27 / 70
27 真実の愛の便乗品
【ヘンリックside】
「ヘンリック様、実は私、欲しい本がありますの」
「本?マリーナが本を欲しがるなんて珍しいな。せっかくだから買えばいい」
「ありがとうございます!実はヘンリック様がそう言って下さると思って買ってしました!」
そう言ってマリーナは背に隠していた皮張りのしっかりした装丁の本をヘンリックの目の前に出す。
本の題名は「真実の愛」と書かれていて、赤茶色の皮張りの表紙には半球状に丸く磨かれた青色と緑色の小さな宝石が2つ埋め込まれていて、タイトルの文字を飾っていた。
「詩集か?本に宝石が埋め込まれているなんて珍しいな」
「いいえ、こちらには私とヘンリック様のことが書かれていますの」
マリーナはいささか照れた様子を見せて、本で自分の顔を隠す。
「どういう事だ?本を見せてみろ」
そう言ってヘンリックはマリーナからずっしりと厚い書籍を受け取るとパラパラとページを捲り始める。
皮の表紙の次のページには、木版画で刷られた中表紙だった。彩色もしてあり、タイトルの飾り文字の図案も皮の表紙よりも令嬢が好みそうな装飾性が強いもので、マリーナが気に入ったのも分かる気がした。
中表紙のタイトルの下には異国の服を来た男女の絵が精密に描かれていた。異国といってもランゲル人にとってであって、ヘンリックはそれがエルランド風の衣服だとすぐに気付いた。
イラストが美しかったので、ヘンリックは最初画集かと思ったのだが、ページをめくると文字がぎっしりと書かれており、その本が画集ではなく読み物だと分かった。
こんな見た事も無い本にどのような事が書かれているのかが気になったヘンリックは、本の内容を知るためにパラパラとページを捲りざっと目を通す。
本の始まりは『昔々、どこかの南の国での物語』と書かれてある。小説のようだが自分たちの事が書かれているというのはどういう事だろうか。もしも自分やマリーナを批判するような内容だったらすぐに発禁処分にしないといけない。
物語の内容はどこかの国の王子とその国の子爵令嬢との恋愛物語だった。王子と子爵令嬢が夜会で運命的な出会いを果たすが、王子には侯爵家令嬢の婚約者がいる。二人は悩みながらも秘密裏に愛を育むがやがて二人の関係は侯爵令嬢に知られてしまう事となる。
しかし、二人の深い絆を知った侯爵令嬢は2人こそ真実の愛で結ばれるべき運命の恋人同士だと2人の恋を応援し、添わせるために国王を説得し始める。
王子と侯爵令嬢は国の利益に繋がる政略結婚なので、国王はなかなか首を縦に振らないが、侯爵令嬢は熱心に国王を説得しようとする。
そんな時に先代の国王の治世から小競り合いの多かった隣国から書簡が届き、国と国の同盟を結ぶ為の政略結婚を持ちかけられる。
国王には王女がいなかったが、書簡の内容を父親から聞かされた侯爵令嬢は、自分にも王家の血が入っているからと、自ら隣国に嫁ぐと申し出るのだった。
侯爵令嬢の献身に心を打たれた国王は王子と子爵令嬢の婚姻を認め、子爵令嬢はその国の王妃として王子と共に末長く国を治めていくのだった―――。
「なんだ、この内容は?それに挿絵がやたらと多いな」
この小説は各章ごとに表紙があり、中表紙のように彩色はされていなかったが、とても美しいイラストだった。ランゲルではあまり見ない絵柄なのが、更にに読み手の心を惹きつけるのだろう。
「ここに登場する王子と子爵令嬢はまるで私とヘンリック様のようではないかと令嬢たちが噂をしていますのよ」
マリーナは本を抱きしめながら嬉しそうにヘンリックに話す。
マリーナとの婚約の経緯を支持されるように、ヘンリックは王都の劇場で王子と伯爵令嬢の恋愛を題材にした演劇をいくつか上演させた。それにヴィルタ家では歌を作らせて王都や近隣の街の酒場で歌わせるようにしたと聞いた。
どちらも共通しているのが二人の関係は真実の愛として結ばれたもので、劇では王子の元の婚約者は実は魔女だったという設定のものと、元婚約者は人間だが性格がとても悪いという役どころにしていた。
歌の方はただ王子と伯爵令嬢の恋を応援して称える歌詞で王子の婚約者については一切触れない内容だった。
この本も内容は王子と子爵令嬢は真実の愛というのは劇と歌とも共通しているが、元婚約者の侯爵令嬢は2人の愛を支えるという物語になっている。
小説といえば冒険物の方が好きなヘンリックにとっては好みの本ではなかったので、物語としては全く面白くはなかったが、この内容なら王家もヴィルタも文句を言うところは無い。劇や歌に便乗して売れる事を目的として書かれたものだろうが、ヘンリックは一応この本の出所を確かめるように側近に指示を出した。
◆◆◆
数日後、側近より上げられた報告書を読んだヘンリックは眉を顰める。
「あの小説はオルコット商会が作っていたのか」
オルコット商会といえば、ヘンリックにとってはすっかり記憶の隅に追いやっていた元婚約者の嫁ぎ先だった。
調べたところによると、あの小説はヘンリックが本の存在を知るより数カ月も前から出回るようになったらしく、最初はオルコット領で作られたと思われる麻紙に書かれた文字だけの小説だったらしい。
紙で書かれた小説は平民の商家の嫁や娘から低位貴族へと読まれるようになり、ある程度知られるようになってから、あの皮張りの豪華な装丁の本が高位貴族向けに売られるようになったと報告書には書いてあった。
「ローゼリアは何か企んでいるのか?」
ヘンリックはフォレスター家を罠にかけて婚約破棄に持ち込んだ。彼らに恨まれている可能性が高い事を思うと次に待っているのは何かしらの報復だろう。
報告書を作成した者もその点を気にしていたようだが、今のところオルコットに不信な動きは無いと書かれてあった。
あの小説に登場する侯爵令嬢は二人の恋を応援し、祝福するという人物設定になっている。王子の元婚約者が善人として描かれているあの小説を出す事はローゼリアにプラスに働く。
今は伯爵夫人に収まっている彼女はもうすぐ始まる次のシーズンには社交界に復帰するだろう。なのでそれまでに自身のイメージアップを狙っているのかもしれない。
「ヘンリック様、実は私、欲しい本がありますの」
「本?マリーナが本を欲しがるなんて珍しいな。せっかくだから買えばいい」
「ありがとうございます!実はヘンリック様がそう言って下さると思って買ってしました!」
そう言ってマリーナは背に隠していた皮張りのしっかりした装丁の本をヘンリックの目の前に出す。
本の題名は「真実の愛」と書かれていて、赤茶色の皮張りの表紙には半球状に丸く磨かれた青色と緑色の小さな宝石が2つ埋め込まれていて、タイトルの文字を飾っていた。
「詩集か?本に宝石が埋め込まれているなんて珍しいな」
「いいえ、こちらには私とヘンリック様のことが書かれていますの」
マリーナはいささか照れた様子を見せて、本で自分の顔を隠す。
「どういう事だ?本を見せてみろ」
そう言ってヘンリックはマリーナからずっしりと厚い書籍を受け取るとパラパラとページを捲り始める。
皮の表紙の次のページには、木版画で刷られた中表紙だった。彩色もしてあり、タイトルの飾り文字の図案も皮の表紙よりも令嬢が好みそうな装飾性が強いもので、マリーナが気に入ったのも分かる気がした。
中表紙のタイトルの下には異国の服を来た男女の絵が精密に描かれていた。異国といってもランゲル人にとってであって、ヘンリックはそれがエルランド風の衣服だとすぐに気付いた。
イラストが美しかったので、ヘンリックは最初画集かと思ったのだが、ページをめくると文字がぎっしりと書かれており、その本が画集ではなく読み物だと分かった。
こんな見た事も無い本にどのような事が書かれているのかが気になったヘンリックは、本の内容を知るためにパラパラとページを捲りざっと目を通す。
本の始まりは『昔々、どこかの南の国での物語』と書かれてある。小説のようだが自分たちの事が書かれているというのはどういう事だろうか。もしも自分やマリーナを批判するような内容だったらすぐに発禁処分にしないといけない。
物語の内容はどこかの国の王子とその国の子爵令嬢との恋愛物語だった。王子と子爵令嬢が夜会で運命的な出会いを果たすが、王子には侯爵家令嬢の婚約者がいる。二人は悩みながらも秘密裏に愛を育むがやがて二人の関係は侯爵令嬢に知られてしまう事となる。
しかし、二人の深い絆を知った侯爵令嬢は2人こそ真実の愛で結ばれるべき運命の恋人同士だと2人の恋を応援し、添わせるために国王を説得し始める。
王子と侯爵令嬢は国の利益に繋がる政略結婚なので、国王はなかなか首を縦に振らないが、侯爵令嬢は熱心に国王を説得しようとする。
そんな時に先代の国王の治世から小競り合いの多かった隣国から書簡が届き、国と国の同盟を結ぶ為の政略結婚を持ちかけられる。
国王には王女がいなかったが、書簡の内容を父親から聞かされた侯爵令嬢は、自分にも王家の血が入っているからと、自ら隣国に嫁ぐと申し出るのだった。
侯爵令嬢の献身に心を打たれた国王は王子と子爵令嬢の婚姻を認め、子爵令嬢はその国の王妃として王子と共に末長く国を治めていくのだった―――。
「なんだ、この内容は?それに挿絵がやたらと多いな」
この小説は各章ごとに表紙があり、中表紙のように彩色はされていなかったが、とても美しいイラストだった。ランゲルではあまり見ない絵柄なのが、更にに読み手の心を惹きつけるのだろう。
「ここに登場する王子と子爵令嬢はまるで私とヘンリック様のようではないかと令嬢たちが噂をしていますのよ」
マリーナは本を抱きしめながら嬉しそうにヘンリックに話す。
マリーナとの婚約の経緯を支持されるように、ヘンリックは王都の劇場で王子と伯爵令嬢の恋愛を題材にした演劇をいくつか上演させた。それにヴィルタ家では歌を作らせて王都や近隣の街の酒場で歌わせるようにしたと聞いた。
どちらも共通しているのが二人の関係は真実の愛として結ばれたもので、劇では王子の元の婚約者は実は魔女だったという設定のものと、元婚約者は人間だが性格がとても悪いという役どころにしていた。
歌の方はただ王子と伯爵令嬢の恋を応援して称える歌詞で王子の婚約者については一切触れない内容だった。
この本も内容は王子と子爵令嬢は真実の愛というのは劇と歌とも共通しているが、元婚約者の侯爵令嬢は2人の愛を支えるという物語になっている。
小説といえば冒険物の方が好きなヘンリックにとっては好みの本ではなかったので、物語としては全く面白くはなかったが、この内容なら王家もヴィルタも文句を言うところは無い。劇や歌に便乗して売れる事を目的として書かれたものだろうが、ヘンリックは一応この本の出所を確かめるように側近に指示を出した。
◆◆◆
数日後、側近より上げられた報告書を読んだヘンリックは眉を顰める。
「あの小説はオルコット商会が作っていたのか」
オルコット商会といえば、ヘンリックにとってはすっかり記憶の隅に追いやっていた元婚約者の嫁ぎ先だった。
調べたところによると、あの小説はヘンリックが本の存在を知るより数カ月も前から出回るようになったらしく、最初はオルコット領で作られたと思われる麻紙に書かれた文字だけの小説だったらしい。
紙で書かれた小説は平民の商家の嫁や娘から低位貴族へと読まれるようになり、ある程度知られるようになってから、あの皮張りの豪華な装丁の本が高位貴族向けに売られるようになったと報告書には書いてあった。
「ローゼリアは何か企んでいるのか?」
ヘンリックはフォレスター家を罠にかけて婚約破棄に持ち込んだ。彼らに恨まれている可能性が高い事を思うと次に待っているのは何かしらの報復だろう。
報告書を作成した者もその点を気にしていたようだが、今のところオルコットに不信な動きは無いと書かれてあった。
あの小説に登場する侯爵令嬢は二人の恋を応援し、祝福するという人物設定になっている。王子の元婚約者が善人として描かれているあの小説を出す事はローゼリアにプラスに働く。
今は伯爵夫人に収まっている彼女はもうすぐ始まる次のシーズンには社交界に復帰するだろう。なのでそれまでに自身のイメージアップを狙っているのかもしれない。
あなたにおすすめの小説
処刑台の皇妃、回帰して復讐を誓う ~冷酷公爵と偽りの婚約者~ おまえたちは許さない!
秦江湖
ファンタジー
皇妃エリアーナは、夫である皇帝アランと、たった一人の親友イザベラの策略により、無実の罪で処刑される。
民衆に罵られ、アランの冷酷な目とイザベラの嘲笑を「始まりの景色」として目に焼き付けながら絶命した彼女は、しかし、処刑の記憶を持ったまま三年前の過去に回帰する。
「おまえたちは許さない」
二度目の人生。
エリアーナの目的はただ一つ、自分を陥れた二人への完璧な復讐。
彼女はまず、アラン(皇太子)からの婚約内示を拒絶。そして、アラン最大の政敵である「北の冷血公爵」ルシアン・ヴァレリウスに接触する。
1周目で得た「未来の知識」を対価に、エリアーナはルシアンに持ちかける。
「貴方様には帝国の覇権を。わたくしには復讐の舞台を。そのための『契約婚約』を――」
憎悪を糧に生きる皇妃と、氷の瞳を持つ公爵。
二人の偽りの婚約の行く末は……
「私に愛まで望むとは、強欲な女め」と罵られたレオノール妃の白い結婚
きぬがやあきら
恋愛
「私に愛まで望むな。褒賞に王子を求めておいて、強欲が過ぎると言っている」
新婚初夜に訪れた寝室で、レオノールはクラウディオ王子に白い結婚を宣言される。
それもそのはず。
2人の間に愛はないーーどころか、この結婚はレオノールが魔王討伐の褒美にと国王に要求したものだった。
でも、王子を望んだレオノールにもそれなりの理由がある。
美しく気高いクラウディオ王子を欲しいと願った気持ちは本物だ。
だからいくら冷遇されようが、嫌がらせを受けようが心は揺るがない。
どこまでも逞しく、軽薄そうでいて賢い。どこか憎めない魅力を持ったレオノールに、やがてクラウディオの心は……。
すれ違い、拗れる2人に愛は生まれるのか?
焦ったい恋と陰謀+バトルのラブファンタジー。
侯爵家の婚約者
やまだごんた
恋愛
侯爵家の嫡男カインは、自分を見向きもしない母に、なんとか認められようと努力を続ける。
7歳の誕生日を王宮で祝ってもらっていたが、自分以外の子供を可愛がる母の姿をみて、魔力を暴走させる。
その場の全員が死を覚悟したその時、1人の少女ジルダがカインの魔力を吸収して救ってくれた。
カインが魔力を暴走させないよう、王はカインとジルダを婚約させ、定期的な魔力吸収を命じる。
家族から冷たくされていたジルダに、カインは母から愛されない自分の寂しさを重ね、よき婚約者になろうと努力する。
だが、母が死に際に枕元にジルダを呼んだのを知り、ジルダもまた自分を裏切ったのだと絶望する。
17歳になった2人は、翌年の結婚を控えていたが、関係は歪なままだった。
そんな中、カインは仕事中に魔獣に攻撃され、死にかけていたところを救ってくれたイレリアという美しい少女と出会い、心を通わせていく。
全86話+番外編の予定
『「ママは我慢してればいいんでしょ?」と娘に言われた日、私は妻をやめた』~我慢をやめた母と、崩れていく家族、そして再生~
まさき
恋愛
私はずっと「いい妻」でいようとしてきた。
夫に逆らわず、空気を読み、波風を立てないように生きる。
それが、この家を守る唯一の方法だと思っていた。
娘にも、そうであってほしかった。
けれど──
その願いは、静かに歪んでいく。
夫の言葉をなぞるように、娘は私を軽んじるようになった。
そしてある日、夕食の後片付けをしていた私に、娘は言った。
「ママはさ、我慢してればいいんでしょ?」
その一言で、何かが壊れた。
我慢することが、母である証だと思っていた。
だがそれは、私自身をすり減らすだけの“呪い”だった。
──もう、我慢するのはやめる。
妻であることをやめ、母として生き直すために。
私は、自分の人生を取り戻す決意をした。
その選択は、家族を大きく揺るがしていく。
崩れていく夫婦関係。
離れていく娘の心。
そして、待ち受ける“ざまぁ”の行方。
それでも私は問い続ける。
母とは何か。
家族とは何か。
そして──私は、どう生きるべきなのか。
「貴女じゃ彼に不釣りあいだから別れて」と言われたので別れたのですが、呪われた上に子供まで出来てて一大事です!?
