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24 侍従と王子
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本物のフレデリックと会ってから半月後、フィリアは久し振りにクリフォードと会う事が出来た。
今日のお茶会はいつもと違い、伯爵邸にクリフォードを呼ぶ事になっている。
フィリアは庭にテーブルと椅子を設置してもらい、黄色い小花模様のテーブルクロスを掛けて、青いデルフィニウムの花を飾った。
「お嬢様、第二王子殿下がお見えになられました」
(あら、少し早くお見えになられたのね)
フィリアは玄関へクリフォードを迎えに行くために急いだ。
玄関には既にクリフォードがいて、伯爵と何かを話している。
クリフォードはフィリアを見つけると笑顔を浮かべて、黄色い花に青いリボンが結ばれた花束を渡した。
「綺麗ですごく良い香りがします。ありがとうございます。この間お会いした時はお聞き出来なかったのですが、先日父がクリフ様が左腕に怪我をされていらしたと聞きました。お怪我の具合は大丈夫でしょうか」
クリフォードはフィリアだけに聞こえるように耳元で囁く。
「俺の事を心配してくれてありがとう。あの傷は自分で付けたものだから大丈夫だよ。俺は誘拐された事になっていたから、自分で手足を縛った時に、少し怪我をしていた方が説得力があると思って、浅めに傷を付けたんだ」
驚きの表情を浮かべるフィリアに対して、クリフォードは何事も無かったかのように微笑む。
「フィリア、この間の花柄のドレスも可愛かったけれど、今日のワンピースも良く似合っているね」
今日のフィリアは白色から青い色へとグラデーションに染められたワンピースを着ている。胸の切り替えまでは白いが切り替えからすそにかけて青が濃くなっていく色合いだった。
フィリアはクリフォードを見上げる。まだクリフォードの背の高さに慣れなくて、見上げるだけで恥ずかしくなってしまう。
「どうしたの?」
「いえ、背の高いクリフォード様に慣れなくて」
「はははっ、それじゃあ次に会う時は車椅子に座っていようか?」
「いえ、いいのです。それにとても……素敵ですっ」
フィリアは真っ赤になってしまった顔を花束で隠す。
「もしかしてフィリアって背の高い男性が好きだったの?知っていたら、フィリアにだけは車椅子に座っていない俺を見せてたのにな」
フィリアが初めてクリフォードを間近で見たのは、内宮の廊下を歩いている時だった。クリフォードは王太子の扮装をしていた。
あの時は精悍でありながも、優しさが感じられるクリフォードに恋心を抱きかけ、それを見ないようにした。
(やっぱりクリフォード様はどのようなお姿をされていても素敵だわ)
「……まさか、フィリアはイーサンの事も気に入ってないよね?身長も同じくらいだし、あいつとは血の繋がりがあるから、俺に少し似てるでしょう」
「いえ確かにそう言われると、イーサンはクリフ様に似ていますが……え、まさか?」
フィリアの中で、シャツとスラックス姿のイーサンが浮かんだ。あの時クリフォードは王太子のフリをして内宮にいた。
では、離宮にいるはずのクリフォードに来客があった場合の対策も必要なはず。
「今日はね、そういう事も話そうかなあって思って来たんだ」
そう言ってクリフォードは微笑んだ。
フィリアとクリフォードは庭に置かれた円形のテーブルを挟んで座る。お茶とお菓子を並べてくれたメイドたちは下がらせた。
「婚約者として二人だけで話すのは初めてだね」
クリフォードはそう言ってクスリと笑う。敢えて婚約者という言葉を使ったのは、ダンスを踊った時にフレデリックとして二人で会話をしたからだろう。
離宮でのお茶会は、会話を二人でしていても、常に使用人の誰かが側に控えていた。側にいるのでもちろん会話も聞かれている。
今のように人払いをして、クリフォードと二人きりで話すのは初めてだった。
クリフォードはテーブルの上で節のある長い指を組む。
「何から話そうかな。この間一緒に兄と会った時に思ったんだ。次にフィリアに会った時は俺の事を話したいって。フィリアも色々気付いていて、俺の立場とか気にして聞かなかったんだよね。俺の話せる範囲でだけど、フィリアの知りたい事を教えて」
フィリアは頭の中で考えを巡らす。先ずは一番話しやすそうな事から聞いてみることにした。
「イーサンはただの侍従ではないですよね。先日クリフ様のいらっしゃらない離宮へ行った時に、イーサンがシャツとスラックス姿でいたのですが、あれはクリフ様のお召し物ですよね」
フィリアはあの時のイーサンの服装に引っ掛かりを感じていた。
シャツとスラックスは決して珍しい格好ではない。非番のイーサンが着ていてもおかしくはないのだが、イーサンの私服としてはあの時着ていたのでものは生地が良すぎたのだ。
「簡単に言うとね。俺が兄上のスペアならば、イーサンは俺のスペアとして俺のフリをしてくれているんだ。滅多に無いのだけど、俺に来客がある事もあるからね。体調を理由に断るのだけど、それでも断り切れない時はイーサンに俺として対応をしてもらってる」
