13 / 18
13.私の一番
しおりを挟む
聞き逃してしまいそうなほどの小さな声。
「結婚式が待ち遠しいな。早く……君の一番になりたい……」
びっくりしてアンネリーゼは顔を上げまじまじとジークハルトを見た。
「何でもないよ」
彼は眉を下げ少しだけ困ったような表情をしている。瞳は迷子になった子供のようだ。声は少しかすれていた。
彼の心細そうに見える姿にアンネリーゼは反省した。ジークハルトはいつだってアンネリーゼを不安にさせないように言葉を惜しまない。行動でも示してくれている。今の言葉はきっとふいに出た彼の本音だ。安心をもらってばかりで彼を不安にさせていたのだ。
アンネリーゼは立ち上がりジークハルトの前に立つとゆっくりと彼の頭を引き寄せ抱きしめた。ちょうど自分のお腹に彼の顔が当たっている。彼は抵抗しない。これから言う言葉は恥ずかしいので顔を見れそうもない。
「ジーク。私にとってはあなたが一番大切な人よ。お姉様は大好きだけど今はお義兄様がいるわ。これからもずっと家族だけど、でもね。もし、たった一人を選べと言われたのなら私は迷わずジークを選ぶ。あなたがいてくれなければ、私はもう幸せになれないの。だから側にいさせてね。大好きよ」
いつからか分からない。でもとっくにあなたが一番なの。一番大好き。全てを抱き締められないならあなただけを抱き締める。
「……ありがとう……」
小さな、本当に小さな声だった。ジークハルトの体が微かに震えている。アンネリーゼは愛おしさでどうにかなりそうになりながら彼の背中を優しくよしよしと撫でた。
(大きな背中。いつも私を庇い守ってくれる頼もしい人。あなたが何を不安に感じているのかは分からない。でも私だってあなたを守れる。守ってみせる)
暫くそうしていたが、なんだかたまらなくなって屈んで彼のこめかみにそっと口付けた。
「ちゅっ」
ジークハルトがパッと顔を上げてアンネリーゼの顔を見る。その表情は目がまんまるできょとんとして幼く見える。なんて可愛いのかしら!
「ふふふ」
「リーゼ」
ジークハルトは静かに立ち上がるとアンネリーゼの頬を両手で包み込み顔を上に向けた。そして彼の少しだけ潤んだ青い瞳が近づきぼやけたと思ったら唇に柔らかな感触がした。唇同士が触れてゆっくりと離れる。ジークハルトの瞳が再び視界に入る。その瞳は柔らかく弧を描いていた。
アンネリーゼは目をパチパチと瞬いた。体が固まって動けない。ジークハルトは弾けるように破顔した。
急に自分が大胆な行動を取ったこと、彼に口付けられたことを理解し羞恥心が湧き起こる。心臓がドキドキと暴力的なまでに激しく早鐘を打つ。どうしよう。恥ずかしい。逃げたい! どこに?
咄嗟に彼に抱き着き彼の胸に顔を埋め隠れた。これは逃げたことになっていない。だけど側にいたい。今は離れたくない。少し顔を横にすると彼の胸に耳が触れる。ジークハルトの早い鼓動が聞こえて来て、彼もドキドキしていると思ったら何だか胸がいっぱいになった。彼の大きな腕がアンネリーゼの体を優しく包み込んだ。
侍女は気を利かせて応接室には二人きりだ。ただ静かに思いを確かめ合うように抱きしめあった。
ちなみに今日はバルリング公爵家に来ている。そしてお泊りをする。もちろん客間を使う。すでにジークハルトの隣の部屋を用意してくれているが結婚式までは使わない。楽しみはその時までとっておくのだ。
ジークハルトは仕事があるので一旦別れた。名残惜しそうな顔に笑ってしまった。だって晩餐ですぐに顔を合わせるのに。
「ジークがご機嫌だったわ。リーゼ、ジークと婚約してくれてありがとう」
アンネリーゼは晩餐までの時間をヘルミーナと一緒に過ごす。公爵家に嫁ぐための教育はすでに終わっているが、今日は話があるから時間を取って欲しいと言われていた。
ヘルミーナはことあるごとにアンネリーゼにお礼を言う。ジークと婚約してくれてありがとうと。繰り返し何度も。いつもなぜそんなに感謝されるのか不思議だった。アンネリーゼの方こそもらってくれてありがとうなのに。
その理由を今教えられた。
