チートスキルと無限HP!〜いじめられっ子は最弱職業だが、実は地上最強〜

ボルメテウス

文字の大きさ
18 / 123
第2章ダンジョンの怪物

17令嬢の懺悔

しおりを挟む
 松尾は気絶した後、自身の夢の中で走馬灯にも似た色々なこ事を思い出していた。

▪️◇▪️◇▪️◇▪️

 私の名前は松尾まつお火憐かれん
 普通の高校生のつもりなんだけど、皆からお嬢様って呼ばれるの。
 私の家系は日本3大財閥の一角を担う名家らしいわ。


 全く。そんな大富豪のお嬢様がなんでこんなダンジョンに入り込んだのかしらね。
 今でも後悔しているわ。鮫島なんかと関わらなきゃよかったって。
 はぁ……とりあえず化け物が地中から顔を出している所までは覚えているの。
 でも、目を覚ましたらダンジョンの中ですらなかった。
 真っ暗な視界が徐々に白くなっていったから、思い切って瞼をあげてみたの。
 そうしたら、私は知らない空間にいた。


「あれ? ここはどこ」


 真っ白な四角い空間で横たわっていたわ。何もない殺風景な所で扉もなければ窓も無い。そんな空間。
 私はする事もないし、床で寝そべって天井を見つめていたの。
 ここはどこなんだろう?って考えながらね。
 でも検討はすぐについたわ。化け物に襲われる直前に気を失ったんだもの。


「ここは死後の世界かしら」


 自然と声に出ていた。
 痛みもなく死ねたなら、むしろ良かったかもしれない。そう思っていたの。
 でも1つだけ心残りがあるのよ。


「こんな事なら、奴隷くんに一言謝っておけば良かったなぁ」


 なんでだろう。私は涙を流しながら少し微笑(ほほえ)んでいたと思う。
 彼を虐めていたのは、別に彼が嫌いだったわけじゃないの。単純に羨ましかったから。
 皆は私の事を大金持ちで羨ましいって言うけどさ。別に良いことなんて無いんだよ。


 確かに住んでいる家は広いわ。東京ドーム数個分の敷地を持つ豪邸ね。でも一人で住んでいるの。
 両親の仕事が忙しいからでも無いしそもそも1人で住みたいからでも無いし、むしろ私はお父様とお母様と暮らしたかったわ。


 それは叶わなかったけどね。私は捨てられたのよ。出来の悪い娘として。


 考えてみたらよく分かると思うけど、大富豪の令嬢が偏差値35程の高校に通っているって可笑しいと思わない?
 私の両親は不正が大嫌いな生真面目でね。


 高校進学の際は、超難関校だけ一般入試で挑戦させたのよ。
 結果は今の現状を見れば分かるでしょ。
 だから定員割れの高校を何とか探して、現在に至るの。
 今の高校に入ってからは『馬鹿』のレッテルを貼って家から追い出されたってわけよ!
 全く、皆はなんで私を羨ましがるのかしらね。


 私にとってあんな高校でも幸せそうにしていた蓮君が羨ましかった。
 ふざけた理由かもしれないけど、それが彼を虐めていた理由よ。悲しい理由ね……。
 私も普通の家庭に生まれたかったわ。
 でも、もしかしたら叶うかもしれないわね。
 生まれ変わったら。


 私は何に生まれ変わるのかなって思いながら、ゆっくりと目を閉じた。
 そうすると段々と眠くなってくるの。
 もうそろそろお迎えが来たのかしら。そう思った時に、頭の中で聞き慣れた声が響いたの。


 最初はノイズがかかったように上手く聞き取れなかったけど、だんだんとノイズが外れてゆく。
 自信はなさそうだけど温かく優しい声。
 あの時の事は忘れないわ。
 あれは確かに蓮の声だったんだから。

(松尾……さん。目を覚まして……)
しおりを挟む
感想 28

あなたにおすすめの小説

最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~

ある中管理職
ファンタジー
 勤続10年目10度目のレベルアップ。  人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。  すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。  なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。  チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。  探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。  万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。

『異世界ガチャでユニークスキル全部乗せ!? ポンコツ神と俺の無自覚最強スローライフ』

チャチャ
ファンタジー
> 仕事帰りにファンタジー小説を買った帰り道、不運にも事故死した38歳の男。 気がつくと、目の前には“ポンコツ”と噂される神様がいた——。 「君、うっかり死んじゃったから、異世界に転生させてあげるよ♪」 「スキル? ステータス? もちろんガチャで決めるから!」 最初はブチギレ寸前だったが、引いたスキルはなんと全部ユニーク! 本人は気づいていないが、【超幸運】の持ち主だった! 「冒険? 魔王? いや、俺は村でのんびり暮らしたいんだけど……」 そんな願いとは裏腹に、次々とトラブルに巻き込まれ、無自覚に“最強伝説”を打ち立てていく! 神様のミスで始まった異世界生活。目指すはスローライフ、されど周囲は大騒ぎ! ◆ガチャ転生×最強×スローライフ! 無自覚チートな元おっさんが、今日も異世界でのんびり無双中!

異世界帰りの勇者、今度は現代世界でスキル、魔法を使って、無双するスローライフを送ります!?〜ついでに世界も救います!?〜

沢田美
ファンタジー
かつて“異世界”で魔王を討伐し、八年にわたる冒険を終えた青年・ユキヒロ。 数々の死線を乗り越え、勇者として讃えられた彼が帰ってきたのは、元の日本――高校卒業すらしていない、現実世界だった。

アラフォーおっさんの週末ダンジョン探検記

ぽっちゃりおっさん
ファンタジー
 ある日、全世界の至る所にダンジョンと呼ばれる異空間が出現した。  そこには人外異形の生命体【魔物】が存在していた。  【魔物】を倒すと魔石を落とす。  魔石には膨大なエネルギーが秘められており、第五次産業革命が起こるほどの衝撃であった。  世は埋蔵金ならぬ、魔石を求めて日々各地のダンジョンを開発していった。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

パーティーを追放されるどころか殺されかけたので、俺はあらゆる物をスキルに変える能力でやり返す

名無し
ファンタジー
 パーティー内で逆境に立たされていたセクトは、固有能力取得による逆転劇を信じていたが、信頼していた仲間に裏切られた上に崖から突き落とされてしまう。近隣で活動していたパーティーのおかげで奇跡的に一命をとりとめたセクトは、かつての仲間たちへの復讐とともに、助けてくれた者たちへの恩返しを誓うのだった。

貧乏冒険者で底辺配信者の生きる希望もないおっさんバズる~庭のFランク(実際はSSSランク)ダンジョンで活動すること15年、最強になりました~

喰寝丸太
ファンタジー
おっさんは経済的に、そして冒険者としても底辺だった。 庭にダンジョンができたが最初のザコがスライムということでFランクダンジョン認定された。 そして18年。 おっさんの実力が白日の下に。 FランクダンジョンはSSSランクだった。 最初のザコ敵はアイアンスライム。 特徴は大量の経験値を持っていて硬い、そして逃げる。 追い詰められると不壊と言われるダンジョンの壁すら溶かす酸を出す。 そんなダンジョンでの15年の月日はおっさんを最強にさせた。 世間から隠されていた最強の化け物がいま世に出る。

処理中です...