
そう約束して私たちは院長室を出た。
先導してくれているロキ君は、廊下を歩き出してすぐに私へと振り返る。
「エリーゼさ――あ。ごめんなさい。アランブール伯爵夫人……になるのかな?」
「いいえ。伯爵夫人ではなくエリーゼと呼んでくれると嬉しいわ」
「……ええっと。うん」
少し遠慮がちにシメオン様を見る。
「じゃあ、エリーゼさん。もしかしてロザレス福祉施設を調べているの? 前に僕と会った時は、ロザレス福祉施設に寄付金を納めてきたと言っていたから院長とは会っているよね」
施設を離れて世間の荒波に揉まれてきた経験があるからなのかもしれない。ロキ君は聡い子のようだ。そして彼の性根はとても誠実だと思う。義理堅くロザレス福祉施設を調べてみようかと言い出しかねない。駄目だ。そんなことに関わらせるわけにはいかない。
私はにっこりと笑みを浮かべた。
「ええ。ロザレス福祉施設に寄付金を納めた後で、ロキ君が自分くらいの年齢の子は入れないと聞いたので少し心配になったの。でもロザレス福祉施設の院長も良い方みたいで安心したわ」
「そう。エリーゼさんは嘘をつくのが下手だね」
「――えっ!?」
くすりと笑うロキ君に指摘されて思わず小さく叫んでしまう。
「危ない所かもしれないと思ったんだよね? 僕が下手に関わらないようにと思ってのことでしょ? だったら僕はエリーゼさんの思いに背くようなことはしないよ」
「……ロキ君。ありがとう」
まだ十二、三歳と言っていたのに、本当に聡い子だ。
「ううん。エリーゼさんの気持ちは嬉しかった。だから僕から一つだけ。一緒に路上生活していた時の子に聞いたんだけど、その子は昔、ロザレス福祉施設に入っていたんだって。十歳になる頃に追い出されたらしいんだけど」
「十歳ですって!? 何てこと! 許せない……。その子は今どうしているの?」
受け入れないのも酷いけれど、追い出すのはもっと酷いことだ。頼りになるはずの大人に裏切られて深く傷ついただろう。その子のことを思うと胸が痛む。
「うん。ありがとう。元気だよ。僕が誘って一緒にここに来たんだ」
「そうなのね。良かった」
ほっとする私に、ロキ君は笑顔で頷くと話を続ける。
「それでね。子供たちが遊ぶ部屋に子供用の本があるんだけど、その本が小さな子供には届かない所にあったんだって。だから先生たちに頼んで取ってもらっていたそうなんだけど、今になって思うと子供用の本なのに子供が取れないようにするなんておかしいって。もしかしたら棚に院長の財産でも隠していたんじゃないかって、冗談っぽく笑っていたよ」
「……なるほど。子供用の本が置いてある棚か」
それまで黙っていたシメオン様が低く呟いた。
「何かの役に立ちそう?」
「ああ。ありがとう――ロキ君」
シメオン様が礼を述べると、ロキ君はどういたしましてと笑った。
ロキ君とまた会うことを約束して別れ、馬車に乗り込んだ。ほどなくして馬車が出発する。
「ロキ君、帰って来ていて良かったです」
「ああ。君との約束だからだろうな」
ロキ君が暮らしていた世界は、必ずという言葉はないと言っていたのに。約束は破られるものだと言っていたのに。彼はちゃんと約束を守ってくれた。
「それにしてもロキ君、すごいですね! 初めて会った時も頭の良い子だなとは思ったのですが、まさか私たちの言動一つであそこまで察するとは思わなかったです。それに相手が求めているものを過去の経験から瞬時に引き出して示せるのですもの。本当にとても聡明な子です」
「ああ、そうだな。きちんとした教育を受けさせれば、優秀な人間に成長することができるだろう。だが本当にすごいのは君のほうだ」
「え?」
「君が彼の傷を手当てして繋げた縁だ。彼は初対面の自分に対して真摯に向き合ってくれる君に胸を打たれ、信頼に足る人間だと感じたんだろう。そんな君だから話した。彼から話を引き出したのは君の力だ」
ほ、褒められている?
こんな程度でほだされるものかと思いつつも、ふっと表情を緩ませるシメオン様に頬が熱くなってくる。
「そ、そんな。私は目の前の自分のやるべきことをしただけで」
「君は自分の力を過小評価しすぎだ」
「そ、そうでしょうか。――では、旦那様。その言葉を証明するために、私の前で膝を折り、褒め称え崇め奉っていただけますか?」
「君は自分の力を過大評価しすぎだ……」
やってはくれないらしい。
シメオン様は苦笑いで顔を引きつらせた。
「ところで旦那様。先ほどのロキ君が言っていたことをどうお考えでしょうか」
「ああ。裏帳簿を隠している可能性が高いな。その辺りを捜索するよう指示する」
「捜索」
危なくないだろうか。いくら密偵として訓練を積まれたと言っても、潜入するのは年端もいかぬ子供だ。汚い大人のために子供が傷つくのは見ていられない。
「心配ない。何名か潜入させているし、引き際も教育されている」
「そう、ですか」
「これでもし証拠をつかむことができたら、いくら貴族でも言い訳逃れはできず、何らかの処罰を下すことができる――予定だ」
「予定?」
首を傾げて繰り返すと、シメオン様はため息をつく。
「謀反など大きなことを企てていない限り、いくら王家の力を持ってしても罪に問うのが難しい。王家は貴族らの力で支えられているからな。それに加えて裏で小遣い稼ぎする中級貴族ほど扱いにくいものはない。穏便に話が進む相手だといいが」
「穏便に話が進まない相手なら――私が進ませてみせましょう。お任せください」
私は自分の胸に手を当てた。
「いや待て。薬師としての矜持をどこに売り渡した?」
「売り渡したのではありません。見失ったのです。後で探しに行きます」
子供たちを悪い大人たちから守ってみせる。
意気込む私を見てシメオン様はまた苦笑いした。
「アランブール伯爵、そしてご婚約者様のエリーゼ様。本日は誠にありがとうございました」
院長にお礼を述べられたけれど、婚約者という言葉に、やはり違和感を抱いてしまう。引きつった笑顔になった気がする。
「玄関までお見送りいたしますね」
「いいえ。ご挨拶を頂きましたので、こちらで結構です」
シメオン様がそう言って固辞すると、ロキ君が見送りに買って出てくれた。
「院長、僕が二人をお見送りします」
「そうかい? ではよろしくお願いするね。ではアランブール伯爵、エリーゼ様。お見送りはこちらで失礼いたします」
「はい。それではまた」
「またお薬もお持ちいたしますね」
そう約束して私たちは院長室を出た。
先導してくれているロキ君は、廊下を歩き出してすぐに私へと振り返る。
「エリーゼさ――あ。ごめんなさい。アランブール伯爵夫人……になるのかな?」
「いいえ。伯爵夫人ではなくエリーゼと呼んでくれると嬉しいわ」
「……ええっと。うん」
少し遠慮がちにシメオン様を見る。
「じゃあ、エリーゼさん。もしかしてロザレス福祉施設を調べているの? 前に僕と会った時は、ロザレス福祉施設に寄付金を納めてきたと言っていたから院長とは会っているよね」
施設を離れて世間の荒波に揉まれてきた経験があるからなのかもしれない。ロキ君は聡い子のようだ。そして彼の性根はとても誠実だと思う。義理堅くロザレス福祉施設を調べてみようかと言い出しかねない。駄目だ。そんなことに関わらせるわけにはいかない。
私はにっこりと笑みを浮かべた。
「ええ。ロザレス福祉施設に寄付金を納めた後で、ロキ君が自分くらいの年齢の子は入れないと聞いたので少し心配になったの。でもロザレス福祉施設の院長も良い方みたいで安心したわ」
「そう。エリーゼさんは嘘をつくのが下手だね」
「――えっ!?」
くすりと笑うロキ君に指摘されて思わず小さく叫んでしまう。
「危ない所かもしれないと思ったんだよね? 僕が下手に関わらないようにと思ってのことでしょ? だったら僕はエリーゼさんの思いに背くようなことはしないよ」
「……ロキ君。ありがとう」
まだ十二、三歳と言っていたのに、本当に聡い子だ。
