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繋いだ手のひら
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さっそく俺は、街で映画でも観ようとアリスをデートに誘った。
彼女もちょうど繁華街に用があるらしく、その用事に付き合ってくれるならと、問題なくデートを了承してくれた。
アリスとは10時に待ち合わせだ。
GW真っ只中の都内は、どこも大勢の人で賑わっている。
そのなかでも俺が待ち合わせに指定した場所には、特に人集りが出来ていた。
アリスを中心とした人の群れである。
◇
「見ろよ、あそこ。
すげえ可愛い子がいるぞ」
「うわぁ。
絵本のなかの妖精さんみたいね。
なんて幻想的な女の子なのかしら」
「なんだなんだ⁉︎
芸能人……。
いや、テレビでもこんな美少女みないぜ!」
道ゆく人々が、彼女を眺めて口々に感嘆の声を漏らす。
いまの時刻は9時半。
まだ時間まで30分もあるのに、アリスは先に待ち合わせ場所に来て俺を待ってくれていた。
人波をかき分け、アリスの元へと駆け寄る。
「悪りぃ。
待ったか?」
周囲からの嫉妬や羨望の入り混じった視線を感じながら、彼女に声を掛ける。
今日のアリスは、パステルカラーで柔らかな印象の服装だ。
さっき誰かが言っていたように、まるで物語のなかから飛び出してきた本物の妖精のようである。
「……いえ。
わたしも、いま来たところです」
俺たちはベタなやり取りを交わす。
「とりあえず、動こうか。
ここはちょっとひとが集まりすぎていて、落ち着かねぇ」
「そうですね。
なんだかさっきから皆さんに見られている気がして、少しそわそわします。
大輔くん。
さっそく映画を観に行きますか?」
「そうだなぁ。
そうすっか!
じゃあまず映画を観て、その後のことはメシでも食いながら考えよう。
あ、そうだ……」
アリスに向けて、手を差し出す。
「ほ、ほら。
街はすげえ人出だから、はぐれるといけないだろ。
手ェ繋いでいこうぜ」
照れ隠しにぽりぽりと頬をかく。
先日俺は、アリスへの恋心を自覚してこれからは積極的になると決めたわけだが、やっぱりいざとなると若干気恥ずかしい。
「…………」
彼女は差し出された手を、キョトンとしながら眺めていた。
特に握ってこようとはしない。
生まれてしまった間に、早くも俺はやっちまったかと後悔し始めた。
「……ま、まぁ、嫌ならいいんだけどよ」
伸ばした手を引っ込めようとする。
すると、止まっていたアリスが動きだして、そっと俺の手に触れた。
繋いだ手のひらから、ひんやりとした彼女の手の感触が伝わってくる。
「……嫌ではありません。
少しびっくりしてしまっただけです」
「そ、そうか」
「……ふふ。
大輔くんの手のひら、大きいですね。
あと、温かくて少ししっとりしています」
「わ、悪りぃ!
軽く緊張したもんだから、手汗でもかいちまったかもしんねぇ」
思わず繋いだ手を解こうとする。
するとアリスが、キュッと手に力をこめて握ってきた。
「悪くはありません。
……わ、わたしの手だって、似たようなものですし」
言われて手のひらに意識を向けてみる。
たしかに彼女の言う通りだ。
ついさっきまでひんやりしていたアリスの小さな手のひらは、もう温かくなってわずかにしっとりと湿り気を帯びていた。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆
映画館を出る。
いま観てきた映画はアメリカのアニメーション制作会社の看板CGアニメの最新作だ。
おもちゃの人形が実は生きており、人間のいない場所では自由に話し、動き回っているというストーリーである。
「……ふぅ。
どうだった、アリス。
面白かったか?」
凝った首を回して解しつつ尋ねると、アリスがこくりと頷いた。
その頬は興奮で、わずかに赤く上気しているように思える。
最近ようやく俺にも、アリスの表情の小さな変化がわかるようになってきていた。
「……すごく、面白かったです。
やはりこのシリーズは、とても良いです」
どうやらご満悦なご様子だ。
「大輔くんは、どうでしたか?」
「おう!
