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第9章 再会の取調室
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「え?…理…」
雪子も驚いたように、俺を見ている。
そうだよな。いくら好きだったと言っても、俺から別れて、離れて、2年も経って、雪子に恋人ができたことを、素直におめでとうすら言ってやれない。
嫌われるのは、当然だ。
「行っていい。もう、来るな」
「理…?」
「お前の人生に、もう、これ以上関わらないよ」
俺は雪子の顔を見ることも出来ずに、ドアを開けて外にいる松林を見て、
「雪子、送ってやれ」
と言うと、壁に寄りかかっていた松林は組んでいた腕を解いて、不思議そうに俺を見つめていた。
「え?じゃ、坂井さんが送ってあげれば」
「俺はやることがある」
俺はそう言って雪子の背中を押して、取調室に入りドアを閉めた。するとドアの外で、
「理!ちょっと、理!!開けてよっ!!」
と雪子が叫びながらドアを叩いた。が、俺は部屋の真ん中にある椅子に腰を下ろして、頭を抱えてきつく目を閉じた。
俺は、いつからそんなに自惚れてたんだろうな。雪子が、いつでも俺のことを思ってくれてるなんて…。そんな風に思う資格もないのに。
大嫌い。
雪子のそのことばだけが、ずっと頭の中をかけめぐっていた。
雪子も驚いたように、俺を見ている。
そうだよな。いくら好きだったと言っても、俺から別れて、離れて、2年も経って、雪子に恋人ができたことを、素直におめでとうすら言ってやれない。
嫌われるのは、当然だ。
「行っていい。もう、来るな」
「理…?」
「お前の人生に、もう、これ以上関わらないよ」
俺は雪子の顔を見ることも出来ずに、ドアを開けて外にいる松林を見て、
「雪子、送ってやれ」
と言うと、壁に寄りかかっていた松林は組んでいた腕を解いて、不思議そうに俺を見つめていた。
「え?じゃ、坂井さんが送ってあげれば」
「俺はやることがある」
俺はそう言って雪子の背中を押して、取調室に入りドアを閉めた。するとドアの外で、
「理!ちょっと、理!!開けてよっ!!」
と雪子が叫びながらドアを叩いた。が、俺は部屋の真ん中にある椅子に腰を下ろして、頭を抱えてきつく目を閉じた。
俺は、いつからそんなに自惚れてたんだろうな。雪子が、いつでも俺のことを思ってくれてるなんて…。そんな風に思う資格もないのに。
大嫌い。
雪子のそのことばだけが、ずっと頭の中をかけめぐっていた。
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