314 / 840
3 魔法学校の聖人候補
503 シルベスター会長とお話
しおりを挟む
503
「マリスくん、この後少し時間はあるかな?」
《傀儡薬》がキャサリナの逮捕で決着した後、私は久しぶりに生徒会の会議へ顔を出すことができた。会議では、生徒会提案の〝研究発表コンクール〟が学校側の正式承認を得て、生徒会主催の行事として毎年開催されることが決まったこと、そして、個人とグループの二部門で発表が行われることになったことが報告された。
「発表会は二学期に開催となった。募集もすぐに始めよう。この運営のために実行委員会も発足したほうがいいだろうな」
そして発足された実行委員会の委員長には、なんと2年生のクローナが抜擢された。
クローナにはどうやらカリスマ性があるらしく、彼女の言うことには、上級生たちもわりと素直に従ってくれるのだそうだ。それに、一年一緒にいた生徒会の人たちはクローナのツンデレな性格をすでによくわかっており、一見高飛車に見えて本当は素直で正義感が強く公正な彼女を、貴族もそうでない人たちも、生暖かい目で見守れるぐらいに好感を持つようになっていた。
(それについてはオーライリのサポートも大きいけどね。彼女は参謀役として優秀なんだよね。誤解されそうなことをクローナがすると、すかさずフォローを入れてくれて……いいコンビだわ)
そしてこのふたりが私ととても仲良くしてくれることが、私の生徒会での立場をとてもいいものにしてくれている。
ふたりが認めているということで、たまにしか現れない、わけのわからないポジションの聴講生である私への風当たりも意外なほど強くなかった。むしろ好意的と言ってもいい状況だ。
〝研究発表会〟の後の議題は、予算の話や学校内でのいくつかのトラブルへの対処などだった。それらについて話し合いいくつかの決定をした後、会議は終了。生徒会が終わった後、オーライリたちとお茶をする予定だったのだが、シルベスター会長に呼び止められたため、私はあとで合流することにし、そのまま誰もいなくなった会議室で話を聞くことになった。
「このところ会議にもまったく出席できず、申し訳ありません」
私の言葉にシルベスター会長は、ちょっとハッとした顔をしてすぐに否定してきた。
「ああ、それは最初からそう聞いて約束もしていたことだ。まったく気にする必要はないし、咎める気もない。それに、今回はむしろ君が忙しくしていた原因の大元は、我が家の騒動なのだから……」
どうやら会長、グッケンス博士が《傀儡薬》騒動収束のために動いたことをご存知のようだ。
「多かれ少なかれ、上級貴族の家はどこかで親戚関係にあるものなんだが、ドール家とわが家もニ代前の次男と三女が結婚していてね。義理堅いドール家の方々は、今回のことにも積極的に動いてくださったんだ」
今回の件では、シルベスター会長の兄上が完全に更迭されないよう〝事実関係がはっきりするまでの暫定の処罰〟とすることを働きかけてくれたのだそうだ。その上で、今回彼が騙された原因が古代のアーティファクトのよるものだとはっきりしたことで、彼の立場は以前よりぐっと良いものになった。
「アーティファクトというやつは、魔法使いが防げる領域のものではないからね。しかもそれと《幻惑魔法》の組み合わせとなると、知っていなければ……いや知っていたとしてもまず防ぐことはできなかっただろうと判断されたんだ。おかげで、あと数ヶ月の謹慎後は、別の役職へ復帰できることになり、皇帝陛下からもお許しが頂けた」
「それは良かったですね」
微笑む私に、シルベスター会長も安堵の微笑みを見せる。
「ああ、ドール参謀とグッケンス博士には心から感謝している。博士の助手として動き回ってくれていたのだろう君にも、本当に感謝する。ありがとう」
「いえいえ、私は弟子といっても〝お世話係〟の方が主な内弟子ですから、どうかお気になさらず」
「謙虚だね。……実は、兄の名誉回復のためわが家も総力を挙げて、あの女詐欺師を追っていたのだ。だが、軍部同様一向に行方がつかめず、捜査に出したはずの者が行方不明になることもしばしばという状況で、早期解決は困難なのではないかと皆焦っていたのだ」
確かにドール参謀が引き伸ばしてくれたとはいえ〝保留〟状態になっているお兄様の処遇がそのまま確定してしまえば、貴族として立ち直れないほどの汚点だ。キャサリナを捕まえて少しでもお兄様に有利な状況を作りたかったのだろうけれど、おそらく人を自在に操れるキャサリナにはこちらの情報は筒抜けだっただろうし、捉えにきた者たちを寝返らせることもできただろうから、彼らの捜査が上手くいかなかったのは当然だろう。
