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加護の儀式と少女の願い
親の気持ちを子供は知らない
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♯フリオニール
オックルト司祭が放った言葉が頭の中を掻き回す。
目の前で起きた神秘的な光景が胸の鼓動を静かに高めていく。
私の娘──ジュリエットが成人の日を向かえ、その娘に急かされ大聖堂を訪れた。途中、フェンスと孫娘のユリアに会い同行を促した。そこに大した意味はなく──いや、緊張していた気持ちを少し和らげたかったのかもしれん。
もしかしたらフェンスは、そんな私の想いに気づいていたやもしれんな。
正直を言えば、私はジュリエットに加護の儀式を受けさせたくはなかった。
加護の儀式は11柱の神々から、その力の加護を授かるための儀式。成人を向かえた者が必ず行ってきたならわしのひとつ。どの神の加護を授かるかは誰にも分からず、誰にも決められるものではない。
ただ神に祈る当人の祈りが、願いが、相応しい神を引き寄せるだけ。
ジュリエットが何を祈ったかは大体想像が出来る。あの娘は良く言えば我儘を言わず言うことを良く聞く聡い娘。悪く言えば欲を持たず自らの主張をしない、"己"を持たない娘だ。
そう、育ててしまったのは私なのかもしれない。私は我が子に"剣"を持たせたくなかった。そんな我が子がたったの一度だけ我儘を言ったことがあった──
私が初めて我が子を残された左腕一本で恐る恐る抱いたのは三十路も後半に入った頃だった。そもそも妻を娶ったのが遅く、フェンスの孫娘のユリアと同い年なことで分かると思うが、周囲からも勿論私自身も待ちわびた何よりも大切なひとり娘なのだ。
帝国との戦争が終わり、その領地を任されることとなった私はもともとクラーゼル国の皇子という立場ではあったが、人格者として臣民共に評判の良い兄上がいたため、幼少の頃から政よりももっぱら剣の道を極めんと日々を過ごしていた。
帝国との戦争は日に日に過酷さを増し、その戦火が膝元である近隣の街村まで及び始めた頃、成人の日を向かえた私は教会へと訪れていた。
同行をしたのは護衛の騎士数名のみ。父上─陛下は兄上と共に前線へと赴き、手強い帝国軍を相手に軍の指揮を執っている。主だった将校も軒並み出払っており、宰相や文官達、僅かに残された兵達は王の留守を必死に護ってくれている。たった数名の同行をつけるだけでも精一杯だった。
勿論のことそこに不満などはなく、私の想いは早くこの儀式を終わらせ、ひとりの騎士として陛下や兄上、兵の皆の力になること。
私が神に祈り願った想いはひとつ──力
それは、帝国兵のようなただ奪い壊すだけの力などではなく、国を、父上を、兄上を、臣下を、兵を、民を、私の目に留まる全てを守るための力。悪しき者からその全てを守ることの出来る力。
そして慣れ親しんだ剣を司る神の加護と共に、それは私の手へと授けられた。
それは自らを聖剣『レーヴァテイン』と名乗った──
今、目の前で起きた光景はその再現の様だった。
何処からともなく翡翠色の光と共にジュリエットの手の中に現れた杖が放つ気配は、私のそれと同じ、『神器』の名に相応しい神気を放っていた。
「・・・オッタルト司祭よ。今、何と申した。ジュリエットはどの神の加護を授かったと申した・・・」
「・・・陛下。ジュリエット王女はどの11柱の神々でもない、"慈愛"・・・新たなる神の加護を、授かりました・・・」
"慈愛"──聞き覚えの無いその名の神は、私の戦友であるフェンスの孫娘ユリアが授かった"付与の神"と同じ、"善神"の1柱で間違いないだろう。
魔人共が"魔神"の復活を企み、神器や竜王の魔石を狙い動き出している今、善神の加護が授けられた意味は想像に容易い。間違いなくこれから起こる騒乱の中心に巻き込まれていくことだろう。
『お父様。私・・・、ユリアちゃんの願いを叶えてあげたい。ううん。私なんかが何かをしたとしても、そんなことが出来るとは思っていません・・・。ですが、少しでも助けることが出来るなら、私は"力"が欲しいですっ』
それが、我が娘が唯一言った我儘。
私はそれを許さなかった。
"力"を得るということは、"力"を振るわれる覚悟を持つということ。"力"とは、戦う力、守る力、救う力、奪う力。様々な形を持っているが、それらは自らの信念を肯定するために他者の願いを否定すること。
誰かを守るための力はその誰かに害をなす者の願いを打ち砕くこと。誰かを救うための力はその力が及ばない誰かを見捨てること。
力を持つことには覚悟がいる。力を振るうことには多かれ少なかれ犠牲が伴う。力には他者への責任が生じる。
私は過保護過ぎるのかもしれないが、ジュリエットには"力"などよりも、他者を思いやれる優しい娘でいてくれれば良かった。
他者の痛みなど知らなくてよかった。
