【R18】ショートケーキHoney~異常な程溺愛してくる彼氏に私の心臓が持ちません~

しろ

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本編

ご褒美カフェ

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下駄箱で大ちゃんと別れ、私と由妃ちゃんは『高校入学おめでとうパーティー』と称して駅前のカフェに来ていた。
フルーツや生クリームがたっぷり乗ったパンケーキが有名で、由妃ちゃんとは「ご褒美カフェ」と呼んでいる。

「ねぇ、美優。本当に相澤の事知らないの?」

「うん。あんなイケメンと私が接点あるわけないでしょ。今日が初対面だよ」

「でも相澤は1年前から美優を知ってるって言ってたでしょ?なんか怖くない?」

「うーん、あれって本当かな?適当な口説き文句じゃない?というか、私は告白自体がからかわれたんじゃないかって思ってる。だってあんなキラキライケメンと私だよ?絶対無いよ」

「美優は可愛いよ。それに相澤は全然イケメンじゃない」

「ありがとう、由妃ちゃん。でも由妃ちゃんと違って私は一度も告白された事無いし」

「あ~それは…(美優のせいじゃ無いかな)」

「きっと相澤君も罰ゲームか何かで隣の子に告白したパターンだよ。あぁ~やだな。あんなイケメンに絡まれたらクラスの女の子達に何か言われそう」

「その時はあたしが美優を守ってあげる」

「うぅ~、由妃ちゃん大好き」

私はイライラした気持ちを発散させるようにパンケーキをパクっと口に入れる。うぅ~ん、生クリームたっぷりで美味しい~っ。

「そういえば、1月22日ってショートケーキの日なんだね?私自分の誕生日なのに初めて知ったよ」

「あぁ、カレンダーの並びでいちご(15日)が22日の上に乗っているから、毎月22日はショートケーキの日って言うみたいよ?」

「へぇ、毎月22日なんだ。じゃあ1月22日限定じゃないんだね」

「ぷっ、だね。運命とか言ってたけど……。
あれ?何で相澤は美優の誕生日知ってるの?」

「そういえば…。何でだろう?名簿とか見たのかな?」

まぁ相澤君の事はどうでもいいか。
どうせもうクラスメイト以上に絡む事はないよね。私は美味しいパンケーキを頬張りながら今日の事は運が悪かったと思う事にした。


駅前で由妃ちゃんと別れ、パンケーキのカロリー消費の為に少し遠回りして歩いて家へ帰る。家の近くのコンビニ前を通りすぎようとした所、ちょうどコンビニから出てきた弟の伊織いおりに声をかけられた。

「美優。今帰り?遅くない?」

「むっ、美優でしょ?」

「美優は美優でいいの。1歳しか違わないし、俺の方が精神年齢大人だしね」

「まったく生意気なんだから。昔は一緒に手を繋いで歩いて可愛かったのにな~」

「なんだよ、手ぐらい今でも繋いでやるよ」

そう言ってニヤリと笑いながら恋人繋ぎで手を絡めてくる。
中3の伊織はいつの間にか私より頭1つ分以上大きくなって、手も男の子らしくゴツゴツしてる。

「こういうのどこで覚えてくるの?……まさか伊織、彼女できたの!?」

「はぁ?いるわけないじゃん。俺は美優の世話で手一杯だよ」

「ちょっと!お世話してるのは私の方なんだけど!?」

「はいはい。ほら、早く帰るぞ。母さんが今日はご馳走って言ってた。美優の好きなハンバーグだって」

「やった!楽しみー!」

伊織と手をブンブン繋ぎながら帰る。

大好きなパンケーキを食べて、夜はハンバーグをお腹いっぱい食べて幸せになった私は、相澤君の事などすっかり忘れてぐっすり眠った。
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