「あの女詐欺師の《幻惑魔法》は、あまり得意ではないとおっしゃっていたグッケンス博士と大差ないものでした。ただ手慣れていたことに加え、強力な《魅了》を与える道具を手に入れていましたから、正攻法で捕まえるのは大変だったでしょうね」
私の言葉にシルベスター会長は少し情けなさそうな顔をした。
「それについてなのだが……作戦の詳細については極秘扱いで聞き出すことができなかったが、教えていただいた話では、今回のためにグッケンス博士は莫大な金額の宝石を使ってくださったのことだった。それは事実なのだろうか?」
「え、ええ、まぁ、そうですね」
「すぐに補償させていただきたいところだが、情けないことにいまはまだわが家は、今回の事件のために支払った100大金貨と罰則金200大金貨のおかげで身動きが取れないんだ。大変申し訳ないが、しばし返金をお待ちいただけないかとグッケンス博士にはお伝え願えないだろうか……」
どうやら、グッケンス博士からは忙しいので挨拶無用だと言われているらしく、弟子の私を通じてなんとかコンタクトを取ろうということらしい。
「博士はそんなことまったく気にされておりませんので、ご安心ください。あの方は宝石など本当にまったく興味ないのですから。あってもなくてもいい石ころ扱いで、ぞんざいにおいてあるだけなんです。ただ、今回のことで少し興味が湧かれたようです。むしろ、宝石の持つ魔法効果についていい研究になったと思っていらっしゃいますよ」
「それならばいいのだがな……ともあれ、今回は世話になった。この恩は忘れないよ、マリスくん。
グッケンス博士への補償もいずれ必ずさせてもらう、と伝えて欲しい」
いままでで一番さわやかな微笑みを浮かべたシルベスター会長に見送られ、私は生徒会室から立ち去った。
(ああして優しそうに微笑んでいれば、本当に爽やかで素敵なんだよね。普段の能面ばりの無表情は彼の一面でしかないのかも……)
会長の新たな一面に触れた私は、機嫌よくオーライリたちとお茶をしに中庭へと向かっていった。
「マリスくん、この後少し時間はあるかな?」
《傀儡薬》がキャサリナの逮捕で決着した後、私は久しぶりに生徒会の会議へ顔を出すことができた。会議では、生徒会提案の〝研究発表コンクール〟が学校側の正式承認を得て、生徒会主催の行事として毎年開催されることが決まったこと、そして、個人とグループの二部門で発表が行われることになったことが報告された。
「発表会は二学期に開催となった。募集もすぐに始めよう。この運営のために実行委員会も発足したほうがいいだろうな」
そして発足された実行委員会の委員長には、なんと2年生のクローナが抜擢された。
クローナにはどうやらカリスマ性があるらしく、彼女の言うことには、上級生たちもわりと素直に従ってくれるのだそうだ。それに、一年一緒にいた生徒会の人たちはクローナのツンデレな性格をすでによくわかっており、一見高飛車に見えて本当は素直で正義感が強く公正な彼女を、貴族もそうでない人たちも、生暖かい目で見守れるぐらいに好感を持つようになっていた。
(それについてはオーライリのサポートも大きいけどね。彼女は参謀役として優秀なんだよね。誤解されそうなことをクローナがすると、すかさずフォローを入れてくれて……いいコンビだわ)
そしてこのふたりが私ととても仲良くしてくれることが、私の生徒会での立場をとてもいいものにしてくれている。
ふたりが認めているということで、たまにしか現れない、わけのわからないポジションの聴講生である私への風当たりも意外なほど強くなかった。むしろ好意的と言ってもいい状況だ。
〝研究発表会〟の後の議題は、予算の話や学校内でのいくつかのトラブルへの対処などだった。それらについて話し合いいくつかの決定をした後、会議は終了。生徒会が終わった後、オーライリたちとお茶をする予定だったのだが、シルベスター会長に呼び止められたため、私はあとで合流することにし、そのまま誰もいなくなった会議室で話を聞くことになった。
「このところ会議にもまったく出席できず、申し訳ありません」
私の言葉にシルベスター会長は、ちょっとハッとした顔をしてすぐに否定してきた。
「ああ、それは最初からそう聞いて約束もしていたことだ。まったく気にする必要はないし、咎める気もない。それに、今回はむしろ君が忙しくしていた原因の大元は、我が家の騒動なのだから……」
どうやら会長、グッケンス博士が《傀儡薬》騒動収束のために動いたことをご存知のようだ。
