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21.危険な夜と、俺を守る人
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声をかけてきた男性は、身長は百八十センチくらい。がっしりとした体格。
服装は派手で、やたらニコニコしてる。
「おにいさん、この公園に来るの、初めて?」
「そ、そうですけど……」
「じゃあちょっと話さない?」
「話す……? あ、ていうか……あっちに行きませんか?」
「なんで?」
そのとき、またトイレの方から喘ぎ声が――。
「ほら、ちょっとここは離れた方が……」
言いかけると、男は俺を見て、ニヤリと笑った。
「知ってるよ。いつものことだから」
「……え?」
いつものこと?
男がじっと俺を見つめてくる。
何か、嫌な予感がした。
俺は一歩後ずさった。
「とにかく、ここじゃなくて……」
「ふうん。そうやって誘うんだ?」
「は……?」
誘う――?
男はゆっくりと、俺の方に寄ってくる。
頭の中で、警鐘が鳴った。
「誘ってんでしょ? おにいさんネコだよね」
気づいてしまった。
ここは、夜になると男たちが出会いを求める場所――。
「おにいさん、ほんと綺麗。ハーフ? 色白いね。俺、めっちゃタイプだわ」
男の目が、俺を舐めるように見ている。
「ここでする?」
「ちょっと待って……俺、そういうんじゃ……」
「じゃあ場所変えてヤろうか」
「は……?!」
やばい、状況が一気に危険になった。
男が俺の腰に手をかけてくる。
必死に押しのけようとするが、酔いが回っていて力が入らない。
「っ、やめ……!」
「反応がぎこちなくて、マジ可愛いな」
身体が壁に押しつけられる。息が詰まりそうになる。
「やめろって……!」
「酒のにおいがする。結構飲んできたの?」
男の手が、俺の腰から尻へ滑る。
「待て……俺、本当に……!」
「無理やり襲われたい感じ? そういうプレイが好きなの?」
違う――!
頭の中が真っ白になり、必死に抵抗するが、力が抜けていく。
男が俺の顔に近づいてくる。
やばい。本当に、やばい。
「離せ……離せって……!!」
必死に暴れるが、男の腕は強く、簡単には逃げられない。
「あんまり騒ぐなよ」
男の手が、俺の口を塞いだ。
声が出せない。
息ができない。
俺は男の腕を掴み、なんとか抵抗を試みる。
でも――体力が削られ、力がじわじわ抜けていく。
ようやく、男は口から手を離した。
「はぁ……っ、はぁ……」
「いいね、唆る」
男がニヤリと笑う。
俺の身体が、ずるずると崩れそうになった。
「つらそうじゃん。ほら、支えてやるよ」
そう言って、男は俺を引き寄せる。
「ちょっとここじゃマズイから、移動するよ」
「どこに……」
「“休憩できるとこ”に決まってんじゃん」
その言い方が気持ち悪くて、背筋がぞわっとした。
――やばい。
本当に、やばい。
振り払おうとしても、力が入らない。
その瞬間だった。
「その手を離せ」
低く、鋭い声が響いた。
「颯真」
「……翔……?」
黒いコートに身を包んだ翔が立っていた。
その表情は――冷たく、恐ろしいほど静かだった。
服装は派手で、やたらニコニコしてる。
「おにいさん、この公園に来るの、初めて?」
「そ、そうですけど……」
「じゃあちょっと話さない?」
「話す……? あ、ていうか……あっちに行きませんか?」
「なんで?」
そのとき、またトイレの方から喘ぎ声が――。
「ほら、ちょっとここは離れた方が……」
言いかけると、男は俺を見て、ニヤリと笑った。
「知ってるよ。いつものことだから」
「……え?」
いつものこと?
男がじっと俺を見つめてくる。
何か、嫌な予感がした。
俺は一歩後ずさった。
「とにかく、ここじゃなくて……」
「ふうん。そうやって誘うんだ?」
「は……?」
誘う――?
男はゆっくりと、俺の方に寄ってくる。
頭の中で、警鐘が鳴った。
「誘ってんでしょ? おにいさんネコだよね」
気づいてしまった。
ここは、夜になると男たちが出会いを求める場所――。
「おにいさん、ほんと綺麗。ハーフ? 色白いね。俺、めっちゃタイプだわ」
男の目が、俺を舐めるように見ている。
「ここでする?」
「ちょっと待って……俺、そういうんじゃ……」
「じゃあ場所変えてヤろうか」
「は……?!」
やばい、状況が一気に危険になった。
男が俺の腰に手をかけてくる。
必死に押しのけようとするが、酔いが回っていて力が入らない。
「っ、やめ……!」
「反応がぎこちなくて、マジ可愛いな」
身体が壁に押しつけられる。息が詰まりそうになる。
「やめろって……!」
「酒のにおいがする。結構飲んできたの?」
男の手が、俺の腰から尻へ滑る。
「待て……俺、本当に……!」
「無理やり襲われたい感じ? そういうプレイが好きなの?」
違う――!
頭の中が真っ白になり、必死に抵抗するが、力が抜けていく。
男が俺の顔に近づいてくる。
やばい。本当に、やばい。
「離せ……離せって……!!」
必死に暴れるが、男の腕は強く、簡単には逃げられない。
「あんまり騒ぐなよ」
男の手が、俺の口を塞いだ。
声が出せない。
息ができない。
俺は男の腕を掴み、なんとか抵抗を試みる。
でも――体力が削られ、力がじわじわ抜けていく。
ようやく、男は口から手を離した。
「はぁ……っ、はぁ……」
「いいね、唆る」
男がニヤリと笑う。
俺の身体が、ずるずると崩れそうになった。
「つらそうじゃん。ほら、支えてやるよ」
そう言って、男は俺を引き寄せる。
「ちょっとここじゃマズイから、移動するよ」
「どこに……」
「“休憩できるとこ”に決まってんじゃん」
その言い方が気持ち悪くて、背筋がぞわっとした。
――やばい。
本当に、やばい。
振り払おうとしても、力が入らない。
その瞬間だった。
「その手を離せ」
低く、鋭い声が響いた。
「颯真」
「……翔……?」
黒いコートに身を包んだ翔が立っていた。
その表情は――冷たく、恐ろしいほど静かだった。
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