おれがヒロイン!?無理です、逃げていいですか!

たなぱ

文字の大きさ
31 / 39
幼少期編

悲しき殿下とやべー女(男)4




「ねぇ、お兄さん?今バレないように振りかけようとしたその毒、本気でおれが作った料理に掛けるの?おれの料理した大切なタンパク質をゴミにするつもり???

絶対、そんな事させないから…………!!!」



そんなセリフと共に突如、どこからとも無く現れ、的確に力強く手首を全力で掴みにくるおれを前に、アルフレッド殿下も暗殺系従者も一瞬遅れて反応を示した



「…………はっ?………な、え………?
だ、だれっ、ですか!?あな………た、うぐっ!!!いたたっ!!!何をするんですかっ!!?!うわぁ!!!」

「っ!?、はぁ……!?急になんだ…!?お前、どこから…!?何をしているんだ!?」



気配を消す魔法、マリンと一緒に極めててよかったー!と、日頃の訓練を思い出しつつ、なんかアルフレッド殿下達がブツブツ文句を言ってるのを、全て無視して更に手首を捻り上げ、次の行動に移る

おれの見た目はライ達曰く、か弱い可憐な美少女らしいので、その美少女から発せられるとは到底思えない握力を披露し更に動揺してもらう

決して振りほどけ無いゴリラのような動きでおれ達の屋台で買った魔物の焼串を毒持ち従者から奪い取り、呆然としてるアルフレッド殿下に渡し、従者の服の中をゴソゴソと物色させて頂いた
たぶん、今回使う分は袖あたりに忍ばせてるだろうが、毒本体は服の中だろうし!


勿論、そのままではなくしっかりと暗殺系従者を押し倒してから拘束魔法で腕の自由を奪い取り、馬乗りになり隅から隅まで物色する
女の子が服を弄ってくるのだ、そりゃあ凄く動揺した声で「やめなさい!」とか言ってくるが………それも無視して暫し探しまくると上着の内ポケットから毒と思しき粉と小瓶を回収する事に成功した



ここまでの一連の動作に掛かった時間、わずか3分!!!カップ麺タイムで最悪の事態を打開したぜ!うん、我ながら素晴らしい記録を叩き出せたと思う


よし、後はやべー女を演じつつこの場を丸く??収めるだけだ………!
とりあえず話しやすい様に、暗殺系従者の拘束はそのままに、馬乗りからお腹に座る感じに移動し、無駄に足を組んでアルフレッド殿下の方を見つめ、話しかけた




「先程ぶりですね?お客様?
急なご無礼失礼します…先程、こちらのお客様から毒の匂いがしましてね…せっかくの美味しい大切なタンパク質を汚されると思ったらいてもたってもいられなくて………

お客様はこの小瓶と粉の袋、心当たりはおありですか?」


「…………………っ、…………!!!」



アルフレッド殿下によく見えるように奪い取った毒を見せつけ質問をすると、何だこの女!?と、驚いていた顔から今にも泣きそうな酷く辛く、思い詰めるような真っ青な顔に変わるのが分かった

ほほん………おれの想像はたぶん当たっている…のかもな?
乙女ゲームのシナリオで仲良くしていた従者から毒を盛られたアルフレッド殿下は深く絶望し、ヒロインに救われる過去を持つって話だけど、なんか妙に変だと思ったんだよ

普段から毒殺されそうな立場にいて、幼少期から王位継承を巡って酷い目にあって性格が歪んでるのに、どうしてこの従者だけは何も疑わずに信じたのかって…………いくら心を許していたとは言え、シナリオ的にはおかしくないけど、従者は暗殺未遂で死にましただけで終わらせちゃいけない何かがあるって…………!


それが分かるのがこの反応だ
アルフレッド殿下にとって、この従者は唯一無二の心の拠り所だっただけじゃない、シリアス展開あるある闇深い王宮で生きる意味だった可能性がある
普段から第二王子の派閥だけじゃなくて、従者にも毒を盛られていたんじゃないかと…それでも従者を信じたい理由があったんじゃないかなと…!色々考察できる奴がある!


乙女ゲームの展開的には深くは語られない…が、ヒロインとのイベントのあちらこちらでアルフレッド殿下はどこか儚いイメージがあった

最終的にはヒロインが守りたいと願うこの国を良くしようと本気で賢王になる素晴らしい人材な訳だが………





上手くそれを利用しない手はない
深くは語られてなかった部分を敢えてやべー女(男)が掘り下げてあげたら未来は変わるんではなかろうか!!!!と、思うわけ!!

まぁ一向に返答が聞かれないが、それも想定内とアルフレッド殿下を見据えて更に可愛く微笑み、おれは従者の腕を無理矢理こちらにむけて毒が付着していると思う手を舐め………そして奪い取った毒の小瓶と粉を口に放りんだ……………


「……………………なっ!?!おまえ、一体何を!?やめろ!!それは危険な毒なんだ!!直ぐに、直ぐに吐き出してくれ!!
死ぬのは!!死ぬのは俺だけでいいんだ!!!」







アルフレッド殿下の悲痛な叫び声を聞きながら












感想 6

あなたにおすすめの小説

BL世界に転生したけど主人公の弟で悪役だったのでほっといてください

わさび
BL
前世、妹から聞いていたBL世界に転生してしまった主人公。 まだ転生したのはいいとして、何故よりにもよって悪役である弟に転生してしまったのか…!? 悪役の弟が抱えていたであろう嫉妬に抗いつつ転生生活を過ごす物語。

