160 / 177
154.~エレクトラEND~3
しおりを挟む
《エレクトラside》
「ミュラ!今日は来てくれてありがとう!内緒で家を出るの大変だったでしょ?」
「ふふ、大丈夫です。今日はお買い物に行くと伝えて出てきたの。ハイド様が街まで護衛でついて行くとおっしゃったんだけど、エレクトラ様の言う通り『ランジェリーを買いたいの』と言ったら、買い物が終わったら呼んで下さいと言って帰っていったわ。みんなに嘘をつくのは申し訳ないけど、王家からの依頼で作った魔法薬の試験だものね、私に協力できる事は喜んでいたします。」
そう。私はミュラに『王家からの依頼で作った魔法薬の効果を試したいから、協力して欲しい』と頼んでいた。
嘘…ではない。キュアネ王女様からこの薬が出来たら、内密に売って欲しいと言われている。
先日の誕生日パーティーでは元気の無かったミュラだけど、ここ最近は『私にできる事ならなんでもしたい!皆の役に立ちたい!』と意気込んでいると聞いていたけれど…どうやら本当だったみたい。
にっこり笑うミュラに後ろめたさを感じつつ、私はミュラの首にネックレスを着ける。
「これはね、おまじないのネックレス。今回手伝って貰うお礼よ。」
「わぁ、綺麗。ありがとうございます。」
「どういたしまして。ミュラには今日一日このネックレスを着けていて欲しいの。」
このネックレス、実は魔力の気配を消す効果がある。ミュラの魔力は強力だから、完全には隠しきれないかもしれないけれど…無いよりはマシよね。
*****
お屋敷について、ミュラはお祖父様とお祖母様に丁寧に挨拶をした。普段ぽわんとした雰囲気のミュラだけど、こういう時は公爵令嬢としての凛とした所作が素晴らしい。
お祖父様もお祖母様もミュラの美しさに最初は言葉を失っていたけれど、ミュラが手土産としてお菓子とお手製ポプリを渡すと、二人とも興味深そうにポプリを眺め始める。ミュラのポプリには魔力が込められてるから二人には良いオモチャよね。
挨拶を終えると、ミュラを3階の角部屋へと案内する。部屋の中央には大人が4人寝れそうなくらい大きなベッドが設置されている。今日の為にお祖母様が特注で大きなベッドを用意してくれた。
「さぁ、こっちよ。ベッドに座ってくれる?」
「ベッドに…ですか?」
頭にハテナマークを浮かべるミュラを誘導し、二人揃ってベッドの中央へと上がる。
「じゃあ、魔法薬の説明をするわね。ミュラは女の子同士のエッチの仕方を知ってる?」
「えっ!?…えっと…キスしたり…触り合うって事でしょうか?」
真っ赤な顔で答えるミュラ…これは知識として知ってるだけじゃないって顔ね。
「誰かとシタ事あるの?」
コクンと頷くミュラを見て嫉妬心が沸き上がる。
「その時に魔法薬は使った?」
「いいえ?使ってません。」
「そう。今日は女の子同士でエッチをする為の魔法薬なの。そういう薬があることは知ってる?」
「いえ…。今日はその魔法薬を私が飲めばいいんですか?」
「いいえ、魔法薬は私が飲むわ。この魔法薬を摂取すると男性器が生えてくるの。飾りとして生えてくるんじゃなくて、ちゃんと生殖器として機能するから、効果がある内は男性と変わらないわね。」
「そ…そんなものがあるんですね…。」
「恋愛観の多様性に伴い、こういう薬が必要とされているのよ。勿論、殿方同士でいたす場合の薬もあるわ。昔からある薬なんだけど、今回は私が改良を加えたの。薬を飲むのは私だけど、相手が居ないと試せないでしょう?だからミュラには私のお相手になって欲しいんだけど…。駄目かしら?」
「……お相手…というのは、その、そういう事をする…という事でしょうか…?」
「そうよ。相手が気持ちいいのかは私一人じゃわからないからね。良い点悪い点を評価して欲しいの。」
「あの……私、そういう経験が無くて…評価なんて出来るかどうか…。」
「大丈夫よ。感じた事を言葉にしてくれるだけでいいから。スル事自体は嫌じゃない?」
若干言いくるめた感があるけれど、ミュラがコクンと頷いてくれたのを確認し、ゆっくり距離を詰める。
「ミュラ!今日は来てくれてありがとう!内緒で家を出るの大変だったでしょ?」
「ふふ、大丈夫です。今日はお買い物に行くと伝えて出てきたの。ハイド様が街まで護衛でついて行くとおっしゃったんだけど、エレクトラ様の言う通り『ランジェリーを買いたいの』と言ったら、買い物が終わったら呼んで下さいと言って帰っていったわ。みんなに嘘をつくのは申し訳ないけど、王家からの依頼で作った魔法薬の試験だものね、私に協力できる事は喜んでいたします。」
そう。私はミュラに『王家からの依頼で作った魔法薬の効果を試したいから、協力して欲しい』と頼んでいた。
嘘…ではない。キュアネ王女様からこの薬が出来たら、内密に売って欲しいと言われている。
先日の誕生日パーティーでは元気の無かったミュラだけど、ここ最近は『私にできる事ならなんでもしたい!皆の役に立ちたい!』と意気込んでいると聞いていたけれど…どうやら本当だったみたい。
にっこり笑うミュラに後ろめたさを感じつつ、私はミュラの首にネックレスを着ける。