この入れ替わりはクリフォード側の負担が大きい事をフィリアは改めて感じた。父が言うように、クリフォードは王太子側に良いように使われているという言葉は当たっている。
「先ほどクリフ様はイーサンと血縁関係にあるとおっしゃいましたが、どのようなご関係なのでしょうか?それに血縁関係だけであれほど気安い関係になれるのでしょうか?」
クリフォードとイーサンの間には絶対的な信頼関係があるとフィリアは感じていた。
イーサンが主人であるクリフォードに対して、侍従としては気安すぎる態度を見せても、クリフォードが咎める事はほとんどない。
イーサンの妹であり、同じ立場のアンナは、クリフォードに親しい態度を見せても、一定の距離を取っていて、主従関係を絶対に崩さない。おそらくこれが正しい在り方だ。
子爵令息でしかないイーサンが王子のクリフォードに過ぎだ軽口を叩くのはフィリアには異質に見えていた。
上下関係よりも横の繋がり、騎士でもないのに仲間のような意識が強いとフィリアは二人から感じていた。
「まず、俺と兄上、イーサンとアンナはお互いの母親同士が姉妹なんだ。俺もイーサンも母親に似たから、俺達も似ている。それとイーサンが俺に対して気安いのは、幼い頃は乳兄弟として一緒に過ごす時間も長かったし、二人でしばらく一緒に過ごしていた時期もあったからからなんだ」
二人で一緒に過ごしていたというのは王都以外の離宮でという事だろうか?少し引っ掛かる言い方だった。
「イーサンが一緒にいてくれて、俺を守ってくれたからあの場所でも何とかやってこれた。ギリギリの環境で、身分なんてどうでも良くなっていたし、年上であいつの方が能力が高かったから、あの頃は今とは違って、兄と弟のような関係だったんだ」
クリフォードがティーカップを手にする。柔らかい風が吹いて微かな柑橘系の香りを運んでくれる。
「何年か経って、イーサンが正式に俺の侍従として来た時に、俺は家族が戻ってきたと思って嬉しかったのに、完璧な侍従の対応をされかたから、頭にきて本気で蹴飛ばしたらあいつ、避けなかったんだ。いつもだったら絶対に止めるか避けるかしていたのに。それが辛くて引き籠もっていたら、あいつの方が折れて、昔と同じは無理だけど、ふてぶてしい侍従にならなれると言うから、俺もあいつの主人になる事にしたんだ」
当時の事を思い出しながら話しているせいか、クリフォードの口調が少し幼くフィリアには感じられた。
(イーサンにとってのクリフ様は、手のかかる弟のような存在かもしれないわね)
「以前アンナがクリフ様は特別な環境でお育ちになられたと聞きました。その時にイーサンも一緒にいたのでしょうか」
「うん、そう。あの頃の俺たちの事はアンナは詳しく知らないし、俺達も話さない。フィリアは俺たちがどんなところにいたと思う?」
クリフォードが一口お茶を飲みながら、フィリアを観察するように、青い瞳で静かに見つめる。
「私はクリフ様は市井で暮らされた時期があったのではと思っています」
フィリアは確信を持ってそう答えた。
今日のお茶会はいつもと違い、伯爵邸にクリフォードを呼ぶ事になっている。
フィリアは庭にテーブルと椅子を設置してもらい、黄色い小花模様のテーブルクロスを掛けて、青いデルフィニウムの花を飾った。
「お嬢様、第二王子殿下がお見えになられました」
(あら、少し早くお見えになられたのね)
フィリアは玄関へクリフォードを迎えに行くために急いだ。
玄関には既にクリフォードがいて、伯爵と何かを話している。
クリフォードはフィリアを見つけると笑顔を浮かべて、黄色い花に青いリボンが結ばれた花束を渡した。
「綺麗ですごく良い香りがします。ありがとうございます。この間お会いした時はお聞き出来なかったのですが、先日父がクリフ様が左腕に怪我をされていらしたと聞きました。お怪我の具合は大丈夫でしょうか」
クリフォードはフィリアだけに聞こえるように耳元で囁く。
「俺の事を心配してくれてありがとう。あの傷は自分で付けたものだから大丈夫だよ。俺は誘拐された事になっていたから、自分で手足を縛った時に、少し怪我をしていた方が説得力があると思って、浅めに傷を付けたんだ」
驚きの表情を浮かべるフィリアに対して、クリフォードは何事も無かったかのように微笑む。
「フィリア、この間の花柄のドレスも可愛かったけれど、今日のワンピースも良く似合っているね」
今日のフィリアは白色から青い色へとグラデーションに染められたワンピースを着ている。胸の切り替えまでは白いが切り替えからすそにかけて青が濃くなっていく色合いだった。
フィリアはクリフォードを見上げる。まだクリフォードの背の高さに慣れなくて、見上げるだけで恥ずかしくなってしまう。
「どうしたの?」
「いえ、背の高いクリフォード様に慣れなくて」
「はははっ、それじゃあ次に会う時は車椅子に座っていようか?」
「いえ、いいのです。それにとても……素敵ですっ」
フィリアは真っ赤になってしまった顔を花束で隠す。
「もしかしてフィリアって背の高い男性が好きだったの?知っていたら、フィリアにだけは車椅子に座っていない俺を見せてたのにな」
フィリアが初めてクリフォードを間近で見たのは、内宮の廊下を歩いている時だった。クリフォードは王太子の扮装をしていた。
