【R18】101回目の転生~天然無自覚少女は溺愛に気付かない~

しろ

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101回目の転生で、今回も私は産まれてすぐにこれまでの記憶を思い出していた。
オギャーっと泣いた瞬間に、だ。
ふふ。101回目となると転生もプロレベルである。

私はすぐさま泣き止んで周りを観察する。
これまで出会ってきた大人は泣いている赤ちゃんが嫌いな人が多かったから。泣いたら嫌われてしまう…そう思って、気合いで涙をグッと堪えた。


ーな…、なんか沢山の人に囲まれてる?…ー


まだボヤけた視界ではあるが、キョロキョロと周りを見回す。
こんな事は初めてだ。
繰り返される転生で私が出会ってきた人数はとても少ない。まず、両親ともに揃っていることが稀であった。大体が片親であったし、兄弟姉妹という繋がりも経験した事がなかった。
そしてどの人生でも、産まれた瞬間に悟ってしまう。‘’あぁ、またかっ…‘’て。
私が見る景色はいつも同じ。暗く、埃まみれの部屋で、母親は私を忌々しい目で睨んでいた。誰からも望まれない子、それが私だった。

それなのに、今回はどうだろう。

レイラと呼ばれていた母親から向けられた眼差しは慈愛に満ちたもので、こんなに綺麗に微笑む女性を初めて見た。ルイズと呼ばれていた父からは、蕩ける程甘い視線を感じる。両親ともに整った顔立ちで、誰が見ても美男美女だと称賛するだろう。

部屋は上品で華やかな薔薇の模様の壁紙に覆われており、天井からはキラキラと光るシャンデリアが柔らかな日の光を室内へと反射させていた。
私は手触りの良いシルクの産着を纏っているし、なんだかフローラルの甘く優しい香りが部屋を満たしている。まだ視界が狭く顔を思うように動かせない為、部屋全体を見回す事ができないが、かなり高位貴族であると思われる。

あまりにも今迄の人生と違い過ぎる境遇に、私は混乱していた。

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