【R18】101回目の転生~天然無自覚少女は溺愛に気付かない~

しろ

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143.~ロキEND~1

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*124.私の好きな人 の続きからのお話です。
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《ロキside》

「ロキ様、ちょっとよろしいでしょうか?」

お茶会の後、モクロー伯爵家のカミラ嬢から話しかけられた。カミラ嬢はキョロキョロと周りを気にする素振りを見せ、いつもの高飛車な振る舞いを隠し真剣な表情だ。

「カミラ嬢、どうしたの?」

「ミュラ様の事でちょっとお耳に入れたいことがございまして、できれば人目につかない所でお話させていただきたいんですが…。」

「わかった。馬車で家まで送ろう。馬車の中なら誰にも聞かれないからね。それでいい?」

「ありがとうございます。お言葉に甘えさせていただきます。」

ーーーーーーーーーーーーーー・・・
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「で、ミュラの事で話って何?」

「実はミュラ様とグレゴリー伯爵家のセムヤ様が恋仲だと噂が流れておりまして…。今まで、ミュラ様が王家、公爵家、侯爵家の方々と懇意にされていたのは周知の事実ですが、ここに来て初めてその他の家名が出たので、社交界ではそのお話で持ちきりですの。」

「あぁ、そんな事…。俺も噂は耳にしてるよ。でもあくまで噂でしょ。ミュラが想いを寄せているとは思えない。」

今までだっていろんな奴らが『ミュラと恋仲だ』とか『未来を約束した仲だ』と吹聴していた。勿論その全てが嘘だというのは、調べなくとも解ることだ。

「先日ミュラ様がグレゴリー伯爵家を訪れたのはご存知ですか?お二人きりでお話をされていたようなんですが…それを使用人が覗き見していたそうなんです。」

「覗き見とは躾がなっていないね。」

「使用人が言うには、セムヤ様が愛の言葉を囁きプロポーズした後、嬉し涙を流すミュラ様を抱き締められたとか…。」

「はぁ?」

「真偽は解りませんが…困った事にその使用人が街で言いふらしているんですの。ミュラ様のファンだったらしく、奥様としてミュラ様が来てくれたらと大興奮のようでして…。」

「当のグレゴリー伯爵家は何か言ってないの?使用人がそこまで噂話を広めているのなら何かしら対応すべきだろ?ミュラは公爵令嬢だ、虚偽の噂を故意に広めたとなれば、いくら使用人のした事と言えどお咎め無しとはいかないよ。」

「それが…お茶会にてセムヤ様ご本人がプロポーズされた事をお認めになられて…。ミュラ様のお返事は話をはぐらかされて解らないままなのですが、身分差の恋愛だと話のネタに火がついてしまいまして…。もしミュラ様の望む状況でなかったらと心配になってしまいましたの。」

「はぁ…状況はわかったよ。カミラ嬢ありがとう。ミュラと話をしてみるよ。」

「はい、お力になれることがあれば何なりとお申し付けください。ミュラ様の為でしたらいつでも協力いたしますわ。」


グレゴリー伯爵家のセムヤか…。
ミュラの16歳の誕生日でミュラと話している所を見かけたが、今までミュラとの接点はなかったと思う。
黒髪で長身の男で整った顔立ちだとは思うが、公爵家や王家の者と比べると見劣りする。至って普通の男。そんな男にミュラが一目惚れするだろうか…?

はぁ…考えても答えは出ないな。
ミュラ、お前はいつも俺を悩ませてばかりだ。
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