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本編
結婚前夜②
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王様に報告した日から、ルシアンは毎日バタバタと忙しそうで、夜に王子妃の部屋に顔を出すくらいしか会えなくなった。
会えた時は、ルシアンが過度な触れ合いを求めているのが分かるけど、どうしてもあの変態的な行為に慣れる気がしなくて、ハグと擦り合い(譲歩して兜合わせ)までにしてもらっている。
俺も元々性欲が薄目だとはいえ、健全な男子だから溜まるものは溜まるし、一人でこっそり抜くよりは二人でスッキリした方が良いと思うから苦渋の決断だ。
それでもルシアンは、俺の……その……アレを舐めたいとか飲みたいとか、――口に出すのも嫌な恥ずかしいことを平気で口にして懇願されるけど、我慢してもらっている。
だっていちいち甘いとか美味いとか言って来るんだ!
そんな訳ないだろって言っても、俺が出す物は全てが愛しくて美味いって‼
思い出すだけでも恥ずかしいし、恍惚とした表情で言われたその言葉が過れば顔が熱くなる……。
向こうの世界の知識では、アレは苦いしえぐみがあるとかなんとか聞いたし、第一あんな青臭いっていうか、漂白剤みたいな匂いのものが美味い訳がないんだ!
だからルシアンの味覚は死んでるんだと思って、色々まずい物とかを食べさせてみたりしたけど、食の好みはあれど味覚異常という訳ではなさそうだった。
まあ俺が作った物はいくら焦げていようが、味が薄くても美味しいって言って食べているから、何らかのフィルターが働いている可能性が高いなという考えに至った。
だからといって、積極的にアレを舐めたり飲んだりすることを受け入れられるほど経験豊かではないし覚悟もない。
でも、あの異常な執着は精霊姫への気持ちを拗らせたが故の限定的な性癖かと思いきや、通常時の性癖っぽくて、ルシアンを選んだことを少しだけ後悔したりなんかして……。
性癖で言えばマリオンはヤリチンではあるけど、ここまで変態的な行為はしないっぽかったしな。
まああの襲われた時の一回でしか判断は出来ないけど。
でも俺の中にはマリオンを伴侶にするという選択肢はなかったし、今は我慢してもらっているし、ルシアンが頑張っているのも知っているから、いつかは受け入れるしかないのかなとは思ってるけど……。
――だからと言って積極的にアレを飲んでも良いよとは言えそうにないけどね!
婚姻の儀は半年後に行うことになった。
それに向けて俺は日中、ポワソン少年と宰相のおじさんと一緒にこの国と周辺国の関係とか、婚姻の儀ではどんなことをするのかとかを毎日勉強することになったから、頑張って覚えなければならない。
その時に王太子になるための立太子式も一緒にやることにしたらしい。
それでルシアンは第一王子から王太子になって、俺は王太子妃になるのだそうだ。
立太子式も精霊王が立ち会う必要があるとかで、婚姻の儀の前にやるんだって。
そんな風に過ごしていたら、あっという間に儀式の前日になった。
いつもは一人でお風呂を済ませているのに、ポワソン少年に今日は絶対お手伝いしますと言われてしまって、拒否しきれず大きくなってから初めて他人に体を洗われるという体験をしてしまった。
躊躇なく下半身まで洗おうとするから、そこだけは断固拒否して自分で洗うからと言うと、ポワソン少年は渋っていたけどなんとか諦めてもらって自分で洗った。
お風呂から出たら出たで、今度は魔法で体や髪を乾かしてくれて、植物を編んで作ったような(籠みたいな?)ベンチの様なベッドの様なものに、うつ伏せで寝かされて全身に良い香りのするオイルを塗りこまれてマッサージされた。
――されるがままマッサージを受けていると、従妹の結婚式のことを思い出した。
母ちゃんの姉ちゃんの娘が結婚するとかで、結婚式の話をしたい伯母ちゃんが家に来て喋ってたっけ。
従妹の姉ちゃんが一生で一番綺麗な状態で結婚式を迎えられるように、ブライダルエステっていうやつを受けるんだか受けているんだかって話してたなあ。
母ちゃんは結婚式を挙げなかったから、姪である従妹の姉ちゃんの結婚式が楽しみで仕方ないって伯母ちゃんとはしゃいでたっけ。
それで、いつか俺が嫁さんを貰うことになったら、結婚式はちゃんと挙げてあげなさいよ~って言ってた。
自分はその時お金もなかったし、身内の不幸があったりタイミングも悪くて結婚式どころじゃなかったからって。
母ちゃん、本当は結婚式挙げたかったんだろうな……。
でもまさか異世界で王子(もうすぐ王太子)と結婚することになって、明日結婚式をすることになるとは思ってもいなかったな。
そんなことを考えていたら、母ちゃんに俺の晴れ姿を見せてあげたかったなとか思ってしまってちょっと切なくなった。
もう母ちゃんは俺のことなんか覚えてないっていうのにな。
これがマリッジブルーってやつなのかもしれないな。
会えた時は、ルシアンが過度な触れ合いを求めているのが分かるけど、どうしてもあの変態的な行為に慣れる気がしなくて、ハグと擦り合い(譲歩して兜合わせ)までにしてもらっている。
俺も元々性欲が薄目だとはいえ、健全な男子だから溜まるものは溜まるし、一人でこっそり抜くよりは二人でスッキリした方が良いと思うから苦渋の決断だ。
それでもルシアンは、俺の……その……アレを舐めたいとか飲みたいとか、――口に出すのも嫌な恥ずかしいことを平気で口にして懇願されるけど、我慢してもらっている。
だっていちいち甘いとか美味いとか言って来るんだ!
