リスタート・ショコラ―拾われた俺、溺愛されてます―世界でいちばん甘い場所は、あなたの隣。

砂原紗藍

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グレーズ・アフェア―甘くて危険、二人の秘密―

4.復讐の終わり

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翌日の朝。
テレビをつけた瞬間、ニュース速報が流れた。

『速報:高級レストランオーナー・西条慎吾容疑者、逮捕』

画面に映る、手錠をかけられた西条の姿。

『違法取引、詐欺、恐喝、脱税など、複数の容疑で逮捕』

西条は、うつむいていた。
あの傲慢な笑みはどこにもない。

アナウンサーの声が続く。

『西条容疑者は昨夜、都内の高級ホテルで身柄を拘束されました。国外逃亡を図ろうとしたものの、警察の包囲網に追い詰められたとのことです』

画面には、西条が警察車両に乗せられる姿が映る。
記者たちのフラッシュが焚かれ、マイクが突きつけられる。

『西条さん! 何か言うことは!』
『被害者に謝罪は!?』

西条は何も答えず、ただうつむいたまま。

俺の店を奪って、人生も奪ったあの男が――ついに裁かれる。

「やっと……」

涙が止まらない。
透さんがそっと俺を抱きしめる。

「よく頑張りましたね、環」

その温もりに、ふっと力が抜ける。

「透さんのおかげだよ……透さんがいなかったら……」

泣きながら透さんの胸に顔を埋める。

「本当にありがとう……」
「どういたしまして」

透さんは優しく頭を撫でてくれた。

テレビの画面では、西条の悪事が次々と報道されていた。

『取引先への恐喝』
『違法な資金洗浄』
『複数の飲食店オーナーからの告発』

同時に、専門家のコメントが流れた。

「西条容疑者は違法行為を繰り返していたようです。被害者は相当数に上ると見られています」

俺は無意識に、透さんの顔を見上げた。

「透さんがいなかったら、西条は今も好き勝手やってたよね……」

透さんが優しく微笑む。

「環も、よく戦いました」


――その日の夕方、佐々木さんから連絡が入った。

『西条、全面的に自白した。もう逃げられないと悟ったらしい』

透さんがスピーカーにする。

「それで、刑期は?」
『検察は懲役10年以上を求刑する方針だ』

透さんが満足そうに頷く。

「十分ですね」
『ああ。それと、花村さんに朗報だ』

佐々木さんの声が明るくなる。

『花村さんの無実を証明する書類を、関係各所に送った。業界への復帰も、問題なくできるはずだ』

「環、聞こえましたか? あなたの無実が、証明されますよ」

俺は、電話に向かって頭を下げた。

「ありがとうございます……!」
『礼なら、神崎に言ってくれ。あいつが必死に動いたからな』

透さんが少し照れたように笑う。

「佐々木さんも、協力してくれたじゃないですか」
『まあな。じゃあ、またな』

電話が切れると、俺と透さんは窓の外をしばらく見つめていた。
夕日が街を赤く染めて、静かに時間を包む。

「……終わったんだね」

俺が呟くと、透さんは小さく頷いた。

「ええ。長い戦いでしたね」
「……うん」
「環。あなたと出会えて、本当によかった」

胸に顔を埋め、透さんの腕の中に身を寄せる。

「あなたは、俺の全てですから」

頷くと、透さんは満足そうに笑った。

「いい子ですね」

透さんの腕の中で、全てが満たされていく。涙があふれ、透さんが拭ってくれる。

「これからも、たくさん愛します。俺だけを見て、俺だけを愛してください」

透さんがそっと唇を重ねる。
貪るようで、熱を持ったその感触に、抵抗する力はもう残っていない。

胸元に触れる手に息を呑む。

「まって……!」

慌てて隠そうとした手は、透さんの手に捕まれ、やさしく押さえられる。

「待てません」

透さんの視線がゆっくり体をなぞるように降りていく。
首筋に唇が触れた瞬間、思わず小さく声が漏れた。

「ん……!」
「可愛い声……もっと聞かせてください」
「や……だ……」
「素直じゃないですね」
 
透さんの手が俺の素肌をゆっくり這っていく。
唇が首筋へ、鎖骨へ、胸へと降りていく。

「あっ……」

思わず小さな声が漏れた。
体の奥まで熱が広がっていく。

もう抵抗する力なんて残っていない。
透さんの腕に抱えられたまま、身を委ねた。

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