「・・・オックルト様?"ジアイの神"とは、何なのでしょうか。そのような神の名を私は初めて聞きました・・・」
「私も初めてでございます。ただ・・・」
「ただ?」
「ええ。そちらにいられますユリア殿が先日授かられた"付与の神の加護"と何かしら繋がりを持った神であることは、間違いないでしょう。神々は我々に何かしらの定めを授けたのでしょう。それが何であるのかは私には到底見当が着きませぬが、王女様も選ばれたおひとりだということでしょうな・・・」
「私がユリアちゃんと同じ選ばれたひとり──」
輝く杖をその小さな手で強く握りしめているジュリエットの瞳は、真っ直ぐフェンスの隣に立つユリアに向けられている。そこには何かしらの強い決意が満ち溢れていた。
「・・・おじいちゃん。ジュリちゃんが授かった加護はあたしと同じで"善神さま"の加護なの・・・?」
「うむ。儂には確かなことは分からんが、きっとそうだろうな。ティアマトかイグナーツなら知っているだろうから、聞いてみるとしよう」
フェンス達を同行させたのは、失敗だった・・・。竜王によって善神であることが断言されてしまっては、最早止めることは出来なくなる。
私はどうするのが正解なのだ──
「・・・お父様。私の授かった神の"力"は、ユリアちゃんの・・・お父様のお力になれるでしょうか。もしっ、なれるのでしたら私はっ、やっぱり──
「──ならんっ!」
「──っ!?」
ジュリエットの言葉を遮るために出した声は、自分でも驚くくらい大きく一切の感情を殺した声だった。
「・・・フ、フリオニール?ど、どうした・・・?」
フェンスが私の顔を覗きこんでくる。フェンスのこれほどまで狼狽えた表情は、魔王との決戦の後でしか見たことがないな。
「・・・フェンス。すまんが、このことは他言無用で頼む。竜王にもマリアにも言わないでくれ」
「そ、それはどういう意味だ・・・」
「ユリアも良いな?」
「──っ?!」
見られてしまった以上、こうする他無い。私の頼みならきっとフェンスは誰にも言わないでくれる。
「ジュリエット。城へ戻るぞ。話はそこでだ」
「~~~~っ」
ジュリエットへと歩み寄りその手と杖を掴もうと手を伸ばしたのだが、その手はあろうことかジュリエットによって払われた。
「・・・お、お父様なんてっ、大嫌いですっ!」
我が娘にしては珍しいほどの大きな声でそう叫ぶと、杖を持ったまま扉の外へと飛び出して行ってしまった。
「ジ、ジュリちゃんっ?!」
「エダ。ジュリエットを頼む・・・」
「は、はっ!お任せをっ」
その光景を見ていた他の護衛の騎士や付き添いのメイド達がざわつきを見せる。
「皆も良いな。ここで見たことは誰にも言ってはならぬ。これは王命である」
ジュリエットが飛び出して行った開け放たれた扉の外をじっと見る。勿論姿が見えるわけもなく、後を追わせたエダの姿ももう見えない。
無いはずの右目と右腕に鈍い痛みを感じた──
オックルト司祭が放った言葉が頭の中を掻き回す。
目の前で起きた神秘的な光景が胸の鼓動を静かに高めていく。
私の娘──ジュリエットが成人の日を向かえ、その娘に急かされ大聖堂を訪れた。途中、フェンスと孫娘のユリアに会い同行を促した。そこに大した意味はなく──いや、緊張していた気持ちを少し和らげたかったのかもしれん。
もしかしたらフェンスは、そんな私の想いに気づいていたやもしれんな。
正直を言えば、私はジュリエットに加護の儀式を受けさせたくはなかった。
加護の儀式は11柱の神々から、その力の加護を授かるための儀式。成人を向かえた者が必ず行ってきたならわしのひとつ。どの神の加護を授かるかは誰にも分からず、誰にも決められるものではない。
ただ神に祈る当人の祈りが、願いが、相応しい神を引き寄せるだけ。
ジュリエットが何を祈ったかは大体想像が出来る。あの娘は良く言えば我儘を言わず言うことを良く聞く聡い娘。悪く言えば欲を持たず自らの主張をしない、"己"を持たない娘だ。
そう、育ててしまったのは私なのかもしれない。私は我が子に"剣"を持たせたくなかった。そんな我が子がたったの一度だけ我儘を言ったことがあった──
私が初めて我が子を残された左腕一本で恐る恐る抱いたのは三十路も後半に入った頃だった。そもそも妻を娶ったのが遅く、フェンスの孫娘のユリアと同い年なことで分かると思うが、周囲からも勿論私自身も待ちわびた何よりも大切なひとり娘なのだ。
帝国との戦争が終わり、その領地を任されることとなった私はもともとクラーゼル国の皇子という立場ではあったが、人格者として臣民共に評判の良い兄上がいたため、幼少の頃から政よりももっぱら剣の道を極めんと日々を過ごしていた。
帝国との戦争は日に日に過酷さを増し、その戦火が膝元である近隣の街村まで及び始めた頃、成人の日を向かえた私は教会へと訪れていた。
同行をしたのは護衛の騎士数名のみ。父上─陛下は兄上と共に前線へと赴き、手強い帝国軍を相手に軍の指揮を執っている。主だった将校も軒並み出払っており、宰相や文官達、僅かに残された兵達は王の留守を必死に護ってくれている。たった数名の同行をつけるだけでも精一杯だった。
