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衣装部屋のクローゼットに詰め込まれた大量のお洋服と、置場所が無い程運び込まれたプレゼントBOXの山を前に私は開いた口が塞がらない。
「改めて見ると…すごい数ね…。」
「本当に…。ミュラお嬢様が慕われている証ですね。早速中身を確認してまいりましょうか。」
サーラが手際よくプレゼントの包みを開けていってくれる。中身はどれも高級そうな物ばかりで…私は嬉しさより不安が募っていく。
「こんなに高そうな物ばかり本当に貰ってもいいのかしら?後で請求が来たり、プレゼントの代わりに何か要求されたり、パパやママが困るような事にならないかしら??」
「ミュラお嬢様、落ち着いてください。大丈夫ですよ。これはプレゼントですから、後で請求が来たり、困るような事は起きません。(まぁ、溺愛する娘を取られそうでルイズ様は頭を抱えておりますが…。)」
「サーラ…。でも、お礼のお手紙やお返しは必要よね?どうしよう、私お金は持ってないわ。…こうなったら働いて稼ぐしか…。」
今までの人生で、下働きのような事は経験している。お掃除くらいなら私にだってできるわ。
「いえいえいえ!ミュラお嬢様が働くなんて…そんな事しなくて大丈夫ですよ!何か必要な物があればご用意いたしますし、ルイズ様に頼めば買っていただけますよ。」
「でも、それじゃ私からのお礼って感じがしないわ…。お手紙は書くにして、あとはプレゼントになりそうな物…お金がかからないもので何かないかしら?」
私の持っている物は全てパパやママ、お兄様達からいいただいた物だからあげる事はできないし…。
「そうですねぇ…。あ!ポプリはいかがでしょうか?」
「ポプリって…私が作った薔薇のポプリ?」
お庭で薔薇の観察が日課になっていた私に庭師長さんがポプリの作り方を教えてくれたんだ。
私が作っているのはドライポプリ。
7分咲きの薔薇の花びらをガクから外し日陰で1週間程乾燥させたら、密閉瓶に入れてローズエッセンシャルオイルを数滴加え香りを馴染ませる。時々軽く振って馴染ませるようにしながら、冷暗所で1ヶ月程香りを熟成させれば出来上がり!
サーラに手伝って貰いながら何度もポプリを作っているから、薔薇のポプリは大量にある。
「オーガンジーやレースの小袋に詰めて可愛らしくリボンを結べば、香り袋として使っていただけるのではないでしょうか?」
「素人の私が作った物で喜んでもらえるかしら?」
「勿論!ミュラお嬢様の手作りだと知ったら皆様大変喜ばれますよ!」
「そう?そうよね、こういう事は気持ちが大切よね。サーラ、悪いけれどオーガンジーの小袋とレースのリボンを用意してくれるかしら?」
高価な物じゃないし素人の私が作ったものだけれど、ロレイル公爵家の薔薇はとても香りがいい。乾燥させてもピンク色の花びらが美しく、ローズエッセンシャルオイルを加えているせいもあるが、香りがとても華やかなの。
あれ、そういえば乾燥させているのに何故こんなに色鮮やかなのかしら?異世界の薔薇だし、そういう品種なのかもしれないわね。
「はい、承知いたしました。」
「あ!待って!小袋とリボンのお金…どうしよう。」
簡単に用意してなんて言ったけど、用意するにはお金が必要よね…働くのはダメって言われたし…お小遣いは貰って無いし…
「いえ、ミュラお嬢様お金は…」
「あっ!そうだわ!お手伝いをしてお小遣いを貰えないかしら?」
「お手伝い…ですか?いえ、そもそもお金は…」
「屋敷のお給金はハリーが管理しているわよね?よし、早速ハリーに相談に行きましょう!」
「えぇぇ?ミュラお嬢様…本気ですか?」
「勿論!さぁ、行くわよ。」
