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本編
ご褒美カフェ
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下駄箱で大ちゃんと別れ、私と由妃ちゃんは『高校入学おめでとうパーティー』と称して駅前のカフェに来ていた。
フルーツや生クリームがたっぷり乗ったパンケーキが有名で、由妃ちゃんとは「ご褒美カフェ」と呼んでいる。
「ねぇ、美優。本当に相澤の事知らないの?」
「うん。あんなイケメンと私が接点あるわけないでしょ。今日が初対面だよ」
「でも相澤は1年前から美優を知ってるって言ってたでしょ?なんか怖くない?」
「うーん、あれって本当かな?適当な口説き文句じゃない?というか、私は告白自体がからかわれたんじゃないかって思ってる。だってあんなキラキライケメンと私だよ?絶対無いよ」
「美優は可愛いよ。それに相澤は全然イケメンじゃない」
「ありがとう、由妃ちゃん。でも由妃ちゃんと違って私は一度も告白された事無いし」
「あ~それは…(美優のせいじゃ無いかな)」
「きっと相澤君も罰ゲームか何かで隣の子に告白したパターンだよ。あぁ~やだな。あんなイケメンに絡まれたらクラスの女の子達に何か言われそう」
「その時はあたしが美優を守ってあげる」
「うぅ~、由妃ちゃん大好き」
私はイライラした気持ちを発散させるようにパンケーキをパクっと口に入れる。うぅ~ん、生クリームたっぷりで美味しい~っ。
「そういえば、1月22日ってショートケーキの日なんだね?私自分の誕生日なのに初めて知ったよ」
「あぁ、カレンダーの並びでいちご(15日)が22日の上に乗っているから、毎月22日はショートケーキの日って言うみたいよ?」
「へぇ、毎月22日なんだ。じゃあ1月22日限定じゃないんだね」
「ぷっ、だね。運命とか言ってたけど……。
あれ?何で相澤は美優の誕生日知ってるの?」
「そういえば…。何でだろう?名簿とか見たのかな?」
まぁ相澤君の事はどうでもいいか。
どうせもうクラスメイト以上に絡む事はないよね。私は美味しいパンケーキを頬張りながら今日の事は運が悪かったと思う事にした。
駅前で由妃ちゃんと別れ、パンケーキのカロリー消費の為に少し遠回りして歩いて家へ帰る。家の近くのコンビニ前を通りすぎようとした所、ちょうどコンビニから出てきた弟の伊織に声をかけられた。
「美優。今帰り?遅くない?」
「むっ、美優お姉ちゃんでしょ?」
「美優は美優でいいの。1歳しか違わないし、俺の方が精神年齢大人だしね」
「まったく生意気なんだから。昔は一緒に手を繋いで歩いて可愛かったのにな~」
「なんだよ、手ぐらい今でも繋いでやるよ」
そう言ってニヤリと笑いながら恋人繋ぎで手を絡めてくる。
中3の伊織はいつの間にか私より頭1つ分以上大きくなって、手も男の子らしくゴツゴツしてる。
「こういうのどこで覚えてくるの?……まさか伊織、彼女できたの!?」
「はぁ?いるわけないじゃん。俺は美優の世話で手一杯だよ」
「ちょっと!お世話してるのは私の方なんだけど!?」
「はいはい。ほら、早く帰るぞ。母さんが今日はご馳走って言ってた。美優の好きなハンバーグだって」
「やった!楽しみー!」
伊織と手をブンブン繋ぎながら帰る。
大好きなパンケーキを食べて、夜はハンバーグをお腹いっぱい食べて幸せになった私は、相澤君の事などすっかり忘れてぐっすり眠った。
フルーツや生クリームがたっぷり乗ったパンケーキが有名で、由妃ちゃんとは「ご褒美カフェ」と呼んでいる。
「ねぇ、美優。本当に相澤の事知らないの?」
「うん。あんなイケメンと私が接点あるわけないでしょ。今日が初対面だよ」
「でも相澤は1年前から美優を知ってるって言ってたでしょ?なんか怖くない?」
「うーん、あれって本当かな?適当な口説き文句じゃない?というか、私は告白自体がからかわれたんじゃないかって思ってる。だってあんなキラキライケメンと私だよ?絶対無いよ」
「美優は可愛いよ。それに相澤は全然イケメンじゃない」
「ありがとう、由妃ちゃん。でも由妃ちゃんと違って私は一度も告白された事無いし」
「あ~それは…(美優のせいじゃ無いかな)」
「きっと相澤君も罰ゲームか何かで隣の子に告白したパターンだよ。あぁ~やだな。あんなイケメンに絡まれたらクラスの女の子達に何か言われそう」
「その時はあたしが美優を守ってあげる」
「うぅ~、由妃ちゃん大好き」
私はイライラした気持ちを発散させるようにパンケーキをパクっと口に入れる。うぅ~ん、生クリームたっぷりで美味しい~っ。
「そういえば、1月22日ってショートケーキの日なんだね?私自分の誕生日なのに初めて知ったよ」
「あぁ、カレンダーの並びでいちご(15日)が22日の上に乗っているから、毎月22日はショートケーキの日って言うみたいよ?」
「へぇ、毎月22日なんだ。じゃあ1月22日限定じゃないんだね」
「ぷっ、だね。運命とか言ってたけど……。
あれ?何で相澤は美優の誕生日知ってるの?」
「そういえば…。何でだろう?名簿とか見たのかな?」
まぁ相澤君の事はどうでもいいか。
どうせもうクラスメイト以上に絡む事はないよね。私は美味しいパンケーキを頬張りながら今日の事は運が悪かったと思う事にした。
駅前で由妃ちゃんと別れ、パンケーキのカロリー消費の為に少し遠回りして歩いて家へ帰る。家の近くのコンビニ前を通りすぎようとした所、ちょうどコンビニから出てきた弟の伊織に声をかけられた。
「美優。今帰り?遅くない?」
「むっ、美優お姉ちゃんでしょ?」
「美優は美優でいいの。1歳しか違わないし、俺の方が精神年齢大人だしね」
「まったく生意気なんだから。昔は一緒に手を繋いで歩いて可愛かったのにな~」
「なんだよ、手ぐらい今でも繋いでやるよ」
そう言ってニヤリと笑いながら恋人繋ぎで手を絡めてくる。
中3の伊織はいつの間にか私より頭1つ分以上大きくなって、手も男の子らしくゴツゴツしてる。
「こういうのどこで覚えてくるの?……まさか伊織、彼女できたの!?」
「はぁ?いるわけないじゃん。俺は美優の世話で手一杯だよ」
「ちょっと!お世話してるのは私の方なんだけど!?」
「はいはい。ほら、早く帰るぞ。母さんが今日はご馳走って言ってた。美優の好きなハンバーグだって」
「やった!楽しみー!」
伊織と手をブンブン繋ぎながら帰る。
大好きなパンケーキを食べて、夜はハンバーグをお腹いっぱい食べて幸せになった私は、相澤君の事などすっかり忘れてぐっすり眠った。
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