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幼少期編
悲しき殿下とやべー女(男)3
しおりを挟むよく考えれば、この国の第一王子が観劇街にお忍びで遊びに来ているなんて、普通なら想像付かないのかもしれない
暗い色合いの帽子を目深に被り、服は庶民的な物を着ているアルフレッド殿下は、見た目だけなら街の商家のお坊ちゃんと従者にも見える…そんな格好でこれが普通とでも言うように平然と観劇街を歩く、その姿に誰も振り向く事も、気にする様子も無いのだから、隠れるの上手いなぁと屋台から見て感じた
しかし、それは一般論
おれサイドから見える、このイケメンな攻略対象を表すような溢れ出るオーラというか?イケメンの卵って気配と言うんだろうか?
まぁ、ぶっちゃけるとスチルで見たまんまの衣装と雰囲気を前に、これから展開される乙女ゲームのワンシーンを強く思い出し…
お前が悲しみを乗り越えてちょっと激重美形に昇格して将来的に、キャラクター投票で1位取るくらいのイケメン攻略対象に成長する事は分かってるんだよこっちはな………!!と、心の中ではハンターな気持ちになっていた
「魔物の毒を抜いたばかりで凄く新鮮なお肉ですよー!早業毒抜き技法な魔物の肉!ここでしか食べれないですよー!味見に一本いかがですかー!」
とりあえず今はストーリーに基づく流れをぶった切るのが先決!自分の目的を遂行する事に集中しようと、可愛い声を頑張って出すおれ
第一王子来てるじゃん!とバラしてしまう手もあるが、その場合嫌な方向に展開が進みそうな予感が何故かする為、この作戦を成功させるべく周辺の客に向けて視線を送るイメージで声掛けし、アルフレッド殿下達がこの店を視界入れるよう促す…
普通の客には物珍しいと映るが、暗殺を目論むあの従者が聞けば印象が変わるように…おれたちの屋台から毒を仕込む食べ物を購入する様に、敢えて「毒」ってワードを強く押し出して行くのがポイントだ
乙女ゲームのシナリオ上では、アルフレッド殿下が食べる物は、ヒロイン視点の会話で何を選ぶかで変わっていた
だが、今回はおれの強制力から抜け出した異常行動により、ゲームのような会話が無いため、何を選ぶのかわからない
だとすれば、毒を仕込みやすく、自分が暗殺者としてバレないような物を選ぶ筈!!!
沢山ある屋台の中材料の段階で確実に毒があって、それを毒抜きして提供している屋台があったらさ?ついつい寄っちゃうだろ?元々毒が抜けきってなかった!とか言い訳できちゃうんだぜ?
更には騎士団長達がオススメしてる逸品って銘打ってたらさ?国に謀反を働こうとしてたのか!?って言い訳を得るために暗殺の隠れ蓑として優秀だって選んじゃうだろ??
そういう展開を用意してやってんだよ!!!
ふふっ…………さぁ!罠に掛かってこい!顔だけは乙女ゲームなレベルでいい暗殺ミッション持ってる従者くん!!
名前、乙女ゲームでは従者とかどうしてお前がとかって呼ばれてたし、その場で拘束されて投獄されましたって表記だったから知らんけど!
けどスチルで見た顔だけはしっかりと覚えてるし、お前がアルフレッド殿下の心を壊すって知ってるんだこっちはな!!!無駄にイケメンなモブだなーって愛里が言ってたの覚えてんだよ!!
直ぐにでもこいつ毒持ってます!と、言いたくなる気持ちに蓋をして可愛い♡営業スマイルを必死に保ち、アルフレッド殿下と従者が早く釣れる事を祈りつつ、風魔法で美味しく焼き上げた肉の香りを前方に送風していると……………
「おや………………我が君、普段見かけない珍しい屋台があります
今日はあの屋台の料理で食事はいかがですか?」
「……………が選んでくれるならそれでいい…
ごめんないつも俺の為に時間作ってくれて…」
「いいんですよ、アルフが少しでも心穏やかに過ごせれば…ちょっと空き始めてますし、買いに行きましょうか?」
とかなんとか…ライからの報告で、そんな会話が聞こえると言われた直後、魔物肉の焼串店にターゲットが近付いて来た
同い年の筈だけど、おれよりも背の高いちょっと大人びた雰囲気のアルフレッド殿下と、名もなきイケメンモブ従者…が
ようこそ、おれの健全な未来の為にある意味犠牲になってくれ…!!!悪いようにはしないから!!!
丁度屋台の列が途切れ、直ぐに買うことが出来る状況で…………従者とアルフレッド殿下が並んで店先に現れ、普通に注文し商品を受け取るのをしっかりと見届ける
そして2人が食べるための席を探しにある程度離れた所で、「あのお客様忘れ物してる!」と、声を出しライやマリンに店番を任せてその場を離れた
まるで自然に、すっごく自然な感じでアルフレッド殿下と従者を追いかけ、人目に着きにくい路地裏の休憩スペースを選び、その場で休もうとされる二人に気配を消して近づく…………
斜め後ろからじっと従者の手元を観察し、魔物の焼串を毒見するタイミング…アルフレッド殿下に提供する部分に毒を振りかけようとする瞬間を狙って、自分史上最高に可愛い笑顔を意識しつつ、従者の男の手首を掴み上げた
「ねぇ、お兄さん?今バレないように振りかけようとしたその毒、本気でおれが作った料理に掛けるの?おれの料理した大切なタンパク質をゴミにするつもり???
絶対、そんな事させないから…………!!!」
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