【リメイク前】聖女は婚約破棄の上に追放されて、自由になりました。〜私は騎士と幸せを探しに行きますね〜

銀杏鹿

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第二幕

23 フェイキン・イット.2◇

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「これ…ひっくり返る…よ?」

 機体は上昇しながら、ゆっくりと視界が傾いていく。

 背後には追いかけてくる魚のような物と、その少し後ろに鮫の様な機体。

「良いんだ」

「……?」

「宙返りだ」

「え…待って」

「頭が下を向くだけだ、何も怖くない」

「~っ!!」

 力の向きが変わり、押さえつけれる様に、後ろに引っ張られ、徐々に視界は逆さまになっていく。

 頭が浮いているような妙な感覚に包まれる。

 雲の上に行った時は真っ直ぐ上昇してたから平気だったけど、頭が真下を向いていくのは、少しだけ怖い。

「さあ!行くぞ!」

 そしてさらに勢いがついて、機体の上下は反転した。

 雲が下で、大地が上。

 もし自分で操縦してたら混乱しそうな景色だった。

「まだ…ついて来てる」

「いいんだ!ここで──」

 宙返りした機体がその場で素早く横転し、ほんの少しだけ速度が落ち、下降する。

「捉えたぞ反逆者──」

 目の前に通り過ぎる魚と鮫の機械達を視界に捉え。

「それはこっちのセリフだ」

 そのまま、再加速した私達の機体は、ヒレから刃を展開して通り過ぎる。

「そんな……馬鹿なっ!!」

 たったそれだけで、私達を追う光の尾は切り裂かれ、鮫の機体は両断された。

「最新式の私の機体が──!」

「騎手の性能が悪かったな」

「き、貴様ぁぁぁぁ!!」

 フーガさんの機体は派手に爆散した。

 その爆風を背に更に加速した機体は円を描くように空を降っていく。

「す、すごい……!」

「曲芸は如何でしたか?お客様?」

「何…それ?」

「……いや、気にしないでくれ」

「何…恥ずかしい?」

「忘れてくれ」

「……?」

「……これでもう、追手が減るといいんだが」

 けれど。
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