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火の竜の王との邂逅
悪巧み1
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儂がまた盾を握ったということにフリオニールは大いに喜んでいた。魔人を撃退したことは報告してあるがどうやったかは濁して伝えていた。何故かと言えばこうなることが予想出来たからだ。
「なんと!?フェンスが盾を持ったというのか?!」
フリオニールは驚愕の表情で飛び上がる。その勢いで椅子が後ろに倒れ大きな音を立てたが、気にもせず儂のところに詰め寄ってくるとそのまま抱きついてきた。左手で背中を痛いほど叩き続ける。
「そうか!そうか!良かったなフェンス!!私は、私は・・・、心から嬉しいぞ!!」
「そ、そうだな・・・」
儂が盾を手放したとき、最後まで反対し儂を説得し続けたのは他ならぬフリオニールだった。儂が守りを怠ったせいで右目と右腕を失ったばかりだったというのに、まるで自分のことのように本気で言葉をぶつけてきた。今になって想うときっとフリオニールも儂を守ろうとしてくれていたのだろう。
本当に感謝の言葉しかないが、それはそれとして。
互いに歳をとり顔に皺も増え、フリオニールは王の威厳の一部にもなっている厳めしい眼帯も着けているが相も変わらず美男であるのはそのままだ。気持ちは嬉しいのだが、出来ればこういった行為は若い女性にして頂きたいものだ。
ふと視線を感じ横を見ると、考えを読まれたのか?!微笑むマリアの背後に怒りのオーラが見えた気がした。
「そ、その件は後で話そう。本当にフリオニールは勿論、当時からこれまで俺を守ってくれていた皆には感謝してもしきれない」
フリオニールの両肩に手を置き身体を離す。
「陳腐な言葉だが・・・本当に、ありがとう・・・」
この歳になるまで気付かなかった皆の想いに礼を述べる。
なんとも照れくさいものだが、気分は良い。
「ああ」
フリオニールも、マリアも、ミリアーナも、グストフも、そしてユリアも。
皆優しく微笑んでいた。
そんな会議があり、儂は火竜の峰に行くこととなった。
確かに火竜のブレス対策として盾騎士の儂は打ってつけかとは自分でも思うが、マリアに押しきられた感もある。
どうにもマリアには頭が上がらない。
魔王を討伐したあと、フリオニールを傷付けてしまった自分を責め傷付くことも厭わずに、魔人の残党狩りと元帝国領土の平定に明け暮れていた儂を、側に寄り添い守り支えてくれたのがマリアだった。
盾を手放したことにも何も言わず不馴れな戦い方で毎日傷だらけになっていた儂を癒し続けてくれた。
領土の平定が一段落した頃、フリオニールの薦めもあり爵位と屋敷を貰いマリアと結婚をしたのだ。それからはずっとこんな感じだ。
マリアにも改めて礼を伝えないとな。
「こりゃあ・・・。一体何をしたんですかぃ?!」
今儂はユリアと一緒にダンダルの店に来ている。
見た目はさほど痛んでるようには見えないが、魔人の攻撃を防いだのは確か。盾が壊れていないかを心配するユリアの願いで状態を見てもらっている。
「ど、どこか壊れてますか?!」
ユリアが心配そうにダンダルに詰め寄る。
「いや、これっぽっちも壊れてはいねぇんだが……。何でかはわからねぇが、盾の性能がとんでもなく上がってる。
ブルーリザードの皮革がブルードラゴン並の強度に上がってるし、白鉄はミスリル並の強度だ!別物にしか思えねぇ・・・」
「えっ?!」
ダンダルもユリアもかなり驚いているが儂はひとつ心当たりがある。きっとアイギスの仕業だろう。
神盾の眷属になった盾が防御能力が上がること以外に何か変化があるのかを検証したことはないが、状況的にそうとしか考えられない。屋敷に戻ったらアイギスに確認してみよう。
「それで、何か不都合なことはあるか?」
「旦那はなんでそんなに落ち着いてるんですかねぇ?何か原因を知ってるんですかぃ?!」
「ん?あ、ああ。確かではないから確認してからな」
「宜しく頼みますぜ!それでですがね、盾には別に不都合はありませんな。むしろ性能が段違いに上がってますぜ。これなら氷への耐性だけじゃなくて、火竜のブレスでも防げるんじゃねぇかと思いますぜ」
「ホントに?!」
「まぁ試したわけじゃねぇから確かとは言えねぇが、長年やってる儂の目を侮るんじゃねぇぞ?嬢ちゃん」
ダンダルから盾を受け取ったユリアはその言葉を聞いて自らの盾を誇らしげに掲げ目を輝かせている。
盾を使う身としては嬉しい限りだが、ユリアを盾騎士にしたいとは思っていない。最低限自分の身を守れる程度の盾を持てればいい。
ユリアはユリアにしかない『付与魔法』を軸にした何かに就くのが良いと思う。屋敷に居るうちにマリアとミリアーナも呼んで相談するべきだな。
「ねぇおじいちゃん?」
「ん?どうした?」
ユリアは盾を見つめていた輝いた目のままに儂の顔を見る。
「この盾があればあたしも火竜のところに行けるね!」
「え──」
#ユリア
ダンダルさんの店から戻ったあたしはお昼を摂らずに部屋に飛び込みそのままベッドに寝転がった。
『ダメだ!!』
なんでかわからないけど強くなったあたしの盾は火竜のブレスも防げるってダンダルさんは言ってた。それならあたしも火竜のところに行っておじいちゃんを助けることが出来ると思ったのに。おじいちゃんは恐い顔でそう言った。
おじいちゃんがダメって言った理由は分かる。あたしなんか成人したばかりで、剣も魔法も自信があるわけじゃないし、ゴブリンすら戦った経験もない。 ちょっと強い盾を持ってるからって、人より魔力があるからってあたしが強いわけじゃない・・・。
そんなこと、自分でも分かってる。
でも──
初めてホントの戦いをした。足が震えて、手に力が入らなくて、心臓は壊れるくらいドキドキして、すごく怖かった……。
ゴブリンなんかとは比べられないくらいの相手だったのもあるだろうけど戦いの怖さを十分想い知らされた。
けど──
おじいちゃんが戦ってる姿を見た。おばあさまの話を聞いて小さいあたしが想像した憧れた姿を。
ホントのおじいちゃんは・・・、あたしの想像そのままだった!
