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死霊使い4
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女性の声…しかし、それはレイミアのものではない。だが、アレクシアや安鶴沙のものでもなかった。そこでルカは、今まで心の片隅で気にかけていた事を思い出す。この迷宮に来るとき見張りの兵士が言っていた『女の魔術師の二人組が入っていった』という言葉を。
それは、さして重要な情報ではなかった。何しろ、問題なのは安鶴沙とレオンゼーレ、レイミアの行方なのだから。しかし、気にかかってはいた。
女性の魔術師2人で迷宮に潜るという行為がそもそも異質だ。迷宮に潜る際は、剣士や槍使いなどの前衛を最低でも一人は伴うのが普通だ。そうしないのは、常識を知らないのか――あるいは、前衛などいなくても問題ないという確信があるからか。
「ねえ、ひょっとして私の事を忘れてやしないだろうねえ?もし忘れられていたとしたら私はとーっても悲しいよ」
その人物は、闇の中から姿を現した。透き通るのうな白い肌、腰まである黒い髪。身に付けている黒のローブは胸元が開いており露出が多い。一見すると二十代に見えるが、百年以上生きているような超然とした雰囲気の女性だった。
「オイフェ…!」
「久しぶりだねえ…こうして言葉を交わすのは、50年ぶりかな?我が弟子、レイミア」
老婆…レイミアの鋭い視線を物ともせず、オイフェは微笑んだ。
それは、さして重要な情報ではなかった。何しろ、問題なのは安鶴沙とレオンゼーレ、レイミアの行方なのだから。しかし、気にかかってはいた。
女性の魔術師2人で迷宮に潜るという行為がそもそも異質だ。迷宮に潜る際は、剣士や槍使いなどの前衛を最低でも一人は伴うのが普通だ。そうしないのは、常識を知らないのか――あるいは、前衛などいなくても問題ないという確信があるからか。
「ねえ、ひょっとして私の事を忘れてやしないだろうねえ?もし忘れられていたとしたら私はとーっても悲しいよ」
その人物は、闇の中から姿を現した。透き通るのうな白い肌、腰まである黒い髪。身に付けている黒のローブは胸元が開いており露出が多い。一見すると二十代に見えるが、百年以上生きているような超然とした雰囲気の女性だった。
「オイフェ…!」
「久しぶりだねえ…こうして言葉を交わすのは、50年ぶりかな?我が弟子、レイミア」
老婆…レイミアの鋭い視線を物ともせず、オイフェは微笑んだ。
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