アンネリーゼはショックで固まってしまった。ヘルミーナがジークハルトの子供の頃のことを教えてくれたのだ。生まれた時からのヒルデカルトのジークへの冷たい対応。抵抗の力を持たない無垢な幼子を容赦なく嬲ったのだ。ヘルミーナは涙を浮かべ苦悶の表情を浮かべている。ずっと苦しんできたのだろう。息子を守らずに悪魔に預けてしまったと。
ヘルミーナは「ヒルデカルト様」と呼ぶ。一度も「お義母様」とは言わなかった。そういう存在なのだ。
アンネリーゼは自分が比較的温厚な人間だと思っている。争いは好まない。だけどヒルデカルトに対しては殺意を抱いた。生きていてこんな感情を抱いたのは初めてだった。アンネリーゼは優しいとよく人に言われるが本当は自分が冷たい人間だと理解している。自分や大切な人に明らかな悪意を示した人間には容赦しない。といっても出来ることは少ないのでこの世に存在しない人として扱う。大切な人を傷つける人間を許すことなど出来ない。それが例え血の繋がった親や祖母であっても。
アンネリーゼはヒルデカルトに会ったことがない。領地にいるとはいえ昨年正式に結婚式の日取りが決まった時に挨拶に行かなくていいのかと聞いたが、みんなが必要ないと言った。不思議に思ってはいたが詳しいことを聞ける雰囲気ではなかったのでそのままだった。
「ジークは私たちを一度も責めなかった。恨まれて当然、恨んでくれていいのに」
「ジークはお義父様もお義母様も大切に思っています。私は彼に誰かを憎み続ける人生を送って欲しくないです。罪を贖うために恨まれることを望まないで下さい。人を憎んだり恨んだりするそんな苦しみをジークに与えないで。なによりジークはお二人が苦しむことを望んでいないはずです」
「ええ、ええ、そうね。リーゼの言う通りだわ」
「ところでどうして急に教えてくれたのですか? 結婚式が近くなったからですか?」
たぶんジークハルトの性格から考えるとアンネリーゼにこのことを知られたくなかったと思う。ヘルミーナは眉をぎゅっと寄せた。そこには苛立ちが見える。
「ヒルデカルト様が……近いうちに王都に来ることになったの。アロイスはずっと領地から出さないつもりだった。ジークたちが結婚してもヒルデカルト様のことは私たちで対応するはずだったわ」
普段は領地の屋敷に軟禁状態で外部接触や外出も制限しているらしい。お義父様はそれほど傷ついたということだ。
「何しにいらっしゃるのですか?」
お義父様が阻止できない王都に来る用事があるということだ。正直、心穏やかではいられない。
「ヒルデカルト様の初恋の他国の公爵様のお孫さん、ご令嬢が観光にお見えになるのよ。よりにもよってヒルデカルト様を頼って。そちらの国の国王陛下からの親書も預かっているので断れないのよ。一度、領地の方でもてなしてヒルデカルト様が付き添われこの屋敷にお見えになる。どうせよからぬ目的を携えてくるのでしょうね。でも建前がしっかりしている以上無下には出来ないわ」
他国の国王陛下の親書を預かられているのでは拒めない。それなら直接王家に出向いて欲しい。ヒルデカルトを頼ることが怪しい。
「そのご令嬢のお歳はご存じですか?」
「二十一歳になったばかりで未婚。そして婚約者もいないそうよ」
「…………」
アンネリーゼは確信した。絶対にジークハルト狙いだ。でも私が阻止する。絶対に彼を渡しはしない!! 膝の上の手をぐっと握りしめた。
「リーゼにはきっと嫌な思いをさせてしまうわね。ごめんなさい。ジークもアロイスもやめさせる方法がないか考えたのだけど……」
「いいえ! 大丈夫です!」
アンネリーゼは笑顔だ。今こそジークを守る。ヘルミーナにそのご令嬢の詳しい情報を教えて欲しいと頼んだ。対策を考えねば。
ジークハルトはヒルデカルトが王都に来ることで無意識に心が弱っているのかもしれない。そうでなければ彼がアンネリーゼの前で弱気な発言をするはずがない。いや、出来ればいつでも言って欲しいが彼にも男として、そして公爵家嫡男としてのプライドがある。彼の矜持を傷つけたくない。