勿論のことそこに不満などはなく、私の想いは早くこの儀式を終わらせ、ひとりの騎士として陛下や兄上、兵の皆の力になること。
私が神に祈り願った想いはひとつ──力
それは、帝国兵のようなただ奪い壊すだけの力などではなく、国を、父上を、兄上を、臣下を、兵を、民を、私の目に留まる全てを守るための力。悪しき者からその全てを守ることの出来る力。
そして慣れ親しんだ剣を司る神の加護と共に、それは私の手へと授けられた。
それは自らを聖剣『レーヴァテイン』と名乗った──
今、目の前で起きた光景はその再現の様だった。
何処からともなく翡翠色の光と共にジュリエットの手の中に現れた杖が放つ気配は、私のそれと同じ、『神器』の名に相応しい神気を放っていた。
「・・・オッタルト司祭よ。今、何と申した。ジュリエットはどの神の加護を授かったと申した・・・」
「・・・陛下。ジュリエット王女はどの11柱の神々でもない、"慈愛"・・・新たなる神の加護を、授かりました・・・」
"慈愛"──聞き覚えの無いその名の神は、私の戦友であるフェンスの孫娘ユリアが授かった"付与の神"と同じ、"善神"の1柱で間違いないだろう。
魔人共が"魔神"の復活を企み、神器や竜王の魔石を狙い動き出している今、善神の加護が授けられた意味は想像に容易い。間違いなくこれから起こる騒乱の中心に巻き込まれていくことだろう。
『お父様。私・・・、ユリアちゃんの願いを叶えてあげたい。ううん。私なんかが何かをしたとしても、そんなことが出来るとは思っていません・・・。ですが、少しでも助けることが出来るなら、私は"力"が欲しいですっ』
それが、我が娘が唯一言った我儘。
私はそれを許さなかった。
"力"を得るということは、"力"を振るわれる覚悟を持つということ。"力"とは、戦う力、守る力、救う力、奪う力。様々な形を持っているが、それらは自らの信念を肯定するために他者の願いを否定すること。
誰かを守るための力はその誰かに害をなす者の願いを打ち砕くこと。誰かを救うための力はその力が及ばない誰かを見捨てること。
力を持つことには覚悟がいる。力を振るうことには多かれ少なかれ犠牲が伴う。力には他者への責任が生じる。
私は過保護過ぎるのかもしれないが、ジュリエットには"力"などよりも、他者を思いやれる優しい娘でいてくれれば良かった。
他者の痛みなど知らなくてよかった。
「・・・オックルト様?"ジアイの神"とは、何なのでしょうか。そのような神の名を私は初めて聞きました・・・」
「私も初めてでございます。ただ・・・」
「ただ?」
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輝く杖をその小さな手で強く握りしめているジュリエットの瞳は、真っ直ぐフェンスの隣に立つユリアに向けられている。そこには何かしらの強い決意が満ち溢れていた。
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「うむ。儂には確かなことは分からんが、きっとそうだろうな。ティアマトかイグナーツなら知っているだろうから、聞いてみるとしよう」
フェンス達を同行させたのは、失敗だった・・・。竜王によって善神であることが断言されてしまっては、最早止めることは出来なくなる。
私はどうするのが正解なのだ──
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「──ならんっ!」
「──っ!?」
ジュリエットの言葉を遮るために出した声は、自分でも驚くくらい大きく一切の感情を殺した声だった。
「・・・フ、フリオニール?ど、どうした・・・?」
フェンスが私の顔を覗きこんでくる。フェンスのこれほどまで狼狽えた表情は、魔王との決戦の後でしか見たことがないな。
「・・・フェンス。すまんが、このことは他言無用で頼む。竜王にもマリアにも言わないでくれ」
「そ、それはどういう意味だ・・・」
「ユリアも良いな?」
「──っ?!」
見られてしまった以上、こうする他無い。私の頼みならきっとフェンスは誰にも言わないでくれる。
「ジュリエット。城へ戻るぞ。話はそこでだ」
「~~~~っ」
ジュリエットへと歩み寄りその手と杖を掴もうと手を伸ばしたのだが、その手はあろうことかジュリエットによって払われた。
「・・・お、お父様なんてっ、大嫌いですっ!」
我が娘にしては珍しいほどの大きな声でそう叫ぶと、杖を持ったまま扉の外へと飛び出して行ってしまった。
「ジ、ジュリちゃんっ?!」
「エダ。ジュリエットを頼む・・・」
「は、はっ!お任せをっ」
その光景を見ていた他の護衛の騎士や付き添いのメイド達がざわつきを見せる。
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