あの時は精悍でありながも、優しさが感じられるクリフォードに恋心を抱きかけ、それを見ないようにした。
(やっぱりクリフォード様はどのようなお姿をされていても素敵だわ)
「……まさか、フィリアはイーサンの事も気に入ってないよね?身長も同じくらいだし、あいつとは血の繋がりがあるから、俺に少し似てるでしょう」
「いえ確かにそう言われると、イーサンはクリフ様に似ていますが……え、まさか?」
フィリアの中で、シャツとスラックス姿のイーサンが浮かんだ。あの時クリフォードは王太子のフリをして内宮にいた。
では、離宮にいるはずのクリフォードに来客があった場合の対策も必要なはず。
「今日はね、そういう事も話そうかなあって思って来たんだ」
そう言ってクリフォードは微笑んだ。
フィリアとクリフォードは庭に置かれた円形のテーブルを挟んで座る。お茶とお菓子を並べてくれたメイドたちは下がらせた。
「婚約者として二人だけで話すのは初めてだね」
クリフォードはそう言ってクスリと笑う。敢えて婚約者という言葉を使ったのは、ダンスを踊った時にフレデリックとして二人で会話をしたからだろう。
離宮でのお茶会は、会話を二人でしていても、常に使用人の誰かが側に控えていた。側にいるのでもちろん会話も聞かれている。
今のように人払いをして、クリフォードと二人きりで話すのは初めてだった。
クリフォードはテーブルの上で節のある長い指を組む。
「何から話そうかな。この間一緒に兄と会った時に思ったんだ。次にフィリアに会った時は俺の事を話したいって。フィリアも色々気付いていて、俺の立場とか気にして聞かなかったんだよね。俺の話せる範囲でだけど、フィリアの知りたい事を教えて」
フィリアは頭の中で考えを巡らす。先ずは一番話しやすそうな事から聞いてみることにした。
「イーサンはただの侍従ではないですよね。先日クリフ様のいらっしゃらない離宮へ行った時に、イーサンがシャツとスラックス姿でいたのですが、あれはクリフ様のお召し物ですよね」
フィリアはあの時のイーサンの服装に引っ掛かりを感じていた。
シャツとスラックスは決して珍しい格好ではない。非番のイーサンが着ていてもおかしくはないのだが、イーサンの私服としてはあの時着ていたのでものは生地が良すぎたのだ。
「簡単に言うとね。俺が兄上のスペアならば、イーサンは俺のスペアとして俺のフリをしてくれているんだ。滅多に無いのだけど、俺に来客がある事もあるからね。体調を理由に断るのだけど、それでも断り切れない時はイーサンに俺として対応をしてもらってる」
この入れ替わりはクリフォード側の負担が大きい事をフィリアは改めて感じた。父が言うように、クリフォードは王太子側に良いように使われているという言葉は当たっている。
「先ほどクリフ様はイーサンと血縁関係にあるとおっしゃいましたが、どのようなご関係なのでしょうか?それに血縁関係だけであれほど気安い関係になれるのでしょうか?」
クリフォードとイーサンの間には絶対的な信頼関係があるとフィリアは感じていた。
イーサンが主人であるクリフォードに対して、侍従としては気安すぎる態度を見せても、クリフォードが咎める事はほとんどない。
イーサンの妹であり、同じ立場のアンナは、クリフォードに親しい態度を見せても、一定の距離を取っていて、主従関係を絶対に崩さない。おそらくこれが正しい在り方だ。
子爵令息でしかないイーサンが王子のクリフォードに過ぎだ軽口を叩くのはフィリアには異質に見えていた。
上下関係よりも横の繋がり、騎士でもないのに仲間のような意識が強いとフィリアは二人から感じていた。
「まず、俺と兄上、イーサンとアンナはお互いの母親同士が姉妹なんだ。俺もイーサンも母親に似たから、俺達も似ている。それとイーサンが俺に対して気安いのは、幼い頃は乳兄弟として一緒に過ごす時間も長かったし、二人でしばらく一緒に過ごしていた時期もあったからからなんだ」
二人で一緒に過ごしていたというのは王都以外の離宮でという事だろうか?少し引っ掛かる言い方だった。
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クリフォードがティーカップを手にする。柔らかい風が吹いて微かな柑橘系の香りを運んでくれる。
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当時の事を思い出しながら話しているせいか、クリフォードの口調が少し幼くフィリアには感じられた。
(イーサンにとってのクリフ様は、手のかかる弟のような存在かもしれないわね)
「以前アンナがクリフ様は特別な環境でお育ちになられたと聞きました。その時にイーサンも一緒にいたのでしょうか」
「うん、そう。あの頃の俺たちの事はアンナは詳しく知らないし、俺達も話さない。フィリアは俺たちがどんなところにいたと思う?」
クリフォードが一口お茶を飲みながら、フィリアを観察するように、青い瞳で静かに見つめる。
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