【R18】101回目の転生~天然無自覚少女は溺愛に気付かない~

しろ

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23.

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やっぱり何かおかしい気がする。
あれから数日、私が部屋を出て何かしようとするとハリーに遭遇する事が多くなった。
そして、ハリーと会うと必ず予定が変更になってしまう。
私に聞こえないようにハリーがサーラに何か耳打ちすると、サーラが慌てて予定を変更しようと提案するのだ。

「やっぱり今日はお散歩は止めてお部屋で過ごしましょう」「今日はお部屋で昼食にしましょうか」「カイン様とのティータイムはまた今度にして、お部屋で遊びましょうね」「今日はロイ様はお忙しいそうで…お部屋で過ごしましょう」

相変わらず毎朝カイ兄様は挨拶に来てくださるし、ロイお兄様やラナンお兄様もお部屋に遊びに来てくれるけれど、お庭でのティータイムやお散歩の約束は急にキャンセルとなることが増えた。

お部屋から出たらいけないのかな…。
でも、全く出られなくなった訳じゃない。「今日は駄目」って日がある気がする。

良い日と駄目な日の違いは何だろう?

理由が解らないまま数日が過ぎ、私の誕生日まであと1週間に迫ったある日、私は決定的な場面に遭遇してしまう。


それは私が久しぶりにお庭でサーラと歩く練習をしていた時の事。
薔薇が高く咲き誇る垣根の向こうのガゼボからカイ兄様の声が聞こえてきたのだ。


「だから、駄目だって言っているでしょう。」

「カイン、俺とお前の仲じゃないか。一度くらい会わせてくれても良いだろう?」

「絶対駄目です。ミューは誰にも会わせられません!」


カイ兄様と男の人が話しているようで、カイ兄様はいつもとは違う怒った口調だった。

『誰にも会わせられない』
それはどういう意味だろうか。
私が公爵家の令嬢として不合格だからか…隠しておかなければならない程見苦しいからか…。
だから最近部屋に居なければいけなかったのか。


要らない子


「はっ……あ……あぅ。はっ…」息が出来ない。


「ミュラお嬢様っ!!」
サーラが慌てて私を抱き支える。


「ミュラ!!」
歪む景色の中、最後に見たのはロイお兄様の青ざめた顔だった。






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