「これはね、おまじないのネックレス。今回手伝って貰うお礼よ。」
「わぁ、綺麗。ありがとうございます。」
「どういたしまして。ミュラには今日一日このネックレスを着けていて欲しいの。」
このネックレス、実は魔力の気配を消す効果がある。ミュラの魔力は強力だから、完全には隠しきれないかもしれないけれど…無いよりはマシよね。
*****
お屋敷について、ミュラはお祖父様とお祖母様に丁寧に挨拶をした。普段ぽわんとした雰囲気のミュラだけど、こういう時は公爵令嬢としての凛とした所作が素晴らしい。
お祖父様もお祖母様もミュラの美しさに最初は言葉を失っていたけれど、ミュラが手土産としてお菓子とお手製ポプリを渡すと、二人とも興味深そうにポプリを眺め始める。ミュラのポプリには魔力が込められてるから二人には良いオモチャよね。
挨拶を終えると、ミュラを3階の角部屋へと案内する。部屋の中央には大人が4人寝れそうなくらい大きなベッドが設置されている。今日の為にお祖母様が特注で大きなベッドを用意してくれた。
「さぁ、こっちよ。ベッドに座ってくれる?」
「ベッドに…ですか?」
頭にハテナマークを浮かべるミュラを誘導し、二人揃ってベッドの中央へと上がる。
「じゃあ、魔法薬の説明をするわね。ミュラは女の子同士のエッチの仕方を知ってる?」
「えっ!?…えっと…キスしたり…触り合うって事でしょうか?」
真っ赤な顔で答えるミュラ…これは知識として知ってるだけじゃないって顔ね。
「誰かとシタ事あるの?」
コクンと頷くミュラを見て嫉妬心が沸き上がる。
「その時に魔法薬は使った?」
「いいえ?使ってません。」
「そう。今日は女の子同士でエッチをする為の魔法薬なの。そういう薬があることは知ってる?」
「いえ…。今日はその魔法薬を私が飲めばいいんですか?」
「いいえ、魔法薬は私が飲むわ。この魔法薬を摂取すると男性器が生えてくるの。飾りとして生えてくるんじゃなくて、ちゃんと生殖器として機能するから、効果がある内は男性と変わらないわね。」
「そ…そんなものがあるんですね…。」
「恋愛観の多様性に伴い、こういう薬が必要とされているのよ。勿論、殿方同士でいたす場合の薬もあるわ。昔からある薬なんだけど、今回は私が改良を加えたの。薬を飲むのは私だけど、相手が居ないと試せないでしょう?だからミュラには私のお相手になって欲しいんだけど…。駄目かしら?」
「……お相手…というのは、その、そういう事をする…という事でしょうか…?」
「そうよ。相手が気持ちいいのかは私一人じゃわからないからね。良い点悪い点を評価して欲しいの。」
「あの……私、そういう経験が無くて…評価なんて出来るかどうか…。」
「大丈夫よ。感じた事を言葉にしてくれるだけでいいから。スル事自体は嫌じゃない?」
若干言いくるめた感があるけれど、ミュラがコクンと頷いてくれたのを確認し、ゆっくり距離を詰める。
10
あなたにおすすめの小説
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜
来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。
望んでいたわけじゃない。
けれど、逃げられなかった。
生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。
親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。
無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。
それでも――彼だけは違った。
優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。
形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。
これは束縛? それとも、本当の愛?
穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。
人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている
井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。
それはもう深く愛していた。
変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。
これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。
全3章、1日1章更新、完結済
※特に物語と言う物語はありません
※オチもありません
※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。
※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる