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二次試験25
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二次試験二日目の朝、ルカ達が野営地を発った頃…そのはるか先を進む冒険者の姿があった。
「…」
闇に紛れ、気配を殺して進むのは黒いローブに身を包んだ女性…シルヴィ・ローズ。
(アヅサ達は順調に進んでいるかしら)
一瞬、一次試験で行動を共にした少女の姿が脳裏を過る。しかしそれをすぐさま打ち消した。
(人の事を心配してる余裕なんてない。…私は、私の目的のために全力を傾けないと)
素早い行動と気配を隠す事に長けた自分であれば、迅速かつ隠密裏に進めばこの試験は乗り越える事が出来る――それが彼女の戦略だった。そしてそうと決めたのならば、ただただ実行あるのみ。シルヴィは闇に溶け込みつつ、洞窟の中を進んでいく――。
◇
ルカ達とシルヴィがいる地点の、ちょうど中間に位置する場所…ここにも冒険者の姿があった。
「うーっし!今日もチャキチャキ進んでいくわよ!」
「はい、マリエナお嬢様」
マリエナ・ビーリィの言葉に頷いたのは、落ち着いた雰囲気の女性。彼女はマリエナのパーティメンバーであり、もっとはっきり言えばマリエナの護衛だ。
冒険者としては基本的な飾り気のない衣装、癖のない黒髪。マリエナとは対照的な、変化に乏しい表情。
「一次試験では離れた場所に飛ばされてしまったため…お力になれず大変申し訳ございませんでした、お嬢様」
「だから、そのお嬢様ってのやめてってば。今のウチはただの冒険者なんだからっ」
「はい」
「それに一次試験の事は気にしないでいいって。そのおかげでルカきゅんに会えたんだしね。さーって、ルカきゅんより先に迷宮を攻略してぇ…ルカきゅんのパーティメンバーの二人よりウチの方が凄いって事見せてやるんだから」
「…」
闇に紛れ、気配を殺して進むのは黒いローブに身を包んだ女性…シルヴィ・ローズ。
(アヅサ達は順調に進んでいるかしら)
一瞬、一次試験で行動を共にした少女の姿が脳裏を過る。しかしそれをすぐさま打ち消した。
(人の事を心配してる余裕なんてない。…私は、私の目的のために全力を傾けないと)
素早い行動と気配を隠す事に長けた自分であれば、迅速かつ隠密裏に進めばこの試験は乗り越える事が出来る――それが彼女の戦略だった。そしてそうと決めたのならば、ただただ実行あるのみ。シルヴィは闇に溶け込みつつ、洞窟の中を進んでいく――。
◇
ルカ達とシルヴィがいる地点の、ちょうど中間に位置する場所…ここにも冒険者の姿があった。
「うーっし!今日もチャキチャキ進んでいくわよ!」
「はい、マリエナお嬢様」
マリエナ・ビーリィの言葉に頷いたのは、落ち着いた雰囲気の女性。彼女はマリエナのパーティメンバーであり、もっとはっきり言えばマリエナの護衛だ。
冒険者としては基本的な飾り気のない衣装、癖のない黒髪。マリエナとは対照的な、変化に乏しい表情。
「一次試験では離れた場所に飛ばされてしまったため…お力になれず大変申し訳ございませんでした、お嬢様」
「だから、そのお嬢様ってのやめてってば。今のウチはただの冒険者なんだからっ」
「はい」
「それに一次試験の事は気にしないでいいって。そのおかげでルカきゅんに会えたんだしね。さーって、ルカきゅんより先に迷宮を攻略してぇ…ルカきゅんのパーティメンバーの二人よりウチの方が凄いって事見せてやるんだから」
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