「多かれ少なかれ、上級貴族の家はどこかで親戚関係にあるものなんだが、ドール家とわが家もニ代前の次男と三女が結婚していてね。義理堅いドール家の方々は、今回のことにも積極的に動いてくださったんだ」
今回の件では、シルベスター会長の兄上が完全に更迭されないよう〝事実関係がはっきりするまでの暫定の処罰〟とすることを働きかけてくれたのだそうだ。その上で、今回彼が騙された原因が古代のアーティファクトのよるものだとはっきりしたことで、彼の立場は以前よりぐっと良いものになった。
「アーティファクトというやつは、魔法使いが防げる領域のものではないからね。しかもそれと《幻惑魔法》の組み合わせとなると、知っていなければ……いや知っていたとしてもまず防ぐことはできなかっただろうと判断されたんだ。おかげで、あと数ヶ月の謹慎後は、別の役職へ復帰できることになり、皇帝陛下からもお許しが頂けた」
「それは良かったですね」
微笑む私に、シルベスター会長も安堵の微笑みを見せる。
「ああ、ドール参謀とグッケンス博士には心から感謝している。博士の助手として動き回ってくれていたのだろう君にも、本当に感謝する。ありがとう」
「いえいえ、私は弟子といっても〝お世話係〟の方が主な内弟子ですから、どうかお気になさらず」
「謙虚だね。……実は、兄の名誉回復のためわが家も総力を挙げて、あの女詐欺師を追っていたのだ。だが、軍部同様一向に行方がつかめず、捜査に出したはずの者が行方不明になることもしばしばという状況で、早期解決は困難なのではないかと皆焦っていたのだ」
確かにドール参謀が引き伸ばしてくれたとはいえ〝保留〟状態になっているお兄様の処遇がそのまま確定してしまえば、貴族として立ち直れないほどの汚点だ。キャサリナを捕まえて少しでもお兄様に有利な状況を作りたかったのだろうけれど、おそらく人を自在に操れるキャサリナにはこちらの情報は筒抜けだっただろうし、捉えにきた者たちを寝返らせることもできただろうから、彼らの捜査が上手くいかなかったのは当然だろう。
「あの女詐欺師の《幻惑魔法》は、あまり得意ではないとおっしゃっていたグッケンス博士と大差ないものでした。ただ手慣れていたことに加え、強力な《魅了》を与える道具を手に入れていましたから、正攻法で捕まえるのは大変だったでしょうね」
私の言葉にシルベスター会長は少し情けなさそうな顔をした。
「それについてなのだが……作戦の詳細については極秘扱いで聞き出すことができなかったが、教えていただいた話では、今回のためにグッケンス博士は莫大な金額の宝石を使ってくださったのことだった。それは事実なのだろうか?」
「え、ええ、まぁ、そうですね」
「すぐに補償させていただきたいところだが、情けないことにいまはまだわが家は、今回の事件のために支払った100大金貨と罰則金200大金貨のおかげで身動きが取れないんだ。大変申し訳ないが、しばし返金をお待ちいただけないかとグッケンス博士にはお伝え願えないだろうか……」
どうやら、グッケンス博士からは忙しいので挨拶無用だと言われているらしく、弟子の私を通じてなんとかコンタクトを取ろうということらしい。
「博士はそんなことまったく気にされておりませんので、ご安心ください。あの方は宝石など本当にまったく興味ないのですから。あってもなくてもいい石ころ扱いで、ぞんざいにおいてあるだけなんです。ただ、今回のことで少し興味が湧かれたようです。むしろ、宝石の持つ魔法効果についていい研究になったと思っていらっしゃいますよ」
「それならばいいのだがな……ともあれ、今回は世話になった。この恩は忘れないよ、マリスくん。
グッケンス博士への補償もいずれ必ずさせてもらう、と伝えて欲しい」
いままでで一番さわやかな微笑みを浮かべたシルベスター会長に見送られ、私は生徒会室から立ち去った。
(ああして優しそうに微笑んでいれば、本当に爽やかで素敵なんだよね。普段の能面ばりの無表情は彼の一面でしかないのかも……)
会長の新たな一面に触れた私は、機嫌よくオーライリたちとお茶をしに中庭へと向かっていった。
336
あなたにおすすめの小説
冷遇王妃はときめかない
あんど もあ
ファンタジー
幼いころから婚約していた彼と結婚して王妃になった私。
だが、陛下は側妃だけを溺愛し、私は白い結婚のまま離宮へ追いやられる…って何てラッキー! 国の事は陛下と側妃様に任せて、私はこのまま離宮で何の責任も無い楽な生活を!…と思っていたのに…。
【短編】花婿殿に姻族でサプライズしようと隠れていたら「愛することはない」って聞いたんだが。可愛い妹はあげません!
