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第10章 歪んだ愛は狂喜
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「やっぱり自覚ないかぁ」
「何が?」
「雪子ちゃんに拒絶されたことが、かなり堪えてるんだよ」
「え?拒絶?」
「キスしたくない、とか、大嫌い、とか?」
「え?!」
そう言われて、私は驚いて目を丸くして松林さんを見た。松林さんは、ニヤニヤ笑って私の顔を覗き込んできた。
「俺も言っといたよ。雪子ちゃんを振ったのは坂井さんだから、そう言われてもしょうがないだろって。全く。あのおっさん、ガキだから。好きな子に好きって言えなくて、冷たくいじわるとかしちゃうタイプ。厄介だよね」
「…確かに。でも、もう別れたのよ。私の言葉なんか痛くも痒くもないでしょ?傷ついてるフリしてんじゃないの?」
「いやいや。坂井さん、今でも雪子ちゃんのこと、一筋だよ。刑事って、職業柄確かに危険なことも多くて、好きな人一人すら守れないかもしれないけど、それでも守れる力も、絶対にあると思うんだ」
「松林さん…」
「だから、坂井さんは異動を転々として実力を上げてさ、上に早く上がれるよう勉強もしてた。この2年は無駄じゃなかったんだよ。昇格するための試練だったからね。勉強とか苦手で、昇進なんて気にもしてなかったのに、雪子ちゃんに見合うような、似合うような男になりたかったんじゃないかな。別れといて、何やってんだか、ね。
「何が?」
「雪子ちゃんに拒絶されたことが、かなり堪えてるんだよ」
「え?拒絶?」
「キスしたくない、とか、大嫌い、とか?」
「え?!」
そう言われて、私は驚いて目を丸くして松林さんを見た。松林さんは、ニヤニヤ笑って私の顔を覗き込んできた。
「俺も言っといたよ。雪子ちゃんを振ったのは坂井さんだから、そう言われてもしょうがないだろって。全く。あのおっさん、ガキだから。好きな子に好きって言えなくて、冷たくいじわるとかしちゃうタイプ。厄介だよね」
「…確かに。でも、もう別れたのよ。私の言葉なんか痛くも痒くもないでしょ?傷ついてるフリしてんじゃないの?」
「いやいや。坂井さん、今でも雪子ちゃんのこと、一筋だよ。刑事って、職業柄確かに危険なことも多くて、好きな人一人すら守れないかもしれないけど、それでも守れる力も、絶対にあると思うんだ」
「松林さん…」
「だから、坂井さんは異動を転々として実力を上げてさ、上に早く上がれるよう勉強もしてた。この2年は無駄じゃなかったんだよ。昇格するための試練だったからね。勉強とか苦手で、昇進なんて気にもしてなかったのに、雪子ちゃんに見合うような、似合うような男になりたかったんじゃないかな。別れといて、何やってんだか、ね。
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