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第三章 ゆらぐ天秤
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第三章一話 ゆらぐ天秤
遥は一面をグレーの空に包まれたバス停へつづく川沿いの歩道を歩いていた。
もう午後なのに、まだ朝の空気が残っているように感じる。
眠気と寒さを手のひらにこすりつけながら、なんとなく、昨日すれ違った青年のことを思い出していた。
――篠原奏。
名前もまだ知らない。でも、昨日あの死神の背後にいた、あの人。
彼の死まで、あと九日。
運命が“決定事項”として進行していく感覚に、心がざわめく。
誰にも知られず、誰にも気づかれず、その命は確かに失われようとしている。
(ただ、見ているだけでいいの?)
それが今の遥に課された“観測者”としての立場なのか。
それとも、踏み込めばまた誰かの運命を狂わせてしまうのか。
そんなことを考えていたときだった。
バス停に立つ遥は、川沿いの歩道に人だかりができているのを見つけた。
急な斜面の下で、子どもが泣いていた。
片手にサッカーボール。 すぐ横には、びしょ濡れの男の姿。
(……あの人……!)
声は出なかったが、直感でわかった。あの青年――奏だった。
周囲の人々がざわざわと見守る中、奏は子どもに優しく話しかけていた。
「……だいじょうぶ、もう川の近くでは注意するんだよ。 風邪ひかないようにね」
「……おかあさんに、ちゃんと謝れよ」
それだけ言って、濡れたズボンの裾を絞りながらその場を去ろうとする。
見返りも、見送りも求めない、自然な行動だった。
遥の胸が、静かに痛んだ。
――こんな人が、死ぬ運命にあるの?
立ち止まる遥の視界に、黒衣の男――奏に取り憑く死神が、電柱の影から現れた。
まるで見張るように、冷たい目をして彼を追っている。
そして、その視線は遥にも向けられた。
「見たようだな。……あれが“死ぬ人間”だ」
死神が歩み寄ってくる。
通行人にはまったく気づかれずに、ただ静かに存在していた。
「彼が死ぬ理由、教えて。何が起きるの?」
遥は問う。
その問いには、すでにわずかな感情が宿っていた。
死神はしばらく口を閉ざしたが、やがて、低い声で答えた。
「九日後の午後、彼は川で溺れる子どもを見つける。
飛び込んで救助し、子どもは助かる。だが――彼は心停止。
救急搬送はされるが、到着時にはすでに死亡。
死亡確認、午後四時十五分」
「……助けた子は?」
「無事生還。軽傷のみ。報道では“市民の勇敢な行動”として称賛される予定になっている」
予定。
すべてが“確定事項”として語られる言葉に、遥の心は鈍くしびれた。
「もし……彼を引き止めたら?」
その問いに、死神は目を細めた。
「未来は歪む。その代わり、子どもは死亡。
川の水位と流速、さらに水温の条件を考慮すると、救助がなければ助からないと判断されている。
――つまり、“一命と一命”の交換だ」
風が吹き抜けた。
沈黙の中、遥の足元で紙屑が舞い上がる。
「選ぶのはお前ではない。
あの男が、自ら飛び込むことで運命は成立する。
――お前がすべきことは、ただ“見る”ことだ」
その言葉は、まるで突き放すような優しさを帯びていた。
遥が寂しげにバス停で立ち尽くしていると、向かいの歩道を、彼が静かに歩いていく。
膝から下はずぶ濡れで、ズボンの裾が重く揺れていた。
一瞬、こちらに目を向けたような気がしたが――それは気のせいだったのかもしれない。
遥は、川に落ちたボールをためらいもなく拾いに行った彼の姿を思い出した。
その彼が、あと九日で死ぬ。
そんなの、あまりにも理不尽すぎる。
思わず駆け寄りたくなる衝動を、遥は唇をかみ締めて抑え込んだ。
そして、そっと目を伏せる。
(ただ見ているだけなんて、いやだ)
胸の奥に灯ったその思いが、遥の決意を静かに揺るがせていた。
その夜。
遥は眠れなかった。
頭の中にはずっと、濡れたシャツの奏の後ろ姿が残っていた。
黙って助けて、黙って去っていく。
“いい人”という言葉が、あまりにも軽すぎるほどの、静かな優しさ。
(私はまた、あのときみたいに、何もできないまま見ているの?)