ジークハルトの心がアンネリーゼに向かっている限り無敵だ。アンネリーゼは口角を上げ、まだ見ぬ敵に微笑んだ。
「結婚式が待ち遠しいな。早く……君の一番になりたい……」
びっくりしてアンネリーゼは顔を上げまじまじとジークハルトを見た。
「何でもないよ」
彼は眉を下げ少しだけ困ったような表情をしている。瞳は迷子になった子供のようだ。声は少しかすれていた。
彼の心細そうに見える姿にアンネリーゼは反省した。ジークハルトはいつだってアンネリーゼを不安にさせないように言葉を惜しまない。行動でも示してくれている。今の言葉はきっとふいに出た彼の本音だ。安心をもらってばかりで彼を不安にさせていたのだ。
アンネリーゼは立ち上がりジークハルトの前に立つとゆっくりと彼の頭を引き寄せ抱きしめた。ちょうど自分のお腹に彼の顔が当たっている。彼は抵抗しない。これから言う言葉は恥ずかしいので顔を見れそうもない。
「ジーク。私にとってはあなたが一番大切な人よ。お姉様は大好きだけど今はお義兄様がいるわ。これからもずっと家族だけど、でもね。もし、たった一人を選べと言われたのなら私は迷わずジークを選ぶ。あなたがいてくれなければ、私はもう幸せになれないの。だから側にいさせてね。大好きよ」
いつからか分からない。でもとっくにあなたが一番なの。一番大好き。全てを抱き締められないならあなただけを抱き締める。
「……ありがとう……」
小さな、本当に小さな声だった。ジークハルトの体が微かに震えている。アンネリーゼは愛おしさでどうにかなりそうになりながら彼の背中を優しくよしよしと撫でた。
(大きな背中。いつも私を庇い守ってくれる頼もしい人。あなたが何を不安に感じているのかは分からない。でも私だってあなたを守れる。守ってみせる)
暫くそうしていたが、なんだかたまらなくなって屈んで彼のこめかみにそっと口付けた。
「ちゅっ」
ジークハルトがパッと顔を上げてアンネリーゼの顔を見る。その表情は目がまんまるできょとんとして幼く見える。なんて可愛いのかしら!
「ふふふ」
「リーゼ」
ジークハルトは静かに立ち上がるとアンネリーゼの頬を両手で包み込み顔を上に向けた。そして彼の少しだけ潤んだ青い瞳が近づきぼやけたと思ったら唇に柔らかな感触がした。唇同士が触れてゆっくりと離れる。ジークハルトの瞳が再び視界に入る。その瞳は柔らかく弧を描いていた。
アンネリーゼは目をパチパチと瞬いた。体が固まって動けない。ジークハルトは弾けるように破顔した。
急に自分が大胆な行動を取ったこと、彼に口付けられたことを理解し羞恥心が湧き起こる。心臓がドキドキと暴力的なまでに激しく早鐘を打つ。どうしよう。恥ずかしい。逃げたい! どこに?
咄嗟に彼に抱き着き彼の胸に顔を埋め隠れた。これは逃げたことになっていない。だけど側にいたい。今は離れたくない。少し顔を横にすると彼の胸に耳が触れる。ジークハルトの早い鼓動が聞こえて来て、彼もドキドキしていると思ったら何だか胸がいっぱいになった。彼の大きな腕がアンネリーゼの体を優しく包み込んだ。
侍女は気を利かせて応接室には二人きりだ。ただ静かに思いを確かめ合うように抱きしめあった。
ちなみに今日はバルリング公爵家に来ている。そしてお泊りをする。もちろん客間を使う。すでにジークハルトの隣の部屋を用意してくれているが結婚式までは使わない。楽しみはその時までとっておくのだ。
ジークハルトは仕事があるので一旦別れた。名残惜しそうな顔に笑ってしまった。だって晩餐ですぐに顔を合わせるのに。
「ジークがご機嫌だったわ。リーゼ、ジークと婚約してくれてありがとう」
アンネリーゼは晩餐までの時間をヘルミーナと一緒に過ごす。公爵家に嫁ぐための教育はすでに終わっているが、今日は話があるから時間を取って欲しいと言われていた。
ヘルミーナはことあるごとにアンネリーゼにお礼を言う。ジークと婚約してくれてありがとうと。繰り返し何度も。いつもなぜそんなに感謝されるのか不思議だった。アンネリーゼの方こそもらってくれてありがとうなのに。
その理由を今教えられた。