「ううん。エリーゼさんの気持ちは嬉しかった。だから僕から一つだけ。一緒に路上生活していた時の子に聞いたんだけど、その子は昔、ロザレス福祉施設に入っていたんだって。十歳になる頃に追い出されたらしいんだけど」
「十歳ですって!? 何てこと! 許せない……。その子は今どうしているの?」
受け入れないのも酷いけれど、追い出すのはもっと酷いことだ。頼りになるはずの大人に裏切られて深く傷ついただろう。その子のことを思うと胸が痛む。
「うん。ありがとう。元気だよ。僕が誘って一緒にここに来たんだ」
「そうなのね。良かった」
ほっとする私に、ロキ君は笑顔で頷くと話を続ける。
「それでね。子供たちが遊ぶ部屋に子供用の本があるんだけど、その本が小さな子供には届かない所にあったんだって。だから先生たちに頼んで取ってもらっていたそうなんだけど、今になって思うと子供用の本なのに子供が取れないようにするなんておかしいって。もしかしたら棚に院長の財産でも隠していたんじゃないかって、冗談っぽく笑っていたよ」
「……なるほど。子供用の本が置いてある棚か」
それまで黙っていたシメオン様が低く呟いた。
「何かの役に立ちそう?」
「ああ。ありがとう――ロキ君」
シメオン様が礼を述べると、ロキ君はどういたしましてと笑った。
ロキ君とまた会うことを約束して別れ、馬車に乗り込んだ。ほどなくして馬車が出発する。
「ロキ君、帰って来ていて良かったです」
「ああ。君との約束だからだろうな」
ロキ君が暮らしていた世界は、必ずという言葉はないと言っていたのに。約束は破られるものだと言っていたのに。彼はちゃんと約束を守ってくれた。
「それにしてもロキ君、すごいですね! 初めて会った時も頭の良い子だなとは思ったのですが、まさか私たちの言動一つであそこまで察するとは思わなかったです。それに相手が求めているものを過去の経験から瞬時に引き出して示せるのですもの。本当にとても聡明な子です」
「ああ、そうだな。きちんとした教育を受けさせれば、優秀な人間に成長することができるだろう。だが本当にすごいのは君のほうだ」
「え?」
「君が彼の傷を手当てして繋げた縁だ。彼は初対面の自分に対して真摯に向き合ってくれる君に胸を打たれ、信頼に足る人間だと感じたんだろう。そんな君だから話した。彼から話を引き出したのは君の力だ」
ほ、褒められている?
こんな程度でほだされるものかと思いつつも、ふっと表情を緩ませるシメオン様に頬が熱くなってくる。
「そ、そんな。私は目の前の自分のやるべきことをしただけで」
「君は自分の力を過小評価しすぎだ」
「そ、そうでしょうか。――では、旦那様。その言葉を証明するために、私の前で膝を折り、褒め称え崇め奉っていただけますか?」
「君は自分の力を過大評価しすぎだ……」
やってはくれないらしい。
シメオン様は苦笑いで顔を引きつらせた。
「ところで旦那様。先ほどのロキ君が言っていたことをどうお考えでしょうか」
「ああ。裏帳簿を隠している可能性が高いな。その辺りを捜索するよう指示する」
「捜索」
危なくないだろうか。いくら密偵として訓練を積まれたと言っても、潜入するのは年端もいかぬ子供だ。汚い大人のために子供が傷つくのは見ていられない。
「心配ない。何名か潜入させているし、引き際も教育されている」
「そう、ですか」
「これでもし証拠をつかむことができたら、いくら貴族でも言い訳逃れはできず、何らかの処罰を下すことができる――予定だ」
「予定?」
首を傾げて繰り返すと、シメオン様はため息をつく。
「謀反など大きなことを企てていない限り、いくら王家の力を持ってしても罪に問うのが難しい。王家は貴族らの力で支えられているからな。それに加えて裏で小遣い稼ぎする中級貴族ほど扱いにくいものはない。穏便に話が進む相手だといいが」
「穏便に話が進まない相手なら――私が進ませてみせましょう。お任せください」
私は自分の胸に手を当てた。
「いや待て。薬師としての矜持をどこに売り渡した?」
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