君につづく道〜禁断の13〜

びぅむ

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第9章 再会の取調室

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「え?…理…」

雪子も驚いたように、俺を見ている。

そうだよな。いくら好きだったと言っても、俺から別れて、離れて、2年も経って、雪子に恋人ができたことを、素直におめでとうすら言ってやれない。

嫌われるのは、当然だ。

「行っていい。もう、来るな」

「理…?」

「お前の人生に、もう、これ以上関わらないよ」

俺は雪子の顔を見ることも出来ずに、ドアを開けて外にいる松林を見て、

「雪子、送ってやれ」

と言うと、壁に寄りかかっていた松林は組んでいた腕を解いて、不思議そうに俺を見つめていた。

「え?じゃ、坂井さんが送ってあげれば」

「俺はやることがある」

俺はそう言って雪子の背中を押して、取調室に入りドアを閉めた。するとドアの外で、

「理!ちょっと、理!!開けてよっ!!」

と雪子が叫びながらドアを叩いた。が、俺は部屋の真ん中にある椅子に腰を下ろして、頭を抱えてきつく目を閉じた。

俺は、いつからそんなに自惚れてたんだろうな。雪子が、いつでも俺のことを思ってくれてるなんて…。そんな風に思う資格もないのに。

大嫌い。

雪子のそのことばだけが、ずっと頭の中をかけめぐっていた。
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