アンネリーゼはショックで固まってしまった。ヘルミーナがジークハルトの子供の頃のことを教えてくれたのだ。生まれた時からのヒルデカルトのジークへの冷たい対応。抵抗の力を持たない無垢な幼子を容赦なく嬲ったのだ。ヘルミーナは涙を浮かべ苦悶の表情を浮かべている。ずっと苦しんできたのだろう。息子を守らずに悪魔に預けてしまったと。
ヘルミーナは「ヒルデカルト様」と呼ぶ。一度も「お義母様」とは言わなかった。そういう存在なのだ。
アンネリーゼは自分が比較的温厚な人間だと思っている。争いは好まない。だけどヒルデカルトに対しては殺意を抱いた。生きていてこんな感情を抱いたのは初めてだった。アンネリーゼは優しいとよく人に言われるが本当は自分が冷たい人間だと理解している。自分や大切な人に明らかな悪意を示した人間には容赦しない。といっても出来ることは少ないのでこの世に存在しない人として扱う。大切な人を傷つける人間を許すことなど出来ない。それが例え血の繋がった親や祖母であっても。
アンネリーゼはヒルデカルトに会ったことがない。領地にいるとはいえ昨年正式に結婚式の日取りが決まった時に挨拶に行かなくていいのかと聞いたが、みんなが必要ないと言った。不思議に思ってはいたが詳しいことを聞ける雰囲気ではなかったのでそのままだった。
「ジークは私たちを一度も責めなかった。恨まれて当然、恨んでくれていいのに」
「ジークはお義父様もお義母様も大切に思っています。私は彼に誰かを憎み続ける人生を送って欲しくないです。罪を贖うために恨まれることを望まないで下さい。人を憎んだり恨んだりするそんな苦しみをジークに与えないで。なによりジークはお二人が苦しむことを望んでいないはずです」
「ええ、ええ、そうね。リーゼの言う通りだわ」
「ところでどうして急に教えてくれたのですか? 結婚式が近くなったからですか?」
たぶんジークハルトの性格から考えるとアンネリーゼにこのことを知られたくなかったと思う。ヘルミーナは眉をぎゅっと寄せた。そこには苛立ちが見える。
「ヒルデカルト様が……近いうちに王都に来ることになったの。アロイスはずっと領地から出さないつもりだった。ジークたちが結婚してもヒルデカルト様のことは私たちで対応するはずだったわ」
普段は領地の屋敷に軟禁状態で外部接触や外出も制限しているらしい。お義父様はそれほど傷ついたということだ。
「何しにいらっしゃるのですか?」
お義父様が阻止できない王都に来る用事があるということだ。正直、心穏やかではいられない。
「ヒルデカルト様の初恋の他国の公爵様のお孫さん、ご令嬢が観光にお見えになるのよ。よりにもよってヒルデカルト様を頼って。そちらの国の国王陛下からの親書も預かっているので断れないのよ。一度、領地の方でもてなしてヒルデカルト様が付き添われこの屋敷にお見えになる。どうせよからぬ目的を携えてくるのでしょうね。でも建前がしっかりしている以上無下には出来ないわ」
他国の国王陛下の親書を預かられているのでは拒めない。それなら直接王家に出向いて欲しい。ヒルデカルトを頼ることが怪しい。
「そのご令嬢のお歳はご存じですか?」
「二十一歳になったばかりで未婚。そして婚約者もいないそうよ」
「…………」
アンネリーゼは確信した。絶対にジークハルト狙いだ。でも私が阻止する。絶対に彼を渡しはしない!! 膝の上の手をぐっと握りしめた。
「リーゼにはきっと嫌な思いをさせてしまうわね。ごめんなさい。ジークもアロイスもやめさせる方法がないか考えたのだけど……」
「いいえ! 大丈夫です!」
アンネリーゼは笑顔だ。今こそジークを守る。ヘルミーナにそのご令嬢の詳しい情報を教えて欲しいと頼んだ。対策を考えねば。
ジークハルトはヒルデカルトが王都に来ることで無意識に心が弱っているのかもしれない。そうでなければ彼がアンネリーゼの前で弱気な発言をするはずがない。いや、出来ればいつでも言って欲しいが彼にも男として、そして公爵家嫡男としてのプライドがある。彼の矜持を傷つけたくない。