月野槐樹
ファンタジー
妹の結婚式前にサプライズをしようと姻族みんなで隠れていたら、
花婿殿が、「君を愛することはない!」と宣言してしまった。
姻族全員大騒ぎとなった
夫から『お前を愛することはない』と言われたので、お返しついでに彼のお友達をお招きした結果。
古森真朝
ファンタジー
「クラリッサ・ベル・グレイヴィア伯爵令嬢、あらかじめ言っておく。
俺がお前を愛することは、この先決してない。期待など一切するな!」
新婚初日、花嫁に真っ向から言い放った新郎アドルフ。それに対して、クラリッサが返したのは――
※ぬるいですがホラー要素があります。苦手な方はご注意ください。
他国から来た王妃ですが、冷遇? 私にとっては厚遇すぎます!
七辻ゆゆ
ファンタジー
人質同然でやってきたというのに、出されるご飯は母国より美味しいし、嫌味な上司もいないから掃除洗濯毎日楽しいのですが!?
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
オネエ伯爵、幼女を拾う。~実はこの子、逃げてきた聖女らしい~
雪丸
ファンタジー
アタシ、アドルディ・レッドフォード伯爵。
突然だけど今の状況を説明するわ。幼女を拾ったの。
多分年齢は6~8歳くらいの子。屋敷の前にボロ雑巾が落ちてると思ったらびっくり!人だったの。
死んでる?と思ってその辺りに落ちている木で突いたら、息をしていたから屋敷に運んで手当てをしたのよ。
「道端で倒れていた私を助け、手当を施したその所業。賞賛に値します。(盛大なキャラ作り中)」
んま~~~尊大だし図々しいし可愛くないわ~~~!!
でも聖女様だから変な扱いもできないわ~~~!!
これからアタシ、どうなっちゃうのかしら…。
な、ラブコメ&ファンタジーです。恋の進展はスローペースです。
小説家になろう、カクヨムにも投稿しています。(敬称略)
公爵家の末っ子娘は嘲笑う
たくみ
ファンタジー
圧倒的な力を持つ公爵家に生まれたアリスには優秀を通り越して天才といわれる6人の兄と姉、ちやほやされる同い年の腹違いの姉がいた。
アリスは彼らと比べられ、蔑まれていた。しかし、彼女は公爵家にふさわしい美貌、頭脳、魔力を持っていた。
ではなぜ周囲は彼女を蔑むのか?
それは彼女がそう振る舞っていたからに他ならない。そう…彼女は見る目のない人たちを陰で嘲笑うのが趣味だった。
自国の皇太子に婚約破棄され、隣国の王子に嫁ぐことになったアリス。王妃の息子たちは彼女を拒否した為、側室の息子に嫁ぐことになった。
このあつかいに笑みがこぼれるアリス。彼女の行動、趣味は国が変わろうと何も変わらない。
それにしても……なぜ人は見せかけの行動でこうも勘違いできるのだろう。
※小説家になろうさんで投稿始めました
義母に毒を盛られて前世の記憶を取り戻し覚醒しました、貴男は義妹と仲良くすればいいわ。
克全
ファンタジー
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
11月9日「カクヨム」恋愛日間ランキング15位
11月11日「カクヨム」恋愛週間ランキング22位
11月11日「カクヨム」恋愛月間ランキング71位
11月4日「小説家になろう」恋愛異世界転生/転移恋愛日間78位
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。