想像以上に面白かったぞ。
さすがはアリスのおすすめシリーズだな」
この映画を観たいと言ったのはアリスなのだが、映画鑑賞が趣味の彼女が勧めるだけあって、本当に面白かった。
アニメだから子ども向けと侮ることなかれ。
笑いのなかにも涙あり、はらはらドキドキの興奮ありで、大人もしっかりと楽しめる良い映画だった。
シリーズものだし、これは過去作も観ようと思う。
◇
……きゅるる。
映画の内容を頭のなかで反芻していると、可愛らしい音が聞こえてきた。
「――はぅ⁉︎」
アリスがバッとお腹を押さえる。
彼女にしては珍しく、素早い動きだ。
「……腹、減ったのか?」
アリスは応えない。
お腹に手を当てながら、顔を赤くして俯いている。
「……うし。
なんか食いにいくか。
もともとそういう予定だったしな」
恥ずかしそうにしているアリスに手を伸ばした。
彼女の小さな手のひらを取ると、アリスは消えてしまいそうな掠れ声でぽつぽつと呟きだす。
「き、昨日からずっと、どんな服を着てこようかとか、映画はなにを観ようかとか考えていたら、眠れなかったんです」
「そっか。
ところでファーストフードでもいいよな」
アリスを連れて、街を歩く。
「そ、それで寝坊をして、だから、ご飯を食べてくる時間がなくて……」
俺に手を引かれたまま、アリスは聞いてもいないのに、しどろもどろになって言い訳をしていた。
どうやら今日のデートを彼女も楽しみにしてくれていたことがわかって、俺はなんとも言えない嬉しい気持ちになった。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆
ハンバーガー屋で遅めの昼食を済ませる。
アリスはチーズバーガーとポテトを頼み、小さな口をもぐもぐと動かして行儀よく食べていた。
俺はビッグバーガーをバクバク齧って、先に食べ終えている。
彼女がハンバーガーを食べる姿を見ていると、なんだか小動物の食事風景を見守っているような、微笑ましい気分になってきた。
「……ご馳走さまでした。
ふぅ」
「おう。
腹は落ち着いたか。
なんならもう少し食べるか?
もう腹が鳴らねぇように」
「……むぅ。
大輔くんは、少し意地悪なところがありますね。
もう十分食べました」
「ははっ。
悪りぃ悪りぃ。
謝るから、そんなにむくれんなよ」
「…………むぅ」
膨れっ面をするアリスを宥める。
映画を観て飯も食ったし、このあとは彼女の用事に付き合う予定になっていた。
「んじゃ、出ようか」
俺はアリスと自分のふたつのトレイを持って立ち上がる。
ダストボックスにゴミを捨ててから店を出ようとすると、ちょうどいまから店に入ろうとしている団体客とすれ違った。
「……ん?
こいつら……」
顔に見覚えがある。
たしか、うちの学校の野球部のやつらだ。
野球部員たちは休日の部活動か、練習試合でもしてきたのだろう。
ぞろぞろと連れ立って店に入っていく。
そのなかのひとりが、店を出ようとしていた俺とアリスに気付いた。
「……んん?
たしかコイツは……」
俺がはじめてアリスとあった日に、泣いている彼女を残して放課後の教室から出てきた、あのいけ好かない男子だ。
男が俺たちを睨みつけてくる。
「……西澄。
お前、北川なんかと何をしているんだ?」
無造作に歩み寄ってきた。
声を掛けられたアリスは、びくっと肩を震わせて、小さく縮こまった。
彼女もちょうど繁華街に用があるらしく、その用事に付き合ってくれるならと、問題なくデートを了承してくれた。
アリスとは10時に待ち合わせだ。
GW真っ只中の都内は、どこも大勢の人で賑わっている。
そのなかでも俺が待ち合わせに指定した場所には、特に人集りが出来ていた。
アリスを中心とした人の群れである。
◇
「見ろよ、あそこ。
すげえ可愛い子がいるぞ」
「うわぁ。
絵本のなかの妖精さんみたいね。
なんて幻想的な女の子なのかしら」
「なんだなんだ⁉︎
芸能人……。
いや、テレビでもこんな美少女みないぜ!」
道ゆく人々が、彼女を眺めて口々に感嘆の声を漏らす。
いまの時刻は9時半。
まだ時間まで30分もあるのに、アリスは先に待ち合わせ場所に来て俺を待ってくれていた。
人波をかき分け、アリスの元へと駆け寄る。
「悪りぃ。
待ったか?」
周囲からの嫉妬や羨望の入り混じった視線を感じながら、彼女に声を掛ける。
今日のアリスは、パステルカラーで柔らかな印象の服装だ。
さっき誰かが言っていたように、まるで物語のなかから飛び出してきた本物の妖精のようである。
「……いえ。
わたしも、いま来たところです」
俺たちはベタなやり取りを交わす。
「とりあえず、動こうか。
ここはちょっとひとが集まりすぎていて、落ち着かねぇ」
「そうですね。
なんだかさっきから皆さんに見られている気がして、少しそわそわします。
大輔くん。
さっそく映画を観に行きますか?」
「そうだなぁ。
そうすっか!
じゃあまず映画を観て、その後のことはメシでも食いながら考えよう。
あ、そうだ……」
アリスに向けて、手を差し出す。
「ほ、ほら。
街はすげえ人出だから、はぐれるといけないだろ。
手ェ繋いでいこうぜ」
照れ隠しにぽりぽりと頬をかく。
先日俺は、アリスへの恋心を自覚してこれからは積極的になると決めたわけだが、やっぱりいざとなると若干気恥ずかしい。
「…………」
彼女は差し出された手を、キョトンとしながら眺めていた。
特に握ってこようとはしない。
生まれてしまった間に、早くも俺はやっちまったかと後悔し始めた。
「……ま、まぁ、嫌ならいいんだけどよ」
伸ばした手を引っ込めようとする。
すると、止まっていたアリスが動きだして、そっと俺の手に触れた。
繋いだ手のひらから、ひんやりとした彼女の手の感触が伝わってくる。
「……嫌ではありません。
少しびっくりしてしまっただけです」
「そ、そうか」
「……ふふ。
大輔くんの手のひら、大きいですね。
あと、温かくて少ししっとりしています」
「わ、悪りぃ!