そんな訳ないだろって言っても、俺が出す物は全てが愛しくて美味いって‼
思い出すだけでも恥ずかしいし、恍惚とした表情で言われたその言葉が過れば顔が熱くなる……。
向こうの世界の知識では、アレは苦いしえぐみがあるとかなんとか聞いたし、第一あんな青臭いっていうか、漂白剤みたいな匂いのものが美味い訳がないんだ!
だからルシアンの味覚は死んでるんだと思って、色々まずい物とかを食べさせてみたりしたけど、食の好みはあれど味覚異常という訳ではなさそうだった。
まあ俺が作った物はいくら焦げていようが、味が薄くても美味しいって言って食べているから、何らかのフィルターが働いている可能性が高いなという考えに至った。
だからといって、積極的にアレを舐めたり飲んだりすることを受け入れられるほど経験豊かではないし覚悟もない。
でも、あの異常な執着は精霊姫への気持ちを拗らせたが故の限定的な性癖かと思いきや、通常時の性癖っぽくて、ルシアンを選んだことを少しだけ後悔したりなんかして……。
性癖で言えばマリオンはヤリチンではあるけど、ここまで変態的な行為はしないっぽかったしな。
まああの襲われた時の一回でしか判断は出来ないけど。
でも俺の中にはマリオンを伴侶にするという選択肢はなかったし、今は我慢してもらっているし、ルシアンが頑張っているのも知っているから、いつかは受け入れるしかないのかなとは思ってるけど……。
――だからと言って積極的にアレを飲んでも良いよとは言えそうにないけどね!
婚姻の儀は半年後に行うことになった。
それに向けて俺は日中、ポワソン少年と宰相のおじさんと一緒にこの国と周辺国の関係とか、婚姻の儀ではどんなことをするのかとかを毎日勉強することになったから、頑張って覚えなければならない。
その時に王太子になるための立太子式も一緒にやることにしたらしい。
それでルシアンは第一王子から王太子になって、俺は王太子妃になるのだそうだ。
立太子式も精霊王が立ち会う必要があるとかで、婚姻の儀の前にやるんだって。
そんな風に過ごしていたら、あっという間に儀式の前日になった。
いつもは一人でお風呂を済ませているのに、ポワソン少年に今日は絶対お手伝いしますと言われてしまって、拒否しきれず大きくなってから初めて他人に体を洗われるという体験をしてしまった。
躊躇なく下半身まで洗おうとするから、そこだけは断固拒否して自分で洗うからと言うと、ポワソン少年は渋っていたけどなんとか諦めてもらって自分で洗った。
お風呂から出たら出たで、今度は魔法で体や髪を乾かしてくれて、植物を編んで作ったような(籠みたいな?)ベンチの様なベッドの様なものに、うつ伏せで寝かされて全身に良い香りのするオイルを塗りこまれてマッサージされた。
――されるがままマッサージを受けていると、従妹の結婚式のことを思い出した。
母ちゃんの姉ちゃんの娘が結婚するとかで、結婚式の話をしたい伯母ちゃんが家に来て喋ってたっけ。
従妹の姉ちゃんが一生で一番綺麗な状態で結婚式を迎えられるように、ブライダルエステっていうやつを受けるんだか受けているんだかって話してたなあ。
母ちゃんは結婚式を挙げなかったから、姪である従妹の姉ちゃんの結婚式が楽しみで仕方ないって伯母ちゃんとはしゃいでたっけ。
それで、いつか俺が嫁さんを貰うことになったら、結婚式はちゃんと挙げてあげなさいよ~って言ってた。
自分はその時お金もなかったし、身内の不幸があったりタイミングも悪くて結婚式どころじゃなかったからって。
母ちゃん、本当は結婚式挙げたかったんだろうな……。
でもまさか異世界で王子(もうすぐ王太子)と結婚することになって、明日結婚式をすることになるとは思ってもいなかったな。
そんなことを考えていたら、母ちゃんに俺の晴れ姿を見せてあげたかったなとか思ってしまってちょっと切なくなった。
もう母ちゃんは俺のことなんか覚えてないっていうのにな。
これがマリッジブルーってやつなのかもしれないな。
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