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第4章過去との決別
44 Lv.9999
しおりを挟む俺と鮫島が戦闘を行っている。
いや、俺の体を使ってダンフォールさんと鮫島が戦っていると言った方が正しいか?
だから俺は見ていただけだ。
ダンフォールさんと鮫島との戦いを――。
俺にはまだ力の加減が出来ないからな。
鮫島を殺しかねないんだ。だから、ダンフォールさんに代わってもらったのに……。
結局、鮫島を殺すつもりじゃないか。
【ALL CHANGE……】
【発動いたします】
【HPの値を、物理・魔法攻撃に……それぞれ100万ずつ移動させます】
俺は目の前に現れる表示に驚いた。
物理と魔法攻撃値に100万ずつ移動するなんて、鮫島が即死するレベルじゃないか。
さっき鮫島から挑発されて頭にくるのは分かるけどさ。
殺してしまっては俺は刑務所暮らしになるんだ。
でも何故だろうか。安易な挑発で激昂するとは思えない。
いや、そもそも最初からダンフォールさんは鮫島に対して強い口調だった。
異世界で『王(キング)』と因縁があったのかもしれない。
鮫島の装備している『愚王シリーズ』を身に付けた人物とも戦ったって言ってたし。
でも今は異世界での事なんて関係ないよな?
何が何だか分からない俺は、無視するダンフォールさんに向かって訴え続けたよ。
落ち着いてくれって。
(ダンフォールさん! そんなに攻撃値を高めたら鮫島が死んじゃいますよ)
(少年よ。黙って見とれ)
やっと反応をしてくれたダンフォールさん。
でもやはり俺には、彼の行動を止められるだけの力は無い。
俺は人を殺してしまうのか。そう思った時、遂に機械音が進行を始めた。
〈プレイヤー『蓮』の攻撃『奴隷の邪気』が発動されましたので実行します〉
奴隷の邪気?俺は機械の音声を聞いて驚いた。
俺に『技』なんて無かったはずなんだけど。『物理攻撃』のコマンドを押してもその先は無かった。
なんでダンフォールさんは技が使えるんだ?
俺はその疑問をそのまま彼にぶつけた。
(ダンフォールさん。『技』ってどうすれば使えるんですか?)
(あぁこれか。お主もLv.を上げれば使えるようになるんじゃ)
(Lv.って。前に神猫を倒してもLv.が上がらなかったんですが)
(神猫程度じゃあ。上がらんよ)
ダンフォールは軽い調子で言ったが、神猫とは相当なレベルのモンスターである。
俺は恐る恐るダンフォールに反論した。
(え。でも、神猫ってダンジョンのボスですよね?)
(そうじゃな。でもな少年よ。不幸な事に『奴隷』という職業がLv.を上げる為には、通常の職業の100倍程度の経験値が必要なんじゃよ)
(なんで、そんな……)
(元々、奴隷は戦闘で期待なんかされておらんからな。そういう仕様になっとるんじゃろう)
ダンフォールの言葉に俺は言葉を失った。
【奴隷】という職業はハズレ職業だとは分かっていたが、ここまで差別された職業だと思っていなかったからだ。
俺が落ち込んでいるとそれに気付いたのか、ダンフォールが声をかけてくれた。
(……)
(そう落ち込むな少年よ。Lv.9999のダンフォール様が、『技』を今から見せてやるからの)
(……)
ダンフォールさんの力強い言葉には安心感さえ覚える。
そりゃ俺だって『技』を見てみたいよ。でもさ、鮫島が死ぬかもしれないんだ。
そう思いながら目を閉じて深呼吸をした。自分を冷静にする為にね。
そして、呼吸を整えてからゆっくりと目を開けると、言葉を失ったよ。
目の前にあったんだ。
ダンフォールさんのステータスが――。
(え?……)
――――――――――――――――――――――――――
●基本ステータス
・名前…ブレイン・ダンフォール
・性別…男
・年齢…100歳
●能力ステータス
・Lv.9999
・職業→『奴隷(スレイヴ)』
・魔法攻撃→『1000000』
・物理攻撃→『1000000』
・魔法防御→『10』
・物理防御→『10』
・知力→『1』
↓↓↓↓↓
――――――――――――――――――――――――――
目の前にあったのは規格外のレベルが示されたステータスだった。
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