ジークハルトの心がアンネリーゼに向かっている限り無敵だ。アンネリーゼは口角を上げ、まだ見ぬ敵に微笑んだ。
160
あなたにおすすめの小説
皇后マルティナの復讐が幕を開ける時[完]
風龍佳乃
恋愛
マルティナには初恋の人がいたが
王命により皇太子の元に嫁ぎ
無能と言われた夫を支えていた
ある日突然
皇帝になった夫が自分の元婚約者令嬢を
第2夫人迎えたのだった
マルティナは初恋の人である
第2皇子であった彼を新皇帝にするべく
動き出したのだった
マルティナは時間をかけながら
じっくりと王家を牛耳り
自分を蔑ろにした夫に三行半を突き付け
理想の人生を作り上げていく
全てから捨てられた伯爵令嬢は。
毒島醜女
恋愛
姉ルヴィが「あんたの婚約者、寝取ったから!」と職場に押し込んできたユークレース・エーデルシュタイン。
更に職場のお局には強引にクビを言い渡されてしまう。
結婚する気がなかったとは言え、これからどうすればいいのかと途方に暮れる彼女の前に帝国人の迷子の子供が現れる。
彼を助けたことで、薄幸なユークレースの人生は大きく変わり始める。
通常の王国語は「」
帝国語=外国語は『』
魔女の祝福
あきづきみなと
恋愛
王子は婚約式に臨んで高揚していた。
長く婚約を結んでいた、鼻持ちならない公爵令嬢を婚約破棄で追い出して迎えた、可憐で愛らしい新しい婚約者を披露する、その喜びに満ち、輝ける将来を確信して。
予約投稿で5/12完結します
某国王家の結婚事情
小夏 礼
恋愛
ある国の王家三代の結婚にまつわるお話。
侯爵令嬢のエヴァリーナは幼い頃に王太子の婚約者に決まった。
王太子との仲は悪くなく、何も問題ないと思っていた。
しかし、ある日王太子から信じられない言葉を聞くことになる……。
聖女に負けた侯爵令嬢 (よくある婚約解消もののおはなし)
蒼あかり
恋愛
ティアナは女王主催の茶会で、婚約者である王子クリストファーから婚約解消を告げられる。そして、彼の隣には聖女であるローズの姿が。
聖女として国民に、そしてクリストファーから愛されるローズ。クリストファーとともに並ぶ聖女ローズは美しく眩しいほどだ。そんな二人を見せつけられ、いつしかティアナの中に諦めにも似た思いが込み上げる。
愛する人のために王子妃として支える覚悟を持ってきたのに、それが叶わぬのならその立場を辞したいと願うのに、それが叶う事はない。
いつしか公爵家のアシュトンをも巻き込み、泥沼の様相に……。
ラストは賛否両論あると思います。納得できない方もいらっしゃると思います。
それでも最後まで読んでいただけるとありがたいです。
心より感謝いたします。愛を込めて、ありがとうございました。
心の傷は癒えるもの?ええ。簡単に。
しゃーりん
恋愛
侯爵令嬢セラヴィは婚約者のトレッドから婚約を解消してほしいと言われた。
理由は他の女性を好きになってしまったから。
10年も婚約してきたのに、セラヴィよりもその女性を選ぶという。
意志の固いトレッドを見て、婚約解消を認めた。
ちょうど長期休暇に入ったことで学園でトレッドと顔を合わせずに済み、休暇明けまでに失恋の傷を癒しておくべきだと考えた友人ミンディーナが領地に誘ってくれた。
セラヴィと同じく婚約を解消した経験があるミンディーナの兄ライガーに話を聞いてもらっているうちに段々と心の傷は癒えていったというお話です。
あなたを忘れる魔法があれば
美緒
恋愛
乙女ゲームの攻略対象の婚約者として転生した私、ディアナ・クリストハルト。
ただ、ゲームの舞台は他国の為、ゲームには婚約者がいるという事でしか登場しない名前のないモブ。
私は、ゲームの強制力により、好きになった方を奪われるしかないのでしょうか――?
これは、「あなたを忘れる魔法があれば」をテーマに書いてみたものです――が、何か違うような??
R15、残酷描写ありは保険。乙女ゲーム要素も空気に近いです。
※小説家になろう、カクヨムにも掲載してます
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる