日満基地 ~Right on‼~

優希:D

文字の大きさ
上 下
3 / 4
第一章〜拠点の建設〜

第三話:方位玉

しおりを挟む
「それじゃ、契約成立じゃの」
 
 嬉しそうに店主は言った。

「協力といってもどんなことをしてくださるんですか?」

 ユウマがそう聞くと店主は何やら棚の中から一つの巾着袋を取り出しその中から小さな玉を2つ取り出した。

「ビー玉?」

 ビー玉ほどのサイズのその玉は緑色できれいな透明の中に二周りほど小さな球体が入っている

「これはそんな程度じゃないぞ。これは方位玉ほういだまというんじゃ。
 それじゃあ早速...カズヤ君この玉を一つ持ってくれ」

 名前は教えていないのに、やっぱり心の中が読めるらしい

「そして、もう一つはリョーマ君」

 そう言って2つの玉を手渡された

「カズヤくんはリョーマ君の周りを一周してごらん」
「わかり…ました。」

 何が起こるのか不思議そうに返事をしたあとカズヤはリョーマの周りを回った。
 すると方位玉の中の球体がリョーマを目で追いかけるかのようにリョーマの方向を向いている。

「「「す、すげぇ」」」
「こんな広い山奥じゃ。はぐれたらマズいからのぉ。仲間の方向がわかるようにそれをやるよ」
「ありがとうございます!」

 不思議という感情より小学生の3人にとっては嬉しいという感情のほうが大きかった

「そろそろ昼だし、帰ります。」
「ああ、いつでも待っとるぞ」
「はい」

 20分ほど歩き、少し道に迷ったがテントについた

「てかあのじぃさんなにもんだよ?」
「名前教えてもないのに呼ばれたときはびっくりしたぜ」
「ま、結果的に良いものもらえたし良いんじゃね?」

 ユウマがそう言うと

「「そうだな」」

 カズヤとリョーマは息ぴったりにそういった

「でもさぁ、山の中って景色ほぼ変わらないから、道迷うよな」
「さっきも、帰ってくるとき行き道より時間かかったしね」

 その時、ユウマがなにかをひらめいた。

「なぁ!さっきの方位玉?だったかな」
「そう...だけど」
「それ、2つしかもらってないよね?」
「うん。」
「じゃあさ、どっちみち三人中二人しか持てないんだから、一個はテントに置いといて、
 もう一個は外に出るときに持っていくってのはどう?」

 ユウマはほかの二人に比べて頭が良い。

「あぁ!そういうことか、家の方向がわかるってことか、ユウマ頭良いなぁ」
「確かに!」

 ユウマは少し照れたようにこう言った

「当たり前じゃん」
「「「ハハハ」」」
「てか、ご飯どうする?」

 朝はパサパサのパン一つそろそろみんなおなかがすいてくる頃だ。
 するとカズヤが

「俺、コーンフレーク持ってきたぞ」
「「食べる!」」

 リョーマが一口食べると

「う、うめぇ!」
「マジでおいしぃ~」

 山を歩いた疲れが吹き飛んだ気がした

「あ、そういや、みんな持ってきたもの見せ合おうぜ」
「確かに、良いね」
「じゃあみんな、カバン持ってきて」

しおりを挟む

処理中です...