剣での戦いもスゴかった。
全然目で追えなくて、あたしに教えてくれているときのおじいちゃんと同じ人とは思えなかった。
魔人が『ジンギ』だって言うおじいちゃんの盾がいきなり現れたのもスゴかった。
あの不思議な緑色の光のお陰だとは思うけど、あたしではどうにもならなかったと思う魔人の魔法をどんなに受けてもビクともしなくて、魔人の最後の魔法を止めたときはそれまでの怖さなんて忘れちゃうくらい格好良かった。
これが『守る』ってことなんだって──自分の考えの甘さを実感させられた。でも余計に誰かを守れる強さが欲しいって思えた。
おじいちゃんの知識であたしの頭の中に魔法が描かれていくのもスゴかった。その『付与魔法』でおじいちゃんに魔力をあげて、魔力が無いから魔法が使えないおじいちゃんかスゴい魔法で魔人を倒した。この力であたしはおじいちゃんを守れる!って想えた。
だからもっとおじいちゃんの側に居たいって想った。皆を守ってくれるおじいちゃんを、あたしのこの力で守りたいって想った。
それなのに──
整理がつかない気持ちにひとりイライラする。ベッドの上でバタバタ暴れてどうにかなるわけではないけど。
「あ!そういえば・・・」
急にある人が言っていた言葉を思い出した。ひとつ良いアイディアが浮かぶ。
これなら──
「なんと!?フェンスが盾を持ったというのか?!」
フリオニールは驚愕の表情で飛び上がる。その勢いで椅子が後ろに倒れ大きな音を立てたが、気にもせず儂のところに詰め寄ってくるとそのまま抱きついてきた。左手で背中を痛いほど叩き続ける。
「そうか!そうか!良かったなフェンス!!私は、私は・・・、心から嬉しいぞ!!」
「そ、そうだな・・・」
儂が盾を手放したとき、最後まで反対し儂を説得し続けたのは他ならぬフリオニールだった。儂が守りを怠ったせいで右目と右腕を失ったばかりだったというのに、まるで自分のことのように本気で言葉をぶつけてきた。今になって想うときっとフリオニールも儂を守ろうとしてくれていたのだろう。
本当に感謝の言葉しかないが、それはそれとして。
互いに歳をとり顔に皺も増え、フリオニールは王の威厳の一部にもなっている厳めしい眼帯も着けているが相も変わらず美男であるのはそのままだ。気持ちは嬉しいのだが、出来ればこういった行為は若い女性にして頂きたいものだ。
ふと視線を感じ横を見ると、考えを読まれたのか?!微笑むマリアの背後に怒りのオーラが見えた気がした。
「そ、その件は後で話そう。本当にフリオニールは勿論、当時からこれまで俺を守ってくれていた皆には感謝してもしきれない」
フリオニールの両肩に手を置き身体を離す。
「陳腐な言葉だが・・・本当に、ありがとう・・・」
この歳になるまで気付かなかった皆の想いに礼を述べる。
なんとも照れくさいものだが、気分は良い。
「ああ」
フリオニールも、マリアも、ミリアーナも、グストフも、そしてユリアも。
皆優しく微笑んでいた。
そんな会議があり、儂は火竜の峰に行くこととなった。
確かに火竜のブレス対策として盾騎士の儂は打ってつけかとは自分でも思うが、マリアに押しきられた感もある。
どうにもマリアには頭が上がらない。
魔王を討伐したあと、フリオニールを傷付けてしまった自分を責め傷付くことも厭わずに、魔人の残党狩りと元帝国領土の平定に明け暮れていた儂を、側に寄り添い守り支えてくれたのがマリアだった。
盾を手放したことにも何も言わず不馴れな戦い方で毎日傷だらけになっていた儂を癒し続けてくれた。
領土の平定が一段落した頃、フリオニールの薦めもあり爵位と屋敷を貰いマリアと結婚をしたのだ。それからはずっとこんな感じだ。
マリアにも改めて礼を伝えないとな。
「こりゃあ・・・。一体何をしたんですかぃ?!」
今儂はユリアと一緒にダンダルの店に来ている。
見た目はさほど痛んでるようには見えないが、魔人の攻撃を防いだのは確か。盾が壊れていないかを心配するユリアの願いで状態を見てもらっている。
「ど、どこか壊れてますか?!」
ユリアが心配そうにダンダルに詰め寄る。
「いや、これっぽっちも壊れてはいねぇんだが……。何でかはわからねぇが、盾の性能がとんでもなく上がってる。