軽く緊張したもんだから、手汗でもかいちまったかもしんねぇ」
思わず繋いだ手を解こうとする。
するとアリスが、キュッと手に力をこめて握ってきた。
「悪くはありません。
……わ、わたしの手だって、似たようなものですし」
言われて手のひらに意識を向けてみる。
たしかに彼女の言う通りだ。
ついさっきまでひんやりしていたアリスの小さな手のひらは、もう温かくなってわずかにしっとりと湿り気を帯びていた。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆
映画館を出る。
いま観てきた映画はアメリカのアニメーション制作会社の看板CGアニメの最新作だ。
おもちゃの人形が実は生きており、人間のいない場所では自由に話し、動き回っているというストーリーである。
「……ふぅ。
どうだった、アリス。
面白かったか?」
凝った首を回して解しつつ尋ねると、アリスがこくりと頷いた。
その頬は興奮で、わずかに赤く上気しているように思える。
最近ようやく俺にも、アリスの表情の小さな変化がわかるようになってきていた。
「……すごく、面白かったです。
やはりこのシリーズは、とても良いです」
どうやらご満悦なご様子だ。
「大輔くんは、どうでしたか?」
「おう!
想像以上に面白かったぞ。
さすがはアリスのおすすめシリーズだな」
この映画を観たいと言ったのはアリスなのだが、映画鑑賞が趣味の彼女が勧めるだけあって、本当に面白かった。
アニメだから子ども向けと侮ることなかれ。
笑いのなかにも涙あり、はらはらドキドキの興奮ありで、大人もしっかりと楽しめる良い映画だった。
シリーズものだし、これは過去作も観ようと思う。
◇
……きゅるる。
映画の内容を頭のなかで反芻していると、可愛らしい音が聞こえてきた。
「――はぅ⁉︎」
アリスがバッとお腹を押さえる。
彼女にしては珍しく、素早い動きだ。
「……腹、減ったのか?」
アリスは応えない。
お腹に手を当てながら、顔を赤くして俯いている。
「……うし。
なんか食いにいくか。
もともとそういう予定だったしな」
恥ずかしそうにしているアリスに手を伸ばした。
彼女の小さな手のひらを取ると、アリスは消えてしまいそうな掠れ声でぽつぽつと呟きだす。
「き、昨日からずっと、どんな服を着てこようかとか、映画はなにを観ようかとか考えていたら、眠れなかったんです」
「そっか。
ところでファーストフードでもいいよな」
アリスを連れて、街を歩く。
「そ、それで寝坊をして、だから、ご飯を食べてくる時間がなくて……」
俺に手を引かれたまま、アリスは聞いてもいないのに、しどろもどろになって言い訳をしていた。
どうやら今日のデートを彼女も楽しみにしてくれていたことがわかって、俺はなんとも言えない嬉しい気持ちになった。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆
ハンバーガー屋で遅めの昼食を済ませる。
アリスはチーズバーガーとポテトを頼み、小さな口をもぐもぐと動かして行儀よく食べていた。
俺はビッグバーガーをバクバク齧って、先に食べ終えている。
彼女がハンバーガーを食べる姿を見ていると、なんだか小動物の食事風景を見守っているような、微笑ましい気分になってきた。
「……ご馳走さまでした。
ふぅ」
「おう。
腹は落ち着いたか。
なんならもう少し食べるか?
もう腹が鳴らねぇように」
「……むぅ。
大輔くんは、少し意地悪なところがありますね。
もう十分食べました」
「ははっ。
悪りぃ悪りぃ。
謝るから、そんなにむくれんなよ」
「…………むぅ」
膨れっ面をするアリスを宥める。
映画を観て飯も食ったし、このあとは彼女の用事に付き合う予定になっていた。
「んじゃ、出ようか」
俺はアリスと自分のふたつのトレイを持って立ち上がる。
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「……ん?
こいつら……」
顔に見覚えがある。
たしか、うちの学校の野球部のやつらだ。
野球部員たちは休日の部活動か、練習試合でもしてきたのだろう。
ぞろぞろと連れ立って店に入っていく。
そのなかのひとりが、店を出ようとしていた俺とアリスに気付いた。
「……んん?
たしかコイツは……」
俺がはじめてアリスとあった日に、泣いている彼女を残して放課後の教室から出てきた、あのいけ好かない男子だ。
男が俺たちを睨みつけてくる。
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