普段「はい」しか言わない僕は、そばに人がいると怖いのに、元マスターが迫ってきて弄ばれている

迷路を跳ぶ狐
BL
全105話*六月十一日に完結する予定です。 読んでいただき、エールやお気に入り、しおりなど、ありがとうございました(*≧∀≦*)  魔法の名手が生み出した失敗作と言われていた僕の処分は、ある日突然決まった。これから捨てられる城に置き去りにされるらしい。  ずっと前から廃棄処分は決まっていたし、殺されるかと思っていたのに、そうならなかったのはよかったんだけど、なぜか僕を嫌っていたはずのマスターまでその城に残っている。  それだけならよかったんだけど、ずっとついてくる。たまにちょっと怖い。  それだけならよかったんだけど、なんだか距離が近い気がする。  勘弁してほしい。  僕は、この人と話すのが、ものすごく怖いんだ。

【完結】婚約破棄したのに幼馴染の執着がちょっと尋常じゃなかった。

天城
BL
子供の頃、天使のように可愛かった第三王子のハロルド。しかし今は令嬢達に熱い視線を向けられる美青年に成長していた。 成績優秀、眉目秀麗、騎士団の演習では負けなしの完璧な王子の姿が今のハロルドの現実だった。 まだ少女のように可愛かったころに求婚され、婚約した幼馴染のギルバートに申し訳なくなったハロルドは、婚約破棄を決意する。 黒髪黒目の無口な幼馴染(攻め)×金髪青瞳美形第三王子(受け)。前後編の2話完結。番外編を不定期更新中。

【完結】転生した悪役令息は、お望み通り近付きません

カシナシ
BL
「お前など、愛す価値もない」 ディディア・ファントム侯爵令息が階段から落ちる時見たのは、婚約者が従兄弟を抱きしめている姿。 (これって、ディディアーーBLゲームの悪役令息じゃないか!) 妹の笑顔を見るためにやりこんでいたBLゲーム。引くほどレベルを上げた主人公のスキルが、なぜかディディアに転生してそのまま引き継いでいる。 スキルなしとして家族に『失敗作』と蔑まれていたのは、そのスキルのレベルが高すぎたかららしい。 スキルと自分を取り戻したディディアは、婚約者を追いかけまわすのを辞め、自立に向けて淡々と準備をする。 もちろん元婚約者と従兄弟には近付かないので、絡んでこないでいただけます? 十万文字程度。 3/7 完結しました! ※主人公:マイペース美人受け ※女性向けHOTランキング1位、ありがとうございました。完結までの12日間に渡り、ほとんど2〜5位と食い込めた作品となりました!あああありがとうございます……!。゚(゚´Д`゚)゚。 たくさんの閲覧、イイね、エール、感想は、作者の血肉になります……!(o´ω`o)ありがとうございます!(●′ω`人′ω`●)

超絶美形な悪役として生まれ変わりました

みるきぃ
BL
転生したのは人気アニメの序盤で消える超絶美形の悪役でした。

転生したようだけど?流れに身を任せていたら悪役令息?として断罪されていた――分からないまま生きる。

星乃シキ
BL
発作の後に目覚めたら、公爵家嫡男の身体だった。 前世の記憶だけを抱えたまま生きるレイは、ある夜、男の聖女への嫌がらせの罪で断罪される。 だが図書室の記録が冤罪を覆す。 そしてレイは知る。 聖女ディーンの本当の名はアキラ。 同じ日本から来た存在だった。 帰りたい聖女と、この身体で生きるレイ。 秘密を共有した二人は、友達になる。 人との関わりを避けてきたレイの人間関係が、少しずつ動き始める。

美少年に転生したらヤンデレ婚約者が出来ました

SEKISUI
BL
 ブラック企業に勤めていたOLが寝てそのまま永眠したら美少年に転生していた  見た目は勝ち組  中身は社畜  斜めな思考の持ち主  なのでもう働くのは嫌なので怠惰に生きようと思う  そんな主人公はやばい公爵令息に目を付けられて翻弄される    

悪役令息上等です。悪の華は可憐に咲き誇る

竜鳴躍
BL
異性間でも子どもが産まれにくくなった世界。 子どもは魔法の力を借りて同性間でも産めるようになったため、性別に関係なく結婚するようになった世界。 ファーマ王国のアレン=ファーメット公爵令息は、白銀に近い髪に真っ赤な瞳、真っ白な肌を持つ。 神秘的で美しい姿に王子に見初められた彼は公爵家の長男でありながら唯一の王子の婚約者に選ばれてしまった。どこに行くにも欠かせない大きな日傘。日に焼けると爛れてしまいかねない皮膚。 公爵家は両親とも黒髪黒目であるが、彼一人が色が違う。 それは彼が全てアルビノだったからなのに、成長した教養のない王子は、アレンを魔女扱いした上、聖女らしき男爵令嬢に現を抜かして婚約破棄の上スラム街に追放してしまう。 だが、王子は知らない。 アレンにも王位継承権があることを。 従者を一人連れてスラムに行ったアレンは、イケメンでスパダリな従者に溺愛されながらスラムを改革していって……!? *誤字報告ありがとうございます! *カエサル=プレート 修正しました。