こうして1日屋敷の使用人達に混ざり、様々な場所でお手伝いをし、使用人達の心を鷲掴みにした事は知る由もない。
「改めて見ると…すごい数ね…。」
「本当に…。ミュラお嬢様が慕われている証ですね。早速中身を確認してまいりましょうか。」
サーラが手際よくプレゼントの包みを開けていってくれる。中身はどれも高級そうな物ばかりで…私は嬉しさより不安が募っていく。
「こんなに高そうな物ばかり本当に貰ってもいいのかしら?後で請求が来たり、プレゼントの代わりに何か要求されたり、パパやママが困るような事にならないかしら??」
「ミュラお嬢様、落ち着いてください。大丈夫ですよ。これはプレゼントですから、後で請求が来たり、困るような事は起きません。(まぁ、溺愛する娘を取られそうでルイズ様は頭を抱えておりますが…。)」
「サーラ…。でも、お礼のお手紙やお返しは必要よね?どうしよう、私お金は持ってないわ。…こうなったら働いて稼ぐしか…。」
今までの人生で、下働きのような事は経験している。お掃除くらいなら私にだってできるわ。
「いえいえいえ!ミュラお嬢様が働くなんて…そんな事しなくて大丈夫ですよ!何か必要な物があればご用意いたしますし、ルイズ様に頼めば買っていただけますよ。」
「でも、それじゃ私からのお礼って感じがしないわ…。お手紙は書くにして、あとはプレゼントになりそうな物…お金がかからないもので何かないかしら?」
私の持っている物は全てパパやママ、お兄様達からいいただいた物だからあげる事はできないし…。
「そうですねぇ…。あ!ポプリはいかがでしょうか?」
「ポプリって…私が作った薔薇のポプリ?」
お庭で薔薇の観察が日課になっていた私に庭師長さんがポプリの作り方を教えてくれたんだ。
私が作っているのはドライポプリ。
7分咲きの薔薇の花びらをガクから外し日陰で1週間程乾燥させたら、密閉瓶に入れてローズエッセンシャルオイルを数滴加え香りを馴染ませる。時々軽く振って馴染ませるようにしながら、冷暗所で1ヶ月程香りを熟成させれば出来上がり!
サーラに手伝って貰いながら何度もポプリを作っているから、薔薇のポプリは大量にある。
「オーガンジーやレースの小袋に詰めて可愛らしくリボンを結べば、香り袋として使っていただけるのではないでしょうか?」
「素人の私が作った物で喜んでもらえるかしら?」
「勿論!ミュラお嬢様の手作りだと知ったら皆様大変喜ばれますよ!」
「そう?そうよね、こういう事は気持ちが大切よね。サーラ、悪いけれどオーガンジーの小袋とレースのリボンを用意してくれるかしら?」
高価な物じゃないし素人の私が作ったものだけれど、ロレイル公爵家の薔薇はとても香りがいい。乾燥させてもピンク色の花びらが美しく、ローズエッセンシャルオイルを加えているせいもあるが、香りがとても華やかなの。
あれ、そういえば乾燥させているのに何故こんなに色鮮やかなのかしら?異世界の薔薇だし、そういう品種なのかもしれないわね。
「はい、承知いたしました。」
「あ!待って!小袋とリボンのお金…どうしよう。」
簡単に用意してなんて言ったけど、用意するにはお金が必要よね…働くのはダメって言われたし…お小遣いは貰って無いし…
「いえ、ミュラお嬢様お金は…」
「あっ!そうだわ!お手伝いをしてお小遣いを貰えないかしら?」
「お手伝い…ですか?いえ、そもそもお金は…」
「屋敷のお給金はハリーが管理しているわよね?よし、早速ハリーに相談に行きましょう!」
「えぇぇ?ミュラお嬢様…本気ですか?」
「勿論!さぁ、行くわよ。」
こうして1日屋敷の使用人達に混ざり、様々な場所でお手伝いをし、使用人達の心を鷲掴みにした事は知る由もない。
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