綾織季蝶
恋愛
「貴女じゃ彼に不釣りあいだから別れて」そう告げられたのは孤児から魔法省の自然管理科の大臣にまで上り詰めたカナリア・スタインベック。
相手はとある貴族のご令嬢。
確かに公爵の彼とは釣り合うだろう、そう諦めきった心で承諾してしまう。
別れる際に大臣も辞め、実家の誰も寄り付かない禁断の森に身を潜めたが…。
何故か呪われた上に子供まで出来てしまった事が発覚して…!?
「無能」と捨てられた少女は、神の愛し子だった――。 凍てつく北の地で始まる、聖獣たちと冷徹公爵による「世界一過保護な」逆転生活。
秦江湖
恋愛
魔法適性「鑑定」がすべてを決める、黄金の国ルミナリス。 名門ベルグラード公爵家の末娘アデリーンは、十五歳の鑑定式で、前代未聞の『鑑定不能(黒の沈黙)』を叩き出してしまう。
「我が家の恥さらしめ。二度とその顔を見せるな」
第一王子からは婚約破棄を突きつけられ、最愛の三人の兄たちからも冷酷な言葉とともに、極寒の地「ノースガル公国」へ追放を言い渡されたアデリーン。
着の身着のままで雪原に放り出された彼女が出会ったのは、一匹の衰弱した仔狼――それは、人間には決して懐かないはずの『伝説の聖獣』だった。
「鑑定不能」の正体は、魔力ゼロなどではなく、聖獣と心を通わせる唯一の力『調律師』の証。
行き倒れたアデリーンを救ったのは、誰もが恐れる氷の公爵ゼノスで……。
「こんなに尊い存在を捨てるとは、黄金の国の連中は正気か?」
「聖獣も、私も……お前を離すつもりはない」
氷の公爵に拾われ、聖獣たちに囲まれ、これまでの不遇が嘘のような「極上溺愛」を享受するアデリーン。
一方で、彼女を捨てた黄金の国は、聖獣の加護を失い崩壊の危機に直面していた。
慌ててアデリーンを連れ戻そうとする身勝手な王族たち。
しかし、彼らの前には「復讐」の準備を終えたアデリーンの兄たちが立ちはだかる。
「遅いよ。僕らのかわいい妹を泣かせた罪、一生かけて償ってもらうからね」
これは、すべてを失った少女が、真の居場所と愛を見つけるまでの物語。
【完結】帳簿令嬢の答え合わせ ~その不正、すべて帳簿が覚えています~
Lihito
ファンタジー
公爵令嬢アイリスは、身に覚えのない罪で婚約破棄され、辺境へ追放された。
だが彼女には秘密がある。
前世は経理OL。そして今世では、物や土地の「価値」が数字で見える能力を持っていた。
公爵家の帳簿を一手に管理していたのは、実は彼女。
追い出した側は、それを知らない。
「三ヶ月で破産すると思うけど……まあ、私には関係ないわね」
荒れ果てた辺境領。誰も気づかなかった資源。無口な護衛騎士。
アイリスは数字を武器に、この土地を立て直すことを決意する。
——追い出したこと、後悔させてあげる。
※毎日18時更新
※表紙画像はAIにて作成しています
※ 旧題:婚約破棄された令嬢ですが、帳簿があれば辺境でも無双できます
側妃の条件は「子を産んだら離縁」でしたが、陛下は私を離してくれません!
花瀬ゆらぎ
恋愛
「おまえには、国王陛下の側妃になってもらう」
婚約者と親友に裏切られ、傷心の伯爵令嬢イリア。
追い打ちをかけるように父から命じられたのは、若き国王フェイランの側妃になることだった。
しかし、王宮で待っていたのは、「世継ぎを産んだら離縁」という非情な条件。
夫となったフェイランは冷たく、侍女からは蔑まれ、王妃からは「用が済んだら去れ」と突き放される。
けれど、イリアは知ってしまう。 彼が兄の死と誤解に苦しみ、誰よりも孤独の中にいることを──。
「私は、陛下の幸せを願っております。だから……離縁してください」
フェイランを想い、身を引こうとしたイリア。
しかし、無関心だったはずの陛下が、イリアを強く抱きしめて……!?
「離縁する気か? 許さない。私の心を乱しておいて、逃げられると思うな」
凍てついた王の心を溶かしたのは、売られた側妃の純真な愛。
孤独な陛下に執着され、正妃へと昇り詰める逆転ラブロマンス!