枕元のスマホが、静かに震えた。
画面に映ったのは、“烏牙”からの通知――ではない。
ただの幻覚か、思い違いか。
でも確かに、一瞬だけ“見られている”ような感覚があった。
第三章二話 触れる言葉
夕暮れのホームセンターは、どこか落ち着いた空気が漂っていた。
日用品の棚にぽつんと立っていると、蛍光灯の光さえ少し柔らかく感じられる。
遥は買い物に来たわけではなかった。
ただ、“偶然”を装って、この場所に足を運んでいた。
昨日、あの川辺で子どもを助けていた青年――篠原奏。
彼がここで働いていると知ったのは、店の制服姿を見たからだった。
何をするでもなく、ゆっくりと文房具コーナーの前を歩く。
彼が通りかかったのは、たまたまだったのか、それとも――
「いらっしゃいませ。……何か、お探しですか?」
少し低めの声。だが、硬さのない優しい響き。
振り返ると、そこに立っていたのはまぎれもなく、彼だった。
目が合う。
遥は一瞬だけ言葉を詰まらせ、すぐに視線を逸らした。
「……あ、あの。ペン、が……」
とっさに出た言い訳に、自分でも驚く。
けれど奏は、変に詮索することもなく、小さく頷いた。
「……そこの棚に、ジェルインクの黒があります。
こっちが安い方……だけど、インクの持ちはこっちの方がいいです」
指先が迷いなくペンを示す。
その動きに、遥はわずかに見惚れていた。
手の甲にうっすら残る擦り傷。――あれは、川で助けたときの。
「……ありがとうございます」
そう言うと、奏は軽く頭を下げた。
それだけで会話は終わった。
名乗りもしなければ、笑い合うわけでもない。
ただ、本当にごく当たり前の店員と客のやり取り。
なのに、その数秒が、遥の心に確かな印象を残した。
(この人は、“知られずに死ぬ”人じゃない)
遥は確信した。
ただ“静かに消える”なんて、そんな終わりはあってはいけない。
その夜、再び死神が現れた。
あの黒衣の男。演技のようにため息をつきながら、ベンチに腰を下ろす。
「……また、お前か。まったく、お前と話すと疲れる」
遥の冷たい目が死神を捕らえる。
「ねえ、あなたの名前おしえて」
死神は黙って遥の目を見た。
「那刃(ナジン)」
「…死神ってカッコつけた名前が多いんだね。」
遥は少しバカにした口調で言った。
「……確認していい?」
「確認?」
「運命って、本当に“変えられない”の?」
死神は目を細めた。
言い返そうとするが、遥の視線に言葉を止める。
「変えられる。だが、“穴埋め”が生じる」
「……代償、ってやつね」
「そうだ。帳尻は、誰かが取らされる。
それが“制度”というやつだ」
「じゃあ――もし、彼を救ったら、誰が代わりに死ぬの?」
「……今はまだ未確定だ。
だが、その時が来れば、お前も“見る”ことになる」
遥は視線を落とし、ポケットの中でペンを握りしめた。
彼が勧めてくれた、ジェルインクで持ちがいい方のペン。
その小さな選択が、なぜかとても大きな意味を持っているような気がした。
夜道。
川沿いの歩道に立つ遥の背中を、風が撫でていった。
「見届ける」だけでは足りない。
「知ってしまった」だけで終わらせたくない。
遥は、少しずつだが確かに――“運命”に足を踏み入れようとしていた。
遥は一面をグレーの空に包まれたバス停へつづく川沿いの歩道を歩いていた。
もう午後なのに、まだ朝の空気が残っているように感じる。
眠気と寒さを手のひらにこすりつけながら、なんとなく、昨日すれ違った青年のことを思い出していた。
――篠原奏。
名前もまだ知らない。でも、昨日あの死神の背後にいた、あの人。
彼の死まで、あと九日。
運命が“決定事項”として進行していく感覚に、心がざわめく。
誰にも知られず、誰にも気づかれず、その命は確かに失われようとしている。
(ただ、見ているだけでいいの?)
それが今の遥に課された“観測者”としての立場なのか。
それとも、踏み込めばまた誰かの運命を狂わせてしまうのか。
そんなことを考えていたときだった。
バス停に立つ遥は、川沿いの歩道に人だかりができているのを見つけた。
急な斜面の下で、子どもが泣いていた。
片手にサッカーボール。 すぐ横には、びしょ濡れの男の姿。
(……あの人……!)
声は出なかったが、直感でわかった。あの青年――奏だった。
周囲の人々がざわざわと見守る中、奏は子どもに優しく話しかけていた。
「……だいじょうぶ、もう川の近くでは注意するんだよ。 風邪ひかないようにね」
「……おかあさんに、ちゃんと謝れよ」
それだけ言って、濡れたズボンの裾を絞りながらその場を去ろうとする。
見返りも、見送りも求めない、自然な行動だった。
遥の胸が、静かに痛んだ。
――こんな人が、死ぬ運命にあるの?