ブルーリザードの皮革がブルードラゴン並の強度に上がってるし、白鉄はミスリル並の強度だ!別物にしか思えねぇ・・・」
「えっ?!」
ダンダルもユリアもかなり驚いているが儂はひとつ心当たりがある。きっとアイギスの仕業だろう。
神盾の眷属になった盾が防御能力が上がること以外に何か変化があるのかを検証したことはないが、状況的にそうとしか考えられない。屋敷に戻ったらアイギスに確認してみよう。
「それで、何か不都合なことはあるか?」
「旦那はなんでそんなに落ち着いてるんですかねぇ?何か原因を知ってるんですかぃ?!」
「ん?あ、ああ。確かではないから確認してからな」
「宜しく頼みますぜ!それでですがね、盾には別に不都合はありませんな。むしろ性能が段違いに上がってますぜ。これなら氷への耐性だけじゃなくて、火竜のブレスでも防げるんじゃねぇかと思いますぜ」
「ホントに?!」
「まぁ試したわけじゃねぇから確かとは言えねぇが、長年やってる儂の目を侮るんじゃねぇぞ?嬢ちゃん」
ダンダルから盾を受け取ったユリアはその言葉を聞いて自らの盾を誇らしげに掲げ目を輝かせている。
盾を使う身としては嬉しい限りだが、ユリアを盾騎士にしたいとは思っていない。最低限自分の身を守れる程度の盾を持てればいい。
ユリアはユリアにしかない『付与魔法』を軸にした何かに就くのが良いと思う。屋敷に居るうちにマリアとミリアーナも呼んで相談するべきだな。
「ねぇおじいちゃん?」
「ん?どうした?」
ユリアは盾を見つめていた輝いた目のままに儂の顔を見る。
「この盾があればあたしも火竜のところに行けるね!」
「え──」
#ユリア
ダンダルさんの店から戻ったあたしはお昼を摂らずに部屋に飛び込みそのままベッドに寝転がった。
『ダメだ!!』
なんでかわからないけど強くなったあたしの盾は火竜のブレスも防げるってダンダルさんは言ってた。それならあたしも火竜のところに行っておじいちゃんを助けることが出来ると思ったのに。おじいちゃんは恐い顔でそう言った。
おじいちゃんがダメって言った理由は分かる。あたしなんか成人したばかりで、剣も魔法も自信があるわけじゃないし、ゴブリンすら戦った経験もない。 ちょっと強い盾を持ってるからって、人より魔力があるからってあたしが強いわけじゃない・・・。
そんなこと、自分でも分かってる。
でも──
初めてホントの戦いをした。足が震えて、手に力が入らなくて、心臓は壊れるくらいドキドキして、すごく怖かった……。
ゴブリンなんかとは比べられないくらいの相手だったのもあるだろうけど戦いの怖さを十分想い知らされた。
けど──
おじいちゃんが戦ってる姿を見た。おばあさまの話を聞いて小さいあたしが想像した憧れた姿を。
ホントのおじいちゃんは・・・、あたしの想像そのままだった!
剣での戦いもスゴかった。
全然目で追えなくて、あたしに教えてくれているときのおじいちゃんと同じ人とは思えなかった。
魔人が『ジンギ』だって言うおじいちゃんの盾がいきなり現れたのもスゴかった。
あの不思議な緑色の光のお陰だとは思うけど、あたしではどうにもならなかったと思う魔人の魔法をどんなに受けてもビクともしなくて、魔人の最後の魔法を止めたときはそれまでの怖さなんて忘れちゃうくらい格好良かった。
これが『守る』ってことなんだって──自分の考えの甘さを実感させられた。でも余計に誰かを守れる強さが欲しいって思えた。
おじいちゃんの知識であたしの頭の中に魔法が描かれていくのもスゴかった。その『付与魔法』でおじいちゃんに魔力をあげて、魔力が無いから魔法が使えないおじいちゃんかスゴい魔法で魔人を倒した。この力であたしはおじいちゃんを守れる!って想えた。
だからもっとおじいちゃんの側に居たいって想った。皆を守ってくれるおじいちゃんを、あたしのこの力で守りたいって想った。
それなのに──
整理がつかない気持ちにひとりイライラする。ベッドの上でバタバタ暴れてどうにかなるわけではないけど。
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