立ち止まる遥の視界に、黒衣の男――奏に取り憑く死神が、電柱の影から現れた。
まるで見張るように、冷たい目をして彼を追っている。
そして、その視線は遥にも向けられた。
「見たようだな。……あれが“死ぬ人間”だ」
死神が歩み寄ってくる。
通行人にはまったく気づかれずに、ただ静かに存在していた。
「彼が死ぬ理由、教えて。何が起きるの?」
遥は問う。
その問いには、すでにわずかな感情が宿っていた。
死神はしばらく口を閉ざしたが、やがて、低い声で答えた。
「九日後の午後、彼は川で溺れる子どもを見つける。
飛び込んで救助し、子どもは助かる。だが――彼は心停止。
救急搬送はされるが、到着時にはすでに死亡。
死亡確認、午後四時十五分」
「……助けた子は?」
「無事生還。軽傷のみ。報道では“市民の勇敢な行動”として称賛される予定になっている」
予定。
すべてが“確定事項”として語られる言葉に、遥の心は鈍くしびれた。
「もし……彼を引き止めたら?」
その問いに、死神は目を細めた。
「未来は歪む。その代わり、子どもは死亡。
川の水位と流速、さらに水温の条件を考慮すると、救助がなければ助からないと判断されている。
――つまり、“一命と一命”の交換だ」
風が吹き抜けた。
沈黙の中、遥の足元で紙屑が舞い上がる。
「選ぶのはお前ではない。
あの男が、自ら飛び込むことで運命は成立する。
――お前がすべきことは、ただ“見る”ことだ」
その言葉は、まるで突き放すような優しさを帯びていた。
遥が寂しげにバス停で立ち尽くしていると、向かいの歩道を、彼が静かに歩いていく。
膝から下はずぶ濡れで、ズボンの裾が重く揺れていた。
一瞬、こちらに目を向けたような気がしたが――それは気のせいだったのかもしれない。
遥は、川に落ちたボールをためらいもなく拾いに行った彼の姿を思い出した。
その彼が、あと九日で死ぬ。
そんなの、あまりにも理不尽すぎる。
思わず駆け寄りたくなる衝動を、遥は唇をかみ締めて抑え込んだ。
そして、そっと目を伏せる。
(ただ見ているだけなんて、いやだ)
胸の奥に灯ったその思いが、遥の決意を静かに揺るがせていた。
その夜。
遥は眠れなかった。
頭の中にはずっと、濡れたシャツの奏の後ろ姿が残っていた。
黙って助けて、黙って去っていく。
“いい人”という言葉が、あまりにも軽すぎるほどの、静かな優しさ。
(私はまた、あのときみたいに、何もできないまま見ているの?)
枕元のスマホが、静かに震えた。
画面に映ったのは、“烏牙”からの通知――ではない。
ただの幻覚か、思い違いか。
でも確かに、一瞬だけ“見られている”ような感覚があった。
第三章二話 触れる言葉
夕暮れのホームセンターは、どこか落ち着いた空気が漂っていた。
日用品の棚にぽつんと立っていると、蛍光灯の光さえ少し柔らかく感じられる。
遥は買い物に来たわけではなかった。
ただ、“偶然”を装って、この場所に足を運んでいた。
昨日、あの川辺で子どもを助けていた青年――篠原奏。
彼がここで働いていると知ったのは、店の制服姿を見たからだった。
何をするでもなく、ゆっくりと文房具コーナーの前を歩く。
彼が通りかかったのは、たまたまだったのか、それとも――
「いらっしゃいませ。……何か、お探しですか?」
少し低めの声。だが、硬さのない優しい響き。
振り返ると、そこに立っていたのはまぎれもなく、彼だった。
目が合う。
遥は一瞬だけ言葉を詰まらせ、すぐに視線を逸らした。
「……あ、あの。ペン、が……」
とっさに出た言い訳に、自分でも驚く。
けれど奏は、変に詮索することもなく、小さく頷いた。
「……そこの棚に、ジェルインクの黒があります。
こっちが安い方……だけど、インクの持ちはこっちの方がいいです」
指先が迷いなくペンを示す。
その動きに、遥はわずかに見惚れていた。
手の甲にうっすら残る擦り傷。――あれは、川で助けたときの。
「……ありがとうございます」
そう言うと、奏は軽く頭を下げた。
それだけで会話は終わった。
名乗りもしなければ、笑い合うわけでもない。
ただ、本当にごく当たり前の店員と客のやり取り。
なのに、その数秒が、遥の心に確かな印象を残した。
(この人は、“知られずに死ぬ”人じゃない)
遥は確信した。
ただ“静かに消える”なんて、そんな終わりはあってはいけない。
その夜、再び死神が現れた。
あの黒衣の男。演技のようにため息をつきながら、ベンチに腰を下ろす。
「……また、お前か。まったく、お前と話すと疲れる」
遥の冷たい目が死神を捕らえる。
「ねえ、あなたの名前おしえて」
死神は黙って遥の目を見た。
「那刃(ナジン)」
「…死神ってカッコつけた名前が多いんだね。」
遥は少しバカにした口調で言った。
「……確認していい?」
「確認?」
「運命って、本当に“変えられない”の?」
死神は目を細めた。
言い返そうとするが、遥の視線に言葉を止める。
「変えられる。だが、“穴埋め”が生じる」
「……代償、ってやつね」
「そうだ。帳尻は、誰かが取らされる。
それが“制度”というやつだ」
「じゃあ――もし、彼を救ったら、誰が代わりに死ぬの?」
「……今はまだ未確定だ。
だが、その時が来れば、お前も“見る”ことになる」
遥は視線を落とし、ポケットの中でペンを握りしめた。
彼が勧めてくれた、ジェルインクで持ちがいい方のペン。
その小さな選択が、なぜかとても大きな意味を持っているような気がした。
夜道。
川沿いの歩道に立つ遥の背中を、風が撫でていった。
「見届ける」だけでは足りない。
「知ってしまった」だけで終わらせたくない。
遥は、少しずつだが確かに――“運命”に足を踏み入れようとしていた。
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